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黒部峡谷鉄道ハ形客車 | |
---|---|
基本情報 | |
運用者 | 黒部峡谷鉄道株式会社 |
製造年 | 1923年(大正12年)- |
総数 |
37両(1990年当時) 21両(更新形を含む)(関西電力専用車を除く)(2023年現在) |
主要諸元 | |
編成 | 単車 |
軌間 | 762mm |
自重 | 2.30t |
全長 | 4226mm |
全幅 | 1660mm |
全高 | 2180mm |
備考 |
未更新・未改造車の主要諸元。 出典:旅客車の紹介/黒部峡谷トロッコ電車(公式サイト)、黒部峡谷トロッコ電車のご紹介(機関車・客車編)、鉄道ピクトリアル 通巻532号pp48-49 |
黒部峡谷鉄道ハ形客車(くろべきょうこくてつどうはがたきゃくしゃ)は、1923年(大正12年)に登場した[1][2]黒部峡谷鉄道の開放形普通客車[3]。
民営鉄道・旅客のなかで「現役長寿」「全長最少」「最軽量」「最少定員」の4部門で日本一とされ、一部の車両は大正時代からの形態のままで運用されている[1]。
概要
[編集]歴史
[編集]運用
[編集]現役車両
[編集]保存車両
[編集]ハフ10
[編集]宇奈月駅から徒歩1分のトロッコ広場にてED11号と共に展示されている[1]。
ハフ26・ハフ27
[編集]JR西日本北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅と、隣接する富山地方鉄道本線新黒部駅付近に「トロッコ電車のオブジェ」としてED8号と共に展示されている[4]。これらは両駅開業時に「新幹線駅前オブジェ整備」として黒部市が設置を行ったもので[5]、当駅開業前は黒部市が所有するキャンプ施設、どやまらんど「明日キャンプ場」のテントサイト付近に保存されていた[6]。
ハ29
[編集]黒部市宇奈月町下立のふるさと水環境公園にED13号と共に展示されている[7]。
1992年に廃車となり、1993年に宇奈月町(現在の黒部市)へ譲渡され、当公園に展示された[7]。露天での展示のため徐々に車体へ傷みが発生したが、2021年に黒部峡谷鉄道株式会社が「創立50周年記念事業」の一つとして修復を行った[7][8]。側板の交換、再塗装が行なわれ、ED13号と共に現役時の姿に補修された[7]。
ハ36・ハ37
[編集]富山県黒部市宇奈月町浦山にある大橋農村公園にBB5号と共に展示されている。かつてはハフ28も共に展示されていたが後に撤去された。
脚注
[編集]注釈
[編集]
出典
[編集]- ^ a b c 黒部峡谷トロッコ電車のご紹介(機関車・客車編). 黒部峡谷鉄道・営業センター. (2016年12月)
- ^ “旅客車の紹介/黒部峡谷トロッコ電車”. 黒部峡谷鉄道株式会社. 2023年6月10日閲覧。
- ^ 『鉄道ファン』通巻616号. 交友社. (2012年8月). p. 107
- ^ “北陸新幹線開業後の黒部市の課題”. 黒部市. p. 11. 2023年6月11日閲覧。 “新黒部駅の周辺には、休憩施設やトイレのほか、トロッコ電車のオブジェ、自転車駐輪場、電気自動車の急速充電器を設置します。”
- ^ “社会資本総合整備計画 北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅周辺地区都市再生整備計画”. 黒部市. pp. 5-6,9,11. 2023年6月11日閲覧。
- ^ “フォトギャラリー-明日キャンプ場”. 2023年6月11日閲覧。 “芝生のテントサイト「1区画6.0m*9.5m」です。(昭和9年製のトロッコ電車が有ったのですが、新幹線黒部宇奈月温泉駅の方に移転されました。)”
- ^ a b c d “トロッコ電車 お色直し 宇奈月の水環境公園で展示”. 北陸中日新聞web. 2023年6月11日閲覧。
- ^ “黒部峡谷鉄道「創立50周年記念事業」について”. 黒部峡谷鉄道株式会社. p. 2 (2021年4月13日). 2023年6月11日閲覧。
外部リンク
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黒部峡谷鉄道ハ形客車 | |
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基本情報 | |
運用者 | 黒部峡谷鉄道株式会社 |
製造年 | 1923年(大正12年)- |
総数 |
37両(1990年当時) 21両(更新形およびK車を含む)(ハト形を除く)(2023年現在) |
主要諸元 | |
編成 | 単車 |
軌間 | 762mm |
車両定員 | 18名 |
自重 | 2.3t |
全長 | 4226mm |
全幅 | 1660mm |
全高 | 2180mm |
備考 |
未更新・未改造車の主要諸元。一部車両は仕様が異なる。 出典:旅客車の紹介/黒部峡谷トロッコ電車(公式サイト)、黒部峡谷トロッコ電車のご紹介(機関車・客車編)、鉄道ピクトリアル 通巻532号pp48-49 |
黒部峡谷鉄道ハ形客車(くろべきょうこくてつどうはがたきゃくしゃ)は、1923年(大正12年)に登場した[1][2][3]黒部峡谷鉄道の開放形普通客車[4][5]。
本形式は大別すると「C形」「K形」と呼ばれる二種類の仕様あるが、本稿では基本的な仕様であるC形について主に記述し、K形について記述する際はその旨を明示する。(C形とK形については#概要を参照。)
また、ハ形客車から改造して誕生した黒部峡谷鉄道ハト形貨車についても記述する。(#転用車両を参照。)
概要
[編集]民営鉄道・旅客のなかで「現役長寿」「全長最少」「最軽量」「最少定員」の4部門で日本一とされ、一部の車両は古くからの形態のままで運用されている[1][3]。黒部峡谷鉄道では唯一の2軸客車であり、1000形客車などのボギー車と比較すると小型である[3][4][5]。
無蓋車に屋根を付けたような風貌で、[3]
1000形を「B形」、2000形を「A形」などと呼ぶのに対して本形式は「C形」と呼ばれている[5]。
ただし、本形式のうち車番が50番台の車両は仕様など様々な面で他のハ形客車とは大きく異なる。これらの車両は関西電力の貸切専用車両で、「K形」と呼ばれる[5]。
歴史
[編集]構造
[編集]無蓋車に屋根を付けたような風貌で、[3]
車体
[編集]車体色は
1000形客車と同じく開放形になっている。
鋼体化[3]
台枠
[編集]台車
[編集]連結器
[編集]連結器はピン・リンク式連結器[6]
形式
[編集]「ハ形」とまとめられる車両のうち、特定の仕様を持つ車両には「ハ」の後ろにもう一文字を追加して形式を示している。
ハフ
[編集]尾灯、車掌弁、圧力計等を設置し、緩急車として運用できる仕様とした車両[5]。
2022年現在、現役のC形は全てこの仕様になっている[6]。
ハト
[編集](#転用車両を参照。)
運用
[編集]本節では2020年代現在の運用について記述する。過去の運用については#歴史を参照。
1000形などの他形式は基本的に固定編成を採用しているのに対して、本形式は一定の編成を組むことはせず、1両づつ単独で運用がなされている[4]。
車両の扱いは普通運賃のみで乗車できる普通車であるが、一般の列車はボギー車で統一されているため、イベントや一部のツアー列車[注釈 1]を除いて一般客は乗車できない[3][4][5]。おもに工事列車に貨車と共に連結され、関西電力職員や作業員の輸送等に用いられている[3][5]。
現役車両
[編集]
現役車両(2022年現在)は以下の通り。
形式 | 車番 | 主な仕様 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|
車体材質 | 屋根上 | 内装 | |||
ハフ | 3 | 木製(2010年8月)[5] | |||
ハフ | 4 | ||||
ハフ | 5 | ||||
ハフ | 6 | ||||
ハフ | 7 | 照明装置つき[要出典] | |||
ハフ | 8 | ||||
ハフ | 11 | ||||
ハフ | 13 | ||||
ハフ | 15 | ||||
ハフ | 16 | ||||
ハフ | 17 | ||||
ハフ | 18 | 木製(2012年4月)[5] | 荷台つき(2012年4月)[5] | ||
ハフ | 19 | ||||
ハフ | 20 | ||||
ハフ | 21 | ||||
ハフ | 31 | 鋼製(2012年5月)[5] | |||
ハフ | 32 |
形式 | 車番 | 主な仕様 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
車体材質 | ||||
ハ | 51 | 鋼製[5] | ||
ハ | 52 | 鋼製[5] | ||
ハ | 53 | 鋼製[5] | ||
ハ | 54 | 鋼製[5] |
転用車両
[編集]黒部峡谷鉄道ハト形貨車
[編集]黒部峡谷鉄道ハト形貨車 | |
---|---|
基本情報 | |
運用者 | 黒部峡谷鉄道株式会社 |
種車 | 黒部峡谷鉄道ハ形客車 |
改造年 | 2016年 |
改造数 | 1両 |
総数 | 1両(2022年現在) |
主要諸元 | |
編成 | 単車 |
軌間 | 762mm |
備考 | 出典:私鉄車両編成表2022 p. 117 |
座席を撤去し[要出典]、作業員の手荷物運搬車として運用できる仕様とした車両[6]。
2016年5月1日付で改造[6]
形式 | 車番 | 主な仕様 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
車体材質 | ||||
ハト | 9 | 鋼製 | 元ハフ9 |
保存車両
[編集]ハフ10
[編集]宇奈月駅から徒歩1分のトロッコ広場にてED11号と共に展示されている[1]。
ハフ26・ハフ27
[編集]JR西日本北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅と、隣接する富山地方鉄道本線新黒部駅付近に「トロッコ電車のオブジェ」としてED8号と共に展示されている[7]。これらは両駅開業時に「新幹線駅前オブジェ整備」として黒部市が設置を行ったもので[8]、当駅開業前は黒部市が所有するキャンプ施設、どやまらんど「明日キャンプ場」のテントサイト付近に保存されていた[9]。
ハ29
[編集]黒部市宇奈月町下立のふるさと水環境公園にED13号と共に展示されている[10]。
1992年に廃車となり、1993年に宇奈月町(現在の黒部市)へ譲渡され、当公園に展示された[10]。露天での展示のため徐々に車体へ傷みが発生したが、2021年に黒部峡谷鉄道株式会社が「創立50周年記念事業」の一つとして修復を行った[10][11]。側板の交換、再塗装が行なわれ、ED13号と共に現役時の姿に補修された[10]。
ハ36・ハ37
[編集]富山県黒部市宇奈月町浦山にある大橋農村公園にBB5号と共に展示されている。かつてはハフ28も共に展示されていたが後に撤去された。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 具体例としては「昭和46年にタイムスリップ!凸型機関車運行の旅」と題して運転された、創立40周年を記念したイベント列車があげられる。本列車は2011年(平成23年)7月1日〜7日に運転され、ハ形客車6両が使用された。出典:“黒部峡谷鉄道「創立40周年イベント列車」を運転|鉄道イベント|2011年6月11日掲載|鉄道ファン・railf.jp”. 鉄道ファン・railf.jp. 2023年6月11日閲覧。
出典
[編集]- ^ a b c 黒部峡谷トロッコ電車のご紹介(機関車・客車編). 黒部峡谷鉄道・営業センター. (2016年12月)
- ^ “旅客車の紹介/黒部峡谷トロッコ電車”. 黒部峡谷鉄道株式会社. 2023年6月10日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 『鉄道ダイヤ情報』 通巻448号. 交通新聞社. (2021年9月). pp. 18-19,23
- ^ a b c d 『鉄道ピクトリアル』 通巻532号. 株式会社電気車研究会 鉄道図書刊行会. (1990年9月). pp. 48-49
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 『鉄道ファン』通巻616号. 交友社. (2012年8月). p. 107
- ^ a b c d e f g 私鉄車両編成表2022. 交通新聞社. (2022年7月14日). p. 117
- ^ “北陸新幹線開業後の黒部市の課題”. 黒部市. p. 11. 2023年6月11日閲覧。 “新黒部駅の周辺には、休憩施設やトイレのほか、トロッコ電車のオブジェ、自転車駐輪場、電気自動車の急速充電器を設置します。”
- ^ “社会資本総合整備計画 北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅周辺地区都市再生整備計画”. 黒部市. pp. 5-6,9,11. 2023年6月11日閲覧。
- ^ “フォトギャラリー-明日キャンプ場”. 2023年6月11日閲覧。 “芝生のテントサイト「1区画6.0m*9.5m」です。(昭和9年製のトロッコ電車が有ったのですが、新幹線黒部宇奈月温泉駅の方に移転されました。)”
- ^ a b c d “トロッコ電車 お色直し 宇奈月の水環境公園で展示”. 北陸中日新聞web. 2023年6月11日閲覧。
- ^ “黒部峡谷鉄道「創立50周年記念事業」について”. 黒部峡谷鉄道株式会社. p. 2 (2021年4月13日). 2023年6月11日閲覧。
外部リンク
[編集]=================================
黒部峡谷鉄道ハ形客車 | |
---|---|
基本情報 | |
運用者 | 黒部峡谷鉄道株式会社 |
製造年 | 1923年(大正12年)- |
総数 |
37両(1990年当時) 21両(更新形およびK車を含む)(ハト形を除く)(2023年現在) |
主要諸元 | |
編成 | 1両 |
軌間 | 762mm |
車両定員 | 18名 |
自重 | 2.3t |
全長 | 4226mm |
全幅 | 1660mm |
全高 | 2180mm |
備考 |
未更新・未改造車の主要諸元。一部車両は仕様が異なる。 出典:旅客車の紹介/黒部峡谷トロッコ電車(公式サイト)、黒部峡谷トロッコ電車のご紹介(機関車・客車編)、鉄道ピクトリアル 通巻532号pp48-49 |
黒部峡谷鉄道ハ形客車(くろべきょうこくてつどうはがたきゃくしゃ)は、1923年(大正12年)に登場した[1][2][3]黒部峡谷鉄道の普通客車[4][5]。
本形式は大別すると「C形」「K形」と呼ばれる二種類の仕様があるが、本稿では基本的な仕様であるC形について主に記述し、K形について記述する際はその旨を明示する。(C形とK形については#概要を参照。)
また、ハ形客車から改造して誕生した黒部峡谷鉄道ハト形貨車についても記述する。(#転用車両を参照。)
概要
[編集]民営鉄道・旅客のなかで「現役長寿」「全長最少」「最軽量」「最少定員」の4部門で日本一とされ、一部の車両は古くからの形態のままで運用されている[1][3]。黒部峡谷鉄道では唯一の2軸客車である[3][4]。ボギー車の黒部峡谷鉄道1000形客車は1両あたりの定員が27名[1]なのに対して本形式は定員は18名であり、本形式は比較的小型である[3][4][5]。
無蓋車に屋根を付けたような風貌であることから[3]、同様の形状を持つ黒部峡谷鉄道1000形客車とともに「開放形」や「オープン形」などと呼ばれる[5][6]。
黒部峡谷鉄道1000形を「B形」、黒部峡谷鉄道2000形を「A形」などと呼ぶのに対して本形式は「C形」と呼ばれている[5]。
ただし、本形式のうち車番が50番台の車両は仕様など様々な面で他のハ形客車とは大きく異なる。これらの車両は関西電力の専用車両[5][7]で、「K形」と呼ばれる[5]。C形が「開放形」なのに対して、K形は「密閉形」となっている[5][7]。また、座席配置の関係から定員は16名であり、C形よりも2名少ない[5]。
歴史
[編集]黒部峡谷鉄道は大正12年から発電所建設の資材輸送のため軌道の敷設を開始した[8]。その際に貨車として登場した車両が本形式である。当鉄道は資材運搬のための鉄道であったが、当時から「無料便乗」という形で地元の人々が乗車しており、次第に登山客なども乗車するようになっていた[8]。しかし、昭和28年11月まで地方鉄道業法の適用は受けておらず、正式な旅客営業は出来ていなかった[8]。その後も増大する観光需要に対応するため、地方鉄道業法の許可を得ることになり、昭和28年11月5日に関西電力株式会社これを取得して正式な営業運転が開始された[8]。それに伴って地方鉄道業法の許可取得前後に正式な客車へと改良がなされている[要出典][注釈 1]。
長らく主力客車として観光客の輸送で活躍したものの[5]、次第に観光客の輸送からは外れて混合列車などで運用されるようになった。1990年頃にはシーズン中の7,8月と10月にのみ一般の列車で運用されていた[4]。一般の列車で使用あうる際は10両編成、編成定員236名として運用していた[4]。そして、1994年頃を最後に基本的には観光客の輸送から外れた[注釈 2]。
その後は関西電力職員や作業員の輸送等に用いられているようになり[3][5]、2023年現在に至る。
構造
[編集]車体
[編集]無蓋車に屋根を取り付けたような形状の車体である[3]。側面は背の低い側板と金属製のチェーンがあるのみで、1000形客車と同じく開放形になっている[要出典]。妻面にはアルミサッシが取り付けられ、窓ガラスが取り付けられている[要出典]。屋根は薄いかまぼこ型で、妻面と車体中央両側面にある間柱で支えられている[要出典]。
車体色は下部がオレンジ色(■)、上部がマルーン色(■)である[要出典]。
材質は台枠、骨格、屋根が金属製、側面と妻面が木製となっているのが基本だが、一部の車両では鋼体化が行なわれている
なお、ハフ31およびハフ32は他の車両よりも全長と全高が長くなっている[要出典]。
一方でK形は「密閉形」となっており[5][7]、通常の箱型の車体である[要出典]。側面と妻面にアルミサッシが取り付けられ、窓ガラスが取り付けられている[5]。両側面ともに外から見て右端に扉があり、車両を俯瞰すると扉は千鳥配置になっている[要出典]。車体色はC形と同様である[要出典]。車体は鋼製になっている[5]。
内装
[編集]壁面や天井はアイボリーになっている[要出典]。座席は3人掛けの座席が枕木方向に6列並んでいる[5]。
一方でK形の座席配置はC形と全く異なり、ロングシートとなっている[5]。7人掛けのロングシートが壁に沿って設置され、扉付近に補助椅子が各1個取り付けられている[要出典]。
走り装置
[編集]走り装置は単台車(二軸車)である[7]。
連結器
[編集]連結器は黒部峡谷鉄道で採用されているピン・リンク式連結器を装備している[7]。
仮設設備
[編集]のちに追加された設備の中には必要があれば取り付ける仮設の設備も存在している。
アルミサッシ・窓ガラス
[編集]C形は側面に窓の無い開放形だが、側面の開口部に簡易的にアルミサッシと窓ガラスを取り付けることができる[要出典]。晩秋から営業休止期間にかけて多くの車両に施工され、簡易的な密閉車として運用される[要出典]。
電車線復旧・撤去工事作業用足場
[編集]黒部峡谷鉄道は冬季に営業を休止するが、その際に電車線を撤去する箇所がある[9]。その撤去作業と復旧作業時に屋根に上で作業するため、金属製の足場を取り付けることができる[要出典]。晩秋から早春にかけて数両に施工される[要出典]。
形式
[編集]「ハ形」とまとめられる車両のうち、特定の仕様を持つ車両には「ハ」の後ろにもう一文字を追加して形式を示している。
ハフ
[編集]尾灯、車掌弁、圧力計等を設置し、緩急車として運用できる仕様とした車両[5]。
2022年現在、現役のC形は全てこの仕様になっている[7]。
ハト
[編集](#転用車両を参照。)
運用
[編集]本節では2020年代現在の運用について記述する。過去の運用については#歴史を参照。
1000形などの他形式は基本的に固定編成を採用しているのに対して、本形式は一定の編成を組むことはせず、1両づつ単独で運用がなされている[4]。
車両の扱いは普通運賃のみで乗車できる普通車であるが、一般の列車はボギー車で統一されているため、イベントや一部のツアー列車[注釈 3]を除いて一般客は乗車できない[3][4][5]。おもに工事列車に貨車と共に連結され、関西電力職員や作業員の輸送等に用いられている[3][5]。
現役車両
[編集]現役車両(2022年現在)は以下の通り。C形,K形合わせて21両が現役で運用されている[1][2][7]。
現役車両各車の仕様のうち、標準的な仕様ではないものは以下の表の通り。
形式 | 車番 | 主な仕様 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
車体材質 | 全長、全高 | |||
ハフ | 3 | 木製(2010年8月)[5] | ||
ハフ | 4 | |||
ハフ | 5 | |||
ハフ | 6 | |||
ハフ | 7 | |||
ハフ | 8 | |||
ハフ | 11 | |||
ハフ | 13 | |||
ハフ | 15 | |||
ハフ | 16 | |||
ハフ | 17 | |||
ハフ | 18 | 木製(2012年4月)[5] | ||
ハフ | 19 | |||
ハフ | 20 | |||
ハフ | 21 | |||
ハフ | 31 | 鋼製(2012年5月)[5] | 他車より大きい[要出典] | |
ハフ | 32 | 他車より大きい[要出典] |
形式 | 車番 | 主な仕様 | 備考 |
---|---|---|---|
車体材質 | |||
ハ | 51 | 鋼製[5] | |
ハ | 52 | 鋼製[5] | |
ハ | 53 | 鋼製[5] | |
ハ | 54 | 鋼製[5] |
転用車両
[編集]黒部峡谷鉄道ハト形貨車(貨車への改造)
[編集]黒部峡谷鉄道ハト形貨車 | |
---|---|
基本情報 | |
運用者 | 黒部峡谷鉄道株式会社 |
種車 | 黒部峡谷鉄道ハ形客車 |
改造年 | 2016年 |
改造数 | 1両 |
総数 | 1両(2022年現在) |
主要諸元 | |
編成 | 1両 |
軌間 | 762mm |
荷重 | 3.2t |
自重 | 2.3t |
全長 | 4532mm |
備考 | 出典:私鉄車両編成表2022 p. 117,新しい貨物列車の世界p.139 |
黒部峡谷鉄ハト形貨車(くろべきょうこくてつどうはとがたかしゃ)は、2016年(平成28年)に登場した黒部峡谷鉄道の貨車(屋根付き無蓋車)。
ハト9の1両のみ存在する[7][10]。黒部峡谷鉄道ハ形客車、ハフ9を改造・転用した車両で[5][7][10]、座席を撤去して荷物を積載できるように改造されている[要出典]。改造日は2016年5月1日となっている[7]。主に混合列車に連結され、作業員の手荷物運搬車として運用されている[7]。
2012年頃には本形式と同様に座席を撤去した黒部峡谷鉄道ハ形客車が存在し、貨車代用として運用されていたが、「ハト」への形式変更はされなかった[5]。
形式 | 車番 | 主な仕様 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
車体材質 | 内装 | |||
ハト | 9 | 鋼製[要出典] | 座席撤去[要出典] | ハフ9から改造・転用[5][7][10] |
保存車両
[編集]ハフ10
[編集]宇奈月駅から徒歩1分のトロッコ広場にてED11号と共に展示されている[1]。
ハフ26・ハフ27
[編集]JR西日本北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅と、隣接する富山地方鉄道本線新黒部駅付近に「トロッコ電車のオブジェ」としてED8号と共に展示されている[11][12]。これらの車両は両駅開業時に「新幹線駅前オブジェ整備」として黒部市が設置を行ったもので[13]、当駅開業前は黒部市が所有するキャンプ施設、どやまらんど「明日キャンプ場」のテントサイト付近に保存されていた[14]。
ハ29
[編集]黒部市宇奈月町下立のふるさと水環境公園にED13号と共に展示されている[15]。
1992年に廃車となり、1993年に宇奈月町(現在の黒部市)へ譲渡され、当公園に展示された[15]。露天での展示のため徐々に車体へ傷みが発生していたが、2021年に黒部峡谷鉄道株式会社が「創立50周年記念事業」として修復を行った[15][16]。側板の交換、再塗装が行なわれ、ED13号と共に補修された[15]。
ハ36・ハ37
[編集]富山県黒部市宇奈月町浦山にある大橋農村公園にBB5号と共に展示されている[要出典]。かつてはハフ28も共に展示されていたが後に撤去された[要出典]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 昭和10年頃から昭和40年頃にかけて「貨車」から「ハ形客車」に「改造」されたとみられる。(文献不明)(2023年6月)
- ^ 黒部宇奈月温泉駅前に展示されているハフ36、ハフ37の案内看板にこの旨の記述がある。(2023年6月)
- ^ 具体例としては「昭和46年にタイムスリップ!凸型機関車運行の旅」と題して運転された、創立40周年を記念したイベント列車があげられる。本列車は2011年(平成23年)7月1日〜7日に運転され、ハ形客車6両が使用された。出典:“黒部峡谷鉄道「創立40周年イベント列車」を運転|鉄道イベント|2011年6月11日掲載|鉄道ファン・railf.jp”. 鉄道ファン・railf.jp. 2023年6月11日閲覧。
出典
[編集]- ^ a b c d e 黒部峡谷トロッコ電車のご紹介(機関車・客車編). 黒部峡谷鉄道・営業センター. (2016年12月)
- ^ a b “旅客車の紹介/黒部峡谷トロッコ電車”. 黒部峡谷鉄道株式会社. 2023年6月10日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 『鉄道ダイヤ情報』 通巻448号. 交通新聞社. (2021年9月). pp. 18-19,23
- ^ a b c d e f g 『鉄道ピクトリアル』 通巻532号. 株式会社電気車研究会 鉄道図書刊行会. (1990年9月). pp. 48-49
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac 『鉄道ファン』通巻616号. 交友社. (2012年8月). p. 107
- ^ “トロッコ電車とは?現役のトロッコ電車の種類も公開中│黒部峡谷鉄道トロッコ電車”. www.kurotetu.co.jp. 2023年6月12日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 私鉄車両編成表2022. 交通新聞社. (2022年7月14日). p. 117
- ^ a b c d “黒部峡谷とは?歴史や沿革をご紹介|黒部峡谷鉄道トロッコ電車”. 黒部峡谷鉄道. 2023年6月12日閲覧。
- ^ “安全運行によるお客さま満足度の向上を目指して (平成18年度 安全報告書)”. 黒部峡谷鉄道株式会社. p. 8. 2023年6月12日閲覧。
- ^ a b c 新しい貨物列車の世界. 交通新聞社. (2021年10月28日). pp. 139-140
- ^ 『『鉄おも!』 通巻161号』ネコ・パブリッシング、2021年6月、53頁。
- ^ “北陸新幹線開業後の黒部市の課題”. 黒部市. p. 11. 2023年6月11日閲覧。 “新黒部駅の周辺には、休憩施設やトイレのほか、トロッコ電車のオブジェ、自転車駐輪場、電気自動車の急速充電器を設置します。”
- ^ “社会資本総合整備計画 北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅周辺地区都市再生整備計画”. 黒部市. pp. 5-6,9,11. 2023年6月11日閲覧。
- ^ “フォトギャラリー-明日キャンプ場”. 2023年6月11日閲覧。 “芝生のテントサイト「1区画6.0m*9.5m」です。(昭和9年製のトロッコ電車が有ったのですが、新幹線黒部宇奈月温泉駅の方に移転されました。)”
- ^ a b c d “トロッコ電車 お色直し 宇奈月の水環境公園で展示”. 北陸中日新聞web. 2023年6月11日閲覧。
- ^ “黒部峡谷鉄道「創立50周年記念事業」について”. 黒部峡谷鉄道株式会社. p. 2 (2021年4月13日). 2023年6月11日閲覧。
外部リンク
[編集]
=================================
黒部峡谷鉄道ハ形客車 | |
---|---|
基本情報 | |
運用者 | 黒部峡谷鉄道株式会社 |
製造年 | 1923年(大正12年)- |
総数 |
37両(1990年当時) 21両(更新形およびK車を含む)(ハト形を除く)(2023年現在) |
主要諸元 | |
編成 | 1両 |
軌間 | 762mm |
車両定員 | 18名 |
自重 | 2.3t |
全長 | 4226mm |
全幅 | 1660mm |
全高 | 2180mm |
備考 |
未更新・未改造車の主要諸元。一部車両は仕様が異なる。 出典:旅客車の紹介/黒部峡谷トロッコ電車(公式サイト)、黒部峡谷トロッコ電車のご紹介(機関車・客車編)、鉄道ピクトリアル 通巻532号pp48-49 |
黒部峡谷鉄道ハ形客車(くろべきょうこくてつどうはがたきゃくしゃ)は、1923年(大正12年)に登場した[1][2][3]黒部峡谷鉄道の普通客車[4][5]。
本形式は大別すると「C形」「K形」と呼ばれる二種類の仕様があるが、本稿では基本的な仕様であるC形について主に記述し、K形について記述する際はその旨を明示する。(C形とK形については#概要を参照。)
また、ハ形客車から改造して誕生した黒部峡谷鉄道ハト形貨車についても記述する。(#転用車両を参照。)
概要
[編集]民営鉄道・旅客のなかで「現役長寿」「全長最少」「最軽量」「最少定員」の4部門で日本一とされ、一部の車両は古くからの形態のままで運用されている[1][3]。黒部峡谷鉄道では唯一の2軸客車である[3][4]。ボギー車の黒部峡谷鉄道1000形客車は1両あたりの定員が27名[1]なのに対して本形式は定員は18名であり、本形式は比較的小型である[3][4][5]。
無蓋車に屋根を付けたような風貌であることから[3]、同様の形状を持つ黒部峡谷鉄道1000形客車とともに「開放形」や「オープン形」などと呼ばれる[5][6]。
黒部峡谷鉄道1000形客車を「B形」、黒部峡谷鉄道2000形客車を「A形」などと呼ぶのに対して本形式は「C形」と呼ばれている[5]。
ただし、本形式のうち車番が50番台の車両は仕様など様々な面で他のハ形客車とは大きく異なる。これらの車両は関西電力の専用車両[5][7]で、「K形」と呼ばれる[5]。C形が「開放形」なのに対して、K形は「密閉形」となっている[5][7]。また、座席配置の関係から定員は16名であり、C形よりも2名少ない[5]。
歴史
[編集]黒部峡谷鉄道は1923年(大正12年)から発電所建設の資材輸送のため軌道の敷設を開始した[8]。その際に貨車として登場した車両が本形式である。当鉄道は資材輸送のための鉄道であったが、当時から「無料便乗」という形で地元の人々が乗車しており、次第に登山客なども乗車するようになっていた[8]。しかし、1953年(昭和28年)11月まで地方鉄道業法の適用は受けておらず、正式な旅客営業は出来ていなかった[8]。その後も増大する観光需要に対応するため、地方鉄道業法の許可を得ることになり、1953年11月5日に関西電力株式会社これを取得して正式な営業運転が開始された[8]。それに伴って地方鉄道業法の許可取得前後に正式な客車へと改良がなされている[要出典][注釈 1]。
長らく主力客車として観光客の輸送で活躍したものの[5]、次第に観光客の輸送からは外れて混合列車などで運用されるようになった。1990年頃にはシーズン中の7,8月と10月にのみ一般の列車で運用されていた[4]。一般の列車で使用する際は10両編成、編成定員236名として運用していた[4]。そして、1994年頃を最後に基本的には観光客の輸送から外れた[注釈 2]。
その後は関西電力職員や作業員の輸送等に用いられているようになり[3][5]、2023年現在に至る。
構造
[編集]車体
[編集]無蓋車に屋根を取り付けたような形状の車体である[3]。側面は背の低い側板と金属製のチェーンがあるのみで、黒部峡谷鉄道1000形客車と同じく開放形になっている[要出典]。妻面にはアルミサッシが取り付けられ、窓ガラスが取り付けられている[要出典]。屋根は薄い蒲鉾型で、妻面と車体中央両側面にある間柱で支えられている[要出典]。
車体色は下部がオレンジ色(■)、上部がマルーン色(■)である[要出典]。
材質は台枠、骨格、屋根が金属製、側面と妻面が木製となっているのが基本だが、一部の車両では鋼体化が行なわれている
なお、ハフ31およびハフ32は他の車両よりも全長と全高が長くなっている[要出典]。
一方でK形は「密閉形」となっており[5][7]、通常の箱型の車体である[要出典]。側面と妻面にアルミサッシが取り付けられ、窓ガラスが取り付けられている[5]。両側面ともに外から見て右端に扉があり、車両を俯瞰すると扉は点対称になっている[要出典]。車体色はC形と同様である[要出典]。車体は鋼製になっている[5]。
内装
[編集]壁や天井はアイボリー色になっている[要出典]。座席は3人掛けの座席が枕木方向に6列並んでいる[5]。
一方でK形の座席配置はC形と全く異なり、ロングシートとなっている[5]。7人掛けのロングシートが壁に沿って設置され、扉付近に補助椅子が各1個取り付けられている[要出典]。
走り装置
[編集]連結器
[編集]連結器は黒部峡谷鉄道で採用されているピン・リンク式連結器を装備している[7]。
仮設設備
[編集]設備の中には必要があれば取り付ける仮設の設備も存在している。
アルミサッシ・窓ガラス
[編集]C形は側面に窓の無い開放形だが、側面の開口部に簡易的にアルミサッシと窓ガラスを取り付けることができる[要出典]。晩秋から営業休止期間にかけて多くの車両に施工され、簡易的な密閉車として運用される[要出典]。
電車線復旧・撤去工事作業用足場
[編集]黒部峡谷鉄道は冬季に営業を休止するが、その際に電車線を撤去する箇所がある[9]。その撤去作業と復旧作業時に屋根に上で作業するため、金属製の足場を取り付けることができる[要出典]。晩秋から早春にかけて数両に施工される[要出典]。
形式
[編集]「ハ形」とまとめられる車両のうち、特定の仕様を持つ車両には「ハ」の後ろにもう一文字を追加して形式を示している。
ハフ
[編集]尾灯、車掌弁、圧力計等を設置し、緩急車として運用できる仕様とした車両[5]。
2022年現在、現役のC形は全てこの仕様になっている[7]。
ハト
[編集](#転用車両を参照。)
運用
[編集]本節では2020年代現在の運用について記述する。過去の運用については#歴史を参照。
黒部峡谷鉄道1000形客車などの他形式は基本的に固定編成を採用しているのに対して、本形式は一定の編成を組むことはせず、1両づつ単独で運用がなされている[4]。
車両の扱いは普通運賃のみで乗車できる普通車であるが、一般の列車はボギー車で統一されているため、イベントや一部のツアー列車[注釈 3]を除いて一般客は乗車できない[3][4][5]。おもに工事列車に貨車と共に連結され、関西電力職員や作業員の輸送等に用いられている[3][5]。
現役車両
[編集]現役車両(2022年現在)は以下の通り。C形,K形合わせて21両が現役で運用されている[1][2][7]。
現役車両各車の仕様のうち、標準的な仕様ではないものは以下の表の通り。
形式 | 車番 | 主な仕様 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
車体材質 | 全長、全高 | |||
ハフ | 3 | 木製(2010年8月)[5] | ||
ハフ | 4 | |||
ハフ | 5 | |||
ハフ | 6 | |||
ハフ | 7 | |||
ハフ | 8 | |||
ハフ | 11 | |||
ハフ | 13 | |||
ハフ | 15 | |||
ハフ | 16 | |||
ハフ | 17 | |||
ハフ | 18 | 木製(2012年4月)[5] | ||
ハフ | 19 | |||
ハフ | 20 | |||
ハフ | 21 | |||
ハフ | 31 | 鋼製(2012年5月)[5] | 他車より大きい[要出典] | |
ハフ | 32 | 他車より大きい[要出典] |
形式 | 車番 | 主な仕様 | 備考 |
---|---|---|---|
車体材質 | |||
ハ | 51 | 鋼製[5] | |
ハ | 52 | 鋼製[5] | |
ハ | 53 | 鋼製[5] | |
ハ | 54 | 鋼製[5] |
転用車両
[編集]黒部峡谷鉄道ハト形貨車(貨車への改造)
[編集]黒部峡谷鉄道ハト形貨車 | |
---|---|
基本情報 | |
運用者 | 黒部峡谷鉄道株式会社 |
種車 | 黒部峡谷鉄道ハ形客車 |
改造年 | 2016年 |
改造数 | 1両 |
総数 | 1両(2022年現在) |
主要諸元 | |
編成 | 1両 |
軌間 | 762mm |
荷重 | 3.2t |
自重 | 2.3t |
全長 | 4532mm |
備考 | 出典:私鉄車両編成表2022 p. 117,新しい貨物列車の世界p.139 |
黒部峡谷鉄ハト形貨車(くろべきょうこくてつどうはとがたかしゃ)は、2016年(平成28年)に登場した黒部峡谷鉄道の貨車(屋根付き無蓋車)。
ハト9の1両のみ存在する[7][10]。黒部峡谷鉄道ハ形客車、ハフ9を改造・転用した車両で[5][7][10]、座席を撤去して荷物を積載できるように改造されている[要出典]。改造日は2016年5月1日となっている[7]。主に混合列車に連結され、作業員の手荷物運搬車として運用されている[7]。
2012年頃には本形式と同様に座席を撤去した黒部峡谷鉄道ハ形客車が存在し、貨車代用として運用されていたが、「ハト」への形式変更はされなかった[5]。
形式 | 車番 | 主な仕様 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
車体材質 | 内装 | |||
ハト | 9 | 鋼製[要出典] | 座席撤去[要出典] | ハフ9から改造・転用[5][7][10] |
保存車両
[編集]ハフ10
[編集]宇奈月駅から徒歩1分のトロッコ広場にてED11号と共に展示されている[1]。
ハフ26・ハフ27
[編集]JR西日本北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅と、隣接する富山地方鉄道本線新黒部駅付近に「トロッコ電車のオブジェ」としてED8号と共に展示されている[11][12]。これらの車両は両駅開業時に「新幹線駅前オブジェ整備」として黒部市が設置を行ったもので[13]、当駅開業前は黒部市が所有するキャンプ施設、どやまらんど「明日キャンプ場」のテントサイト付近に保存されていた[14]。
ハ29
[編集]黒部市宇奈月町下立のふるさと水環境公園にED13号と共に展示されている[15]。
1992年に廃車となり、1993年に宇奈月町(現在の黒部市)へ譲渡され、当公園に展示された[15]。露天での展示のため徐々に車体へ傷みが発生していたが、2021年に黒部峡谷鉄道株式会社が「創立50周年記念事業」として修復を行った[15][16]。側板の交換、再塗装が行なわれ、ED13号と共に補修された[15]。
ハ36・ハ37
[編集]富山県黒部市宇奈月町浦山にある大橋農村公園にBB5号と共に展示されている[要出典]。かつてはハフ28も共に展示されていたが後に撤去された[要出典]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 昭和10年頃から昭和40年頃にかけて「貨車」から「ハ形客車」に「改造」されたとみられる。(文献不明)(2023年6月)
- ^ 黒部宇奈月温泉駅前に展示されているハ36、ハ37の案内看板にこの旨の記述がある。(2023年6月)
- ^ 具体例としては「昭和46年にタイムスリップ!凸型機関車運行の旅」と題して運転された、創立40周年を記念したイベント列車があげられる。本列車は2011年(平成23年)7月1日〜7日に運転され、ハ形客車6両が使用された。出典:“黒部峡谷鉄道「創立40周年イベント列車」を運転|鉄道イベント|2011年6月11日掲載|鉄道ファン・railf.jp”. 鉄道ファン・railf.jp. 2023年6月11日閲覧。
出典
[編集]- ^ a b c d e 黒部峡谷トロッコ電車のご紹介(機関車・客車編). 黒部峡谷鉄道・営業センター. (2016年12月)
- ^ a b “旅客車の紹介/黒部峡谷トロッコ電車”. 黒部峡谷鉄道株式会社. 2023年6月10日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 『鉄道ダイヤ情報』 通巻448号. 交通新聞社. (2021年9月). pp. 18-19,23
- ^ a b c d e f g 『鉄道ピクトリアル』 通巻532号. 株式会社電気車研究会 鉄道図書刊行会. (1990年9月). pp. 48-49
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac 『鉄道ファン』通巻616号. 交友社. (2012年8月). p. 107
- ^ “トロッコ電車とは?現役のトロッコ電車の種類も公開中│黒部峡谷鉄道トロッコ電車”. www.kurotetu.co.jp. 2023年6月12日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 私鉄車両編成表2022. 交通新聞社. (2022年7月14日). p. 117
- ^ a b c d “黒部峡谷とは?歴史や沿革をご紹介|黒部峡谷鉄道トロッコ電車”. 黒部峡谷鉄道. 2023年6月12日閲覧。
- ^ “安全運行によるお客さま満足度の向上を目指して (平成18年度 安全報告書)”. 黒部峡谷鉄道株式会社. p. 8. 2023年6月12日閲覧。
- ^ a b c 新しい貨物列車の世界. 交通新聞社. (2021年10月28日). pp. 139-140
- ^ 『『鉄おも!』 通巻161号』ネコ・パブリッシング、2021年6月、53頁。
- ^ “北陸新幹線開業後の黒部市の課題”. 黒部市. p. 11. 2023年6月11日閲覧。 “新黒部駅の周辺には、休憩施設やトイレのほか、トロッコ電車のオブジェ、自転車駐輪場、電気自動車の急速充電器を設置します。”
- ^ “社会資本総合整備計画 北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅周辺地区都市再生整備計画”. 黒部市. pp. 5-6,9,11. 2023年6月11日閲覧。
- ^ “フォトギャラリー-明日キャンプ場”. 2023年6月11日閲覧。 “芝生のテントサイト「1区画6.0m*9.5m」です。(昭和9年製のトロッコ電車が有ったのですが、新幹線黒部宇奈月温泉駅の方に移転されました。)”
- ^ a b c d “トロッコ電車 お色直し 宇奈月の水環境公園で展示”. 北陸中日新聞web. 2023年6月11日閲覧。
- ^ “黒部峡谷鉄道「創立50周年記念事業」について”. 黒部峡谷鉄道株式会社. p. 2 (2021年4月13日). 2023年6月11日閲覧。
外部リンク
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