加計孝太郎
かけ こうたろう | |
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生誕 |
1951年7月2日(73歳)[3][4] 広島県 |
国籍 | 日本 |
出身校 | 立教大学 |
職業 | 実業家 |
親 | 加計勉[3] |
加計 孝太郎(かけ こうたろう、1951年〈昭和26年〉7月2日[3][4] - )は、日本の教育者。加計 晃太郎[2](かけ こうたろう)とも表記される。学校法人加計学園理事長・総長、日本私立大学協会理事。
来歴
[編集]広島県出身。父親は加計学園グループ創始者の加計勉[3]。立教大学文学部卒業[5]。カリフォルニア州立大学ロングビーチ校(州立大を構成する多数の校舎の一つ)に語学留学[6]。アメリカ合衆国に語学留学中、安倍晋三と知り合い、以来、親交を深めた[6]。
2001年、父親の跡を継いで加計学園理事長に就任[7]。拡大路線を展開し、西日本有数の学校法人グループを築き上げた[7]。
2009年の総選挙で落選した萩生田光一は2012年に議員に返り咲くまでの間、加計学園が運営する千葉科学大学危機管理学部で客員教授を務めた[8]。同年12月26日、安倍晋三が首相に就任。
2013年5月5日から6日にかけて安倍は山梨県鳴沢村の別荘で萩生田、加計らと過ごした。同年5月10日、萩生田はブログを更新し、別荘でバーベキューをした際の3人の写真を掲載した[9][10]。同年5月24日から26日にかけて安倍はミャンマーを訪問。このとき安倍は加計を同行させ、ヤンゴンからネピドーまで政府専用機に搭乗させた[11][12]。
2014年4月、千葉科学大学は看護学部を設置。同年5月24日、学部開設と開学10周年を祝う記念式典が開かれ、来賓として招かれた安倍は加計に触れ、「どんな時も心の奥でつながっている友人。私と加計さんはまさに腹心の友だ」と述べた[1][13]。首相が防衛大学校以外の大学の式典に出席するのは異例のことであった[14]。加計は「(安倍に)年間1億くらい出している」と証言しており、安倍もこの頃「加計さんは俺のビッグスポンサーなんだよ」と語った[15][16]。
2017年3月3日、愛媛県今治市は、同市に新設予定の岡山理科大学獣医学部をめぐり、16.8ヘクタール、約36億7500万円相当の土地を加計学園に無償譲渡する議案と、学校の総事業費192億円のうち半分の96億円を市の補助金で負担することなどを盛り込んだ2016年度補正予算議案を市議会に提出した。同日、無償譲渡議案は賛成多数で、補正予算議案は全会一致で可決された[17][18]。日刊ゲンダイ(3月4日)や朝日新聞出版のニュースサイト「AERA dot.」(3月6日)などはいち早くこのニュースを報じた。折しも国会では同年2月から、安倍昭恵夫人が名誉校長に就任していた小学校の新設予定地の国有地売却をめぐる問題が連日取り上げられており、両メディアとも「第2の森友」と見出しに掲げた[19]。「モリカケ問題」(森友学園問題と加計学園問題を合わせた俗称)[20]は同年10月の衆院選の大きな争点となったが[21]、加計がこの年、公の場に出ることは一度もなかった[15]。
2018年5月21日、安倍と2015年2月25日に面会したことなどを記録した愛媛県職員作成の文書が参議院に提出され、安倍による国会答弁との矛盾が問題となった[22]。同年6月19日、初めて公の場に現れ25分間の記者会見に臨み、安倍との面会について「記憶にもないし、記録にもなかった」と否定した。また、愛媛県などに誤った情報を伝えたとして、部下の処分と自身の月給の10%1年間自主返納を表明した[23][24][25][26][27]。会見は地元記者限定で、時間も25分で打ち切られたため、愛媛県庁の記者クラブは改めて会見を要請したが学園側は「予定はない」と回答した。同年7月11日、愛媛県議会は加計学園に「対外的な説明責任をしっかりと果たし、コンプライアンスとガバナンスを確立する」ことを求める決議を全会一致で可決した[28]。
同年10月8日、加計は県議会の決議を受けて2度目の記者会見を開いたが、質問に対し「わからない」「記憶にない」と繰り返した[29]。
人物
[編集]家族
[編集]- 父は加計学園グループ創始者の加計勉[3]。広島県豊田郡安芸津町(現東広島市)の旧家の分家筋の生まれであったが、生家は農地改革で土地の大半を失い、自身は教諭の道を志した[7]。
- 姉は順正学園理事長の加計美也子。経営方針が合わず2010年から絶縁状態といわれる[30]。
役職
[編集]- 広島加計学園の学園長、フィンドレー大学の理事を兼任。
- 日本私立大学協会理事、岡山県国際交流協会理事、岡山県郷土文化財団理事[5]、岡山県日中教育交流協議会参与[31]、特定非営利活動法人「日本・ミャンマー医療人育成支援協会」顧問[32]、岡山北ゴルフ倶楽部理事[33]。公益財団法人マルセンスポーツ・文化振興財団理事[34]。
- 自由民主党の岡山県自治振興支部代表を務める[35][36][注 1]。
- 教科書改善の会賛同者[38]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b “千葉科学大が10周年 「腹心の友を」と首相祝辞 銚子”. 千葉日報 (2014年5月26日). 2017年3月18日閲覧。
- ^ a b 加計学園役員一覧 学校法人加計学園公式ウェブサイト
- ^ a b c d e “けいざい半世紀 「養殖マグロ」岡山理大、即戦力づくり先読み50年”. 日経スタイル. (2014年10月24日) 2017年3月18日閲覧。
- ^ a b “「籠池理事長」だけではない!?「加計学園」にも浮上する補助金詐欺疑惑”. 週刊新潮. (2017年7月13日) 2017年9月13日閲覧。
- ^ a b ジョン・ムウェテ・ムルアカ (2008年11月19日). “ムルアカ ニッポンをきく23 - 学校法人加計学園理事長 加計孝太郎さん”. ムルアカオフィシャルホームページ. 2018年6月20日閲覧。
- ^ a b 加計孝太郎 (2010年9月21日). “交遊抄 アイム・ソーリー――加計学園理事長加計孝太郎氏”. 日本経済新聞: p. 朝刊 32面
- ^ a b c “加計学園理事長・加計孝太郎「優しい独裁者」の正体をバラす!(2)反対の声にも耳を貸さない”. アサヒ芸能. (2017年8月17日) 2017年9月13日閲覧。
- ^ “第2の森友学園問題 加計学園から「安倍最側近」に給与(2/2ページ)”. デイリー新潮 (2017年3月23日). 2023年5月26日閲覧。
- ^ “萩生田氏:首相と加計氏との関係は 4年前の3ショット”. 毎日新聞 (2017年6月20日). 2023年5月26日閲覧。
- ^ “2013年05月”. はぎうだ光一の永田町見聞録. 2023年5月26日閲覧。
- ^ “安倍総理大臣のミャンマー訪問(概要と評価)”. 外務省 (2013年5月27日). 2023年5月26日閲覧。
- ^ 宮崎岳志 (2027年6月8日). “安倍晋三内閣総理大臣がミャンマー訪問時に学校法人加計学園理事長を同行させ、政府専用機に搭乗させた件に関する質問主意書”. 衆議院. 2023年5月26日閲覧。
- ^ 澤田晃宏、長倉克枝 (2017年6月13日). “姿見えぬ加計理事長 獣医学部をつくりたいワケ”. AERA dot.. 2023年5月26日閲覧。
- ^ “第2の森友か 首相親友の学校法人に36億円の土地無償譲渡”. 日刊ゲンダイ (2017年3月4日). 2023年5月22日閲覧。
- ^ a b “加計理事長ついに会見 大地震とW杯の中「わずか2時間前に告知」の思惑”. 文春オンライン (2018年6月23日). 2023年5月26日閲覧。
- ^ “『週刊文春』2017年4月27日号”. 文春オンライン. 2023年5月26日閲覧。
- ^ “今治市議会 2017年03月03日 平成29年第2回定例会(第1日) 本文”. 岡崎市 会議録の閲覧と検索. 2023年5月26日閲覧。
- ^ “『いまばり市議会だより』2017年5月1日号”. 今治市議会. 2023年5月26日閲覧。
- ^ “第2の森友疑惑 安倍首相“お友達”大学に公有地36億円を無償譲渡”. AERA dot. (2017年3月6日). 2023年5月26日閲覧。
- ^ “<中部6県 立候補者アンケート> 自民、モリカケ問う声 希望、9条改憲割れる”. 中日新聞. (2017年10月17日) 2022年5月25日閲覧。
- ^ 朝日新聞取材班 2018, pp. 360–361.
- ^ “岡山・加計学園 獣医学部「首相『いいね』」 愛媛新文書「15年2月、加計理事長に」 国会答弁揺らぐ”. 毎日新聞. (2018年5月22日) 2018年6月20日閲覧。
- ^ ANN News (2018年6月19日). “加計理事長“問題”発覚後、初の会見 ノーカット1 (18/06/19)”. YouTube. 2023年5月26日閲覧。
- ^ ANN News (2018年6月19日). “加計理事長“問題”発覚後、初の会見 ノーカット2 (18/06/19)”. YouTube. 2023年5月26日閲覧。
- ^ ANN News (2018年6月19日). “加計理事長“問題”発覚後、初の会見 ノーカット3 (18/06/19)”. YouTube. 2023年5月26日閲覧。
- ^ “加計理事長、一連の問題で初会見 首相と面会「記憶、記録ない」”. 山陽新聞. (2018年6月19日) 2018年6月20日閲覧。
- ^ “「加計学園」理事長の記者会見 不信感しか残らなかった原因とは? 臨床心理士が分析する”. 週刊文春. (2018年6月20日) 2018年6月20日閲覧。
- ^ 前田智 (2018年7月11日). “加計学園は虚偽報告の「説明尽くせ」 愛媛県議会が決議”. 朝日新聞. 2023年5月26日閲覧。
- ^ 増田勇介、久保田一道 (2018年10月8日). “「愛媛文書見ず」会見した加計氏 火消しに回った事務方”. 朝日新聞. 2023年5月26日閲覧。
- ^ “加計学園理事長・加計孝太郎「優しい独裁者」の正体をバラす!(3)あだ名はサケコウタロウ”. アサヒ芸能. (2017年8月17日) 2017年9月13日閲覧。
- ^ 岡山県日中教育交流協議会公式ウェブサイト
- ^ 組織概要 認定NPO法人日本・ミャンマー医療人育成支援協会公式ウェブサイト
- ^ コース概要 岡山北ゴルフ倶楽部公式ウェブサイト
- ^ “(公財)マルセンスポーツ・文化振興財団 評議員・役員(理事・監事)・顧問 名簿” (PDF). 公益財団法人マルセンスポーツ・文化振興財団. (2018年4月1日) 2018年6月26日閲覧。
- ^ “【閉会中審査=参院=詳報(8)完】松沢成文参院議員「加計学園グループの敷地内に自民党支部…教育行政をゆがめることにならないのか」”. 産経新聞. (2017年7月11日) 2017年9月13日閲覧。
- ^ 『収支報告書 (PDF) 』
- ^ 『「加計」グループ校内に自民支部:時事ドットコム』時事通信社、2017年7月25日
- ^ “教科書改善の会が発足”. 改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会. (2007年8月1日) 2018年6月26日閲覧。
参考文献
[編集]- 朝日新聞取材班『権力の「背信」 「森友・加計学園問題」スクープの現場』朝日新聞出版、2018年6月12日。ISBN 978-4023316867。
- 森功『官邸官僚ー安倍一強を支えた側近政治の罪』文藝春秋、2019年5月30日。ISBN 978-4-16-391027-7。