利用者:Nazikero/sandbox
素人(スジン)とは、素人(シロウト)の古典式発音。
定義
[編集]和語での素人(しろうと)の古典的な発音で、特に高貴な女性に対して「達者ではない」と評価する際に用いられた。ただし、対になる言葉としての玄人(くろうと)が、「ゲンジン」と発音された例は確認されていない。
歴史
[編集]古くは日本最初期の日記文学である土佐日記から、草書体の万葉仮名で綴られた「すじん」という語句が散見されるものの、「素人」の漢字表記が浸透するにつれ、「しろうと」と判別が不可能になり、以後数百年にかけて「すじん」という表記は見られなくなる。
ところが、農民などの一般人に読み書きが普及するようになる安土桃山時代になると、辛うじて仮名を扱える宮仕えの女中の日記などに再び「すじん」が現れる。ただし、当時広まっていたポルトガル人向けの日本語辞典である日葡辞書の「しろうと」の発音に「Sujin」が無いことや、都市部以外で発行された書のほとんどが仮名遣いで「しろうと」と書かれていることから、都市部における俗語あるいは隠語として侮蔑的な意味を込めて使われていたと考えられている。
下記のように近年では辞典に掲載されることもなく死語もしくは古語として扱われてはいるものの、ここ数年では特定ジャンルの男性向け映像作品を指す場合の隠語としての広まりを見せている。この「すじん」を古語の復興とみるか、創造された新語とみるかは専門家同士で意見が分かれており、議論の進展が望まれている。
辞典への掲載
[編集]国語辞典では、1484年に作成された温故知新書にはじめて「すじん」として「素人」が掲載された。 明治33年に出版された増補俚言集覧に「しろうと」の発音違いとして紹介されて以来、辞典への掲載は行われていない。
参考文献
[編集]- 紀貫之(著)(935)『土佐日記』。
- イエズス会(編)(1603)『日葡辞書』(Vocabulário da Língua do Japão)。
- 大伴広公(編)(1484)『温故知新書』。
- 村田了阿(編)(1899)『俚言集覧. 中巻』東京:皇典講究所印刷部。
関連項目
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