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利用者:小石川人晃/sandboxB

コンテナとは、プランターなど、植物を育てるための容器である。市販されている鉢のほか、木箱や発泡スチロールの箱、小さいものではペットボトル牛乳パックから手作りしたものも利用されている。露地栽培ハウス栽培などの農業的な栽培よりも、主に住宅や庭先などの身近な場所や狭いスペースでの園芸的な栽培で利用されている。

大きさと材質

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コンテナの大きさは、育てる植物の種類に配慮して選定する必要がある[1]。小さな葉物野菜であれば深さ10センチメートルほどで間に合うが、小さな根菜類では深さ20センチメートルほどは必要である[1]。直径・深さとも15センチメートルの鉢であれば、パセリ葉ネギなどの小さなハーブ香味野菜イチゴなどが栽培できる[1]。ある程度まとまった量を収穫する葉物野菜であれば、植え付け面積が広く採れるプランターがよく、ラディッシュミニにんじんは、深さのあるコンテナで栽培する[1]。また株自体が大きくなる果菜類になると、それに合わせた大きめのコンテナが必要となり、1株で直径24 - 30センチメートルの深鉢がよいとされる[1]トマトナスなど栽培期間が長く、草丈も高くなるような野菜は、鉢の直径・深さとも30センチメートルは必要といわれている[1]。長さ60センチメートルほどあるプランターでは、15 - 20リットルの土が入る[1]。なお、発泡スチロールの箱などを利用する場合は、水抜き用の穴を空けることが必要になる[1]

材質は、素焼き、プラスチック製、木製などがある。素焼きやテラコッタ製はやや高価で重いが、長持ちすることや見た目がしゃれているものがある[1]。素焼きや木製のコンテナは、鉢の通気性が良いというメリットがある[2]

プラスチック製のコンテナは、比較的価格が安価で、軽くて丈夫なうえ、水持ちが良いのが利点である[1]。またサイズも豊富に揃っており、利便性が高い[2]。プラスチック製で鉢の側面に切れ目があるスリット鉢は、根の張りが良くなる利点がある[1]

玄関先やテラスなど人目につくところでは、見た目がおしゃれなテラコッタや木製のコンテナを選び、栽培重視であれば軽くて水持ちが良いプラスチック製コンテナというような使い分けもできる[1]

用土

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コンテナ栽培で使用する用土は、庭や畑の土をそのまま利用しただけでは植物のよい生育は望めないことから、特に排水性や通気性、保水性を考えて調整した培養土の使用が推奨されている[1]。培養土は自ら配合することもできるが、市販の培養土を利用するほうが簡単である[1]。市販されている培養土には「野菜の土」「園芸用土」「草花の土」「洋ランの土」など、それぞれ目的に合われたものがある[1]。多くの培養土には元肥が入っているものが多いが、入っていない場合は緩効性化成肥料などを少し混ぜておく[1]。一方、自ら培養土を作る場合は、小粒の赤玉土腐葉土堆肥バーミキュライトピートモス鹿沼土パーライト、乾燥牛糞などを一定の割合で混合してもよく、水はけ・水持ちがよくて元肥が入った土を作るのが大切となる[3]

なお、未発酵の堆肥などが含まれているものや、枯れ葉や枯れ枝が多いもの、未熟の腐葉土、極細かい土が多いものは、コンテナ栽培に使う培養土として向いていないといわれている[1]

種まきや植え付けの実際

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コンテナ選びは土の容量が多い大きめのものを選んだ方が、土が乾燥しにくく植物も育てやすい[2]。コンテナを使った植物の栽培では、種まき、もしくは苗の植え付けによる2通りの方法で行われる。まずはじめにコンテナの水抜き穴から土がこぼれないように、ネットなどを敷いて塞いでおき[注 1]、次に水はけを良くするために大粒の軽石や赤玉土などを容器の底から数センチメートルの深さで入れておく[3][4]

種まきにおいて散まきする場合は、栽培用土をコンテナの8分目ぐらいまで入れてから表面を平らにならし、ジョウロなどで静かに水やりして用土を湿らせておく[3]。そこに植物の種をばらまいて覆土し、再びジョウロで静かに水やりをおこなう[3]。プランターで筋まきする場合は、縁より数センチメートル下まで用土を入れておき、中心に播き溝をつけて種をまいて覆土し、ジョウロでたっぷりと水やりする[4]。大きめの種を点まきする場合は、まく場所に窪みをつけて種を点まきする[4]

苗の植え付けによる場合では、用土をコンテナの半分くらいまで入れて、苗を置いたときに苗の株元がコンテナの縁から3 - 5センチメートルほど下になるように深さを調節し、育苗された苗を中央に置いて周囲に残りの用土を充填して株元が安定するようにしっかり押さえる[3][5]。土が乾いていたほうが作業が楽になるため、あらかじめ水やりは行わず、苗を植えてからたっぷりと水やりを行う[3]

コンテナ栽培のおける管理

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コンテナ栽培は置き場所を変えられるのが利点である[3]。コンテナの置き場所選びは、日照条件が重要で、南向きから東向きにかけての日当たりのよい場所に置いて植物を栽培することが基本であるが[2]、種類によって半日陰を好む植物もあるので、その特性に合わせて置き場所を管理する。ベランダなどで日光が入りにくい場合では、コンテナを台に乗せるなど工夫をする[2]

また、風通しや水はけを良くするため、コンテナをコンクリートの上に直接置かず、ウッドパネルの上やコンテナ用スタンドの載せるとよい[2]。コンテナを隙間なく置いてしまうと風通しが悪くなり、病害虫が発生する原因になる[2]

コンテナでの栽培は土の量が少ないため、水切れを起こさないように注意する必要もある[5]。水やりは土が白く乾いたら、コンテナの底から流れ出すまでたっぷりと与えるのが基本である[3]。水を与える時間は、朝方から昼前までの時間帯がよく、土が乾燥しやすい夏期では、夕方にもう1回水やりが必要になる場合もある[3]。ただし、水やりが過剰であると根腐れなどのダメージを負う場合もあることから、土の表面が乾いているときだけ水やりを行うようにする[5]

脚注

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注釈

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  1. ^ 鉢底にあらかじめネットがついているコンテナでは、鉢底ネットを入れる必要はない[4]

出典

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参考文献

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  • 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編『かしこく選ぶ・おいしく食べる 野菜まるごと事典』成美堂出版、2012年7月10日。ISBN 978-4-415-30997-2 
  • 主婦の友社編『野菜まるごと大図鑑』主婦の友社、2011年2月20日、278 - 279頁。ISBN 978-4-07-273608-1