利用者:Kovayashi/sandbox10
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ブラツコ効果[1][2] (英: Blazhko effect) は、脈動変光星の分類の1つである「こと座RR型変光星」に見られる、変光周期と光度の振幅が半周期的に変動する現象。1907年に、帝政ロシアの天文学者セルゲイ・ニコラエヴィッチ・ブラツコが、りゅう座RW星の観測から発見した[3][4]。
こと座RR型変光星には、主となる動径脈動[注 1]モードによって「RRab型」「RRc型」「RRd型」の3つのサブクラスがあり、この中でブラツコ効果が初めて確認されたのはRRab型である[3]。2020年現在、約5割のRRab型にブラツコ効果が生じていると見られている。1割未満と割合が低いがRRc型でもブラツコ効果が生じていると見られる。また宇宙望遠鏡での観測によりRRd型でもブラツコ効果が確認されている。
ブラツコ効果を生じさせる機構は、発見から100年経った21世紀初頭でもなお未解決のままである[5]。ブラツコ効果を説明するモデルとして以下のような説が提案されている。
- 磁気回転脈動体モデル
- 共振非動径回転脈動体モデル
「共鳴モデル (resonance model)」と呼ばれる仮説では、恒星の基本振動モードまたは第1倍音振動モードと上位のモードが非線形共鳴していることが変動の原因とされている[6][7]。「磁気モデル (magnetic model)」と呼ばれる仮説では、星の自転軸に対して傾いた磁場が主要な動径脈動モードを変形させることによって変調が起こる、としていた[8]が、高解像度の分光偏光観測の結果によって2004年に排除された[9]。第3のモデルでは、対流のサイクルが変調を引き起こすとしている[10]。
系外惑星探査機ケプラーの観測結果は、ブラツコ効果の2サイクルの光度曲線変調の多くは、単純な周期倍化によるものであることを示唆するものであった。多くのこと座RR型変光星の変光周期は約12時間であり、地上の天文学者は通常約24時間間隔で夜間観測を行っているため、周期の倍化によって、夜間観測時の明るさの極大が昼間の極大とは大きく異なることとなる[11][12]。
出典
[編集]- ^ 岡崎彰『奇妙な42の星たち』誠文堂新光社、1994年4月1日、53-56頁。ISBN 978-4416294208。
- ^ 高田紀代志 著、中山茂 編 編『天文学人名辞典』恒星社厚生閣〈現代天文学講座 別巻〉、1983年3月25日、150頁。ISBN 978-4769900733。
- ^ a b Blažko, S. (1907). “Mitteilung über veränderliche Sterne”. Astronomische Nachrichten 175 (20): 325-328. Bibcode: 1907AN....175..325B. doi:10.1002/asna.19071752002. ISSN 0004-6337.
- ^ Horace A. Smith (2004). RR Lyrae Stars. Cambridge University Press. p. 103. ISBN 0-521-54817-9
- ^ Smolec, Radosław (2016-06). “The Blazhko Effect”. Proceedings of the Polish Astronomical Society (Polish Astronomical Society) 3: 22-25. arXiv:1603.01252. Bibcode: 2016pas..conf...22S.
- ^ Kolláth, Z.; Molnár, L.; Szabó, R. (2011). “Period-doubling bifurcation and high-order resonances in RR Lyrae hydrodynamical models”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 414 (2): 1111-1118. arXiv:1102.0157. Bibcode: 2011MNRAS.414.1111K. doi:10.1111/j.1365-2966.2011.18451.x. ISSN 0035-8711.
- ^ Buchler, J. Robert; Kolláth, Zoltán (2011). “On the Blazhko Effect in RR Lyrae Stars”. The Astrophysical Journal 731 (1): 24. arXiv:1101.1502. Bibcode: 2011ApJ...731...24B. doi:10.1088/0004-637X/731/1/24. ISSN 0004-637X.
- ^ Shibahashi, Hiromoto; Takata, Masao (1995). “Oblique Pulsator Model for the Blazhko Effect of RR Lyrae Stars”. Astronomical Society of the Pacific Conference Series 83: 42. Bibcode: 1995ASPC...83...42S.
- ^ Chadid, M.; Wade, G. A.; Shorlin, S. L. S.; Landstreet, J. D. (2004). “No evidence of a strong magnetic field in the Blazhko star RR Lyrae”. Astronomy & Astrophysics 413 (3): 1087-1093. Bibcode: 2004A&A...413.1087C. doi:10.1051/0004-6361:20031600. ISSN 0004-6361.
- ^ Stothers, Richard B. (2010). “Observational Evidence of Convective Cycles as the Cause of the Blazhko Effect in RR Lyrae Stars”. Publications of the Astronomical Society of the Pacific 122 (891): 536-540. Bibcode: 2010PASP..122..536S. doi:10.1086/652909. ISSN 0004-6280.
- ^ Katrien Kolenberg (2008年). “Explanations for the Blazhko effect in RR Lyrae stars”. The Blazhko Project. 2021年4月7日閲覧。
- ^ Szabó, R.; Kolláth, Z.; Molnár, L.; Kolenberg, K.; Kurtz, D. W.; Bryson, S. T.; Benkő, J. M.; Christensen-Dalsgaard, J. et al. (2010). “Does Kepler unveil the mystery of the Blazhko effect? First detection of period doubling in Kepler Blazhko RR Lyrae stars”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 409 (3): 1244-1252. arXiv:1007.3404. Bibcode: 2010MNRAS.409.1244S. doi:10.1111/j.1365-2966.2010.17386.x. ISSN 0035-8711.
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[編集]- Smolec, Radosław (2016-06). “The Blazhko Effect”. Proceedings of the Polish Astronomical Society (Polish Astronomical Society) 3: 22-25. arXiv:1603.01252. Bibcode: 2016pas..conf...22S.
外部リンク
[編集]- Blazhko Effect - YouTube - ニック・ローズとウェンディ・ビーヴァン (Wendy Bevan) のコラボレーションアルバム第4段『Astronomia IV: The Eclipses of Algol』の2曲目に収録。
External links
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