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南北共同連絡事務所

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南北連絡事務所から転送)
南北共同連絡事務所(南)
北南共同連絡事務所(北)
남북공동연락사무소
북남공동련락사무소
Inter-Korean Liaison Office
組織の概要
設立年月日2018年9月14日
解散年月日2020年6月5日(閉鎖発表)[1]
2020年6月16日(爆破)
管轄朝鮮民主主義人民共和国の旗 朝鮮民主主義人民共和国
大韓民国の旗 大韓民国
本部所在地朝鮮民主主義人民共和国の旗 朝鮮民主主義人民共和国 開城工業地区
北緯37度55分58.7秒 東経126度37分18.7秒 / 北緯37.932972度 東経126.621861度 / 37.932972; 126.621861座標: 北緯37度55分58.7秒 東経126度37分18.7秒 / 北緯37.932972度 東経126.621861度 / 37.932972; 126.621861
行政官
  • 田鍾秀(北朝鮮代表:2019年3月22日まで)
  • 徐虎(韓国代表)
南北共同連絡事務所
北朝鮮での呼称
チョソングル북남공동련락사무소
漢字北南共同連絡事務所
発音記号
RR式Bungnam gongdong ryeollak samuso
MR式Pungnam kongdong ryŏllak samuso
韓国での呼称
ハングル남북공동연락사무소
漢字南北共同連絡事務所
発音記号
RR式Nambuk gongdong yeollak samuso
MR式Nambuk kongdong yŏllak samuso

南北共同連絡事務所または北南共同連絡事務所[2]朝鮮語: 남북공동연락사무소(南) / 북남공동련락사무소(北)英語: Inter-Korean Liaison Office)は、かつて開城工業地区に存在していた連絡事務所である。正式な外交関係がない南北朝鮮の窓口として、大韓民国(韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が共同で運営していた。

概要

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2018年4月27日板門店で開催された南北首脳会談において、韓国大統領文在寅と北朝鮮国務委員会委員長朝鮮労働党委員長)の金正恩が連名で発表した『板門店宣言』に基づき、北朝鮮側の開城工業地区に設置された。実質的には、北朝鮮における韓国の事実上の大使館英語版として機能[3][4]し、南北朝鮮間を直接繋ぐ連絡チャンネルとしての役割を担っていた。

事務所の所長として、韓国側からは統一部次官の千海成朝鮮語版(チョン・ヘソン/천해성)、北朝鮮側からは祖国平和統一委員会副委員長の田鍾秀(チョン・ジョンス/전종수)の二人が就任した。ただし、2019年3月22日に田鍾秀が撤収してからは北朝鮮側所長が不在となっていた。

中央日報によれば、連絡事務所を建設することにした当時、土地は北朝鮮の所有地だが建設費は韓国側が全額負担することにし、韓国政府は南北首脳会談があった2018年に南北共同連絡事務所建設として103億ウォン、翌2019年に54億3800万ウォン、2020年は5月までで11億4500万ウォンを投じ、建設費と運営費などとして3年間に使用された金額は総額168億8300万ウォン(約15億)に及んた[5]。また統一部が公開した資料によると、南北がやりとりした文書は事務所開設後の2018年9月14日から2020年5月30日までで韓国から北朝鮮へ72件、北朝鮮から韓国へ60件で合計132件であり、具体的な内容には言及しなかったが、交流協力事業関連が85件、当局会談と実務会議関連が31件、遺体引き渡し関連が16件の順だと明らかにした[5]

2020年6月5日北朝鮮の最高指導者である金正恩党委員長を批判するビラ軍事境界線以北に向けて飛ばす脱北者団体への韓国側の対応を不満とした北朝鮮側が施設の閉鎖を発表[1]、同月16日午後2時49分ごろに北朝鮮により爆破・破壊された[6][7][8]

歴史

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2018年4月、板門店で開催された南北首脳会談で南北共同連絡事務所の設置について合意[9]。2018年9月、開城に開所した[9]。共同連絡事務所は2005年に開所した南北交流協力協議事務所の建物を改・補修して使用されていた[10][11]

週1回、事務所の両代表による定例協議を開催[9]。しかし、2019年2月米朝首脳会談(ハノイ会談)以降は事務所の両代表による定例協議は中断した[9]

2019年3月22日、北朝鮮は南北共同連絡事務所から全職員を引き揚げた[9]。韓国は北朝鮮に早期に復帰するよう要求しており、韓国側職員は南北共同連絡事務所での勤務を継続[9]。3月25日、北朝鮮側職員の一部が業務に復帰し、29日には撤収以前の水準に戻ったが、依然として所長や所長代理は不在であり、所長会議は中断したままであった[12]

2020年1月30日、新型コロナウイルスが世界的に広がる中、南北連絡代表が協議を開き、事態が収束するまで、連絡事務所の運営を暫定的に中止することを決めた。今後、韓国側の全職員は早期に撤収し、閉鎖期間中の南北間連絡手段として、ソウル・平壌間の直通電話とファクスを開設し、南北間連絡チャンネルは維持するものとした[13]

2020年6月5日、朝鮮労働党統一戦線部は韓国の脱北者団体が金正恩党委員長を批判するビラを北朝鮮に向けて飛ばすことを韓国政府が放置していることを理由に、南北接触の窓口となっている共同連絡事務所を閉鎖すると発表した[1][14]。統一戦線部の発表によると、共同連絡事務所の閉鎖は金正恩の妹で党第一副部長の金与正の指示によるものとしている[1]

2020年6月16日午後2時49分、同事務所は北朝鮮に爆破された[15][16][7][8]。なお前述の通り、既に閉鎖されている状態だった。

2020年6月17日、金与正は新たな談話を発表し、そこで脱北者団体のビラ散布が『板門店宣言』第2条第1項「軍事境界線一帯で拡声器放送とビラ散布をはじめとする全ての敵対行為を中止する」とした条項に違反したとして、脱北者団体のビラ散布を黙認してきた韓国側を厳しく非難した[17][18]

2023年6月14日、韓国政府は北朝鮮政府に爆破した事に対する損害賠償として447億ウォンの支払いを求めてソウル中央地裁に提訴した[19]

出典

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  1. ^ a b c d 北朝鮮 韓国との連絡事務所閉鎖へ キム委員長への批判ビラ受け”. NHKNEWSWEB (2020年6月6日). 2020年6月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月16日閲覧。
  2. ^ 배신자들과 쓰레기들을 결단코 오물통에 쓸어버리자 우리 공화국의 중대조치를 전적으로 지지찬동한다 재중조선인총련합회 성명労働新聞わが民族同士.
  3. ^ Hopes rise as two Koreas open de facto joint embassy on North's side of border - Channel NewsAsia (英語)
  4. ^ At Korea summit, Kim Jong-un says he expects further progress in talks with the United States (英語)
  5. ^ a b 南北共同連絡事務所爆破とともに税金170億ウォンも吹き飛んだ”. 中央日報 (2020年6月16日). 2020年6月16日閲覧。
  6. ^ 北朝鮮、南北共同連絡事務所を爆破 韓国統一省, 日本経済新聞, 2020年6月16日
  7. ^ a b 北朝鮮が南北共同連絡事務所を爆破=韓国統一省」『BBCニュース』2020年6月16日。2020年6月16日閲覧。
  8. ^ a b 北朝鮮が南北共同連絡事務所を爆破-韓国政府”. Bloomberg.com. 2020年6月16日閲覧。
  9. ^ a b c d e f 北朝鮮、連絡事務所から撤収=南北融和に暗雲”. 時事通信 (2019年3月22日). 2019年3月22日閲覧。
  10. ^ 金与正氏の警告から3日ぶりに…北、南北連絡事務所を爆破した”. 中央日報日本語版 (2020年6月16日). 2020年6月16日閲覧。
  11. ^ 北朝鮮と韓国が緊張状態 「南北共同連絡事務所」爆破が示す意味”. 2020年10月10日閲覧。
  12. ^ 北朝鮮側人員が一部復帰 開城の南北連絡事務所 - 産経ニュース
  13. ^ 開城・南北連絡事務所の運営休止 新型肺炎終息まで=韓国当局 - 聯合ニュース
  14. ^ 北が連絡事務所を「断固撤廃」と表明 与正氏が統括”. 産経新聞 (2020年6月16日). 2020年6月6日閲覧。
  15. ^ 통일부 “北, 16일 오후2시49분 개성 공동연락사무소 청사 폭파””. 東亜日報 (2020年6月16日). 2020年6月16日閲覧。
  16. ^ 開城の南北共同連絡事務所が爆破か、北が破壊示唆の施設 : 国際 : ニュース”. 読売新聞オンライン (2020年6月16日). 2020年6月16日閲覧。
  17. ^ 朝鮮労働党中央委員会の金與正第1副部長が談話発表”. www.uriminzokkiri.com. わが民族同士 (2020年6月18日). 2020年6月19日閲覧。
  18. ^ 八島有佑 (2020年6月20日). “北朝鮮と韓国が緊張状態 「南北共同連絡事務所」爆破が示す意味”. コリアワールドタイムズ. 2020年6月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月25日閲覧。
  19. ^ “韓国、北朝鮮を損賠提訴 連絡事務所爆破で”. 共同通信. (2023年6月14日). https://nordot.app/1041664301384302739 2023年6月15日閲覧。 

関連項目

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