區諾軒
區 諾軒 Au Nok-hin (english name) | |
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區諾軒、2015年撮影 | |
生年月日 | 1987年6月18日(37歳) |
出生地 | イギリス領香港 |
出身校 |
聖若瑟英文中学 香港中文大学 |
前職 | 立法会議員 |
現職 | 香港城市大学専上学院兼任講師 |
所属政党 | 民主党 (香港)(2010-2017年)、無所属(2017-) |
選挙区 | 香港島 |
当選回数 | 1回 |
在任期間 | 2018年3月12日 - 2019年12月17日 |
區諾軒(英語: Au Nok-hin 、発音転記:アウ・ノックヒン、アウノックヒン、ひらがな表記による日本語名:おう・だくけん、1987年6月18日 - )は、香港の政治家。元香港立法会議員(香港島、2018~19年)、南区区議員(2012~2019年)。2018年香港立法会補欠選挙で議員に選出されたものの、2019年12月17日、香港終審法院(最高裁)によって当選が「不適当」だとして資格を取り消された。香港城市大学専上学院兼任講師、東京大学公共政策大学院博士後期課程在学中。區諾軒は、2021年1月6日、香港国家安全維持法違反により逮捕された53名うちの1人である[1][2][3]。そして區は「2021年2月28日、当初より5週間早く警察署に再出頭」を求められ、その後起訴された。現在収監中である[4][5]。香港国家安全維持法によるもの[6][7][8][9][10]。
略歴
[編集]香港中文大学政治公共行政学科学士、研究修士修了。大学在学中に東京学芸大学へ交換留学し、杉並区の左翼活動家松本哉と知り合い、日本地方政治とまちづくりの興味が初めて浮かんだ[11]。
2011年に学士学位を取得した後、香港南区、利東一選挙区で区議選に出馬、初当選。2015年に二期当選した。民主党 (香港)副主席羅健熙と連携し、共に当選したことから、「利東コンボ」と呼ばれる。
2016年、民主派連盟てある民間人権陣線の召集人に着任した。翌年民主党離党[12] 。
民主派議員6人が全人代の基本法解釈と政府の司法審査により、議員資格剥奪となった。香港ポストによれば、香港衆志の周庭の立候補届け出が無効になったため、區は民主派の代表として立候補して当選した[13]。
逃亡犯条例改正に反対する抗議活動で、即時撤回に向けて協力を求める書簡を日本政府に送ると発表した。書簡では「香港を訪れる日本のビジネスマンや観光客も中国本土に引き渡すことが可能になる」と指摘。改正案の即時撤回は日本にも利点が大きいと強調した[14]。
高裁は2019年9月、選挙管理委員会の決定について、手続きが「立候補予定者の主張を十分に聞き取っておらず不当」であり、その後区氏の当選も「不適当なものだ」と判断し、資格を取り消された[15]。
2020年香港立法会選挙民主派陣営の候補者調整を進める「35+計画」で香港大学法学副教授、中環占拠の主催者戴耀廷と主催している。産経新聞によれば、戴の「一人ではできない、手伝ってほしい」との言葉を受けてのもの[16]。
2020年7月15日付のドイツ国際公共放送及びロイターによると、區諾軒は2020年7月14日、香港立法会選挙予備選の主催者を辞退した。林鄭月娥香港行政長官による「予備選は香港国家安全維持法違反」になるとの警告を受けてのもの[17][18]。
現在、東京大学公共政策大学院博士後期課程在学中[19][20]。産経新聞によれば、夢は東京大学公共政策大学院で博士号を取り、政治家として、より良い政策を立案することである。
国安法による収監
[編集]區諾軒は、2021年1月6日香港で民主派53名が香港国家安全維持法により逮捕された内の一人である[21]。阿古智子東京大学教授によれば、当時區は、日本から帰国直後で隔離中であった[20]。
區は違法集会違反容疑による裁判も抱え[20][22][23]、さらに2021年2月28日午後2時、当初より5週間早く香港国家安全維持法により再出頭が求められ、同日起訴、のちに収監された[7][8][9]。なお香港紙立場新聞には、14時間の裁判を受け移送される區諾軒の写真が載せられている[24]。
東大 非難声明
[編集]區諾軒の逮捕・起訴を受けて、2021年3月1日、東京大学公共政策大学院は「この逮捕は、我々の全面的な協力を受けた彼の博士号取得研究の決意に対する侵害行為である。私たちは彼が受けたこの起訴がすぐに晴れることを確信し、本来彼がいるべきここに戻ってくることを切に願っている」と非難声明を発表した[25] 。
保釈申請取り下げ
[編集]2021年3月12日付香港フリープレスによると、香港国家安全法により収監中の區諾軒は、保釈申請を取り下げた[26]なお、周庭と共に區の立法会議会議員時代を支えた袁嘉蔚(ティファニーユン)の保釈申請は却下されている[26]。
9週間の実刑判決
[編集]2021年3月23日付の香港公共放送RTHK電子版によると、警察に対しメガホンで抵抗したことを罪に問われていた區諾軒に対する控訴審は、9週間の実刑判決となった。2019年6月8日香港旺角(モンコック)地区での警官隊とデモ隊との間での事件。裁判で警官側は區が警官の防具をメガホンで叩いたことや、大きな音で別の警官の耳を傷めたことを主張。一方、弁護側は區がお互いが争うことを止めるために警官と話し合おうとしていたことや、デモを取材していたレポーター達が警官側の攻撃により倒されたことに、區が強く反応してしまったことを主張した。裁判では警察側の主張が認められ、9週間の懲役となった。なお下級審では140時間の社会奉仕活動という判決であった。検察側がこれを不服とし、上訴したもの。
裁判後區は支持者に向かって「みんな元気を出せ。明日がある」と呼びかけた[27]。
2つ目の実刑判決
[編集]2021年4月17日、區諾軒は、2019年8月の未許可の大規模平和デモに参加したことを罪に問われ、10カ月の実刑判決を受けた[28]。
またこの裁判では區諾軒以外にも、香港民主主義の父と言われた李柱銘(マーティン・リー)も禁錮11カ月(執行猶予付き)の有罪判決を受けたほか[29]、中国共産党に対し長らく香港において批判的メディア蘋果日報(アップル・デイリー)を主宰して来た黎智英(ジミー・ライ)も、1年2カ月の禁錮刑となった[29]。
選挙条例違反での起訴
[編集]2021年8月2日、選挙条例違反罪で歌手の黄耀明と共に廉政公署に起訴された。2018年3月3日に香港中心部で行われた立法会補欠選挙の選挙集会で、黄は2曲歌い、區への投票を呼び掛けたという[30]。
人物
[編集]本人のフェイスブックによれば、ガンダムを含めたアニメ好きであり、アニメフェスティバルではゲストコメンテーターとして活躍している[31]。
脚注
[編集]- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2021年1月6日). “香港当局、民主派を50人以上逮捕 予備選に関与の米国人弁護士も”. 産経ニュース. 2021年2月12日閲覧。
- ^ “(社説)香港一斉逮捕 民意封じ込めの弾圧だ:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2021年2月12日閲覧。
- ^ “Hong Kong Police Arrest Dozens of Opposition Politicians, Activists For 'Subversion'” (英語). Radio Free Asia. 2021年2月18日閲覧。
- ^ “香港民主派 収監前に危機訴え 全人代前に“排除”進む”. FNNプライムオンライン. 2021年3月7日閲覧。
- ^ “【47 人案專頁】未審先囚 他們會被囚禁多久? | 互動專頁 | 立場新聞” (中国語). 立場新聞 Stand News. 2021年3月9日閲覧。
- ^ “【致自由】因初選或被起訴還柙 好撚喜歡香港的他們 「最後一天」怎樣過 | 立場人語 | 立場新聞” (中国語). 立場新聞 Stand News. 2021年2月28日閲覧。
- ^ a b “香港、民主派議員ら47人を国安法違反で起訴 黄之鋒氏も”. 毎日新聞. 2021年2月28日閲覧。
- ^ a b “【不斷更新】民主派 47 人被控「串謀顛覆國家政權」 須通宵扣留明西九提堂 | 立場報道 | 立場新聞” (中国語). 立場新聞 Stand News. 2021年2月28日閲覧。
- ^ a b “【初選大搜捕】落案起訴? 警方要求被捕人 提早 2.28 到警署報到 | 立場報道 | 立場新聞” (中国語). 立場新聞 Stand News. 2021年2月27日閲覧。
- ^ Candice Chau (2021年2月26日). “Democrats arrested in mass security law roundup told to report to police five weeks early, some expect to be charged” (英語). Hong Kong Free Press HKFP. 2021年2月27日閲覧。
- ^ kind_mingson (kind_mingson). “兩類區議員兩段奮鬥史”. 隨意窩 Xuite日誌. 2020年6月16日閲覧。
- ^ 陳小瑜 (2017年9月21日). “區諾軒宣布退出民主黨 欲實踐政治信念而無罣外” (中国語). 香港01. 2020年6月16日閲覧。
- ^ Yamamoto. “区諾軒氏、「香港独立」は主張しないと強調【香港―政治】 – 香港ポスト | 香港日本語新聞”. 2020年6月16日閲覧。
- ^ “香港議員、日本に協力求める 改正案「観光客にも関係」:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2020年6月16日閲覧。
- ^ “香港民主派2議員、資格失う 当選は「不適当」:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2020年6月16日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2020年7月20日). “【香港に生きる】予備選支えた区氏 4度目の逮捕の危機 訪日へ夢も”. 産経ニュース. 2021年2月17日閲覧。
- ^ Welle (www.dw.com), Deutsche. “Hong Kong pro-democracy lawmaker Au Nok-hin resigns over security law concern | DW | 15.07.2020” (英語). DW.COM. 2021年2月15日閲覧。
- ^ 「香港民主派の予備選、主催者1人が撤退表明 国安法巡る圧力で」『Reuters』。2021年2月17日閲覧。
- ^ 鄭寶生 (2020年3月11日). “【立法會選舉】區諾軒赴東京大學讀博士 寄語泛民過半有兩大意義” (中国語). 香港01. 2020年6月16日閲覧。
- ^ a b c “アウくん、どうか一日も早く、 日本で大学院の学業を再開できますように| 阿古智子”. 出版舎ジグ (2021年1月7日). 2021年2月6日閲覧。
- ^ “香港警察、民主派53人を一斉逮捕 国安法違反の疑いで過去最多 弾圧を強化:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2021年2月6日閲覧。
- ^ Welle (www.dw.com), Deutsche. “Hong Kong: Two activists plead guilty to illegal assembly | DW | 16.02.2021” (英語). DW.COM. 2021年2月23日閲覧。
- ^ Staff, Reuters「19年の香港大規模デモ、民主派2人が違法集会の罪認める」『Reuters』2021年2月16日。2021年2月23日閲覧。
- ^ “【47 人案】超長時間聆訊後送收押所待今早再提堂 眾被告通宵折騰 全無休息時間 | 立場報道 | 立場新聞” (中国語). 立場新聞 Stand News. 2021年3月3日閲覧。
- ^ “香港での區諾軒氏の起訴に関して”. GraSPP (2021年3月1日). 2021年3月3日閲覧。
- ^ a b Cheng, Selina (2021年3月12日). “Democrats remanded in custody after judge upholds decision to deny bail” (英語). Hong Kong Free Press HKFP. 2021年3月13日閲覧。
- ^ “Au Nok-hin given jail term over loudhailer assaults - RTHK” (英語). news.rthk.hk. 2021年3月24日閲覧。
- ^ “Five of nine activists jailed for up to 18 months - RTHK” (英語). news.rthk.hk. 2021年4月27日閲覧。
- ^ a b “香港の新聞創業者ら民主活動家に実刑 民主派デモで”. BBCニュース (2021年4月17日). 2021年4月27日閲覧。
- ^ “香港歌手を選挙「不正」で起訴 民主派の補選集会”. 産経新聞 (2021年8月2日). 2021年8月3日閲覧。
- ^ “區諾軒 Au Nok-hin”. www.facebook.com. 2021年2月13日閲覧。