利用者:Ovid71/sandbox
様式 | サンセリフ |
---|---|
分類 | グロテスク |
制作会社 | H・ベルトールド・AG |
発表年月日 | 1898年 (諸説あり) |
アクチデンツ・グロテスク (Akzidenz-Grotesk) は、ベルリンのベルトールド活字鋳造所 (Berthold Type Foundry) によって発売されたサンセリフ書体[注釈 1][1]。“アクチデンツ” (akzidenz) とは、この書体がつくられた19世紀当時の装飾および書籍用書体と対照して、宣伝やチケット、書類向きの “商業的” 書体であることを意味する[2][3][4]。
アクチデンツ・グロテスクの起こりは19世紀後半、当時のドイツの印刷業界で多くを占めるようになった普遍的で装飾のないサンセリフ書体の様式の一つ “グロテスク” (grotesque) に属し、のちにグロテスク様式を代表する書体のひとつとなった[5][6]。そのシンプルかつニュートラルな設計は、以降の多くの書体に影響を与え、1950年代 – 1960年代に流行した著名な “インターナショナル” (International) や “スイス” (Swiss) といったデザイン様式の設計要素として幅広く使用されるようになった[7]。また、英語圏の国々では “スタンダード” (Standard) あるいは “ベーシック・コマーシャル” (Basic Commercial) として販売される場合がある。[8][9]
特徴
[編集]アクチデンツ・グロテスクは、多くのサンセリフ書体と同じく、全ての線がほぼ均一の幅を持つ “モノライン” 構造である。この特徴により、アール・ヌーヴォー様式に影響を受けた19世紀後半の装飾的サンセリフ書体に見られるスワッシュのような優美さや装飾性を抑えたシンプルさを得ている。[10] 現代オランダの書体設計者マーティン・マイヨールは、アクチデンツ・グロテスクとその祖先書体の全体設計について、19世紀に標準的な印刷用書体であったディド (Didot)、バルバウム (Walbaum) ならびにその後継書体のディドン・セリフ (Didone serif) と似た骨格を有していると述べている。[11] これは a や c の、折り畳みの極めて強いカウンター (英語版) (囲み部分) に顕著である[10][11]。アクチデンツ・グロテスクの大文字は比較的幅広く、どの文字もほぼ均一な字幅になっている。[5]
アクチデンツ・グロテスクの g は、他の多くのドイツ系サンセリフ体と同じく “1階建て”[注釈 2] に設計されており、これは2階建ての g を持つほとんどのセリフ体と、小文字を持つ多くの初期サンセリフ体との相違点である。[注釈 3] ウォルター・トレイシー (Walter Tracy) 曰く、これは当時のドイツ系サンセリフ書体に広く見られる特徴で、1階建ての g を文字のベースラインの上に並べる伝統的なブラックレター体に由来するとしている。[10] 19世紀のドイツにおいて、ブラックレターはまだ非常によく使われた汎用書体であった (アンティクァ・フラクトゥア論争) 。
鋳造活字時代には普通であったことだが、アクチデンツ・グロテスクには文字間隔や各サイズ用の字形など、サイズごとのバリエーションがある。[13][14] 加えて、ウェイト間の違いも存在する。カール・ゲルストナーは、特定の文字サイズのみにおいての比較でさえ、ミディアムおよびボールドは、ライトおよびレギュラーとは別のxハイト[注釈 4]、キャップハイト[注釈 5]、ディセンダーレングス[注釈 6]に設計されていることを指摘する。[13][14][注釈 7] これは、セットになるファミリー書体の拡張を予定して設計されることの少なかった19世紀のサンセリフ書体では一般的なことであった。[16] アクチデンツ・グロテスクは、別サイズ、別ウェイト間のプロポーションの違いを通じて、時流への適応や要素の復活、違った切り口からのオリジナル書体設計の再調整などが多岐に渡って行われた。
歴史
[編集]19世紀の汎用サンセリフ書体制作の学校に由来があるにもかかわらず、当時のアクチデンツ・グロテスクの影響力、起源、活字職人などについては詳しく分かっていない。この時代、ドイツには非常に多くの活字鋳造所 (type foundry) が存在したため、調査は混迷を極めるのだ。多くの活字鋳造所により多数のバリエーションが作られ、19世紀後半のドイツではサンセリフ書体が広く親しまれるようになった。[17] 1920年代のベルトールドの印刷物デザインは1898年から継承されたものであった。[18][17]
戦後のベルトールド活字鋳造所のアートディレクターであったギュンター・ゲルハルト・ランゲは、アクチデンツ・グロテスクはフェルディナント・テインハルト活字鋳造所 (Ferdinand Theinhardt type foundry) にその起源を知る鍵があるとした。[19] ヒエログリフやシリア文字の分野において、その学問へのひたむきさで特に有名であった実業家およびパンチカッター (活字彫刻職人) のフェルディナント・テインハルトの工房である。[20] しかしながら、ドイツおよびスイスの印刷史の専門家で、ドイツにおいての初期サンセリフ書体の使用を調査したインドラ・クプファーシュミット教授 (Indra Kupferschmid) 曰く「1908年のテインハルト工房の(集録、収穫)の以前にアクチデンツ・グロテスクがベルトールドに存在したことは確実」であり、この説はアクチデンツ・グロテスク・ファミリーの完全な説明にはならないとのことであった。[21][4][22][23] (ベルトールドにおいてのアクチデンツ・グロテスクの初期周辺書体の綴りは多くが “Accidenz-Grotesk” であった。[4] ) エッケハルト・シュマヒャー=ゲプラー (Eckehart Schumacher-Gebler) ならびにクプファーシュミット教授によれば、アクチデンツ・グロテスクの幾つかの様式の起源はシュトゥットガルトのバウアー&Co. (Bauer & Co. 、より有名なフランクフルトのバウアー・タイプ・ファウンドリとは別の鋳造所である) を1897年に買収したベルトールド活字鋳造所のものであり、テインハルト鋳造所がライセンス認証をしたベルトールド所有の書体との混乱が起きた可能性がある。[21][24][25][26] クプファーシュミット教授は、バウアー&Co. が販売した1895年の影付きサンセリフ書体、“シャティエルテ・グロテスク” (Schattierte Grotesk)を基盤設計としたもののようだと結論づけている。[26][27][28] アクチデンツ・グロテスクを取り扱った初期の広告の幾つかには両方の鋳造所の署名がある。[29][28] ダン・レイノルズ (Dan Reynolds) は、アクチデンツ・グロテスクという書体名はバウアー&Co. が販売した “アクシデンツ・ゴティッシュ” (Accidenz-Gothisch) ブラックレター体に続くブランド拡張としての意図があったと加えて推察する。[30]
アクチデンツ・グロテスクの “ライト・ウェイト“ は長年 “ロイヤル・グロテスク” (Royal-Grotesk) として別個にブランド化されていた。この書体は、戦後のプロイセン科学アカデミーからの依頼によるものとも考えられていたが、アカデミー発行物に該当の書体は見られない、とクプファーシュミット教授は語る。[26] アクチデンツ・グロテスクは明らかに1902年 – 1903年頃にベルトールドにより制作されたもので、“新しく、非常に有用な書体” として業界紙に登場、アクチデンツ・グロテスクの “レギュラー” ・ウェイトとの組み合わせに最適だとして宣伝された。[26][31][15][18]
この頃、ドイツではアクチデンツ・グロテスクに似た様式の多くのグロテスク書体が販売された。20世紀初頭に、それらは様式の同じ複数の書体をまとめた “ファミリー” としてブランド化され始めた。競合相手として、アクチデンツ・グロテスクに非常に似ているが、よりハイウエストな大文字を持ったフランクフルトのバウアー・ファウンドリのヴィーナス・グロテスク (Venus-Grotesk) や、一階建ての a をもつシェルター&ギーゼッケ (Schelter & Giesecke) のコラーレ (Koralle) などがある。[32][33][34][注釈 8] (モノタイプ・グロテスク (Monotype Grotesque) もまたこの時代のドイツ系書体がベースになっている。[10] ) ゼーマン (Seeman) 著『Handbuch der Schriftarten』(書体のハンドブック) には、1926年出版当時のドイツで販売されていたサンセリフ書体が幅広く並べられている。[18] 1911年頃までに、ベルトールドはアクチデンツ・グロテスクをコンプリート・ファミリーとして市場に出し始めた。[36][26][28]
明らかな不評というわけではなかったが、アクチデンツ・グロテスクはこの頃最もよく売れた書体というわけでもなく、ベルトールドが特に積極的に売り出したわけでもなかった。[13] 1921年のベルトールドの書体見本および会社沿革には、以下のようにほとんど弁解ともとれる一文がある。「アクチデンツ・グロテスクは1898年に作られ名声を得ました。より現代的なスタイルが主流であろう今日において、この歴史ある書体は手直しを加えれば多分にして失われうる特有のスタイルを保持しています。アクチデンツ・グロテスクの数多くの模倣品にはこの良さはありません。」[4]
20世紀中頃においての使用
[編集]1920年代後期ごろ、円形や四角形などの幾何学形態に基づいたプロポーションを持つ、エルバー (Erbar) 、フーツラ (Futura) 、カーベル (Kabel) といった、最先端で新しい “ジオメトリック” サンセリフが登場したことにより、アクチデンツ・グロテスクやその他の “グロテスク” 書体の人気に影が差し始めた。ベルトールドもまた、この新スタイル書体であるベルトールド・グロテスク (Berthold-Grotesk) をリリースしている。[注釈 9]
戦後、特にスイスにおいてアクチデンツ・グロテスク人気の再興が確立し、グラフィックデザインの分野で “スイス・インターナショナル・スタイル” (Swiss International Style) として知られるようになった。このデザインスタイルは、美術写真に合わせたアクチデンツ・グロテスクが対照としてよく引き合いに出され、オールキャップス (全て大文字の書式) を以前のポスターデザインほど用いない。[40] カール・ゲルストナーらこの様式を多用したグラフィックデザイナーは、19世紀のこのサンセリフ書体が、過去数十年に作られたどのサンセリフ書体よりも “ニュートラル” かつ “パーソナル” でさえあるということを発見した。[13][14] 彼らデザイナーたちは「過剰な様式化なしに、機能主義的精神を伝えることに成功した。より幾何学的に純粋な書体を用いることで」。(エスキルソン (Eskilson) 著『Graphic Design: A New History』)[40]
モノタイプ・グロテスクなどの書体が使われるようになった当時にあって、アクチデンツ・グロテスクは人気書体であった。唯一の問題はといえば、1950年代後期までのアクチデンツ・グロテスクは活字鋳造所の手組植字でしか手に入らなかったことである。これはポスター印刷では十分なシステムであったが、一般的なテキスト印刷は1950年代までに鋳造植字機 (hot metal typesetting machines) が主要システムとなった。しかし、アクチデンツ・グロテスクが自動鋳植機で利用可能となったのはライノタイプ (Linotype) 用に用意された1958年頃のことであり[注釈 10]、1960年にはインタータイプ (Intertype) 用がリリース。[42][43] この時期の印刷物の本文の多くは類似書体としてモノタイプ・グロテスクを使用していた。[44][45][46][35] アクチデンツ・グロテスクはアムステルダム・コンチネンタル・タイプス (Amsterdam Continental Types) から “スタンダード” の名で米国へ輸入された。[47][48][49]
1957年、アクチデンツ・グロテスクで有名な競合3社が、他社との差別化を目指し画策を始めた。非常に高いxハイトと狭い文字間隔で強い印象を与える、ハース・ファウンドリのヘルベチカ (Helvetica from Haas Foundry)。幅広い種類のウェイトと文字幅のあるドゥベルニュ・エ・ペニョのユニバース (Univers from Deberny & Peignot) 、そしてバウアーのフォリオ (Folio from Bauer) 。[43] デザイン史家のポール・ショウ (Paul Shaw) はこう推察する。「アムステルダム・コンチネンタルの市場担当が “スタンダード” の積極的売り出しをやめ、代わりにヘルベチカに焦点を当て始めた1965年夏頃のニューヨーク、ヘルベチカがアクチデンツ・グロテスクを “力ずくで追い出した”」。[50]
1960年代、ベルトールドは書体見本中でアクチデンツ・グロテスクについて以下のように強調した。
70年以上に渡って実績を上げ、現代に至るまであらゆる現場においてその価値を証明し続けてきた書体シリーズ…世界標準のグラフィックや広告には必ず使われ…近年スイスで復活を遂げたアクチデンツ・グロテスクは、世界中で発展し、我々の時代を象徴する書体である。[9][51]
鋳造活字以降のリリース
[編集]鋳造活字の大量使用が終わりを迎えるとともに、アクチデンツ・グロテスクは写真植字およびデジタル用の新書体がリリースされた。
現代版アクチデンツ・グロテスクは、1950年代後半のとあるプロジェクトの後継であり、ベルトールドのギュンター・ゲルハルト・ランゲが指揮を執り、その特異性を保ちながらも多くの文字セットとスタイルの追加によるファミリー書体の拡充が図られた。[52] ここで追加されたスタイルには、AGエクストラ (AG Extra, 1958年) 、AGエクストラ・ボールド (AG Extra Bold, 1966年) 、AGスーパー (AG Super, 1968年) 、AGスーパー・イタリック (AG Super Italic, 2001年) 、エクストラ・ボールド・イタリック (Extra Bold Italic, 2001年) などがある。[53]
これとは別に、カール・ゲルストナーと彼の会社であるGGKバーゼル (GGK Basel) の他のデザイナーたちは、アクチデンツ・グロテスクを、同一スタイルを持つ新しいファミリー書体に合わせられる統一感あるシリーズにする施策を1960年代に開始。これはベルトールドのダイアタイプ・システム (Diatype system) において “ゲルストナー・プログラム” (Gerstner-Programm) の名で用いられたが、ランゲによるとこれが完全な形でリリースされることはなかったという。[13][14][54][19]
ベルトールドの権利保有者は、1993年のH・ベルトールド・AGの破産を経て、現在はベルトールド・タイプス・オブ・シカゴ (Berthold Types of Chicago) である。[55][56] ベルトールドは、2006年にアクチデンツ・グロテスク・プロ (Akzidenz–Grotesk Pro) の名称でOpenType形式の書体をリリース、翌年にはキリル文字ならびにギリシャ文字を追加した。[57][58] 別名による非公式のデジタル化も他企業により行われている。
特徴
[編集]アクチデンツ・グロテスクには以下のような特徴がある。
小文字
[編集]- c e s a に顕著な、狭い開口部と垂直に巻き上がるストロークを持つ “折り畳まれた” 文字骨格。ストロークの端部が水平または垂直になる割合がヘルベチカよりも低い。i における四角の点。二階建ての a と一階建ての g 。
大文字
[編集]- 垂直の折れ線を持つ G 。低めの水平線の A 。極めて幅の広い E および F など、大文字は幅広で文字ごとの幅の差が比較的わずかであること。[5] 垂直の縦ストロークと斜線が文字の中央下部で交差する M。幾つかのウェイトの大文字は小文字よりも極めて著しく太いストロークである。[59] すべてではないが多くのスタイルにおいて、真っ直ぐな右足の R と右はらい線が文字を貫通しない Q を用いる。
数字
[編集]- 上部のセリフ (“うろこ”) 付きの1 、そして幾つかのスタイルには 7 の左上に下向きのセリフがある。
- ほとんどのグロテスク・サンセリフ書体と同様に、アクチデンツ・グロテスクの斜め線はイタリック体ではなくオブリーク体である。[11] オブリーク体とは、手書き文字の傾斜を模した斜体ではなく、単純に文字を図形的に傾けた書体という意味である。これは重要な特徴だが、鋳造活字時代のアクチデンツ・グロテスクのウェイトの多くは傾斜した形態を持たない。また、アクチデンツ・グロテスクのウェイトおよび文字サイズのバリエーションは分けてカットされていたため、これらの特徴のすべてが全スタイルで現れるわけではない。[9]
バリエーション
[編集]鋳造活字
[編集]- 鋳造活字時代後期のベルトールドのアクチデンツ・グロテスク・ファミリー (ドイツ語名、ドイツ語読み)
- アクチデンツ・グロテスク Akzidenz-Grotesk
- ハルプフェット Halbfett
- マガー Mager
- フェット Fett
- シュマルマガー Schmalmager
- エング Eng
- シュマルハルプフェット Schmalhalbfett
- シュマルフェット Schmalfett
- エクストラ Extra
- コンデンスド・ボールド・ウェイト。シュマルフェット・ウェイトよりも狭い文字間隔[9]
- エクストラフェット Extrafett
- スケレット Skelett
- ブライトマガー Breitmager
- ブライト Breit
- ブライトハルプフェット Breithalbfett
- ブライトフェット Breitfett
- 写真植字およびデジタル書体時代に入り、ウルトラボールド・ウェイトの “アクチデンツ・グロテスク・スーパー” (Akzidenz-Grotesk Super) などその他のウェイトが追加された。
アクチデンツ・グロテスク・ブック
[編集]- アクチデンツ・グロテスク・ブックは1969年 – 1973年に作られたギュンター・ゲルハルト・ランゲ設計のバリアント書体。ヘルベチカの普及後に設計され、Q の突き抜けた “尾” や R の巻き足、ストローク端部の水平垂直のカットなど、その特徴の幾つかを継承している。ヘルベチカの幾つかのバージョンに見られるように、セディーユはカンマに取って代わられた。[60] エリック・シュピーカーマン (Erik Spiekermann) はこれをベルトールドの “ヘルベチカへの答え” であると述べている。[61]
- デジタル版には、ギリシャ文字およびキリル文字、そしてファミリーにはコンデンスド、エクステンデッド、ラウンデッド、ステンシルのスタイルが含まれている。[62][63]
アクチデンツ・グロテスク・シュルブーフ
[編集]- アクチデンツ・グロテスク・シュルブーフ (独: Schulbuch, 英: Schoolbook, 教科書の意) は、1983年ギュンター・ゲルハルト・ランゲ設計のアクチデンツ・グロテスク・ブーフ (独: Buch, 英: Book, 本の意) のバリアント。子供が認識しやすいように、よりはっきりした手書き文字に近い字形の教科書体 (参考:英語版 “Font” ) が使用されている。
- アクチデンツ・グロテスク・ブックを基盤として、一階建ての a 、巻きのある I (小文字のL) 、小文字と大文字で相似関係で基底部に巻きのない k t u y。上部に横棒のある J、中央の斜線の交差点がベースラインに接しない M、フーツラのように簡略化された設計の G R。特に目立つ特徴は、底部に巻きのあるブラックレター様式の大文字の I であり、これはドイツでは普通に見られるが英語圏では一般的ではない。[64][65]
- 切り替え可能な字形が同梱された2書体において、どのウェイトも使用可能。2008年、この書体のOpenType Proバージョンがリリースされた。デジタル書体メーカーのフォントフォントによるFFシュルブーフ (FF Schulbuch) ファミリーはこの様式に似ている。[65]
アクチデンツ・グロテスク・オールドフェイス
[編集]- アクチデンツ・グロテスク・オールドフェイス (Akzidenz-Grotesk Old Face) は、鋳造活字時代のアクチデンツ・グロテスクを以前の写真植字よりも忠実に再現することと、そのxハイトなど寸法の不一致の継承を目指して1984年にギュンター・ゲルハルト・ランゲが設計したバリアント書体。[66] またミディアム・ウェイトとボールド・ウェイトにおいてのカンマ式のセディーユ、レギュラー・ウェイトの ß (エスツェット) の内巻き線、短い水平セリフを持つレギュラー・ウェイトの 1 も受け継いでいる。[67]
- ファミリー書体のスタイルにはレギュラー、ミディアム、ボールド、アウトライン、ボールド・アウトライン、シェーデッドがあるが、斜体はない。[67][66]
アクチデンツ・グロテスク・ネクスト
[編集]- 2006年12月、ベルトールドはアクチデンツ・グロテスク・ネクスト (Akzidenz-Grotesk Next) のリリースを発表。[68] ベアント・ミュレンシュテート (Bernd Möllenstädt) ならびにディーター・ホフリヒター (Dieter Hofrichter) 設計で、再調整されたxハイトとウェイトシリーズにより、調和のとれたファミリー書体である。ファミリーには単一幅のローマン体、イタリック体を含む7ウェイト14のバリアント書体がある。
他の書体との類似点
[編集]この人気書体を基盤として、幾人かの書体設計者が新書体を制作した。ハース・ファウンドリのマックス・ミーディンガーは、1961年にヘルベチカと改名した1957年リリースの書体であるノイエ・ハース・グロテスク (Neue Haas-Grotesk) のモデルとしてアクチデンツ・グロテスクを用いた。ミーディンガーは高めのxハイトと狭めの文字間に設計することで、より洗練された統一感を持たせるよう意図した。[43] アクチデンツ・グロテスクに影響を受けた2書体、アドリアン・フルティガー (Adrian Frutiger) のユニバース、またバウアー・アンド・バウム (Bauer and Baum) のフォリオが1957年にリリースされている。
アクチデンツ・グロテスクは、一見してヘルベチカあるいはユニバースに間違われることがある。ヘルベチカとアクチデンツ・グロテスクの類似点は明らかではあるが、大文字および小文字の C や、大文字の G J R Q などのように僅かな差異しかない文字もある。ミーディンガーがアクチデンツ・グロテスクを再設計する際に加えた大きな変更は、ヘルベチカの高いxハイト、そして一様に水平になったストロークの端部の継承である。これらの効果により、アクチデンツ・グロテスクは比較的正円に近い囲み線や曲線を持っている一方、ヘルベチカはより縦長に見える傾向にある。ヘルベチカ、ユニバースの双方とも、すべてあるいはほとんどのストローク端部が水平か垂直になる点など、より規則的であり、ストローク幅とディテールにおいて一貫性が高い。
スイスのデジタル書体メーカーのオプティモ (Optimo) はアクチデンツ・グロテスクの新解釈として “テインハルト” (Theinhardt) をリリース。[69][70] エリック・シュピーカーマンはこれを “最高の” アクチデンツ・グロテスクのデジタル版であるとして絶賛した。シュピーカーマンもまたラルフ・ドゥ・キャロワ (Ralph du Carrois) とともに、アクチデンツ・グロテスクの非常に自由な解釈のデジタル化であるFFリアル (FF Real) を、二階建ての g と合字 (リガチャ) をはじめとした別字形を含む2サイズ (参考:英語版 “Font”) でリリースした。[71][72]
アメリカでは、アクチデンツ・グロテスクは “スタンダード” の名称で広まっていた。[9] ライノタイプ (Linotype) はアクチデンツ・グロテスクをライノタイプ鋳造植字システムにおいて1950年代から販売しており、限定デジタル版としては、有名な別名称 “ベーシック・コマーシャル” として販売を続けた。また、ビットストリーム社 (Bitstream Inc.) が “ゴシック725” (Gothic 725) として2ウェイト版をリリースした。[73][74]
より自由な解釈ではあるが、イギリスの道路標識に用いられた書体の “トランスポート” (Transport) が、アクチデンツ・グロテスクの影響のもとジョック・キニーア (Jock Kinneir) とマーガレット・キャルヴァート (Margaret Calvert) らの手で設計された。[75] これには、可読性の向上と明瞭化のために、他の書体の影響を受けた多くの調整や文字が組み込まれた。[76][77]
アクチデンツ・グロテスク (ハース)
[編集]- スイスのハース・タイプ・ファウンドリ (Haas Type Foundry) により制作された、他とは全く違った “アクチデンツ・グロテスク”。またの名を “アクシデンツ・グロテスク” (Accidenz-Grotesk) や “ノーマル・グロテスク” (Normal-Grotesk) といい、加えてよりコンデンスドなスタイルの “ボクシー” (boxy) がある。[40][43] インドラ・クプファーシュミット教授はこれについて “1909年頃にライプツィヒのワグナー&シュミット (Wagner & Schmidt) に設計された “ノイエ・モデルネ・グロテスク”の再調整版である。ハースははじめ ”アクシデンツ・グロテスク” (Accidenz-Grotesk) の名で、後に “アクチデンツ・グロテスク” (Akzidenz-Grotesk) と綴りを変えて発表、しかしベルトールドの “アクチデンツ・グロテスク” との混同を避けるために1943年に修正を受け “ノーマル・グロテスク” (Normal-Grotesk) と名を変えた” と述べた。[78][79] ハース・ファウンドリは、ベルトールド設計書体との競合においてのその人気の下降から、(当時 “ノイエ・ハース・グロテスク” と呼ばれた) ヘルベチカを作り上げた。[40]
代表的な使用例
[編集]アメリカ赤十字社 (American Red Cross) では、アクチデンツ・グロテスクとジョージア (Georgia) が公式書体として使用されている。書体が必要な公式ロゴと公式ガイドライン資料の全ての見出しなど、すべてのアメリカ赤十字発行物にはアクチデンツ・グロテスク、またはジョージアが使用されねばならない。[80]
また、アリゾナ州立大学 (Arizona State University) のブランドロゴ [81]、モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズでレースカーのフロントガラスに貼られるドライバー名にはエクストラ・ボールド・イタリックが、米プロバスケットボールチームのブルックリン・ネッツのロゴにはライト・コンデンスドが使用された。1990年代後期から2000年代においては、ザ・ウェザー・チャンネルのスクリーン・グラフィックに用いられた。
2017年、ライセンス許可なしに宣伝用映像中にアクチデンツ・グロテスクを使用するようデザイン会社に発注したとして、著作権侵害および契約違反でベルトールドはターゲット・コーポレーションを訴訟した。[82]
関連項目
[編集]- ベルトールド・アクチデンツ・ダイアログシステム
- Category:ベルトールド書体
- Category:グロテスク・サンセリフ書体
- Category:活版書体
- Category:写植書体
- Category:学習用字形を持つ書体
- Category:デジタル書体
脚注・出典・参考文献
[編集]- 脚注
- ^ 文字のほとんどのストローク (線) 幅が均一であり、線の端部に付く “うろこ” “ひげ” などの飾り要素をほとんど持たない書体。
- ^ 下部のストロークが長く、右へ巻き込んで縦ストロークと接することで2つの閉じた空間を持つものを2階建ての g (英: double-storey g) 、閉じた空間が1つのものを一階建ての g (英: single-storey g) と便宜上呼ぶことがある。
- ^ サンセリフ書体が初めて世に出たのはロンドンであったが、活字鋳造所がよりデザインに熱心で小文字や様々なスタイルを持つサンセリフ書体をより用いる傾向にあった土壌からドイツで大流行した。[12]
- ^ (英: x-height) エックスハイト、文字基底部から小文字の x の上端部までの距離
- ^ (英: cap height) 文字基底部から大文字の上端部までの距離
- ^ (英: descender length) 文字基底部より下に突き出た部分の下端部までの距離
- ^ 1900年代のベルトールドのカタログ上にこれら2ウェイトが売り出されている (当時ライト・ウェイトは “ロイヤル・グロテスク” の名で通っていた) 。[15]
- ^ クプファーシュミット教授によると、20世紀前半にベルトールドが販売した別のサンセリフ書体であるイデアル・グロテスク (Ideal-Grotesk) はVenus knockoffであり、デジタル書体の複製から作られている。[35]
- ^ ベルトールド・グロテスクは、他のドイツ産ジオメトリック・サンセリフ書体に比べるとあまり知られていない。しかし、ノーベル(Nobel) の名でアムステルダム・タイプ・ファウンドリ (Amsterdam Type Foundry) がライセンスを受けた書体は、オランダの印刷業界において一般化し標準書体となった。[37][38] また、20世紀の幾つかの文献では、伝統的な “グロテスク/ゴシック” 書体と1920年代の新しい書体を区別するため、“サンセリフ” という語句を後者の書体に用いたとされている。[39] “インダストリアル” (工業的) という語句は、アクチデンツ・グロテスクのような初期のグロテスク・サンセリフ書体にも使われる。[10]
- ^ “Helvetica Forever” とウルリッヒ・シュティール (Ulrich Stiehl) によると、これは1958年に “ライノタイプに引き継がれた” という記事がライノタイプ社の販売資料に掲載されたとしているが、エスキルソンは1959年のリリースだと主張する。[7][41]
- ^ この画像はバルバウムの作品の後の復興を示唆している。19世紀初頭のローマン体には習慣的に文字高さのバリエーションが存在した。
- ^ 巻き足の R が切り替え用字形として入手可能。
- ^ 巻き足の R が切り替え用字形として入手可能。[9]
- ^ (英: condensed) 文字幅が極端に狭く、少ないスペースに多くの文字情報を載せることができる書体のスタイル。
- ^ ウルリッヒ・シュティールは、これが鋳造活字ファミリーへの最後の追加書体の一つであると示唆する。[42]1959年の広告や、ベルトールドのハウプトプローベ Nr. 470 (Hauptprobe Nr. 470) にはこれが使われていなかったが、すぐのちの1966年頃、シュリフトプローベ Nr. 473 (Schriftprobe Nr. 473) には用いられた。[9]
- ^ 折り畳みの浅い a と g、横幅のやや狭い r がオプションで入手可能。[9]
- ^ 折り畳みの浅い a と g、横幅のやや狭い r がオプションで入手可能。[9]
- 出典
- ^ Akzidenz-Grotesk Goes Greek and Cyrillic
- ^ “Identifont post”. Identifont. 20 June 2015閲覧。
- ^ “Inclined to be dull”. Eye magazine. 20 June 2015閲覧。
- ^ a b c d e f “Akzidenz-Grotesk (Re-)Release Dates (comments on Typophile thread)”. Typophile. 20 June 2015閲覧。
- ^ a b c “A Neo-Grotesque Heritage”. Adobe Systems. 15 October 2015閲覧。 “With its horizontal and vertical strokes of almost the same thickness and its regularized capital letters with few variations of width, Akzidenz Grotesk stood out starkly on the page — especially when that page also included the highly-decorated types that were popular in the same era.”
- ^ “Uniformity”. Nick Shinn. Graphic Exchange. 1 July 2015閲覧。
- ^ a b c d Müller, Lars; Malsy, Victor; Kupferschmid, Indra (2009). Helvetica Forever: Story of a Typeface. Lars Müller. ISBN 978-3037781210
- ^ “Helvetica & Standard”. Blue Pencil. 1 July 2015閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x Schriftprobe Nr. 473. Berlin/Stuttgart: H. Berthold/Zweigwerk Stuttgart. (c. 1966)
- ^ a b c d e Tracy, Walter (2003). Letters of Credit: A View of Type Design. D. R. Godine. pp. 58, 86–97. ISBN 978-1-56792-240-0
- ^ a b c “My Type Design Philosophy”. Typotheque. 12 November 2015閲覧。
- ^ “Comments on Typophile thread - "Unborn: sans serif lower case in the 19th century"”. Typophile (archived). 28 June 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。15 October 2016閲覧。
- ^ a b c d e f Gerstner, Karl (1963). “A new basis for the old Akzidenz-Grotesk (English translation)”. Der Druckspiegel 15 October 2017閲覧。.
- ^ a b c d e Gerstner, Karl (1963). “Die alte Akzidenz-Grotesk auf neuer Basis”. Der Druckspiegel 15 October 2017閲覧。.
- ^ a b “Schriftprobe”. Archiv für Buchgewerbe 41: 149. (1904) 22 December 2017閲覧. "Die Firma H. Berthold, Akt-Ges. in Berlin zeigt in einem hübsch angeordneten handlichen Heftchen zwei Garnituren Royal- und Akzidenz-Grotesk, beide sich ergänzende Schriften von vornehmer Wirkung, die um so mehr als zeitgemäß bezeichnet werden können, weil anscheinend nun endlich auch in der Druckausstattung der Akzidenzen Wege eingeschlagen werden, die zu einer wesentlichen Vereinfachung des Satzbildes führen dürften."
- ^ “Knockout”. en:Hoefler & Co. 21 October 2017閲覧。 “The notion of the “type family” is so central to typography that it’s easy to forget how recent an invention it is. Throughout most of its history, typography simply evolved the forms that were the most useful and the most interesting, generally with indifference toward how they related to one another. Italic faces existed for decades before they were considered as companions for romans, just as poster types shouted in a range of emphatic tones before they were reimagined as “bold” or “condensed” cousins. The notion that a type family should be planned from the outset is a Modernist concoction, and it’s one that type designers have lived with for less than a century…For more than a century before Helvetica, the sans serif landscape was dominated by unrelated designs.”
- ^ a b Handover, Phyllis Margaret (1958). “Grotesque Letters”. Monotype Newsletter, also printed in Motif as "Letters without Serifs" .
- ^ a b c Handbuch der Schriftarten. Leipzig: Seemann. (1926). pp. 181–218 30 June 2017閲覧。
- ^ a b “Sonderheft Günter Gerhard Lange”. Typografische Monatsblätter. (2003).
- ^ Liste der Hieroglyphischen Typen aus der Schriftgießerei des Herrn F. Theinhardt in Berlin. Buchdruckerei der Königl. Akademie der Wissenschaften (G. Vogt). (1875) 21 October 2017閲覧。
- ^ a b “Some notes on the history of Akzidenz-Grotesk”. kupferschrift*. 30 March 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。19 January 2017閲覧。
- ^ Akzidenz Grotesk roots
- ^ page 21, Sans Serif: The ultimate sourcebook of classic and contemporary sans-serif typography, Thames & Hudson, Cees W. de Jong, 2006
- ^ “Stefan George Schrift”. Flickr. 30 June 2017閲覧。
- ^ “Ferdinand Theinhardt”. en:Klingspor Museum. 30 June 2017閲覧。
- ^ a b c d e “Some notes on the history of Akzidenz-Grotesk Part 2”. kupferschrift. 15 October 2017閲覧。
- ^ “Schriftprobenschau”. Archiv für Buchdruckerkunst und verwandte Geschäftszweige: 404, 407. (1896) . "Die Schriftgießerei Bauer & Co., Stuttgart und Düsseldorf, veröffentlicht unter den heutigen Schriftproben eine schattierte Grotesk und bietet unseren Lesern mit dieser Schrift ein beliebtes, sehr verwendbares Material, das sich in ähnlicher, älterer Ausführung seit jener einen Platz auf allen guten Akzidenzien erhoben hat."
- ^ a b c “Notes on the history of Akzidenz-Grotesk Part 2a – Timeline”. Kupferschrift. 27 December 2017閲覧。
- ^ Cees W. de Jong; Alston W. Purvis; Friedrich Friedl (2005). Creative Type: A Sourcebook of Classic and Contemporary Letterforms. Inmerc. p. 331. ISBN 978-90-6611-250-6
- ^ “Also, the name Accidenz-Grotesk likely came from Bauer & Co., too. That foundry’s founder F.W. Bauer had earlier cut a typeface called Accidenz-Gothisch”. Twitter. 20 October 2017閲覧。
- ^ “Schriftprobe”. Archiv für Buchgewerbe 40: 19. (1903) 22 December 2017閲覧. "Eine neue recht verwendbare Schrift hat die Firma H. Berthold Akt.-Ges in Berlin geschaffen, eine in acht Graden geschnittene Royal-Grotesk, die sich zu allen besseren Accidenzen verwenden lassen und infolge ihres scharfen und sauberen Schnitts zur besten Wirkung gelangen wird. Auf eine kleine, vielleicht unbeabsichtigte Unschönheit möchten wir doch hinweisen. Diese betrifft das Versal-R, dessen Querstrich zu tief steht, was auffällt und störend wirkt, wenn der Buchstabe zwischen B und E steht. Vielleicht ist hier eine Verbesserung noch angängig. Chronos."
- ^ Paul Shaw (April 2017). Revival Type: Digital Typefaces Inspired by the Past. Yale University Press. pp. 190–205. ISBN 978-0-300-21929-6
- ^ “Koralle”. Alphabettes. 13 July 2016閲覧。
- ^ “Venus - MyFonts”. en:MyFonts. 13 July 2016閲覧。
- ^ a b “Blue Pencil no. 18—Arial addendum no. 3”. Paul Shaw Letter Design (blog). 27 December 2017閲覧。
- ^ “Type Specimen book H. Berthold AG, ca 1913”. Flickr. 23 December 2017閲覧。
- ^ Lane, John A.; Lommen, Mathieu; de Zoete, Johan (1998). Dutch Typefounders' Specimens. De Graaf. pp. 29–31 4 August 2017閲覧。
- ^ Jan Middendorp (2004). Dutch Type. 010 Publishers. p. 45. ISBN 978-90-6450-460-0
- ^ Day, Kenneth (1956). The Typography of Press Advertisement. pp. 86–8, etc.
- ^ a b c d Stephen Eskilson (28 February 2012). Graphic Design: A New History, Second Edition. Yale University Press. pp. 290–1. ISBN 978-0-300-17260-7
- ^ “Akzidenz-Grotesk auf der Linotype-Zeilengußmaschine (German)”. Sanskritweb (blog). 20 October 2017閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m “Akzidenz-Grotesk für Hand- und Maschinensatz (advert)”. Gebrauchsgrafik (Berthold/Linotype (advert)): 56. (1959) . "Die Akzidenz-Grotesk is sechzig Jahre alt, und doch scheint sie nicht zu veraltern, sondern in ihrer Frische und Lebendigkeit für immer zu verharren. Sie erfreut sich solcher Beliebheit, daß sie nun auf die Setzmaschine kam. Zusammen mit den Handsatz-Garnituren bilden die Linotype-Werkschiftgrade eine sehr stattliche Familie, die der Gestalter und Drucker oft und gern bei seiner Arbeit in Anspruch nehmen wird."
- ^ a b c d “The Birth of a Giant”. en:Font Bureau. 18 January 2017閲覧。
- ^ Richard Hollis (2006). Swiss Graphic Design: The Origins and Growth of an International Style, 1920-1965. Laurence King Publishing. p. 201. ISBN 978-1-85669-487-2
- ^ Grace Lees-Maffei (8 January 2015). Iconic Designs: 50 Stories about 50 Things. Bloomsbury Publishing. pp. 81–3. ISBN 978-0-85785-353-0
- ^ Lucienne Roberts (1 November 2005). Drip-dry Shirts: The Evolution of the Graphic Designer. AVA Publishing. pp. 27–29. ISBN 978-2-940373-08-6
- ^ “The (Mostly) True Story of Helvetica and the New York City Subway”. AIGA. 27 December 2017閲覧。 “Exactly when Amsterdam Continental began importing Standard is unclear but it appears on several record album covers as early as 1957.”
- ^ “Amsterdam Continental: A Handbook of Types”. Type Design Information. 27 December 2017閲覧。
- ^ “Vintage Fonts: 35 Adverts From the Past”. Print. 27 December 2017閲覧。
- ^ “From the Archives no. 15—Helvetica and Standard”. Paul Shaw Letter Design (blog). 27 December 2017閲覧。
- ^ Akzidenz-Grotesk von Berthold, Probe 429A (digitisation: Stephen Coles/Thomas Maier). Stuttgart: H. Berthold. (c. 1960) 24 December 2017閲覧。
- ^ de Jong, Cees W. (2006). Sans Serif: The Ultimate Sourcebook of Classic and Contemporary Sans Serif Typography. London: Thames & Hudson. p. 23. ISBN 9780500513118
- ^ “Akzidenz-Grotesk”. Berthold Types blog. H. Berthold. 27 December 2017閲覧。
- ^ “Gerstner-Programm”. Fonts in Use. 15 October 2017閲覧。
- ^ “Berthold Goes Bankrupt”. Telecompaper. 20 October 2017閲覧。
- ^ “Erik Spiekermann's Statements re Berthold”. Typophile. Berthold Types (2004年). 20 October 2017閲覧。
- ^ Berthold Announces the Release of Akzidenz-Grotesk in OpenType Format Archived 2006-05-18 at the Wayback Machine.
- ^ AG goes Greek and Cyrillic
- ^ Frutiger, Adrian (2009). Osterer, Heiden; Stamm, Philipp. eds. Typefaces: The Complete Works (English ed.). Basel: Birkhäuser. pp. 88, 96–7, 355 etc. ISBN 978-3764385811. "(On the grotesque revival, written in 1961): Some of these old sans-serifs have had a real renaissance within the last twenty years...a purely geometrical form of type is unsustainable over a larger period of time. (On Frutiger's typeface Univers, inspired by Akzidenz-Grotesk) Univers doesn't form patches in print, like Akzidenz-Grotesk for example, because the uppercase letters are only drawn slightly bolder than the lowercase."
- ^ “Neue Haas Grotesk”. 28 November 2014閲覧。
- ^ “Twitter post”. Twitter. 21 July 2016閲覧。 “AG Buch war GGL’s Antwort auf Helvetica, für die Berthold keine Lizenz kriegte von Linotype.”
- ^ “AG Book Pro”. Berthold. 1 October 2017閲覧。
- ^ “AG Book Rounded Pro”. Berthold. 1 October 2017閲覧。
- ^ “Wikipedia Redefined”. Fonts In Use. 13 July 2016閲覧。
- ^ a b “Design Museum”. Fonts In Use. 13 July 2016閲覧。
- ^ a b “AG Old Face Pro”. Berthold. 1 October 2017閲覧。
- ^ a b Berthold exklusiv Probe 013: Akzidenz-Grotesk. Berlin: Berthold Fototype. (1984) 1 October 2017閲覧。
- ^ Berthold Releases Akzidenz-Grotesk Next
- ^ “Theinhardt”. Optimo. 21 July 2016閲覧。
- ^ “Twitter post”. Twitter. 21 July 2016閲覧。 “ist ja auch die beste AG”
- ^ “FF Real”. Linotype. 21 July 2016閲覧。
- ^ “Interview with Erik Spiekermann and Ralph du Carrois”. FontShop. 21 July 2016閲覧。
- ^ “Basic Commercial LT”. MyFonts. Linotype. 20 October 2017閲覧。
- ^ “Gothic 725”. en:MyFonts. en:Bitstream Inc.. 23 December 2017閲覧。
- ^ Calvert, Margaret. “New Transport”. A2-Type. 1 March 2016閲覧。
- ^ “From Akzidenz to Transport Solution”. Port. 21 July 2016閲覧。
- ^ Jackson, Tanya (31 January 2013). British Railways: The Nation's Railway. History Press. p. 130. ISBN 978-0-7524-9742-6
- ^ “Haas Normal-Grotesk”. Flickr. 18 January 2017閲覧。
- ^ “Wagner & Schmidt, etc.”. kupferschrift. 18 January 2017閲覧。
- ^ American Red Cross Brand Standards Archived 2010-08-12 at the Wayback Machine.
- ^ Arizona State University Communication Guide | Font Standard
- ^ “Chicago Font Co. Takes Aim At Target's Use Of Typeface - Law360” (英語). www.law360.com. 2017年10月6日閲覧。
- 参考文献
- Fellici, James. The Complete Manual of Typography. Adobe Press: 2002. ISBN 978-0-321-12730-3.
- Fiedl, Frederich, Nicholas Ott and Bernard Stein. Typography: An Encyclopedic Survey of Type Design and Techniques Through History. Black Dog & Leventhal: 1998. ISBN 1-57912-023-7.
- Kane, John. A type primer. Prentice Hall: 2002. ISBN 0-13-099071-X.
- Macmillan, Neil. An A–Z of Type Designers. Yale University Press: 2006. ISBN 0-300-11151-7.
- “Berthold Fonts”. 2018年4月16日閲覧。
外部リンク
[編集]- Berthold pages: AG Book Pro+, AG Book Rounded, AG Book Stencil et al, AG Old Face, AG Schoolbook, Akzidenz-Grotesk Pro+, Akzidenz-Grotesk Next
- Akzidenz-Grotesk Next
- Akzidenz Grotesk sample books digitised by Ulrich Stiehl
- Fonts in Use coverage: Akzidenz-Grotesk, AG Condensed, AG Book, Standard (for American uses)
- Probe 429A (c. 1960 specimen, photographed by Stephen Coles/Thomas Maier)
- Berthold exklusiv 013: Akzidenz-Grotesk (1980s Berthold specimen, for phototypesetting)
- Berthold advertisement from 1937 not showing Akzidenz-Grotesk. The advert showcases "modern and successful" faces, illustrating the eclipse of Akzidenz-Grotesk in this period.
- 1959 advert announcing the arrival of Akzidenz-Grotesk on the Linotype hot metal system