利用者:Sadmadjane/sandbox what
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われら何をなすべきか(露:Так что же нам делать?)は、レフ・トルストイによる哲学的ノンフィクション。
成立
[編集]本書の題名は、ルカによる福音書第3章10-14節にある「我ら何を爲すべきか」というイエスへの問いかけに由来する。
受容と批評
[編集]- 本書を翻訳した加藤一夫は、1915年版の序文にて「トルストイの著書の中でも、この書ほど世界人類の良心を刺戟し覺醒せしめた者はない」と記している[1]。
- 与謝野晶子は、「母性偏重を排す」において、女性に母親として生きることを強制しているとして、本書を強く非難した。
- 吉屋信子は『わすれなぐさ』の中で本書の英語版("What should we do?"と表記されている)を、トルストイへの皮肉を込めて登場させている。主人公の牧子は、この本のタイトル(What should we do?)を見て、人間が何をすべきなのかという問いに熱中するが、父に「女は結婚して家庭をおさめ子を養育する天職が義務だ。ただそれだけの話だよ」と言われ、憤る。そして一人、「(我ら何をなすべきか?)それは真実父の言ったようなつまらないことなのだろうか? (中略)いいえ、ちがう、きっと外にいろいろのことがあるのよ、女性のためにも何をなすべきか、たくさん、まだ心の踊るようなことが書いてあるのにちがいない」と考える。実際には、牧子が考えているような内容は本書には書かれておらず、本書の趣旨は父の主張と一致している。なお、結局牧子が本書を読むことはない。
書誌情報
[編集]- 加藤一夫訳『我等何を為すべき乎』洛陽堂、1915年
- 加藤一夫訳「我等何を為すべきか」(『世界大思想全集23 人生論 我等何を為すべきか 芸術論』所収)春秋社、1928年
- 『さらば我等何をなすべきか』
- 米川正夫訳『われら何をなすべきか』角川文庫、1951年
- 中村白葉、中村融訳「何をなすべきか」(『トルストイ全集 人生論』所収、河出書房新社、1972年)
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 日本聖書協会『ルカ傳福音書(文語訳)』。ウィキソースより閲覧。
- トルストイ我等何を為すべき乎 - Google ブックス加藤一夫訳、1915年
- 与謝野晶子「母性偏重を排す」(鹿野政直・香内信子編『与謝野晶子評論集』岩波文庫1985年に所収)
- 吉屋信子『わすれなぐさ』河出文庫、2010年
外部リンク
[編集]- 我等何を為すべきか - 国立国会図書館電子コレクション、1940年春秋社版。
- 我等何を為すべき乎 - Google ブックス - 1915年洛陽堂版。