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台北孔子廟

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
台北孔子廟
台北孔子廟 大成殿
各種表記
繁体字 臺北孔子廟
拼音 Táiběi Kǒngzǐ Miào
日本語読み: たいぺいこうしびょう
たいほくこうしびょう
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台北孔子廟(たいぺいこうしびょう)または台北市孔廟[1]台北市大同区大龍街中国語版にある孔子廟[2]台南孔子廟と並ぶ台湾の代表的な孔子廟[3]

1875年から1907年まで存在した台北府文廟中国語版を前身として、1929年再建。2008年修復[4]

学業成就を祈る参拝者が多く、ギフトショップや体験型ミュージアムがある観光スポットにもなっている[4]

歴史

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1932年撮影

清朝統治時代1875年光緒元年)[4][5]、前身である台北府文廟中国語版が、台北最初の孔子廟として建立された(台湾最初は台南孔子廟[6]。場所は現在と異なり、台北府城南門そば(文武街)にあった[7]

日本統治時代、台北府文廟は病院(台北衛戍病院英語版)として転用され[8]孔子位牌等は別所に保管された[9]1907年明治40年)解体され、跡地は学校(台北第一女子学校台北第一師範学校)となった[8]

1925年大正14年)陳培根[8]黄賛鈞[8]辜顕栄[8][10]井村大吉[10]らが再建団体を結成し、1929年昭和4年)着工1955年民国44年)竣工した[8]

中華民国遷台後、台北が首都になると、中華民国の中核的な孔子廟となった[6]1950年には、蒋介石が「有教無類」の扁額を寄贈した[11][12]

1951年、民営から官民合営となり、1972年、大陸の文化大革命に対抗する中華文化復興運動中国語版のなかで、「台北市孔廟管理委員会」による官営となった[11]

2006年、清代台湾の教育家である陳維英が入祀された[13]

2008年国民党馬英九政権下で修復工事が行われた[14]。馬英九は「道貫徳明」の扁額を寄贈した[11]

2011年、「六芸」がテーマのタッチパネルなどを使った体験型ミュージアムがオープンした[4]

釋奠

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釋奠が毎年9月28日(孔子の誕生日[11][4]教師節[4]仲秋[11])に行われている[11]

1907年の解体から再建までは、跡地の学校や龍山寺保安宮の敷地を借りて釋奠が行われた[9]。再建から遷台までは、日本語による「読祝」や、戦中の湯島聖堂に倣った神道式の祭礼が行われた[15][16]

遷台後は、台北市長が「正献官」(主祭)を務め、総統代理が上香に参加するのが定例となっている[11]。2008年の釋奠では、国民党馬英九が歴代総統で初めて出席・上香した[11]

1970年前後の中華文化復興運動中国語版のなかで、祭礼様式が制定された[11]1975年に再建された沖縄久米至聖廟は、台北孔子廟の祭礼様式の影響を受けている[17]

ギャラリー

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周辺施設

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関連項目

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脚注

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  1. ^ 水口 2018, p. 41.
  2. ^ 講談社 世界の観光地名がわかる事典『台北の孔子廟』 - コトバンク
  3. ^ 水口 2018, p. 30.
  4. ^ a b c d e f 孔子廟”. taipei. 株式会社台湾ナビトラベルサービス. 2024年11月2日閲覧。
  5. ^ 小林 2022, p. 29.
  6. ^ a b 石垣 2020, p. 26.
  7. ^ 小林 2022, p. 29-32.
  8. ^ a b c d e f 小林 2022, p. 33.
  9. ^ a b 水口 2018, p. 33.
  10. ^ a b 水口 2018, p. 35.
  11. ^ a b c d e f g h i 石垣 2020, p. 27.
  12. ^ 水口 2018, p. 39.
  13. ^ 小林 2022, p. 39.
  14. ^ 小林 2022, p. 48.
  15. ^ 石垣 2020, p. 30.
  16. ^ 水口 2018, p. 38.
  17. ^ 石垣 2020, p. 33.

参考文献

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  • 石垣直「戦後沖縄における釈奠復興 : 『具志堅以徳収集文書』他にみる台北市孔廟からの影響」『南島文化』第43号、沖縄国際大学南島文化研究所、2020年http://hdl.handle.net/2308/00003713 CRID 1050290537412712320
  • 小林和彦「台北孔子廟について : 台北孔子廟と日本との関連に於ての素描」『關西大學中國文學會紀要』第43号、關西大學中國文學會、2022年https://doi.org/10.32286/00026443 CRID 1390854882594932224
  • 水口拓寿「台湾における「孔子廟と日本」の百二十年 : 統治者たちの視線をたどって」『宗教学論集』第37号、駒沢宗教学研究会、2018年https://doi.org/10.34586/komarel.2018.37_29 CRID 1520572358827393792