北原尚彦
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北原 尚彦(きたはら なおひこ、1962年12月10日 - )は、日本のミステリ・SF・ホラー小説家、翻訳家、エッセイスト、アンソロジスト。古書研究家でシャーロック・ホームズ研究家。
経歴・人物
[編集]本名同じ。成蹊中学校・高等学校を経て、青山学院大学理工学部物理学科卒業。大学では青山学院大学推理小説研究会に所属した。
「本の雑誌」ほかで古書エッセイを執筆している。また世界中のシャーロック・ホームズ関連の書籍収集でも知られる日本有数のシャーロキアンであり[1]、コナン・ドイル、ホームズものの翻訳アンソロジーも数多く編纂、翻訳している。日本シャーロック・ホームズ・クラブ会員。2015年、『シャーロック・ホームズの蒐集』で第68回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補。2019年、『シャーロック・ホームズの古典事件帖』にて、第41回日本シャーロック・ホームズ大賞を受賞。
日本SF作家クラブ会員(2013年9月より第21代事務局長)であり、その後、退会していたが、2021年4月に再入会した[2]。
作品リスト
[編集]小説
[編集]「ホームズ君は恋探偵」シリーズ
[編集]北原なおみ名義で刊行。
- 『ホームズ君は恋探偵』(講談社X文庫ティーンズハート) 1990年4月
- 『緋色のリップスティック』(講談社X文庫ティーンズハート) 1990年6月
- 『4年目のラブサイン』(講談社X文庫ティーンズハート) 1990年7月
- 『消えた卒業写真』(講談社X文庫ティーンズハート) 1990年11月
- 『秘密のラブメッセージ』(講談社X文庫ティーンズハート) 1991年12月
「スペース・プリンセス・ヒカリ」シリーズ
[編集]- 『銀星号発進せよ!』(白泉社) 1992年3月
- 『惑星バラシマ2の反乱!』(白泉社) 1992年6月
- 『惑星シマベーナの怪猫!』(白泉社) 1992年11月
「ホームズ連盟」シリーズ
[編集]- 『ホームズ連盟の事件簿』(祥伝社) 2014年10月、のち祥伝社文庫 2017年3月
- 収録作品:「ケンジントン診療所の怪」「読書好きな泥棒」「グレヴィレア屋敷の秘密」「バスカヴィル秘話」「不正規隊長の回想」「女豹と毒蛇」
- 『ホームズ連盟の冒険』(祥伝社) 2016年2月、のち祥伝社文庫 2019年5月
- 収録作品:「犯罪王の誕生」「蒼ざめた双子の少女」「アメリカからの依頼人」「ディオゲネス・クラブ最大の危機」「R夫人暗殺計画」「ワトスンになりそこねた男」
その他の小説
[編集]- 『霧幻帝都』(エニックス) 2001年2月
- 『首吊少女亭』(出版芸術社) 2007年8月、のち角川ホラー文庫 2010年2月
- 収録作品:「眷属」「下水道」「新人審査」「人造令嬢」「貯金箱」「凶刃」「活人画」「火星人秘録」「遺棄船」「怪人撥条足男」「愛書家倶楽部」「首吊少女亭」
- 『死美人辻馬車』(講談社文庫) 2010年6月
- 収録作品:「蜜月旅行」「朋類」「帰去来」「鏡迷宮」「秘百合」「映画発明者」「死美人辻馬車」「屍衣館怪異譚」「袋笛奏者」
- 『ジョン、全裸連盟へ行く』(ハヤカワ文庫JA) 2014年9月
- 収録作品:「ジョンの推理法修業」「ジョン、全裸連盟へ行く」「ジョンと人生のねじれた女」「ジョンと美人サイクリスト」「ジョン、三恐怖館へ行く」「ジョンとまだらの綱」
- 『シャーロック・ホームズの蒐集』(東京創元社) 2014年11月、のち創元推理文庫 2018年3月
- 収録作品:「遅刻しがちな荷馬車の事件」「結ばれた黄色いスカーフの事件」「ノーフォークの人狼卿の事件」「詮索好きな老婦人の事件」「 憂慮する令嬢の事件」「曲馬団の醜聞の事件」
単行本未収録作品
[編集]- 「CO*GIL*A対ゴジラ」(『ゴジラ「超」事典(ウルトラ マニュアル)』編著:GODZILLA愛好会、飛天出版、1998年)
- 「ジョンとライゲイトの大王烏賊」(『ミステリマガジン』2015年2月号)
- 「ジョンと技師の足指」(『ミステリマガジン』2015年5月号)
- 「ジョンと小猫フランシスの失踪」(『ミステリマガジン』2015年7月号)
- 「ジョンと〈緑輪のゴブリン団〉」(『ミステリマガジン』2015年9月号)
- 「ジョンと青いマーメイド」(『ミステリマガジン』2015年11月号)
- 「ジョンと赤いディスク」(『ミステリマガジン』2016年5月号)
- 「ジョン、モモ屋敷へ行く」(『ミステリマガジン』2017年9月号)
- 「ジョンと三人のJK」(『ミステリマガジン』2020年3月号)
- 「化学者の親指」(『ミステリマガジン』2023年5月号)
- 「恐怖の谷異聞」(『ミステリマガジン』2023年5月号) - カタリーナ・I・フーカー著、母置孝則訳として掲載された北原の創作作品[3]
ノベライズ
[編集]- 『スターオーシャン Till the End of Time Side 1 惑星ハイダ~エリクール2号星』(スクウェア・エニックス) 2003年7月
- 『スターオーシャン Till the End of Time Side 2 王都アーリグリフ~聖王都シランド』(スクウェア・エニックス) 2003年9月
- 『スターオーシャン Till the End of Time Side 3 バンデーン襲来~タイムゲート』(スクウェア・エニックス) 2003年11月
- 『スターオーシャン Till the End of Time Side 4 Final』(スクウェア・エニックス) 2004年3月
- 『スターオーシャン Till the End of Time Special Side DIRECTOR'S CUT』(スクウェア・エニックス) 2004年10月
エッセイ / ホームズ研究
[編集]- 『エヴァンゲリオン創造と結末の解明 THE CREATION EVA』(編:新風迎撃団、弓立社) 1997年1月
- 『シャーロック・ホームズ事典』(ちくま文庫、シャーロック・ホームズシリーズ全集 別巻) 1998年7月
- 『キテレツ古本漂流記』(青弓社) 1998年8月、のち改題文庫化『奇天烈! 古本漂流記』(ちくま文庫) 2005年4月
- 『シャーロック・ホームズ秘宝館』(青弓社) 1999年3月
- 『SF万国博覧会』(青弓社) 2000年1月
- 『本屋にはないマンガ』(長崎出版) 2005年8月
- 『新刊! 古本文庫』(ちくま文庫) 2003年8月
- 『発掘! 子どもの古本』(ちくま文庫) 2007年1月
- 『SF奇書天外』(東京創元社) 2007年8月
- 『シャーロック・ホームズ万華鏡』(本の雑誌社) 2007年8月
- 『古本買いまくり漫遊記』(本の雑誌社) 2009年4月
- 『SF奇書コレクション』(東京創元社) 2013年12月
- 『シャーロック・ホームズ 秘宝の研究』(宝島SUGOI文庫) 2017年7月
- 『シャーロック・ホームズ語辞典 ホームズにまつわる言葉をイラストと豆知識でパイプ片手に読み解く』(絵:えのころ工房、誠文堂新光社) 2019年12月
- 『初歩からのシャーロック・ホームズ』(中公新書ラクレ) 2021年11月
- 『シャーロック・ホームズの建築』(絵・図:村山隆司、エクスナレッジ) 2022年2月
アンソロジー収録作
[編集]「」内が収録されている北原尚彦の作品
- 『時間怪談 異形コレクションX』(廣済堂文庫) 1999年5月 「血脈」
- 『トロピカル 異形コレクションXI』(廣済堂文庫) 1999年7月 「蜜月旅行」
- 『GOD 異形コレクションXII』(廣済堂文庫) 1999年9月 「下水道」
- 『俳優 異形コレクションXIII』(廣済堂文庫) 1999年11月 「新人審査」
- 『世紀末サーカス 異形コレクションXIV』(廣済堂文庫) 2000年1月 「朋類」
- 『エロティシズム12幻想』(エニックス) 2000年2月、のち講談社文庫 2002年3月 「活人画」
- 『血の12幻想』(エニックス) 2000年5月、のち講談社文庫 2002年4月 「凶刃」
- 『帰還 異形コレクションXVI』(光文社文庫) 2000年9月 「帰去来」
- 『ロボットの夜 異形コレクションXVII』(光文社文庫) 2000年11月 「人造令嬢」
- 『幽霊船 異形コレクションXVIII』(光文社文庫) 2001年2月 「遺棄船」
- 『玩具館 異形コレクションXX』(光文社文庫) 2001年9月 「貯金箱」
- 『キネマ・キネマ 異形コレクションXXIII』(光文社文庫) 2002年9月 「映画発明者」
- 『酒の夜語り 異形コレクションXXIV』(光文社文庫) 2002年12月 「首吊少女亭」
- 『夏のグランドホテル 異形コレクションXXVI』(光文社文庫) 2003年6月 「天蓋寝台」
- 『ザ・ベストミステリーズ 2003 推理小説年鑑』(講談社) 2003年7月 「首吊少女亭」
- 【分冊・改題】『殺人格差 ミステリー傑作選』(講談社文庫) 2006年11月
- 『蒐集家(コレクター) 異形コレクションXXXI』(光文社文庫) 2004年8月 「愛書家倶楽部」
- 『ザ・ベストミステリーズ 2005 推理小説年鑑』(講談社) 2005年7月 「愛書家倶楽部」
- 【分冊・改題】『隠された鍵 ミステリー傑作選』(講談社文庫)2008年11月
- 『NOVA+ 屍者たちの帝国 書き下ろし日本SFコレクション』(河出文庫) 2015年10月 「屍者狩り大佐」
- 『オバケヤシキ 異形コレクションXXXIII』(光文社文庫) 2005年8月 「屍衣館怪異譚」
- 『ひとにぎりの異形 異形コレクションXXXVII』(光文社文庫) 2007年12月 「ワトスン博士の内幕」
- 『物語のルミナリエ 異形コレクションXLVIII』(光文社文庫) 2011年12月 「ハドスン夫人の内幕」
- 『アリス殺人事件』(河出文庫) 2016年6月 「鏡迷宮」
- 『悪意の迷路 最新ベスト・ミステリー』(光文社) 2016年11月 「憂慮する令嬢の事件」
- 【改題】『悪意の迷路 日本ベストミステリー選集』(光文社文庫) 2019年5月
- 『蠱惑の本 異形コレクションL』(光文社文庫) 2020年12月 「魁星」
編纂・翻訳
[編集]- 『シャーロック・ホームズの世界』(マーティン・ファイドー、求龍堂) 2000年4月
- 『まだらの紐 ドイル傑作集1』(アーサー・コナン・ドイル、西崎憲共編、創元推理文庫) 2004年7月
- 『北極星号の船長 ドイル傑作集2』(アーサー・コナン・ドイル、西崎憲共編、創元推理文庫) 2004年12月
- 『シャーロック・ホームズの栄冠』(A・A・ミルン他、論創社、論創海外ミステリ) 2007年1月、のち創元推理文庫 2017年11月
- 『クルンバーの謎 ドイル傑作集3』(アーサー・コナン・ドイル、西崎憲共編、創元推理文庫) 2007年5月
- 『日本版シャーロック・ホームズの災難』(柴田錬三郎他、論創社) 2007年12月
- 『陸の海賊 ドイル傑作集4』(アーサー・コナン・ドイル、西崎憲共編、創元推理文庫) 2008年4月
- 『スター・トレック』(アラン・ディーン・フォスター、尾之上浩司, 増田まもる共訳、角川文庫) 2009年5月
- 『シャーロック・ホームズ わが人生と犯罪』(マイケル・ハードウィック、日暮雅通共訳、原書房) 2009年7月
- 『ラッフルズ・ホーの奇蹟 ドイル傑作集5』(アーサー・コナン・ドイル、西崎憲共編、創元推理文庫) 2011年12月
- 『怪盗対名探偵 初期翻案集』(モーリス・ルブラン、論創社) 2012年4月
- 『シャーロック・ホームズの最強クイズ』(ジョン・ワトソン、尾之上浩司共訳、扶桑社) 2012年4月
- 『ヴィクトリアン・アンデッド シャーロック・ホームズvs.ゾンビ』(イアン・エジントン、小学館集英社プロダクション) 2012年10月
- 『日本SF短編50』全5巻(日下三蔵, 山岸真, 星敬共編、ハヤカワ文庫JA) 2013年2月 - 同年10月
- 『シャーロック・ホームズ完全解読』(監修、宝島社、別冊宝島) 2013年2月、のち宝島SUGOI文庫) 2014年3月
- 『険奇探偵小説 ホシナ大探偵―押川春浪 ホームズ翻案コレクション―』(アーサー・コナン・ドイル、押川春浪翻案、盛林堂ミステリアス文庫) 2015年3月
- 『シャーロック・ホームズ完全解析読本』増補・改訂版(宝島社) 2016年2月
- 『ルーフォック・オルメスの事件簿』(カミ、盛林堂ミステリアス文庫) 2017年11月
- 『シャーロック・ホームズの古典事件帖』(アーサー・コナン・ドイル、論創社、論創海外ミステリ) 2018年1月
- 『モリアーティ秘録』上・下(キム・ニューマン、創元推理文庫) 2018年12月
- 『中山忠直SF詩集 地球を弔ふ・火星 抄』(中山忠直、横田順彌・共編、盛林堂ミステリアス文庫) 2020年6月
- 『浮出た血染の手形 ―三津木春影翻案探偵小説集―』(三津木春影翻案、盛林堂ミステリアス文庫) 2021年3月
- 『シャーロック・ホームズ ジュニア翻案集』(盛林堂ミステリアス文庫) 2022年7月
- 『海底宝窟 完全版』(押川春浪、盛林堂ミステリアス文庫) 2024年5月
- 『ササッサ谷の怪 コナン・ドイル奇譚集』(コナン・ドイル、小池滋監訳、中公文庫) 2024年5月
脚注
[編集]- ^ “130年前から「名探偵といえばホームズ」と言われる本当の理由 現代にも通用するキャラクター造形”. PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) (2020年11月20日). 2020年11月24日閲覧。
- ^ 日本SF作家クラブTwitter・2021年4月12日
- ^ naohikoKITAHARAの2023年5月26日のツイート、2023年7月22日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 北原尚彦の書物的日常
- SF奇書天外REACT
- 著者による東京創元社『SF奇書コレクション』紹介動画
- 北原尚彦 (@naohikoKITAHARA) - X(旧Twitter)