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フリーダムガンダムでは、機動戦士ガンダムSEEDシリーズに登場するキャラクター(架空の人型ロボット兵器)であるフリーダムガンダム及び設定上の派生機を、原作である映像作品(及び、其れに付随する各種設定と外伝作品)を中心に解説する。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
フリーダムガンダム
[編集](型式番号:ZGMF-X10A)フリーダムガンダム(Freedom Gundam)は、テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』を初出とするキャラクター(架空の人型ロボット兵器)。ガンダムと付加された此の名称はキャラクター名であり、作品世界内の兵器の名称はZGMF-X10A フリーダム(英語で「自由」の意)。劇中の人物からはフリーダムと呼ばれる事が多い。
来歴
[編集]メカニックデザインは大河原邦男が担当。
設定の変遷
[編集]- 当初の設定では、砲撃時のフルバーストと高機動時のハイマットモードの二つのモードのみが存在したが、作中では大気圏内用高速翼を広げた儘で一斉発射が可能な第三のモードが登場する。其の為か、作中登場と略同時期に発売されたガンプラでは前述の二つのモードしか取れない。後に『MG フリーダムガンダム』で再現される。此の形態での攻撃を「ハイマットフルバースト」と一部媒体で呼称している。
兵器解説
[編集]開発・運用経緯
[編集]{{{名称}}} | |
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所属 | ザフト→三隻同盟 |
開発 | ザフト統合開発局 |
生産形態 | 試作機 |
搭乗者 | キラ・ヤマト |
「高機動力と高火力の共存」をコンセプトとし、全領域における地球連合のと一対多数のモビルスーツ戦闘を想定して開発されたZGMF-Xシリーズの一機。ザフト主力量産機であるZGMF-600 ゲイツをベースとしつつ、奪取したGAT-Xシリーズの技術を取り入れ開発されているが、本機は量産化を考慮せずオンリーワン生産される事を前提に開発された為、ザフトの技術者が望んだままのハイスペックな機体として完成される事となっていた。しかし、バッテリー駆動モビルスーツをベースとしたこの機体には、電力消費が激しい強力な武装を複数同時運用した場合、機体稼働時間が大幅に短くなるという問題が発生した(PS装甲を併用した場合、この問題は更に悪化する)。搭載予定の武装は本体とは別のグループによって開発されており(これは、当初から機体に導入されていたPS装甲と、搭載予定の武装との併用に疑問が有った為)、既にMMI(マイウス・ミリタリー・インダストリー)社やMA(マティウス・アーセナリー)社から試作品が多数提出されていたが、この問題により、本体のスペックを最優先とし、搭載予定の武装を一部切り捨てるかスペックを引き下げる事が検討された。だが、パトリック・ザラ議長の理想世界を実現させる「大いなる力」として開発された本機には、それに相応しい絶対的な力が求められ、最終的にはNジャマーキャンセラーの採用で安定稼働した核エンジンの搭載が決定。此れにより無限とも言える電力供給を実現し、機体稼働時間の問題を解決。切り捨てが検討されていた武装も、晴れてフルスペックで搭載される事と成った。
多数の新技術の投入によって、C.E.71時点のモビルスーツでは最高級の性能を獲得した本機だが、その分制御も複雑になり、並みのコーディネイターでは扱いきれない程の操縦難易度となった。コーディネイターの中でも特別な操縦センスを持つパイロットが必要とされたが、本機を奪取したキラ・ヤマトの操縦により、その性能を最大限に発揮された。ジャスティスの搭乗者としてアスラン・ザラが予定されていたのに対して、フリーダムに誰が搭乗する予定となっていたのかは定かではないが、特務隊(FAITH)の人間か、ザラ派ナンバー2で国防委員長エザリア・ジュールの息子イザーク・ジュールが有力視されていたといわれる。
殲滅型対モビルスーツ戦用機。兄弟機であるZGMF-X09Aと共にC.E.71・4月1日にロールアウト。同日、プラント最高評議会議長に就任したパトリック・ザラにより、「ナチュラルに“正義”の鉄槌を下し、コーディネイターの真の“自由”を勝ち取る」旗印として、本機ZGMF-X10Aは「フリーダム」と命名された。ところがフリーダムは、プラント前最高評議会議長シーゲル・クラインの娘ラクス・クラインにより、キラ・ヤマトの手に渡り(フリーダム強奪事件)、以後、三隻同盟の中核戦力として活躍した。
機体仕様
[編集]フリーダム Freedom | |||||||||||||||||
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型式番号 | ZGMF-X10A | ||||||||||||||||
分類 | モビルスーツ | ||||||||||||||||
全高 | 18.03m | ||||||||||||||||
重量 | 71.50t | ||||||||||||||||
装甲材質 | フェイズシフト装甲 | ||||||||||||||||
動力源 | 核エンジン(MHD発電:出力8,826kW) | ||||||||||||||||
OS | MOBILE SUIT NEO OPERATION SYSTEM G.U.N.D.A.M Complex Series AVIC-TI Freedom LA-SE3P | ||||||||||||||||
武装 | MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御用機関砲×2
対ビームシールド MMI-M15 クスィフィアス・レール砲×2 MA-M01 ラケルタ・ビームサーベル×2 | ||||||||||||||||
選択式装備 | ミーティアユニット(01号機) | ||||||||||||||||
乗員人数 | 1名 | ||||||||||||||||
主運用領域 | 全領域 | ||||||||||||||||
主戦闘距離 | 不明 |
全体的な構造は、人型汎用兵器の一つの到達点と言える程シンプル且つ洗練されたフォルムと成っている。PS装甲起動色は白・黒・蒼を基調とした物。
- 頭部
- 頭部にV字型ブレードアンテナやツインアイを備える等、GAT-Xシリーズと酷似した要素を持っている。頬の装甲がグレーにフェイズシフトするのが特徴の一つ。額には本機の型式番号の一部である「10」をイタリア語表す「DIECI」の文字が有る。
- 胴部
- 核エンジンは腹部内に搭載されている。腹部内に核エンジンを搭載した本機は、コックピットの搭載位置が従来の腹部中央から胸部中央に変更された。コックピットハッチは胸部中央上部に有る為、パイロットの乗降はハッチ左右に備えられた小型クレーンを使って行われる。
- コックピット
- 大気圏内用高速翼
-
- M100 バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲
- 背部左右に接続された大気圏内用高速翼をバインダーとし、其の内部に左右で計2基装備された高出力ビーム砲。普段は大気圏内用高速翼内部に後ろ向きで収納されているが、砲撃時には機体正面に向けて展開され発射形態と成る。
- 開発当時はモビルスーツの兵装の頂点と言われた物で、カラミティのビーム砲シュラークの威力を上回り、1基でもランチャーストライクの超高インパルス砲アグニに匹敵する威力と射程距離を持った、本機中最強の武装。核エンジンからの電力供給が続く限り、略無限に撃ち続けられる。
- ジャスティスと共通の兵装として開発された物で、相違点はカラーリングのみ。ローラシア級戦闘艦等に使われた装甲の技術を転用して完成した。
- 軽量且つ超硬度。ラミネート装甲の改良技術を加えられており、其の対ビーム耐性の高さは、ジャスティスに装備された同型の物が、GAT-X131カラミティの高出力ビーム砲スキュラの直撃に耐え、尚且つそれを押し戻し砲口を破壊した事でも実証されている。単に防御に使用されるだけでなく、敵機を掬い上げ投げ飛ばすのにも利用された事が有る。
- 右脇にルプス・ビームライフルの銃口を差し込むガンポートが付いている。
- 腰部
- Nジャマーキャンセラーは腰部内に搭載されている。
- デュエル・アサルトシュラウドに装備されたレール砲シヴァの発展型で、MMI社により、ラミネート装甲採用の艦艇への対策や、多数の敵機への連射攻撃を可能とする等の有用性を声高に主張された為、搭載に至った兵装である。
- シヴァよりも砲身が長く成った為、弾丸をより高速で射出する事が可能に成り、破壊力はオリジナルの数倍に上昇し、ランチャーストライク並の火力を実現した。弾丸は小型の為、携行段数の多さも両立。弾切れは問題視されていない。普段はAMBACユニットとして機能している性質上、自在に可動し広範囲に発射角度が取れる。速射性も高い為、弾丸を自動発射するマルチロックオンシステムとの連携により真価を発揮し、10機を同時に狙い撃つ事が可能となる(MMI社の主張の正しさを証明している)。
- 上部にビームサーベルラックを備え、ラケルタ・ビームサーベルは、非使用時は此処にマウントされている。
- MA-M01 ラケルタ・ビームサーベル
- 腰部左右に計2基マウントされている、MA社製ビームサーベル。使用する際は主に右手で、左腰にマウントされた物を引き抜き使われる事が多いが、時折左腕の対ビームシールドをパージし、両手で2基のビームサーベルを同時に使う事も有る。又、2基のビームサーベルの柄を底部どうしで連結させ、両端からビーム刃を発振する「アンビデクストラス・ハルバード」と呼ばれる(「スピアーモード」と呼称される場合も有る)形態で使用する事も可能。単に攻撃に使用するだけではなく、敵機が放ったビームを、ビーム刃で受け止め偏向させる場面も見られた。
- 脚部
フルバーストモード(全キャノン展開形態)
[編集]本機は核エンジンのアドバンテージを最大限に生かすべく、大出力のプラズマ収束ビーム砲とレール砲を2門ずつ搭載しており、これに右手に装備されたビームライフルを加えたフルバーストは絶大な破壊力を有し、従来のモビルスーツからは考えられない程の大火力を有する。これらの火器を統合管制する「マルチロックオンシステム」は、パイロットの能力によって複数の敵機を同時に狙い撃つことが可能で、40機以上の目標に対する同時攻撃を可能としている。
ハイマットモード(高機動空戦モード)
[編集]背部のメインスラスターはその推力のみで大気圏内での超音速・長距離飛行を可能とする大推力のもので、更に背部に備えた5対のウイングを広角展開することで「ハイマット(High Maneuver Aerial Tactical)モード」と呼ばれる高機動空戦形態を取る。これによって大気圏内では空力制御、無重力下では重心制御を行う事が出来、スラスターの推力と合わせて驚異的な運動性能を発揮する。この翼状のデバイスは放熱板の役割も兼ね備えており、大出力の火砲を多数搭載するフリーダムの信頼性向上にも一役買っている。
劇中での活躍
[編集]機動戦士ガンダムSEED
[編集]初登場は第34話。プラントの首都アプリリウス市で療養生活を送っていた主人公キラ・ヤマトが、ザフトのアラスカ攻撃の報に接し「戦場に戻る」決意を固めた際に、ラクス・クラインの手引きによって本機を奪取、ヤキン・ドゥーエを突破し、アラスカの地球連合軍本部へ向かう。
続く第35話で、ザフトの地球連合軍本部制圧作戦「オペレーション・スピットブレイク」の渦中に割って入り、その戦闘能力で、ザフト・地球連合双方を圧倒。地球連合の大量破壊兵器「サイクロプス」の発動から両軍の将兵を救うべく奔走した。以後、地球連合を離反したアークエンジェルと行動を共にし、オーブ連合首長国へ向かう。
第37から40話の「オーブ攻防戦」では、オーブ軍と共に地球連合の侵攻部隊と対峙。途中から戦列に加わったアスラン・ザラのジャスティスと共闘して地球連合の新型GAT-Xシリーズを撃退する等、オーブ防衛戦において活躍した。しかしオーブ軍は、地球連合の圧倒的な物量に抗しきれず宇宙への脱出を余儀なくされ、本機はジャスティスと共に、撤退する残存兵力の殿軍となって地球連合の追撃を振り切り、共に宇宙に上がった。
第42話では、プラントへ向かうアスランのシャトルの護衛として発進。ヤキン・ドゥーエの防衛網への接触を警戒し、防衛網への接触直前でアスランのシャトルと別れ、付近の宙域に潜伏した。その後、ヤキン・ドゥーエの防衛網を突破しようとするエターナルの存在を察知すると、すぐさま救援へと駆けつけ、ザフト軍モビルスーツ50個部隊よりエターナルを護衛し防衛網を突破。共にL4の廃コロニー群へと向かう。
第43から46話では、L4の廃コロニー群で、新型GAT-Xシリーズを擁する地球連合の新鋭艦ドミニオンと交戦する。第46話においては新型GAT-Xシリーズとの戦闘により頭部と左翼を損傷してしまう。
続く第48話から最終話の「第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦」では、ミーティアを装備し戦闘に介入、プラントに向けて放たれた地球連合の核ミサイルの破壊に尽力した。更にザフトのγ線レーザー砲ジェネシスを破壊すべく出撃するが、ジェネシスへ向かう途中ラウ・ル・クルーゼの気配を感じ取ったキラは、アークエンジェルへ引き返し、クルーゼが駆る新型機プロヴィデンスとの戦闘に突入。機体を損傷しながらも、ジェネシスの発射口前でプロヴィデンスを戦闘不能にした。其の直後、ジェネシスより放たれたγ線レーザーの直撃を受けたプロヴィデンスは核爆発を起こし、ジャスティスの核爆発と共にジェネシスを破壊した。プロヴィデンス及びジャスティスの核爆発と、1平方メートルあたり数万キロワットもの高エネルギーを放つγ線レーザーを全身で受けた本機は、PS装甲がダウン。コックピットからキラを投げ出し、両翼が外れた状態で宙域を漂った。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
[編集]本作での初登場は第13話。前大戦の後、機体は回収・レストアされ、アスハ家別邸の地下シェルターに封印・秘匿されていた。ラクス暗殺を意図した特殊部隊の襲撃に際して、キラの手で封印は解かれ、アッシュから成るモビルスーツ部隊をあっさりと一蹴。其の圧倒的な戦闘力の健在ぶりを見せ付けた。
続く第14話では、カガリ・ユラ・アスハの結婚式に乱入しカガリを連れ去り逃走。追跡したムラサメ隊の戦闘能力を奪った。(『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 ⊿ASTRAY』第3話では、その後更に出撃したムラサメ隊及びデルタアストレイを圧倒し、尚も逃走した。)その後、アークエンジェルへ帰艦し、大西洋連邦との同盟締結を目前に控え情勢不安なオーブ連合首長国を、アークエンジェル共々脱出し、スカンジナビア王国へ旅立った。
第22話及び23話では、地球連合とオーブ派遣軍との合同艦隊がミネルバと対戦するダーダネルス海峡の戦場に舞い降り、オーブ艦隊に向けられたミネルバの陽電子砲タンホイザーを発射寸前で破壊した。更に戦闘を止めさせるべく両軍モビルスーツ部隊を攻撃した。
第26話では、宇宙へ上がるラクス搭乗のシャトルを援護して、ザフト軍ディオキア基地のモビルスーツ部隊を撃退。本機は此の戦闘で、音速を超えた際に発生する衝撃波で、地上に在るシャトル管制室の窓ガラスに亀裂を入れ視界を塞ぐと言う現象を起こしている。
第27と28話では、クレタ沖での地球連合・オーブ軍の同盟軍対ミネルバの戦闘に再び介入。アスラン・ザラのセイバーガンダムを大破させる。
第32話においては、親プラントを表明したユーラシア西側の都市を次々と殲滅して行くGFAS-X1デストロイを阻止すべく、ベルリン上空でこれと対戦。ネオ・ロアノークのウィンダムを撃墜し、更にデストロイを撃破する。
第34話ではザフトからエネミーと認定される(エンジェル・ダウン作戦)。ウィラード隊のバビによる空襲やバクゥによる砲撃等から成る波状攻撃に曝されるアークエンジェルを、敵機を破壊できないと言う理由からムラサメ隊の支援を断り、たった一機で護衛する。更に、ウィラード隊の支援としてミネルバ及び其の艦載機インパルスが出現。アークエンジェルを守りつつコックピットへの攻撃を避けた不殺の戦いを余儀なくされる本機は、レイの協力の下フリーダム=キラの弱点及び戦闘パターンを把握し尽くし、機体特性をフル活用する戦法を準備したシンが駆るインパルスに徐々に追い詰められていく。最後は、母艦アークエンジェルのエンジンが敵の攻撃を受け大爆発を起こし、其れに気を取られた隙を突かれ、シールドごと機体腹部を貫かれて撃破された。撃墜された本機は直径数キロメートル級の巨大な火球を海上に出現させる程の爆発を起こす。其の爆風はインパルスのPS装甲をダウンさせ左腕を始めとする機体各部を破壊し、ミネルバを揺さぶった。其の後、本機の残骸はストライクルージュによって回収され、キラは軽傷で生還している(撃破される直前に、咄嗟に核エンジンを停止させた為)。 目次に戻る
ストライクフリーダムガンダム
[編集](型式番号:ZGMF-X20A)ストライクフリーダムガンダム(Strike Freedom Gundam)は、テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』を初出とするキャラクター(架空の人型ロボット兵器)にして、同作の主役機。ガンダムと付加された此の名称はキャラクター名であり、作品世界内の兵器の名称はZGMF-X20A ストライクフリーダム。劇中の人物からはフリーダムと呼ばれる事が多い。
来歴
[編集]メカニックデザインは大河原邦男が担当。
製作側による逸話
[編集]- 『週刊ザテレビジョン 2005年度36号』に掲載されたサンライズ設定制作部による誕生秘話によれば、「既に無敵に近かったZGMF-X10Aフリーダムを超えるモビルスーツであるという事を外観で示す為に、フォルムにマッシブな意匠を取り入れ、フレームを金色にした。火力が増強された事を示す為、ビームライフルを2丁装備させ、更に2丁を連結し高出力砲としても使えるギミックを追加。殆どのパイロットには操作出来ない筈のドラグーンを初陣で使い熟していたように、此のモビルスーツは開発段階からキラ・ヤマトを想定して調整されていると推測される。スペック比較ではデスティニーと甲乙付け難いが、若しシン・アスカが此のモビルスーツに乗ったら、今程の性能は発揮出来ない筈。」とコメントしている。
- 『ホビージャパン2007年度3月号』に掲載された、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』チーフメカ作画監督 重田智及びバンダイホビー事業部開発担当 野口勉の対談によれば「ストライクフリーダムは天使をイメージしている。」とコメントしている。
設定の変遷
[編集]本機の設定に付いては公開当時からはっきりしない部分が多く、設定資料が公開される旅に大きな変遷を辿っている。
- 名称の変遷
- 当初、本機の名称は雑誌や公式ホームページ等のメディアに於いて「スーパーフリーダムガンダム」と呼称されていたが、諸般の事情により現在の名称に変更された経緯が有る。又、正式発表以前には「デルタフリーダム」や「νFREEDOM/M」と言った名前も各媒体で散見された。
- 又機体名の由来に付いては、初期に発売された『1/100 ストライクフリーダムガンダム』付属の解説等には「、キラと共に戦場を駆けた名機『GAT-X105 ストライク』と『ZGMF-X10A フリーダム』、2機の名を継承させる事で『祈り』とした、ラクス・クラインによる命名である。」との推察が有力な説として示されていたが、『MGストライクフリーダムガンダム』取扱説明書ではターミナルにより奪取される以前から本機の名称がストライクフリーダムと決まっていたと取れる記述に成っている為、情報が錯綜している。更に其の後に出版された『週刊ガンダム・ファクトファイル No.149』等の資料では「ザフトによってZGMF-X10Aフリーダムの後継機として開発されていた、ZGMF-Xシリーズに属する機体。」と記述されている。
- 開発経緯の変遷
本機の開発経緯に付いては、初期に発売された『1/100 ストライクフリーダムガンダム』付属の解説等で公開された設定では「本機の開発経緯については表に出ていない部分が多い」と前置きした上で「ZGMF-X10A フリーダム及びセカンドステージシリーズのデータを混ぜ合わせてクライン派が開発した機体である。」と言う事が有力な情報による一説として示されていたが、型式番号はザフト開発機である事を示す「ZGMF-X」であり、後に発売された『MGストライクフリーダムガンダム』には、「ザフトが開発を中断し、保管されていた物をターミナルが持ち去りチューニングした。」と言う物と「ザフトが開発終了直前まで製作していた物を、ターミナルが奪取しチューニングした。」と言う、二つの矛盾した記述がなされた。『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の特殊設定担当である森田繁は、『電撃ホビーマガジン 2007年度2月号』に於いて「ザフトのデポに封印されていた物を、ターミナルが持ち去り、キラ・ヤマト専用機として完成させた。」と発言している為、前者の記述を優先される場合が多い。
- 動力の変遷
本機の動力に付いての設定は、初期に発売された『1/144 ストライクフリーダムガンダム』付属の機体解説では「新型エンジン」、『1/100 ストライクフリーダムガンダム』付属の機体解説には「核エンジン」(劇中に於いて、本機のOS設定を行う際に「原子炉臨界」と言う台詞が有る)としか表記されておらず、明確に設定されていなかった。後に森田繁が『パーフェクト・アーカイブ 機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に於いて、本機の動力が「デスティニーやレジェンド同様のハイパーデュートリオンである」と発言した事により、現在では此れが公式設定として受け止められている。だが、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY スペシャルエディション 自由の代償』のDVD初回特典カバー及び『COSMIC REGIONストライクフリーダムガンダム』の付属の機体解説に於いて、本機の動力がレーザー核融合炉との記述が有り、情報が錯綜している。
- スーパードラグーンの変遷
初期に発売された『1/100 ストライクフリーダムガンダム』付属の機体解説には「ストライクフリーダムも、この最新技術(カオスのドラグーンと同等の技術)を採用し、スーパードラグーンを搭載している。」と記載され、森田繁により執筆された『1/60 ストライクフリーダムガンダム』付属の機体解説には「特異な空間認識能力を必要とする兵装。」と明記されており、複数の媒体の間で設定の矛盾は見られなかった。だが、其の後出版された『機動戦士ガンダムSEED DESTINY オフィシャルファイル メカ04』には「レジェンドの改良型ドラグーン(第2世代ドラグーン、カオスのドラグーンの発展型)と同様のシステムを使用している。」と言う記述がなされた為、一時混乱を招いた。更に後に発売された『MGストライクフリーダムガンダム』には「スーパードラグーンとは、次世代ドラグーンをベースとしながら、独自の改良が施された物。」と言う記述がなされ、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY MS エンサイクロペディア』で再び「高い空間認識能力が求められる」と言う記述がなされた為、混乱は治まった。
- その他
- 頭部ブレードアンテナ基部には、本機の型式番号の一部である「20」をイタリア語で表す、「venti」の文字が有る事が、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の劇中映像から確認されているが、第3期オープニング映像のストライクフリーダムのブレードアンテナ基部には、「Liberta Modifica」の文字が書かれている。VPS装甲の調整により、表示する文字を変更しているとも考えられるが、真相は不明。
- 『COSMIC REGIONストライクフリーダムガンダム』付属の機体解説において、デュートリオンビーム砲や超大型ビームサーベル等の兵装が本機に搭載されていると表記されているが、何処に装備されているのかが本機の外見からは分からず、他の媒体では一切表記されていない。
- 劇中で見られる本機の光の翼は、初期の場合は『帰ってきちゃったSEED120%』番組内に於いて「“もの凄い出力”であることの視覚的な表現。」とだけ解説され、原理や機能、用途に付いての設定はなされていなかったが、『MGストライクフリーダムガンダム』発売時に「スターゲイザーの惑星間航行用光パルス推進システムを発展させた高推力スラスターから発せられる、光の翼。」と言う設定が加えられた。
兵器解説
[編集]開発・運用経緯
[編集]{{{名称}}} | |
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所属 | 秘密武装組織「ターミナル」 →オーブ軍第2宇宙艦隊 |
開発 | ザフト統合開発局 →ターミナル兵器開発製造拠点「ファクトリー」 |
生産形態 | ザフト軍次期量産機用ベース機 →キラ・ヤマト専用鹵獲改造機 |
搭乗者 | キラ・ヤマト |
圧倒的火力を持った大部隊で敵部隊を殲滅する事を運用思想の中核とし、ザフトの次期量産機と成るべく開発されていたZGMF-Xシリーズの機体で、ZGMF-X10A フリーダムの直接の後継機。開発自体は旧フリーダムと同時期にザフトで開始されていた(したがって、実際には双子機に近い関係を持つ)が、新規搭載される事と成ったドラグーン・システムと新型高機動スラスターの開発が予定より遅れた為、機体の完成は戦争終結に間に合わなかった。其の後発効したユニウス条約に違反していた本機は、既に完成していた機体アッセンブリー及び開発・設計データを封印された。しかし、封印されていたアッセンブリーとデータはターミナルが鹵獲した(此の際、ザフト統合開発局のサーバーからは、本機のデータは削除された)。ターミナルは、更に深い混迷を続けるザフト・地球連合の対立がZGMF-X10A フリーダムを持ってしても対抗しきれない最悪の状況に陥った際に、其の状況を打開する為に少数精鋭で圧倒的多数の敵と戦う事を想定し、自分達の兵器開発製造拠点「ファクトリー」で本機の再開発を行った。再開発の際は、旧フリーダムの運用データを投影し、キラ・ヤマトの搭乗を前提とした再設計が施され、更にセカンドステージシリーズ等の最新技術をも取り入れられている。セカンドステージシリーズの技術が取り入れられた事で、本機はZGMF-Xシリーズでありながらセカンドステージシリーズの傍流とも言える側面を持ったハイブリッドモビルスーツと成った。
約2年間の歳月を掛け、最新技術を用いた再開発を行った結果、旧フリーダムの数倍に値する超高性能化を果たし、C.E.73の最新鋭機であるレジェンド若しくはデスティニーに匹敵する、当時最強クラスのスペックを獲得。単機で敵部隊の機動制圧・遊撃を遂行する近距離・中距離戦闘用万能モビルスーツとして完成された。だが、極限まで高性能化した機体の性能を、充分に引き出し得るパイロットが搭乗する事を前提条件としたハイスペックを追求し尽くした本機は、キラ・ヤマト以外のパイロットには操縦困難な機体と成っている。キラ・ヤマトの専用機だからこそ成し得た超高性能化であり、非凡極まるパイロットの非凡な要求に答える為に、非凡極まるモビルスーツを生み出そうとした技術者達の努力の賜物である。
本機はラクス・クラインにより、キラが望まずも再度戦場に立つ時の新たなる剣としての「祈り」の意味を込めて、キラと共に戦場を駆けた名機「GAT-X105 ストライク」と「ZGMF-X10A フリーダム」の名を冠し「ストライクフリーダム」と命名された。
キラ・ヤマトに託されたストライクフリーダムは、ザフト・地球連合間の戦争を終わらせる最後の切り札として実戦投入され、驚異的戦果を挙げた事によって、名実共にC.E.73時点で史上最強のモビルスーツとして評価される事と成った。
機体仕様
[編集]ストライクフリーダム Strike Freedom | |
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型式番号 | ZGMF-X20A |
分類 | モビルスーツ |
全高 | 18.88m |
重量 | 80.09t |
装甲材質 | ヴァリアブルフェイズシフト装甲 |
動力源 | ハイパーデュートリオン |
OS | MOBILE SUIT NEO OPERATION SYSTEM G.U.N.D.A.M Complex Series SD100-09 SF/D 01-34152 |
武装 | MMI-GAU27D 31mm近接防御機関砲×2 MA-M21KF 高エネルギービームライフル×2 MX2200 ビームシールド×2 MA-M02G シュペールラケルタビームサーベル×2 MMI-M15E クスィフィアス3レール砲×2 MA-80V スーパードラグーン ビーム突撃砲×8 MGX-2235 カリドゥス複相ビーム砲 |
特殊装備 | EQFU-3X スーパードラグーン 機動兵装ウイング ニュートロンジャマーキャンセラー |
乗員人数 | 1名 |
主運用領域 | 全領域 |
主戦闘距離 | 近距離~中距離 |
白・黒・蒼を基調としたVPS装甲起動色等、旧フリーダムとの外観的共通点が多い。
レジェンドやデスティニーの物に匹敵する高出力のハイパーデュートリオンの搭載により様々な能力が上昇。機体各部のスラスターを強化し、より多くの火器が搭載された事で「高機動力と高火力の共存」というコンセプトがよりハイレベルで実現されている。
極めて高い反射速度を持ったキラ・ヤマトが搭乗する事を前提として再設計された本機は、五体の運動を司る内部骨格に、一般的なモビルスーツには無い特殊な仕様が加えられた。一つは、五体各部でより細かく細分割された外部装甲を、内部骨格の動きに連動して可変移動させる機構を加えられた点。二つ目は、内部骨格部材自体がPS装甲素材で造られた点だ。
内部骨格の動きに連動させた、外部装甲可変移動機構は、限りなく人体に近い可動と高い機動力を実現した機構である。しかし、同時に装甲の間に無防備な隙間を生み、防御力の低下を招いてしまう機構でもあり、キラの被弾率の低さから導かれた「敵機の攻撃に当たらなければ装甲など必要無い」という理屈の下、極限まで運動性を上げ被弾しないことを前提として、防御力の低下を無視して導入された。量子コンピューターによる戦闘シュミレーションでは被弾率0には成らず、一歩間違えば実戦で貴重な機体を容易に失い兼ねない非現実的な機構であるが、防御力の低下という不利点より運動性の向上という利点の方が大きいと判断され、更に、開発を請負った技術者達の、キラに対する絶大な信頼が事を後押しし、導入に踏み切られた。此の判断は正しく、実戦ではキラの操縦技術はシュミレーションのデータを凌駕しており、戦場に於いて一度も被弾する事が無く、防御力の低下は問題が無かったどころか、若し此の機構が導入されていなかった場合、キラの反射速度に機体が追随出来なかったであろう事が判明している。
又、キラの反射速度の高さによる超絶機動は、関節部に大きな負荷を掛ける。PS装甲素材製内部骨格部材は、其の負荷から機体構造を保護する為に導入されており、高機動戦闘時には内部骨格部材に電力が振り分けられ、機体剛性を上昇させる。だが、キラの反射速度は、時に電力振り分けの制御マトリックスの反応速度を瞬間的に上回る程高い域に達し、設計限界(通常機では300万G以上)を超えた超絶機動を引き起こす事が多い。機体の運動速度が或る一定の域を超え設定値を上回る負荷が掛かった場合、フェイルセーフ機構が発動し、予備電力をも活用して内部骨格部材のPS装甲素材作動値を瞬間的に極大値まで引き上げ(常時極大値での運用は、システムに負担を掛ける為、不可能である)、フェイズシフトダウンを防止する。PS装甲素材作動値が極大値にされた際の内部骨格部材は、余剰電力を光子の形で放射する為金色に発光する。更に此の発光には、関節部に掛かった負荷を外部に放出する効果が有る。
本機に於けるPS装甲素材の発光現象は、機体スペックでは想定されていなかった現象であり、内部骨格部材にPS装甲素材を使用した事で優れた防御力を発揮し、外部装甲可変移動機構による防御力低下を緩和したと言える。逆に、外部装甲可変移動機構によって生じた装甲の隙間は、機体内部に漏れ出た光の排出に役立っている。
- 頭部
- 頭部ブレードアンテナ基部には本機の型式番号の一部である「20」をイタリア語で表す「venti」の文字が有る。
- 大量に装備した火器の情報需要に対応する為、本体頭部の複合センサーは多層マルチアレイ化され、処理情報量を増大している。
- MMI-GAU27D 31mm近接防御機関砲
- 頭部左右両側に計2基装備された、近接防御機関砲。自動制御により近接対空防御を担当しているが、実戦での使用は確認されていない。
弾丸は、ザフトによって新たに正式化された口径の物を使用している。弾倉の内装に大きなスペースを必要とするという理由から排除する案も出されたが、実弾兵器の牽制力が重視され、最終的に残された経緯がある。
- 胴部
- コックピットは胸部中央に配置され、胸部中央上部にハッチが有る。パイロットの乗降はハッチ左右に備えられた小型クレーンを使って行われる。
- 背部に搭載されたメインスラスターは、旧フリーダムの物と同様、赤く光る粒子を放出する性質が有る。
- コックピット
- コックピットはZGMF-Xシリーズ共通型の物。本機の火器管制には肉体・精神共に優れた能力を必要とし、キラ・ヤマトやアスラン・ザラと言ったトップクラスのパイロットの力を必要とする。
- MGX-2235 カリドゥス複相ビーム砲
- 腹部中央に固定装備された大口径大出力ビーム砲。アビスの胸部に搭載されたビーム砲と同型の装備だが、ハイパーデュートリオンからのエネルギー供給により威力と連射性能は向上しており、本機の搭載する火器の中でも特に威力が高い。固定装備の為機体正面にしか撃てないが、構えずに撃てる為、乱戦等では使い勝手が良い。
其の砲口のPS装甲素材は、機体に負荷が掛かると内部骨格部材と同様の金色に発光する。コックピット直下に此の兵装が搭載された事に伴い、コックピットとの間を遮蔽する超高精度鏡面壁とエネルギー防壁が完備され、不測の事態からパイロットを保護している。
- EQFU-3X スーパードラグーン 機動兵装ウイング
- 背部に接続された、ヴォワチュール・リュミエールシステム兼ウェポンプラットフォームの機能を持つ4対の可変式機動兵装ウイング。ウェポンプラットフォームにMA-80V スーパードラグーン ビーム突撃砲という兵装をマウントしている為、此の名称が付いている。高出力の兵装を多数搭載する為、高品位・大容量パワーコンジットを内蔵した強度の高い大型マウントアームによって本体と接続されている。
旧フリーダムの大気圏内用高速翼を改良した物で、オリジナルと同様壮麗な光学現象を起こす。本体と連動制御された此のウイングは、キラの無駄のない操縦により兵器とは思えない美しい動きを発揮し、高い機動力を本機に与える。
- MA-80V スーパードラグーン ビーム突撃砲
- ウェポンプラットフォームに合計8基マウントされたドラグーン。ヴォワチュール・リュミエールシステムと同軸上のスペースに被さる様に接続されている為、普段は光パルススラスターの噴射を制限している。
- スーパードラグーンと名付けられた本機のドラグーン・システムは、ザフトによって開発・搭載されていた「特別な適正を持たない普遍的パイロットであっても操作可能な新世代ドラグーン」を設計ベースとしており、元来は空間認識能力さえも必要としないシステムであった。しかし、ターミナルによりキラをパイロットと想定した独自の改良(この際、カオスと同等のドラグーンの技術も加えられる)が施され、装備数を追加されたスーパードラグーンは、旧フリーダム以上のマルチロックオン能力と、変幻自在のオールレンジ攻撃能力を獲得しているが、此の操作に空間認識能力だけでなく、常人では有り得ない情報処理能力をパイロットに要求する為、キラでなければ性能を最大限に発揮させる事は不可能な兵装と成った。
- スーパードラグーンに内蔵されているMA-80V ビーム突撃砲は、連射性能が高い、ガイア及びカオスに搭載されたMA-81R ビーム突撃砲と同系列の物。スーパードラグーンを砲撃戦に用いる事は勿論、放出される高エネルギー粒子を砲口前方にビームソードの様に固定形成する事で、白兵戦に用いる事も可能としている。
- 腕部
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- MX2200 ビームシールド
- 左右前腕部に計2基固定装備された、モノフェーズ光波シールドの改良型ビームシールド発生装置。実体装甲型シールドと違い手で保持する必要が無い為、常に両手で攻撃用兵装を携行する事が可能と成った。
其の能力は、レジェンドやデスティニーに装備されたビームシールド発生装置と同等。様々な戦術に対応し形状を自在に変化させる事が可能なビームを主に盾として展開するが、ビームシールド発生装置を対象物に密着させた状態でビームを放出し、攻撃に転用する場面も見られた。
使用の際の電力消費量の高さが問題視される兵装であったが、ハイパーデュートリオンを搭載した本機では問題と成らない。
- MA-M21KF 高エネルギービームライフル
- 両手で計2基携行された、MA-M20 ルプスの改良型ビームライフル。不使用時には、腰部左右にマウントされる。
出力と連射性能両方を強化した中距離戦闘用射撃兵装。2基のビームライフルを前後に直列で連結する事で、より高出力のロングレンジ・ビームライフルとして使用する事も可能。敵機との距離や数の違い等、状況によって使い分けることで戦術の幅を広げている。使い熟すには、適切な状況判断を行うことが必要とされる。
- 腰部
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- MMI-M15E クスィフィアス3レール砲
- 旧フリーダムのMMI-M15 クスィフィアスを発展させ、腰部左右に計2基接続された電磁レール砲兼AMBACユニット。MMI-M15 クスィフィアスより小型化され、レール砲の格納方式は従来の3つ折り式から2つ折り式に簡略化されているが、威力は逆に向上している。MA-M21KF 高エネルギービームライフルを腰部左右にマウントする際には、レール砲は腰部後ろにスライド移動される為、其の間は使用できない。
- 側面に回転式のビームサーベルラックを備えており、シュペールラケルタビームサーベルは、普段は此処にマウントされている。
- MA-M02G シュペールラケルタビームサーベル
- 腰部左右に計2基マウントされた、MA-M01 ラケルタの改良型ビームサーベル。使用する際は主に右手で、左腰にマウントされた物を引き抜き使われる事が多いが、旧フリーダムと違い手持式の対ビームシールドを持たない為、両手で2基のビームサーベルを同時に使う事が多く成った。MA-M01 ラケルタと同様、2基のビームサーベルの柄を底部どうしで連結させ、両端からビームを発振する「アンビデクストラス・ハルバード」(「アンビデスクストラス・フォーム」と呼称される事も有る)形態としても使用可能だが、キラが二刀流の高速戦闘を得意としていた為、実戦で使われる事は無かった。
ザフトのセカンドステージシリーズ各機に採用されたヴァジュラ ビームサーベルに対抗した改良が加えられており、其れ等と同等の出力を得た。インフィニットジャスティスに装備されたビームサーベルと略同一の物であり、相違点はVPS装甲起動色のみ。
「シュペール」とはフランス語で「スーパー」の意味。
- 脚部
劇中での活躍
[編集]初登場は第39話。ザフト軍グラスゴー隊の攻撃を受ける宇宙戦艦エターナルに搭載されており、ストライクルージュで救援に駆けつけたキラとランデヴーを果たした結果、彼の手に渡った。キラは追撃隊を相手に旧フリーダム譲りのマルチロックオンシステムや新たに装備されたスーパードラグーンを初陣にもかかわらず使いこなし、敵大部隊を一掃した。本機の介入により、グラスゴー隊は、ザクウォーリア、グフイグナイテッドから成る全25機のモビルスーツ部隊を戦闘開始後僅か2分で失い、ナスカ級3隻から成る艦隊を航行不能へと追いやられた。戦闘終了後、本機はエターナルと共に、デブリ帯に在るターミナルの兵器開発製造拠点「ファクトリー」へ帰還した。
第42話では、ザフトによる「オペレーション・フューリー」が発動されたオーブ連合首長国上空に、ラクスを乗せたインフィニットジャスティスと共に大気圏外から垂直降下。其れと同時に、デスティニーにより撃墜寸前まで追い詰められていたカガリが乗るアカツキを救い、デスティニーとの戦闘に突入した。其の後、状況不利へと陥りバッテリー残量がレッドゾーンへと突入したデスティニーがレイの指示に従い撤退した。デスティニーを退けた本機は、オノゴロ島に上陸した多数のザフト軍モビルスーツ部隊を戦闘不能にした。続く43話ではレジェンド及び、再出撃したデスティニーの挟撃によって窮地に陥るが、アスラン・ザラが搭乗したインフィニットジャスティスの加勢により危機を脱出。インフィニットジャスティスはデスティニーとの戦闘に突入し、本機はレジェンドと交戦した。ロード・ジブリールの逃走を阻止出来なかった事で、ザフトは撤退。オーブ連合首長国防衛に成功した。
キラ達が正式にオーブ軍に編入されてからは、アークエンジェルと共に再び宇宙に上がり、C.E.74の「メサイア攻防戦」を駆け抜けた。49話でミーティアとドッキングし、インフィニットジャスティスと共に、多数のザフトの大部隊を退けステーション・ワンを破壊。続く最終話では、レジェンドとの史上初のドラグーン同士の撃ち合いの末に、此れを撃破。その後、再びミーティアとドッキングし、エターナルと共に宇宙要塞メサイアを陥落させる。要塞内部に侵入(映像上の描写はないが、此の直後にミーティアを分離している)し、本機を離れたキラはデュランダルとの決着を付けるべく彼と対峙。全てが終わった後、再び本機に戻り、崩壊するメサイアから脱出した。
本機の停戦後の処遇に就いては、作品中では一切語られていない。プラントに帰還するラクス・クラインのエターナルに随伴している姿が、映像上で確認されている本機の最後の様子である。
以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。
脚注
[編集]出典
[編集]書籍
[編集]- 後藤リウ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY(4) 示される世界』角川書店、2005年。ISBN 978-4-04-429111-2。
- 『プレミアムKC 機動戦士ガンダムSEED スペシャルエディション III 「鳴動の宇宙」』講談社、2005年。ISBN 978-4-06-362037-5。
- 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY OFFICIAL FILE メカ 02』講談社、2005年。ISBN 978-4-06-367153-7。
- 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY OFFICIAL FILE メカ 03』講談社、2005年。ISBN 978-4-06-367157-5。
- 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY OFFICIAL FILE メカ 04』講談社、2005年。ISBN 978-4-06-367159-9。
- 『機動戦士ガンダムSEED DESTINYモデルVOL.2』ホビージャパン、2006年。ISBN 978-4-89-425415-2。
- 『機動戦士ガンダムSEED MSエンサイクロペディア』一迅社、2008年。ISBN 978-4-75-801108-2。
- 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY MSエンサイクロペディア』一迅社、2008年。ISBN 978-4-75-801126-6。
- 『データコレクション(18) 機動戦士ガンダムSEED 下巻』アスキー・メディアワークス、2008年。ISBN 978-4-8402-2867-1。
玩具
[編集]- バンダイ 1/100 MG 「ZGMF-X10A フリーダムガンダム」 2004年7月
- バンダイ 1/100 「ZGMF-X20A ストライクフリーダムガンダム」 2005年8月
- バンダイ 1/100 MG 「ZGMF-X20A ストライクフリーダムガンダム」 2006年12月
- バンダイ 1/100 MG 「GAT-X105E ストライクノワールガンダム」 2007年3月
- バンダイ 1/100 MG 「ZGMF-X42S デスティニーガンダム」 2007年10月