利用者:Flightbridge/sandbox/QR分解
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定義
[編集]正方行列
[編集]任意の実正方行列 A に対し、次の分解を考える。
ここで Q は直交行列(QTQ = I を満たす)、R は上三角行列である。もし A が可逆ならば、R の対角成分を正とする条件のもとこの分解は一意に定まる。
また A を複素正方行列とするならば、Q をユニタリ行列(Q*Q = I を満たす)とする分解 A = QR が存在する。
A が n 個の線型独立な列ベクトルを持つとき、Q の最初の n 列は A の列空間における正規直交基底を与える。より一般に任意の k (1 ≤ k ≤ n) に対し、Q の最初の k 列は A の最初の k 列が張る部分空間における正規直交基底を与える。このように A の任意の k 列目が Q の最初の k 列にのみ依って決まるのは、R が三角行列であるためである。
矩形行列
[編集]より一般に、複素 m × n 行列 A (ただし m ≥ n)は、m × m ユニタリ行列 Q と m × n 上三角行列 R の積へと分解できる。ここで m × n 上三角行列の下から (m − n) はすべて零であるから、R または R, Q を次のように分割することができる。
ここで、R1 は n × n 上三角行列、0 は (m − n)× n 零行列、Q1, Q2 はそれぞれ m × n, m × (m − n) であり、Q1, Q2 はそれぞれ直交する列を持つ。
QL, RQ, LQ 分解
[編集]同様にして QL, RQ, LQ 分解を定義することができる。ただしこの L は下三角行列(英: lower triangular matrix)である。