利用者:南八尾電車区/下書5
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ネコにとって危険な物質
[編集]人間が日常において嗜好・摂取する物の中で、ネコに対して有毒性を示す物品や物質や成分。基本的には市販の猫用缶詰などを与えるのが好ましい。
飲食物
[編集]畜産物
[編集]- 生の豚肉
- 人間も同様であるが、加熱していない豚肉には寄生虫のトキソプラズマが潜んでいる可能性があるため、生部分のある豚肉を与えてはいけない。感染すると、体重の減少や下痢といった症状が出る[1][2]。
- 牛乳・乳製品
- 猫の乳に含まれる乳糖(ラクトース)の量は牛乳の半分程度といわれており、離乳前の子猫ではその牛乳の半分程度といわれる乳糖の量に対応するだけの消化酵素ラクターゼを持ち合わせているものの、離乳する2ヶ月齢頃以降になるとラクターゼは分泌されなくなる。そのため人間も飲用する牛乳は、含有する乳糖の量の多さから、下痢を引き起こす原因となる。加えて、牛乳と比べて猫の乳は脂肪とタンパク質を多く含んでおり、子猫のうちに母乳ではなく牛乳を与えていると、カロリー不足やタンパク質不足となって健全な成長を妨げかねない。このため、ミルクを与える場合には猫用(年齢により子猫用か成猫用の何れかを選択)のものを使用すべきである[3][4][5]。
- TBSテレビで2016年(平成28年)1月4日に放送された『ハッピーあにまる2016』内「激カワ&爆笑ネコ大集合」コーナーで、猫が牛舎内で搾乳中の牛から牛乳を直接飲む場面が映し出され、視聴者から批判の声が上がっていた[6]。
水産物
[編集]- イカ、タコ、エビ、カニ、貝等の一部の魚介類
- イカなどに含まれる酵素であるチアミナーゼ(サイアミナーゼ)はビタミンB1を破壊するため、長期にわたって摂取した場合、背骨の変形を引き起こすなどし、寿命も短縮される。これが「イカを食べると腰を抜かす」といわれる所以である[1][2]。チアミナーゼは、イカ・タコ・貝類といった軟体動物のほか、エビ・カニなど甲殻類やコイ・ワカサギなどの淡水魚にも含まれている。しかし、チアミナーゼは熱によって失活するため加熱すれば問題はなく、イカ・タコなどはネコにとっての必須栄養素であるタウリンを豊富に含むため、ネコには好まれ、イカ入りのキャットフードも存在する。ただし、イカ・タコなどは消化があまりよくないため、多量に摂取すると消化不良を起こす。また、乾物であるスルメなどは、多くの水分を奪う可能性があるが、パック包装などを施された湿り気のある商品はこれに当たらない[注釈 1]。
- なお、魚には基本的にビタミンB1が含まれていないため、肉を与えず魚だけで育てた場合も、寿命が短縮する。市販のキャットフードなどはビタミンB1を添加してあるため、魚が主原料であっても気にする必要はない。
- アワビ、サザエ、ノリ
- 死亡する危険はないが、春先のアワビのツノワタ(内臓)を食べさせるとネコの耳が腐れ落ちると東北地方でいわれている。春先のアワビやサザエは餌としている海藻に含まれるクロロフィルをピロフェオホルバイド a という毒成分に変質させて、動物の体内に摂り込まれた状態で日光に当たると光過敏症を起こすことに基づいている。アワビなどは春先にピロフェオホルバイド a を内臓にためこんでいるので、これを食べると成分も体内に入る。ネコの体は被毛で覆われているため、たとえ日に当たっても光は皮膚までは届かず問題ない。しかし、耳だけは被毛が薄く、毛細血管にまで日光が届く。そのため、光過敏症で炎症を起こして激しいかゆみを生じる。ネコは耳を激しくかきむしり、取れるまでそれを続けてしまう。あるいは、毒成分によって耳の組織が壊死してしまい、取れてしまう[7][8]。味ノリなどは匂いだけで食べさせろとせがむことが多く、また好んで食べるが、耳だれや目やにが出る[要出典]ので与えるべきではない。
- にぼし、かつおぶし
- にぼしはリンやマグネシウムが多く含まれており、膀胱や尿道に詰まる結晶や結石を起こす原因となる。かつおぶしは猫にとって栄養バランスが悪いため多く与え過ぎると栄養失調になりかねない。
青果物(野菜・果物)
[編集]- ユリ・タマネギ等のユリ科の植物
- →詳細は「タマネギ中毒」を参照ネコやイヌにとってネギやタマネギ、ニンニク、ラッキョウなどといったユリ科の植物は極めて有毒とされている。また、ユリ属の植物は特に有害であり、全ての部位に毒性があり、体毛に付着した花粉をなめただけで死亡した例も報告されている。アメリカの愛猫団体であるCFAは、これらの植物をネコに近づけないように勧告している。また、ゆで汁やエキスなどでも有害でありハンバーグなどの練り製品、人間用のビーフジャーキー、すき焼き(の肉)、牛丼や茶碗蒸し、カップ麺などにも含まれることがあり、これらを口にすると中毒を起こすことがある[1][2]。
- ブドウ、レーズン
- アメリカの動物毒性コントロールセンターの調査・研究によると、原因物質は解明されていないが、ネコやイヌが摂取すると2-3時間後に嘔吐・下痢・食欲不振・腰痛が引き起こされ、3-5日後に腎不全の症状が発現し、最悪死に至るケースもあるとしている[1]。
- 青酸配糖体を含む食物
- リンゴ、アンズ、モモ、プラム、スモモ、サクランボ、アーモンド等の枝、葉、種に含有される青酸配糖体が体内で青酸に変化し、呼吸困難、虚脱、痙攣、チック症状に陥り、最悪の場合は死に至る場合がある。
- ソラニンを含む食物
- ナス、トマト、ジャガイモ、ピーマン、ホオズキ等のナス科のほとんどの植物にネコに有毒なソラニンが含まれている。個体差があるが、ネコの場合は2-10mgが摂取量の上限であり、それを超えると過流涎、食欲不振、胃腸障害、下痢、中枢神経系の抑制、虚脱、散瞳、心拍数低下等に陥る場合がある。最悪の場合は、心筋梗塞を起こし死に至る。
- カカオ(チョコレート、ココア)
- カカオに含まれるテオブロミンを代謝する能力がとても低いことから、大量に摂取した場合、下痢、嘔吐、興奮、けいれん、脈の乱れ、血尿などの中毒症状が現れ、最悪の場合、突然死することもある。
- 前出のTBSテレビ『ハッピーあにまる2016』内「激カワ&爆笑ネコ大集合」コーナーでロシアンブルーのオスがソフトクリームやチョコレートコーティングされたアイスを舐めるシーンが映し出され、視聴者から「死ぬぞ」等といった批判が殺到した[1][6][9]。
その他飲食物
[編集]- アルカロイド類
- アルカロイドを含む多くの植物は中毒の原因となる。また、種子類・球根は全て有害と考えられている。カフェインを含む、コーヒーや紅茶等も有害とされている[1]。
- 塩分・味の濃い食品
- 塩分は生体機能を維持するために必要であるが、ヒト向けに味付けされた食品の塩分量では一般に多すぎる。発汗に伴って多量の塩分を失うヒトに対し、ネコはほとんど汗をかかないことによる。塩分の摂り過ぎは腎臓に大きな負担をかけるので、塩辛い食品を安易に与えてはいけない[1][2]。これはネコ以外にも当てはまり、ヒトの塩分に対する要求量/許容量が他の大半の陸生動物より高いことは認識しておく必要がある。
- カフェイン
- コーヒー、紅茶、緑茶、栄養ドリンクなどに含まれるカフェインはテオブロミンと似たような中毒症状を起こす[1]。
- アルコール
- 血液中に吸収されたアルコールが許容量を超えると、脳や体の細胞を破壊する。そのことから、嘔吐、下痢、神経症状、呼吸困難、ふるえ、昏睡状態に陥る場合がある。最悪の場合は死に至る。
飲食物以外
[編集]- 家庭薬等
- グルクロン酸抱合能力が低いことなど、ヒトとネコの違いゆえに、風邪薬[注釈 2]に代表される(ヒトでは問題ない)家庭薬や、エチレングリコール[注釈 3]、ミノキシジル[注釈 4]、α-リポ酸[注釈 5]など身近な薬品での中毒事故が起こりうる。
- 精油(エッセンシャルオイル)
- アロマテラピーや芳香性の生活嗜好品に成分使用されている精油を吸引、皮膚・経口摂取すると、ネコの肝臓はその成分を解毒できず、重篤な後遺症が残ったり回復不能の致命的な事態に陥ることになる。ネコはフェノール類やモノテルペン類、ベンゼン環含有化合物に対する感受性が他の動物に比べて特異であるため、一般に出回っているほとんどの精油が有毒になる。一時期は抗ウィルス作用やノミ取り効果があるとされ、ペット用シャンプーなどにも含まれているティーツリーの希釈液への曝露による事故も報告されている[10][11][12][13]。
- フルルビプロフェン
- 非ステロイド性消炎鎮痛剤の一種で、筋肉痛や関節痛を和らげる効果の湿布や軟膏に含まれていることがある成分フルルビプロフェンをネコが摂取してしまうと、腸や腎臓に中毒症状が現れ、食欲不振、倦怠感、嘔吐、下血などを起こし、死亡に至るケースも複数件あったことに関しての報告と注意が、2015年4月にアメリカ食料医薬品局(FDA)から発表されている。摂取する経路は、薬剤を使用した飼い主の皮膚や、そこから薬剤が付着した衣服・家具・ネコの身体からの経口であろうとみられている[14][15]。
- ^ a b c d e f g h “与えてはいけない食べ物”. 愛猫のハッピーLife百科. 日清ペットフード株式会社. 2016年8月5日閲覧。
- ^ a b c d “猫に与えてはいけない食べ物”. 愛猫と暮らす生活事典. 花王. 2016年8月5日閲覧。 ※ 現在はインターネットアーカイブ内に残存
- ^ “乳の成分” (PDF). 飼い主のためのペットフード・ガイドライン. 環境省. p. 5 (2009年10月). 2018年5月23日閲覧。 “『飼い主のためのペットフード・ガイドライン』HTML版目次”
- ^ クックパッド編集部 (2014年8月13日). “【もう一度見直したい】犬や猫に与えてはいけない食材とは?”. クックパッドニュース 2018年5月23日閲覧. "全2頁構成(→2頁目)"
- ^ 中岡早苗 (2016年10月20日). “子猫のミルクの与え方はどうすれば?量、頻度、飲まない時の対処法は?”. ペットスマイルニュースforネコちゃん ((株)Petsmile) 2018年5月23日閲覧。
- ^ a b “「ネコにチョコレート食べさせた」に愛猫家仰天 TBSに「ネコが死ぬぞ」「放送を止めてくれ」”. J-CASTニュース. (2016年1月4日) 2018年5月24日閲覧。
- ^ 塩見一雄・長島祐二共著 『海洋動物の毒』 成山堂書店。
- ^ “自然毒のリスクプロファイル:巻貝:ピロフォルバイドa(光過敏症)”. 厚生労働省. 2014年6月23日閲覧。
- ^ higarina(著者); ねこのきもち相談室獣医師(監修) (2018年2月1日). “【獣医師が解説】1粒でも危険!?猫×チョコレートの致死量とは?”. ねこのきもち WEB MAGAZINE. ベネッセコーポレーション. 2018年5月24日閲覧。
- ^ クリステン・レイベル『愛しのペットアロマセラピー 』田邉和子・斎藤寛充朗:訳、さんが出版、2004年、ISBN 4-880-96051-9
- ^ 日本アニマルアロマセラピー協会『猫から飼い主への手紙』ブログハウス、2007年、ISBN 4-880-96145-0。電子書籍版:青林堂
- ^ 日本アニマルアロマセラピー協会
- ^ 日本アニマルアロマセラピー協会アニマルアロマセラピー10箇条
- ^ “ペットの相次ぐ不審死、原因は塗り薬―米当局が注意呼びかけ”. あなたの健康百科. 2015年4月24日閲覧。
- ^ “FDA Warns of Illnesses and Deaths in Pets Exposed to Prescription Topical Pain Medications Containing Flurbiprofen”. U.S. Food and Drug Administration. 2015年4月24日閲覧。
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