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利用者:菜之/sandbox

新暦の暦法

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明治改暦で採用された太陽暦の暦法の要点は、次のとおり。

  • 1年を365日とし、12か月に分ける
  • 4年ごとに1日の閏を置く
  • (したがって、1年の総日数は、平年365日、閏年366日)
  • 12歴月の日数および大小は次表のとおり
明治改暦で採用された太陽暦の12暦月の日数および大小
暦月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
日数 31 平年28
閏年29
31 30 31 30 31 31 30 31 30 31
大小

改暦の布告中の置閏規則は、グレゴリオ暦とは異なっており、グレゴリオ暦と同等のものとなるのは、明治31年勅令第90号(閏年ニ関スル件)によって補正された1898年(明治31年)からである。補正の理由は以下の通り[1]である。

(我が国の暦日がロシアを除く欧米のグレゴリオ暦採用諸国の暦日と合致することから観れば、)此布告中ノ所謂「太陽暦」トハ「グレゴリヤン」暦ナルコト明白ナリ。因テ明治三十三年ハ、「グレゴリヤン」暦法ニ拠リテ平年トスヘキコト当然ナルヘシ。然ルニ改暦ノ詔書布告に於テハ、単ニ「四年毎ニ一日ノ閏ヲ置ク」トノミアリテ、閏日ヲ置クヘキ年ヲ指定セサルノミナラス、四百年中三箇ノ閏ヲ省クノ明文ナキ[注釈 1]ヲ以テ、一般人民ハ勿論諸官庁ニ於テモ明治三十三年ハ閏年ナリト思惟スル者多カルヘシ。是レ該布告ヲ補正スルカ為ノ今回勅令ノ発布ヲ要スル所以ナリ。
閏年ニ関スル件ヲ定ム」『公文類聚』第二十二編・明治三十一年・第八巻、国立公文書館デジタルアーカイブ、1898年5月。 
明治31年勅令第90号
日本国政府国章(準)
日本の法令
通称・略称 閏年ニ関スル件
法令番号 明治31年勅令第90号
種類 憲法/祝日・暦時・元号
効力 現行法
公布 1898年(明治31年)5月11日
主な内容 現行暦における置閏規則
関連法令 改暦ノ詔書並太陽暦頒布
条文リンク e-Gov法令検索
ウィキソース原文
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補正後の置閏規則は次のとおり。

  • 神武天皇即位紀元年数が4で整除できる(割り切れる)年[注釈 2]を閏年とする
  • ただし、紀元年数から660を減じて100で整除できるものでさらに4で商を整除できない年は平年とする
「紀元年数-660」を100で整除できる年
(紀元2560年-2760年)
紀元年数
(Y)
Y-660
(AD)
AD÷100
の商(Q)
Q÷4
の余り
平閏
[注釈 3]
備考
2560 1900 19 3 平年 1900(明治33)年
2660 2000 20 0 閏年 2000(平成12)年
2760 2100 21 1 平年 (西暦)2100年

脚注

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注釈

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  1. ^ これは改暦の詔書における置閏法の不備とされる[2][3][4]が、社会学者の下村育世は、グレゴリオ暦を参照した改暦の建言の例およびグレゴリオ暦を用いた紀元節等の祝祭日太陽暦への暦日推歩(換算)手続きを挙げ、「当時の政府はその置閏法を正確に把握した上で、後に「不備」を指摘されるような書き方をした」とした上でその背景を論考している[5]
  2. ^ 西暦年数が4で整除できる年と同じ。
  3. ^ グレゴリオ暦の平閏と一致し、ユリウス暦ではいずれの年も閏年である。

出典

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参考文献

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一般書籍

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  • 岡田芳朗『明治改暦』大修館書店、1994年6月。ISBN 4-469-22100-7 
  • 岡田芳朗 編『暦の大事典』朝倉書店、1994年6月。ISBN 978-4-254-10298-7 
  • 内田正男『こよみと天文・今昔』丸善出版、1981年12月。ISBN 4-621-04257-2 
  • 内田正男『暦の語る日本の歴史』吉川弘文館、2012年11月。ISBN 4-642-06390-0 

論文

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外部リンク

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  • 閏年ニ関スル件ヲ定ム」『公文類聚』第二十二編・明治三十一年・第八巻、国立公文書館デジタルアーカイブ、1898年5月。