利用者:Sethemhat/私論/古代エジプト関係記事の編集で気を付けるべきこと
この文書は私論です。一部のウィキペディアンが助言や意見を記したものです。広く共有されている考え方もあれば、少数意見の見解もあります。内容の是非については慎重に検討してください。 |
本ページは、ウィキペディアの古代エジプト記事における執筆の時に気を付けるべきこと(アドバイス・Tips)を記載しています。私論と独自研究の物も含まれますので、注意して採用するようにしてください。
MdCを利用する
[編集]ウィキペディアでは、ヒエログリフの翻字に、「A a i w b p f m n r H x X z s S q k g t T d D」のようなMdC(マニュエル・ド・コダージュ)を用いるべきです。複雑な、Gardiner, Hodge, Schneiderが発案したような、複雑な特殊文字(ḥ,ʔ,ȧ,ꜣ,ɹ,ï,ʾʾ)などを用いた翻字方法ではなく。理由は二つありますが、アクセシビリティと一般読者の事を考えた提案です。理由を大きく二つにまとめると次のようになります。
- 専門的知識がないと一見して発音がわからない。
- 現在使われている翻字方法は、大多数のモバイル端末などで正しく表示されない上に、特殊文字であるため入力が困難(表示改善が必要)
前提
[編集]まず、MdC(マニュエル・ド・コダージュ)とは、ヒエログリフをコンピューター上で表記するための方法です。
エジプト関連記事ではヒエログリフを多く扱います。例えば、
|
という文章があったとします。これだけでは詳しい人でなければ発音も意味もわかりません。そこで、下の方に付記として
翻字:ꜣꜥ-xpš ḫwi-pḏt-9 mry-nṯrw
訳:The one who has great of strength, repelled the Nine Bows, beloved of Gods
と、このように一般的(これから旧体系と呼びます)に使われている翻字と、訳を追加しますが、ここで翻字が問題になります。
発音方法の不明瞭さ
[編集]旧体系では、『 ꜣ(3) ꜥ i w b p f m n r h ḥ ḫ ẖ z s š q k g t ṯ d ḏ 』を主に用いますが、言語学に詳しい人でなければ見慣れない文字が大いにあります。たとえば普通の人にとっては、真実はそれぞれ発音が違うものであっても、h ḥ ḫ ẖはすべてただのhです。専門的読者は英語のページなどを参照し、発音記号で正しい発音を知りますが、大多数はそこまでの調査はしてくれないでしょう[注釈 1]。 そのため、読めなかったとしても、「ああ、このヒエログリフは大体アルファベットのaに似た発音するんだな」といった曖昧な理解でもしてもらえる方がウィキペディアの理念に沿っているでしょう。
表示・入力問題
[編集]また、この旧体系はモバイル端末で閲覧すると正しく表示できず、四角形(▯)が並ぶことが多いです。化けるのはꜣとꜥ(Aとa)のみですが、十分問題です。さらに、例えば"ḫḏt"を調べたい場合、PCにおいても文字表などから検索してコピーしなければ入力できず、モバイルではさらに困難です[注釈 2]。 ここで、MdCを用いれば、いかなる環境でも文字化けをすることはないので、アクセシビリティも高まります。
"re"を用いない
[編集]ガーディナーの記号N5として知られる、太陽円盤を表すヒエログリフ
|
は、エジプト学者の中では"re"と翻字する方が一般的です。しかし、これは同じ記号なのにも拘わらず、時により"ra"と綴られるので、初学者が混乱する元になりえます。
例えば、ラムセス2世の即位名は英語版Wikipediaでは、"Usermaatre–setepenre"と綴られますが、誕生名は"Ramesses"となっています。両方にN5のヒエログリフが含まれているのに一方では"re"、一方では"ra"とは明確に統一性がありません。よって、WikipediaではN5は"ra"と綴るべきです。
"j"を用いない
[編集]葦の葉を表す
|
が持つ音価"i"は時に"mry-jmn"などと、"j"と翻字されることがあります。しかし、これは大多数の日本語話者は「"ジェー"と読む」という誤った理解をしてしまいます。実際は"j"は"イ"と発音されるのに、英語では"j"は"djei"としか基本読まれないためです。
なのでこの間違いを避けるためにも"j"は用いないほうが親切です。
Unicodeを用いない
[編集]めったにありませんが、<-𓇋-𓏏:𓈖:𓇳-𓅜*𓐍:𓈖->などとUnicodeを用いてヒエログリフを表記する記事があるようです。これは、文章中での、ヒエログリフの上下の配置が分からなくなってしまうので、避けたほうがよいでしょう。代わりに、{{hiero}}
テンプレートを使用しましょう。