コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

利用者:Electric goat/cet

{{stub}} + {{POV}}

WIKIPEDIA WANTS PROOFREADERS & COPYEDITORS.

草むしり的小技 (copy-editting tips)。草むしりは草むしりでも、いわゆる「スタイリング」整形作業とは別物、文章を読みやすくするための tips です。せっかくの情報(内容)もそれを伝える技術(文章)がつたないと、低い評価しか得られないばかりか、読んでもらうことすらかなわないかもしれません。ですから文章の推敲・校正というのは重要なことだと思います。日本語力に自信のある方は推敲・校正作業も手がけてみませんか?

これらは自分で推敲していて気づいたことのメモで、POV があるかもしれませんし、どうでも良いことも混ざっているかもしれません。参考になることがあればラッキーくらいに読んでください。ちゃんとした技術を身につけたいなら、定評のある書籍を読むことをおすすめします。

いろいろ小技を書いていますが、心構えは以下の三つです。ごく当たり前のことです。

  1. 常に百科事典であることを意識する
  2. 常に主題を意識する
  3. 常に読者を意識する

「言葉は誤解の源なんだ」-- サン=テグジュペリ『星の王子さま』より

……引用の仕方まちがえてますかね?

小技集

[編集]
はじめに要約をつける
注意:「要約」という見出しをつけよ、という意味ではない。「適切な見出しをつける」も参照)
読者は要約をさっと見て、その後の記述が自分の読むべきものか否かを判断する。調べ物をしている読者は項目を入念に読まないことの方が多い。要約は全体の把握を容易にし、拾い読みを可能にする。段落の最初の文章はその段落の要約とし、各節の最初の段落はその節の要約を書く。最後に項目全体の要約を目次の前につける。
 書き上げてから要約を作ったときに過不足がないのが内容のバランスがとれた良い項目。逆に言うと、最初にスタブを投稿するならば、それはその項目が完成したときの要約であるとよい。
Wikipedia:スタイルマニュアル (導入部)
適切な見出しをつける
見出しが増えると目次が自動生成される。普通の人は調べものをするとき、目次をざっと眺めてその本に必要な内容があるか調べると思う。したがって、目次はその項目の内容を適切に示すものでなければならない。そのためには適切な見出し名をつける必要がある。
 見出しは最も短い要約と言える。見出しはその節の内容を適切に要約した単語または文章でなければならない。「歴史」や「地理」などの単語で十分な場合もあれば、文である方が良いこともある。
 適切な見出しが考えつかない場合、あるいは同じ見出しが複数できてしまう場合、項目全体の構成を見直した方が良い。おそらく内容の散在か重複がある。
 「概要」という見出しの節は、本当に「概要」になっているだろうか?内容が大きく、それぞれの節から重要なことを抽出して構成した「本当の」概要であれば良いけれども、単に雑多な内容を詰め込んだものは概要ではない。まとまった内容ごとに集め、適切な名称を考える。考えつかないなら無理に節にする必要はない。
Wikipedia:スタイルマニュアル (見出し)
本質的なことを長く書く
その項目で書かれるべきことは何か?常に主題を意識しよう。そうすると自ずとその主題において、もっとも大事であることを長く書くことになる。読者も長く書かれているところが大事なところだと認識する。些末なことは説明が難しいので勢い長くなりがちであるが、これが本質的な記述よりも長くなってしまっては本末転倒。その項目にその説明が本当に必要か考えてみる。別の項目に書いた方が良い場合もある。とても書きたい面白いネタはできるだけ自然な形で潜り込ませる。
Wikipedia:読者に役立つ記事を書く, Wikipedia:無意味な記述
百科事典は平の文章が命
リスト形式は各文章の断絶を許容するので、こまごまとした加筆がしやすい。しかし、読者にしてみれば断絶しつながりのない文章を読むのは大変。さらに、断絶している故に重複が生まれやすい。
 リストや図表は飽くまで補助資料として用いる。これらは効果的にデータを提示できるので必要ならもちろん使うとよい。理解しやすさが劇的に向上する場合もある。ただし平の文章で書いた上で補助的に使用する。図表やリストがなくては理解できない項目は要加筆。例えば、何かの歴史について記述するばあい、(加筆が進んだら)年表は年表でまとめて下部で示し、歴史は歴史としてセクションを設け、平の文章で説明する。手前味噌の例として染色体説をあげる。
Wikipedia:雑多な内容を箇条書きした節を避ける
一意な文章にする
小説であれば人それぞれ、その人なりの読み方をし、解釈もそれぞれでよい。しかし、百科事典では読者が皆同じ解釈をすることが理想。執筆者は想像力が求められる。執筆したら客観的に読み返し、他の解釈がなされ得ないか考える。他の人に査読を依頼するのも良いし、しばらく放置してから読み返すのも一つの手。
Wikipedia:言葉を濁さない
文章に対話の構造をもたせる
執筆するときは読者の視点から考えることが必要。読者の視点から読んでいて「なんでだろう?」と思うことが予想されるならば、次の文は「なぜなら」とか「例えば」などと、その疑問に答えるようになっているとすんなり読める。
文の接続に気をつける
上と関連するが、文章の流れが曲がっていると読みづらくなる。接続詞を明示的に使うことで流れを把握しやすくなる。ただし接続詞を正しく理解しておく必要がある。例えば「しかし」と「ただし」の使い分けを明確に説明できるだろうか?
強い結びつきを持つ単語同士は近くに置く
例えば「いくつかのキイロショウジョウバエの近縁種でも…」ではなく「キイロショウジョウバエのいくつかの近縁種でも…」の様に。キイロショウジョウバエが一種だけであることを知っている人には、「いくつか」が「近縁種」に掛かっていることは自明だが、知らない人のばあい、キイロショウジョウバエにいくつかの種類があるように読めてしまう。些細なことだが読者にしてみれば結構な負担になる場合がある。
 やや長い文章を挟む場合は意味が変わってしまうこともある。例えば「主に DNA プライマーゼによって合成される RNA 断片が用いられる」と「DNA プライマーゼによって合成される RNA 断片が主に用いられる」では意味が異なる。この違いがわからない人は要修行。
強い結びつきを持つ文同士は近くに置く
単語だけでなく文でも同じことが言える。そうした文のまとまりが段落と呼ばれる。
重複を省く
文をまとめて段落を作って行くと、同じ意味の文章が見つかってくる。単語や文章の重複は省く。反復は読んでいて煩わしいし、意味を取り違える原因にもなる。重複は一文の中にある場合もあるし、複数の文にまたがっているときもある。加筆していくうちに意図せず反復が生じるので、意識しつつも、全体がある程度完成してから本格的に作業すれば良い。
 百科事典に同語反復は不要。ただしその主題について本質的で、理解してもらわなくてはならないことを言い換えによって説明することは有効。同じ言葉を繰り返すのではなく、言い換えができないか考えてみる。
重要な専門用語には簡単な説明をつける
全てに必要なわけではないけれども、その項目の理解に関わる専門用語については必要。リンクだけでは不親切。リンク先でちゃんと説明されているとは限らない。説明はできるだけ自然な形で文章中に潜り込ませる。ただし必要以上につけるのは主題からそれたり、可読性を損なったりするので良くない。この辺は想定読者と筆者のバランス感覚。
Wikipedia:専門用語には解説を
対象読者は高校生程度に設定する(オプション)
その項目の主題について知りたいと考えている高校生が読むことを念頭に書くと難しくなり過ぎない(高校生もいろいろでしょうが)。ただし主題の本質を見失ってはいけない。難しいことだが、達成すれば努力に見合った賞賛を受ける(に違いない)。

手直しした例

[編集]

メーヴェを具体例として草むしりについて説明する。文章はほとんど手を加えず、再構成をしている。典型的な「リスト記事」で、程よい長さであり、文章としてはまあ悪くなかったので選んだ。

まず、リストから平の文に直した(百科事典は平の文章が命)。次に文章を内容ごとに分類する(強い結びつきを持つ文同士は近くに置く)。元の文章量から「位置づけ」「利用」「機体の解説」の3つに分けた。内容が散在している様子はエンジンについての記述に注目すると分りやすいので、下線を引いた。左と右で比べてもらいたい。他にもメーヴェの歴史、劇中での位置づけ、機能、設計などにまとめてある。節の名称が「概要」ではあまり意味をなしていないので、「設定」に変えてみた(適切な見出しをつける)。これくらいの分量なら見出しで節を分けなくてもいいと思う。

メーヴェ (差分):リスト記事の再構成の典型

草むしり前(部分) 草むしり後(部分)

メーヴェとはアニメ映画および漫画風の谷のナウシカ』に登場する架空の乗り物。同作品の主人公であるナウシカが操る一人(ないし二人)用の飛行用装置を指す。

==概要==

  • 「メーヴェ(Moewe)」という名前はドイツ語で「カモメ」の意味。
  • 元々はかつて存在した工業大国エフタルで一般的に用いられていた移動手段であり、現在は大気の流れを読んで人々を腐海の毒から守り導く「風使い」の重要な乗物である。エンジンの製造技術が失われているので、残存する少数のエンジンが代々の風使いに受け継がれている。
  • 作品で確認できる限り大きさは全幅約5m、全長約1m、全高約1mほど。色は白。機体中央の上面に操縦者がつかまるための手すりが逆U字型に2つついている。また、機体中央部に発進用のエンジンを積むが、あくまで発進用、もしくは加速用の一時的なものにすぎず、航行用のものではない。
  • 重量に関しては詳細な数字は不明だが、作品中にナウシカがメーヴェを持ち上げていることから、軽量である事が推測できる。

(ロマンアルバム「風の谷のナウシカ」に掲載されているラフスケッチに、重さは12kgと書かれてあるが、公式なものかどうかは不明)

  • 翼は折り畳み可能で、貨物艇バージの翼の中に収納される。
  • エンジンの推進力で飛ぶのではなく、風の流れなどを利用して滑空する。よって飛行機というよりはグライダーに近い(劇中では「」と表現されている)。ナウシカの「ガンシップは風を斬るけれども、メーヴェは風に乗るんだもの」というセリフからもそれを見て取る事が出来る。
  • エンジンの燃料、形式は不明。作中ではエンジン作動時には機体後方から噴出する青い炎を確認する事が出来る。
  • 作品の中ではナウシカの移動のための重要な手段としてたびたび登場する。特に映画版では移動のほとんどにメーヴェを使用しており、いわばナウシカ自身の代名詞的存在とも言える。例えば漫画版の単行本の1巻の表紙はメーヴェを駆るナウシカである。

メーヴェとはアニメーション映画および漫画風の谷のナウシカ』に登場する架空の飛行用装置。メーヴェ (Möwe) とはドイツ語で「カモメ」の意味である。作品の中ではナウシカの移動のための重要な手段としてたびたび登場する。

==設定==

メーヴェはかつて存在した工業大国エフタルで用いられた一人または二人用の軽量飛行装置で、一般的に用いられていた移動手段である。ナウシカの時代においては、「風使い」の重要な乗物である。ナウシカは映画版では移動のほとんどにメーヴェを使用しており、メーヴェはいわばナウシカ自身の代名詞的存在とも言える。例えば漫画版の単行本の1巻の表紙はメーヴェを駆るナウシカである。

エンジンを備えているが、その推進力で飛ぶのではなく、風の流れなどを利用して滑空する。飛行機というよりはグライダーに近い(劇中では「」と表現されている)。ナウシカの「ガンシップは風を斬るけれども、メーヴェは風に乗るんだもの」というセリフからもそれを見て取る事が出来る。

作品で確認できる限り大きさは全幅約5m、全長約1m、全高約1mほど。色は白。機体中央の上面に操縦者がつかまるための手すりが逆U字型に2つついている。翼は折り畳み可能。貨物艇バージの翼の中に収納することができる。重量に関しては詳細な数字は不明だが、作品中にナウシカがメーヴェを持ち上げていることから、軽量である事が推測できる(ロマンアルバム「風の谷のナウシカ」に掲載されているラフスケッチに、重さは12kgと書かれてあるが、公式なものかどうかは不明)。機体中央部に発進用のエンジンを積むが、あくまで発進用、もしくは加速用の一時的なものにすぎず、航行用のものではない。エンジンの燃料、形式は不明。作中ではエンジン作動時には機体後方から噴出する青い炎を確認する事が出来る。エンジンの製造技術が失われているので、残存する少数のエンジンが代々の風使いに受け継がれている。

おまけ:草むしりに必要なちから

[編集]

草むしりに必要なちからは、一言で言えば「日本語力」です。しかし日本人なら誰でも日本語力がある、ということにはなりません。この力は訓練しなければ身に付かないものです。

草むしりに必要な日本語力は二つに分けることができます。一つは論理的思考力、もう一つは語彙力です。まずはどの文章とどの文章がどのようにつながるべきなのか、論理的に把握し再構成する力が必要です。これは高校までの国語の授業では学習しませんし、大学でもこれを主題にした授業はあまりありません。しかし身に付けてしまえば、広く応用できる能力です。プレゼンテーションやコミュニケーションでも役に立ちますし、使う言語が変わっても応用できます。また、言語とは離れてデザインにも応用できます。

宣伝みたいですが『論理トレーニング』(野矢茂樹)や『理科系の作文技術』(木下是雄)は日本語力を鍛えるのに良い教科書だと思いました。前者は特に読み取って構築する力、後者は書き出す力がつきます。それから、語彙力はたくさんの(きちんと編集・校正された)文章を読むことによって身に付きます。文章を読まない人に文章は書けません。ともかく何でも良いので本を読みましょう。

「日本語力」を自分のものにするためには実践が必要です。推敲や構成を繰り返すことで日本語力は磨かれていきます。草むしりをすれば、ウィキペディアに貢献しつつ同時に日本語力を向上させることができるというわけです。なんてすばらしいんでしょう ;)

関連

[編集]