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利用者:Takaty-/sandbox

ガーリー・エアフォース
ジャンル SF架空戦記
小説
著者 夏海公司
イラスト 遠坂あさぎ
出版社 アスキー・メディアワークス
レーベル 電撃文庫
刊行期間 2014年 -
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル
ポータル 文学

ガーリー・エアフォース』は、電撃文庫から刊行されている夏海公司ライトノベル作品である。表紙および巻中のイラスト遠坂あさぎが担当。

あらすじ

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西暦2015年、中央アジア地域において正体不明の飛翔体が目撃される。のちに「ザイ」(災)と名付けられたそれらの飛翔体は、既存の軍用機をはるかに凌駕する戦闘力を有しており、各地に多大な被害をもたらした。これに対抗するため、各国は「ドーター」と呼ばれる特殊兵器の開発を開始する。

2年後、上海沖にて、日本へと向かう船団がザイの攻撃を受けた。救命艇による脱出の最中、主人公・鳴谷慧は、赤色に発光した戦闘機らしき機体が、ザイを撃墜するのを目撃する。ところがその機体は姿勢を崩し、そのまま付近の海上に墜落してしまう。自らの生命を救ってくれたパイロットを助けたいという衝動に駆られた慧はひとり海へと飛び込み、どうにか機体に辿り着くことに成功する。

ところがその機体は、彼の知る通常の戦闘機とは明らかに異なっていた。おかげでパイロットを引き出すことはおろか、内部の様子をうかがうこともままならない。それでも慧は必死に呼びかける。すると、突如機体の一部が開き、コクピットが露わになった。だがそこで彼が見たのは、装備に身を包んだパイロットではなく、華奢で小柄な、ひとりの少女だった――


主要キャラクター

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人物

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鳴谷 慧(なるたに けい)
本作の主人公。2017年時点で高校生。一人称は「俺」。
2017年の上海脱出船団にて日本へ向かう際にザイの襲撃に遭う。その際にグリペンの空戦を目の当たりにするのみならず、墜落した機体に上ったことで、グリペンのアニマと出会うこととなる。
その後は小松市にある祖父母の家で暮らすこととなるが、ある日偶然にもトレーラーにて輸送中のグリペンを発見、航空自衛隊小松基地周辺を探索していたところ八代通の部下に連行され、そこで再びグリペンと出会い、以後彼女のそばにいることを命じられる。
7歳のとき、母親の操縦するセスナ機に同乗した際、はじめて操縦桿を握る。それ以来航空機に興味を持ち、ライセンス取得を目指して様々な書籍を読んだため、航空機やパイロットに関する知識はそれなりに豊富。また操縦経験も積んでおり、グリペンのフライトシミュレータでは、居合わせた自衛隊員が感心するほどの操縦技術をみせた。
宋 明華(ソン ミンホア)
16歳。神戸出身ということもあり日本語が堪能。また身体能力も慧に優る模様。一人称は「あたし」。
自らと慧の親から、文化や言葉の違いに苦しむ慧を支えるよう「お願い」をされて以来、それを律儀に9年間実行し続けてきた。慧いわく「年不相応にしっかりしている」。彼にとっては姉のような存在。
彼女自身も、保護者的な義務感以上に、慧にはそばにいてほしいと思っている節が見られ、慧が航空学生を志していると知った時は真っ向から反対している。
黒髪のポニーテールがトレードマーク。
八代通 遥(やしろどおり はるか)
防衛省技術研究本部 特別技術研究室 室長。技官として、ドーター開発に携わり、航空自衛隊に所属する戦闘機のドーター化に成功する。本人曰く「意外と勝率高い」
状況に対する判断や行動は迅速かつ合理的であるが、それゆえ周囲の人物や組織を振り回すこともしばしばである。「傲岸不遜・傍若無人」とは慧の弁。
小松基地周辺を徘徊していた慧が、グリペンが2017年に墜落した際に接触した人物であることを把握。公的機関らしからぬ拉致同然の手段で連行し、グリペンが飛行可能となるよう慧に命じる。
一人称は「俺」。肥満体であることがやたらと言及されている。
慧の母親
海上保安庁の航空機隊パイロット。その後、民間のフライトインストラクターなどを経て、エアロバティックスパイロットとなった。
言動や行動にどこか大ざっぱで子供っぽいところがあるものの、航空機の操縦に関する技術や哲学は確か。
2015年6月、中国でのエアショーにおいて、飛行展示中に乗機をザイに撃墜され他界している。
慧の父親
職業について具体的な記述はないものの、世界各地を転々とするために、慧はあちこちに転居することとなった。現在も不在がち。
宋おじさん(ソン-)
明華の父親。明華が生まれた当時は、神戸の中華街にて貿易商をしていた。
2015年6月の時点で40歳。
舟戸(ふなと)
航空自衛隊の航空機整備員。グリペンの整備のほか、フライトシミュレータの管理も担当。口元のひげが目立つ。


戦闘機

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ここではアニマと呼ばれる人型のキャラクターについて記述する。素体となった実在の航空機については各適合機体のリンクを参照のこと。


グリペン
八代通が管理するアニマのひとつ。完成後も長らく挙動が不安定で廃棄処分が予定されていたが、慧が付近にいるとその挙動が改善されることが判明、以後彼とともに過ごす。のちに、原理は不明ながら、互いの脳波の協調が確認されるに至る。
一人称は「私」 のんびりで淡々とした性格だが、「兵器としての自分」に関わる事柄には敏感に反応する。小松基地の一角にある旧海軍掩体壕を「秘密基地」と称して半ば私物化している。
ペールピンクのストレートロングヘアに加え、中学生くらいの小柄な体格も相まって、人形のような印象を与える。だが意外と食欲は旺盛。
 
適合機体は JAS-39D グリペン。


イーグル
八代通が管理するアニマのひとつ。グリペンとは対照的に非常に安定した性能を発揮し、多くの実戦を経験している。小松基地転属前は那覇基地に配備。
一人称は「イーグル」(名前呼び) また八代通を「お父様」と呼んで慕う。天真爛漫で自信と活力にあふれ、思ったことはためらうことなく発言する、良くも悪くもストレートな性格。
イエローのウェーブロングヘアが特徴。外見上は15~16歳くらいだが、任務のない時間は現地の米兵と遊んで飲んでを繰り返していたらしい。
 
適合機体は F-15J イーグル。

用語

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ザイ
正体不明の飛翔体の総称。
用途に応じて、大きさや形状の異なるいくつかのタイプが存在するようだが、ガラス細工のような、半透明の素材で構成されている点は共通している。
このうち、小型のものは、一般的な有人戦闘機とは比較にならないほどの高機動性能(HiMAT[1])に加え、電子的・感覚的な探知を妨害する能力(EPCM)[2]も有しており、レーダーや各種ミサイルによる追跡はおろか、目視による機関砲での攻撃も非常に困難であるという。兵装には指向性エネルギー兵器のほか、対地攻撃用の爆弾[3]を搭載したものもある。
ドーター
既存の機体にアニマと呼ばれる自動操縦装置を搭載し、大幅なチューニングを施すことにより、ザイに対抗しうる戦闘力を発揮する無人戦闘機。だが、その製造には何らかの技術的困難が存在するらしく、高価な戦闘機を徒に使用不能にしてしまうといった事例が少なくないことが示唆されている。
形状は素体となった機体そのものだが、機体表面が発光するほか、特殊なカラーとパターンが現れるため、通常の戦闘機の区別は容易である。
アニマ
ドーターに搭載される自動操縦装置。ザイのコアを脊髄の一部として培養し生育させることによって製造される。初期構築時にテキストの転送などによって知識を身につけるため、言語も難なく扱えるほか、非搭載時は飲食を摂ったり遊んだりもする。
見た目は人間の少女そのものだが、専用の機体に搭載することにより、一般のパイロットでは不可能な高い能力を発揮できる。とはいえ、その製造や維持には莫大なコストを要する上、特性や動作に未だ不明瞭な点があるなど、問題点も多い。
NFI(神経融合インタフェース)
アニマの感覚器とドーターの制御系を接続するためのシステム。これによりアニマは思いのままに機体を制御することが可能となる。この装備故に、ドーターのコクピットには通常の操縦装置や計器類がほとんど存在しない。


既刊一覧

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夏海公司、電撃文庫(アスキー・メディアワークス)

タイトル 初版発行日 ISBN
1 ガーリー・エアフォース 2014年9月10日 ISBN 978-4-04-866862-0
2 ガーリー・エアフォースⅡ 2015年3月10日 ISBN 978-4-04-869187-1

関連項目

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脚注

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  1. ^ en:Rockwell HiMAT を参照。実在する用語だが意味合いは異なる。
  2. ^ 電子対抗手段 (ECM)に、感覚を意味する Perceptual を付加した造語
  3. ^ 作中では滑走路破壊用の爆弾を使用。実在する類似の兵装としてはデュランダルがある。