利用者:Nalayama089/たまこラブストーリー
たまこラブストーリー | |
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Tamako Love Story | |
監督 | 山田尚子 |
脚本 | 吉田玲子 |
製作 | うさぎ山商店街 |
出演者 |
洲崎綾 田丸篤志 金子有希 長妻樹里 山下百合恵 |
音楽 |
片岡知子 マニュアル・オブ・エラーズ |
主題歌 | 洲崎綾「プリンシプル」 |
撮影 | 山本倫 |
編集 | 重村建吾 |
制作会社 | 京都アニメーション |
製作会社 | 「たまこラブストーリー」製作委員会 |
配給 | 松竹 |
公開 | 日本・2014年4月26日 |
上映時間 | 83分(同時上映含む) |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 2億500万円[1] |
前作 | たまこまーけっと |
『たまこラブストーリー』は、京都アニメーション制作の日本のアニメーション映画。2014年4月26日に から松竹の配給で公開された。主人公で餅屋の娘・北白川たまこと、その幼なじみ・大路もち蔵の高校3年生同士の恋模様を描く。監督は山田尚子。
第18回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞受賞作[2]。
本作は2013年放送のテレビアニメ『たまこまーけっと』の続編という位置付けではあるが、"映画単体でも楽しめる作品"ということを念頭に制作されている[3]。
あらすじ
[編集]主人公・北白川たまこは餅屋「たまや」の娘で、とにかくお餅が大好きなバトン部所属の高校3年生。そんなたまこの幼なじみであり、向かいの餅屋「大路屋」改め「RICECAKE Oh!ZEE」の息子でもある大路もち蔵は、生まれた頃から一緒に過ごしてきたたまこに対して、密かに恋心を抱いていた。
高校3年生に進級したことで進路を考え始める時期となり、映画研究会に所属しているもち蔵は、東京の大学の映像科に進学することを決める。同時に、たまこに対しても想いを伝えることを決意する。一方その頃、漠然と餅屋を継ぐことを考えていたたまこは、親友の常盤みどり、牧野かんな、朝霧史織らと下校途中、それぞれが各々の進路についてきちんと考えていることを知る。
想いを伝えることを決意したもち蔵であったが、機会はあれどなかなか実行に移せずにいた。そんなある日、たまこに対する好意を見透かしていたたまこの親友・みどりに、何も出来ないでいるもち蔵の姿勢を指摘される。もち蔵は勢いあまり、今日中に想いを伝えることをみどりに対し約束し、たまこと二人で一緒に帰ることとなる。一方、急かしたみどりは、どこか浮かない表情をし、ため息をつき「自己嫌悪」と呟く。夕方になりもち蔵はたまことの下校途中、河原でバランスを崩し転びそうになったたまこを腕を掴み引き上げる。そして腕を掴んだまま、告白をする。しかし、突然の出来事に動揺したたまこはそのまま腕を離し、バランスを崩し川に落ちてしまう。そしてたまこは、川の水に濡れてびしょびしょなまま、混乱しその場を走り去ってしまう。
告白以来、たまこは日常の言動がおぼつかなくなり、もち蔵と顔を合わせるのも避けるようになってしまう。いつも近くにいて、変わらないと思っていたもち蔵がきちんと物事を考えていたため、遠い人のように感じ、返事も出来ずどうしたら良いのか見失っていたたまこであった。そんなある日、たまこの祖父、北白川福が餅を喉に詰まらせてしまう。たまこの父親・北白川豆大が不在で取り乱していたたまこであったが、もち蔵がその場に丁度居合わせ、救急車に同乗する。幸い命に別条はないことが分かると、入院手続きのためにたまこともち蔵が残され、二人きりになる。自分が告白をしたせいでたまこの調子が悪くなったのだと思ったもち蔵は、あの日の告白をなかったことにし、今まで通りの関係に戻ろうと告げる。翌日、学校にてたまこはその経緯をみどり、かんな、史織に相談したことで自らの想いに気づき、きちんと返事をしようと決意する。
ある晩、たまこは、翌日の学校がインフルエンザ休校になることを連絡網にて知る。告白の返事をするため、連絡網の最後に当たるもち蔵に対しあえて電話をせず、翌日誰もいない教室でもち蔵を待っていた。しかし、もち蔵は友人経由で休校を知っており、それを利用し進学を考えていた東京の大学の見学に行くことを決めていた。二人の動きに気付いたみどりはたまこの待つ教室に現れ、「もち蔵が東京に転校を決め、朝の新幹線で行ってしまう」と嘘をつき、たまこを急かす。駅のホームに着いたたまこは、新幹線にいまにも乗車しようとしていたもち蔵を発見し、大声で呼び止める。そして、もち蔵の母・道子を経由して借りていた糸電話を投げようとするが、間違って両側を投げてしまう。それを受け取ったもち蔵は片側の糸電話を投げ返し、それをたまこは両手でキャッチする。きちんとキャッチ出来たことに対して自分で驚くたまこであったが、すぐに意を決し、「もち蔵、大好き、どうぞ。」と返答するのであった。
沿革
[編集]2013年12月、『たまこまーけっと』の劇場アニメ化が発表され、公式サイトがオープン。「たまこ、むけました。」というキャッチコピーと共に、主人公・北白川たまこが髪を下ろし、少し大人びた表情で描かれたキービジュアルが公開される[4]。
2014年4月26日に公開。全国24スクリーンという小規模公開ながら、公開初週の土日2日間で動員2万263人、興収3168万8700円となり[5]、全国映画動員ランキング(興行通信社調べ)で第11位にランクインするなど好成績をあげる[6]。また、ぴあ初日満足度ランキング(ぴあ映画生活調べ)では第1位を獲得し、10代から30代の観客を中心に高い支持を集めた[7]。その後、上映劇場も拡大され[8]、興行収入は2億円を突破した[9]。
同年11月には、第18回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で新人賞を受賞[2][10]。
スタッフ
[編集]スタッフ |
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主題歌
[編集]- 主題歌「プリンシプル」
- 作詞 - 愛鈴 / 作曲 - 藤本功一 / 編曲 - 谷口尚久 / 歌 - 洲崎綾
- エンドロールの後半(エンディング曲の後)に流れる。
- オープニング曲「KOI NO UTA」
- 作詞 - 北白川豆大 / 作曲 - ダイナマイトビーンズ / 歌 - 北白川豆大[12](作中設定)
- 作詞 - 山田尚子 / 作曲 - 山口優
- ダイナマイトビーンズ「恋の歌」の別バージョン。
- エンディング曲「こいのうた」
- 作詞 - 北白川豆大 / 作曲 - ダイナマイトビーンズ / 歌 - 北白川たまこ[12](作中設定)
- 作詞 - 山田尚子 / 作曲 - 山口優
- ダイナマイトビーンズ「恋の歌」のカバー。
- エンドロールの前半(主題歌の前)に流れる。
- 本編中でもサビの一部が歌われている(クレジットなし)。
- 劇中歌
- 「恋の歌」
- 作詞 - 北白川豆大 / 作曲・歌 - ダイナマイトビーンズ[12](作中設定)
- 作詞 - 山田尚子 / 作曲 - 山口優
- 「Excerpts from "The Return Of The Drowning Witch"(Part1 - Part9)」
- 作曲・編曲・演奏 - Hogweed[12]
- 「qum Daiwtiigyam」
- 作詞 - Gunung Bangep / 作曲 - Ro ga-nang / 歌 - Daniels[12]
- 「豆大さんへ」
- 作詞・作曲・歌 - ひなこ[12](作中設定)
- 作詞 - 山田尚子・山口優 / 作曲 - フランス民謡
- サウンドトラック等に使われている曲名は『豆大さんへ~「きらきら星」より』。
- 「上を向いて歩こう」
- 作曲 - 中村八大 / 編曲 - 片岡知子[12]
- 歌唱なし。
評価
[編集]18回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞を受賞している。その講評で、アニメ監督の高橋良輔は本作が日常に宿る感動を描いた点を評価し、「日本アニメーションの到達点と評している[13]。
第69回毎日映画コンクールアニメーション映画賞に応募され、二次選考まで進んだ。受賞はしなかったが、「他に少女の心のときめきをみずみずしく描いた」点で評価が集まった[14]。
受賞
[編集]賞 | 部門 | 結果 |
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第18回文化庁メディア芸術祭[2] | アニメーション部門新人賞 | 受賞 |
第69回毎日映画コンクール | アニメーション部門 | ノミネート |
同時上映『南の島のデラちゃん』
[編集]南の島デラちゃん | |
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監督 | 山田尚子 |
脚本 | 吉田玲子 |
音楽 | 片岡知子 |
制作会社 | 京都アニメーション |
配給 | 松竹 |
公開 | 2014年4月26日 |
上映時間 | 5分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
『南の島のデラちゃん』は、『たまこラブストーリー』と同時上映で公開されたショートフィルム。絵コンテ・演出は石原立也[15]。
本作時点で南の島にいる、デラ、メチャ、チョイだけが登場する。
BD / DVD
[編集]2014年10月10日発売。販売元はポニーキャニオン。初回限定版は、オールカラー・スペシャルブックレット、名場面絵コンテ集、描きおろしフォトカードセット、特製フィルムしおりが特典として付録するメモリアル・アートBOX仕様となっている。
- 映画「たまこラブストーリー」
- 映画本編
- 映像特典
- 舞台挨拶映像
- 特報・予告・PV集
- ノンクレジットOP・ED
- 音声特典
- キャストコメンタリー(洲崎綾、田丸篤志、金子有希、長妻樹里)
- スタッフコメンタリー(監督・山田尚子、美術監督・田峰育子、色彩設計・竹田明代、撮影監督・山本倫)
テレビ放送
[編集]関連書籍
[編集]- たまこラブストーリー ノベライズ
- 劇場版のストーリーを元にした小説。著者は一之瀬六樹。イラストは堀口悠紀子。監修は吉田玲子。KAエスマ文庫刊。2014年7月発売。ISBN 978-4-907064-22-8。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 著作権表記・および『南の島のデラちゃん』での製作クレジットは、テレビシリーズと同様に「うさぎ山商店街」となっている。
出典
[編集]- ^ 『キネマ旬報』2015年3月下旬 映画業界決算特別号、88頁。
- ^ a b c 新人賞 - たまこラブストーリー 文化庁メディア芸術祭 歴代受賞作品 2016年9月11日閲覧
- ^ “京都アニメーションの新たな代表作「たまこラブストーリー」ロングランの秘密。山田尚子監督に聞く(2/5)”. エキレビ !. 2016年4月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年3月28日閲覧。
- ^ “「たまこラブストーリー」14年4月26日公開 京アニ人気作の完全新作映画”. アニメ!アニメ!. 2016年9月11日閲覧。
- ^ 壬生智裕 (2014年4月30日). “『アナと雪の女王』が首位に返り咲き!大ヒットスタートのGW映画に勝利!【映画週末興行成績】”. シネマトゥデイ. 2014年4月30日閲覧。
- ^ “【国内映画ランキング】「アナと雪の女王」返り咲きV!以下「コナン」「テルマエ」「アメスパ」「相棒」”. 映画.com (2014年4月29日). 2014年4月30日閲覧。
- ^ “若者から絶大な支持を集めたアニメ映画が満足度第1位に!”. ぴあ映画生活. 2016年9月11日閲覧。
- ^ “京都アニメーションの新たな代表作「たまこラブストーリー」ロングランの秘密。山田尚子監督に聞く(1/5)”. エキレビ !. 2016年7月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月11日閲覧。
- ^ “「たまこまーけっと」Blu-ray BOX 2015年3月18日発売、新録SPドラマCDやコンテ集も”. アニメ!アニメ!. 2016年9月11日閲覧。
- ^ “第18回文化庁メディア芸術祭、「Ingress」がエンターテインメント部門大賞に”. ITmedia (2014年11月28日). 2014年11月30日閲覧。
- ^ a b “「たまこラブストーリー」 TOKYO MXで9月16日に地上波初放送”. ライブドアニュース. (2016年9月9日) 2017年7月30日閲覧。
- ^ a b c d e f g 楽曲名義はパンフレットより。エンディングクレジットでも同じ内容。
- ^ “たまこラブストーリー”. 文化庁メディア芸術祭 - JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL. 2024年5月4日閲覧。
- ^ 「第69回毎日映画コンクール:選考経過と講評(その2止)」『毎日新聞』2015年1月31日。2024年5月5日閲覧。
- ^ “南の島のデラちゃん”. www.shochiku.co.jp. 2024年5月4日閲覧。
- ^ “劇場版「たまこラブストーリー」がWOWOWで本日テレビ初オンエア”. おた☆スケ. 2018年1月29日閲覧。