利用者:亜留/杉下右京
相棒
[編集]右京の相棒となる人物の名前は、全員名字が「か」で始まり名前が「る」で終わるという法則がある[1][2][注 1][注 2]。設定上は薫の前にも6人の特命係員がいたが、彼らは代数には含まれず、本編での登場もしていない。なお、陣川や青木も過去に特命係へ配属された時期があるが、同様に歴代相棒には含まれない[注 3]。また、特命係に配属された者はネクタイを締めないという特徴がある(「特命係・第三の男」にあたる人物を除く)。
南井十/鏡見悟(みない つなし / かがみ さとる)
[編集]演 - 伊武雅刀(S16-7 / S17-17 / S18-14、15 / S22-12〈回想〉)[注 4][注 5](少年期:江原唯斗〈S18-14〉)
20代後半の頃の右京のロンドン研修時代の所謂「0代目相棒」。スコットランドヤードに所属していた警部[3]で、イギリス在住。 右京に並ぶ鋭敏な頭脳に加えて人の心を掌握する才能を持ち、犯罪者ですらも手玉に取る[3]。一方「贖罪の心を持つことができない犯罪者は、自らの死でその罪を贖わせることが相応しい」といった歪んだ正義感を持っている。 日本で発生した連続殺人事件の最中に来日し、右京と再会。一連の事件は犯人の自殺という形で解決したかに思われたが、右京に事件への関与の疑いを突き付けられたまま、イギリスへ帰国する(S16-7)。その1年半後に同じく日本で発生した連続殺人事件では再び右京に関与を疑われるものの、犯人が自殺したためにまたも追及を逃れることとなる(S17-17)。 表向きは日本人の両親が戦後間もない頃にイギリスに渡って帰化したことになっているが、その正体は1952年に発覚した「貰い子殺人事件[注 6]」の舞台となった孤児院で劣悪な環境下で育てられていた子供たちの生き残りであり(S17-17)、出生名は「鏡見悟(かがみ さとる)」である[注 7]。「過去に殺人を犯した者が殺される」という連続殺人事件の第3の被害者も一見するとその条件を満たしているが、実は同時にその孤児院の子供たちの生き残りにして少年時代の南井とも面識があったことが示唆されている。 また、ロンドン時代に捜査に携わった「逆五芒星事件」では、コンビを組んでいたアキノリ・カワエが事件の犯人であるセバスチャン・ロイロットに襲われた時の後遺症を苦に自殺しており、その報復としてロイロットを毒殺している。この経験が自らの行為の正当化につながり、以後この思想に囚われることになる。 S18-14、15において再び来日した際に「逆五芒星事件」を模倣した連続殺人事件が発生し、現場で見かけたロイロットを追う。実は老化に伴う脳血管萎縮などによる認知障害を患っており、感情の抑制が出来なくなったり、記憶や見当識にも障害を抱えていた[3]。東京で見たロイロットが幻覚だと認識できぬまま、次々と記憶を失う中で最後まで残り続けた、「右京と共に事件の捜査に当たる」記憶に縋るように、自ら事件を起こしてはその事実を忘れて自ら捜査をするといった行為を繰り返していた。 その後自ら亘に渡した手帳が原因で右京の知るところとなり、逮捕に至る。そして逮捕後に収容された病院から抜け出し、崖から身を投げた(S18-15)。その数年後、日本で「逆五芒星事件」と酷似する事件が発生したことで南井の生存疑惑が浮上するが、事件関係者全員が死亡もしくは昏睡状態になったため、右京も追及を断念した(S22-12)[3][注 8]
相棒以外の特命係員
[編集]陣川公平(じんかわ こうへい)
[編集]演 | 原田龍二(S3-6 / S6-2 / 劇I / S7-18 / S9-5、9、17 / 劇II / S10-17 / S11-13 / X DAY / S12-11 / S13-17 / S14-12 / S15-16〈写真〉 / S16-11 / S18-16 / S20-4 / S22-3) |
経歴 |
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出身地 | 大阪府寝屋川市(S3-6)。 |
階級 | 警部補 |
親族 | 妹・美奈子(人材会社「ゴールド・サーチ」のヘッドハンター) |
S3-6で一時的に特命係に異動となった、初代「特命係・第三の男」[4][5][6]。
経歴
[編集]刑事事件の捜査員希望だったことから捜査に勝手に首を突っ込み、それが原因で誤認逮捕を二度も起こして特命係へ左遷されたが、すぐに一係の経理に欠員が出たことで復帰した(S3-6)[7]。この初登場回では真面目で熱血漢ながら、思い込みが激しく、恋愛体質な陣川の特徴が描かれている[4]。 亘が法務省から出向していた時期には行きつけの喫茶店の店主・矢島さゆみに思いを寄せるも、その彼女を殺した者への復讐に燃え、自力で犯人を見つけ過剰に暴行を加えた上、相手からナイフを奪って殺そうとしたところを駆け付けた右京らに阻止され、その後の事情聴取で取り乱して暴れたところを右京に諌められた(S14-12)。その後はスコットランドヤードへの海外研修に行き(S15-16)[注 9]、帰国後、ロンドンで知り合った女性についての相談を特命係に持ち掛けた。その解決後は新たに捜査二課への配属が決まり(S16-11)、念願の刑事となって「捜査二課のエース」を自称している(S18-16)[注 10] 。しかし、経済事件を扱う捜査二課所属であるにもかかわらず、有給休暇を取得してまで殺人事件を捜査しようとするなど、刑事事件を扱う捜査一課の刑事になるという夢は諦め切れていない様子が窺える(S18-16)。
人物
[編集]捜査に私情を持ち込むことが多く、歴代の相棒も含めた警察内の関係者からは関わり合いを極力避けられている。しかし未だに刑事への憧れを捨て切れておらず、たびたび右京のいる特命係への配属を希望している。捜査能力には欠ける一方で、経理マンとしては優秀な能力を持ち(S3-6、X-DAY)、日商簿記検定一級の資格を有する(S3-6)。 上記の性格に加え、美女に弱いという欠点があり、犯罪に巻き込まれた美女とたまたま出会って思いを寄せてはその恋が報われず、結局「花の里」や「こてまり」で酔いつぶれるのがお約束となっている[注 11][注 12]。酒癖が悪く、酔った際には「杉さん・お杉さん(右京)」や「亀ちゃん(薫)」など馴れ馴れしい呼称になる。また、話し方も大阪弁となる(S18-16)。
特命係との関係
[編集]登場の度に災難に巻き込まれたり、厄介事の火種を特命係に持ち込んでいる。特命係の名前を乱用し右京共々犯罪に巻き込まれるきっかけを作ったこともある(S7-18)。 右京に対しては尊敬の念を持っており女性絡みの事件でも彼の推理は真面目に聞いている(S3-6など)。薫に対しては階級は上だが年齢は下のため後輩として基本は敬語で接している。一方で、彼以外の特命係に採用された相棒たちには特命係の先輩として上から目線で接しており、尊に対しては初対面から面と向かって「ソン君」と呼んでいた。享に対しては「父親のコネで異動した」との誤解から敵意を向け(S11-13)、誤解が解けた後も高圧的に接していた(S12-11)。一方、法務省から出向していた亘に対しては「先輩」と呼んで慕い、彼が巡査階級で警視庁に天下りしてからも同様だった。青木に対しては、刑事の先輩として上から目線で接している(S18-16)。
現実世界での扱い
[編集]「テレ朝ポスト」によると、抜けたところがあるものの、純粋でひたむきに恋した女性のために一生懸命奮闘する姿だからこそ視聴者への人気が集まったとされ、「ピュアでまっすぐ」と評されるキャラクターゆえ長年ファンに親しまれているという[4]。さらに(S20-14)では高校時代の陣川が描かれるシーンも登場し、サービスシーンとして大いに反響を呼びTwitterでは陣川君がトレンド入りした[8]。 ねとろぼ調査隊が2024年に行った「相棒」の登場人物人気ランキングでは第12位であった[9]。
親族
[編集]- 陣川美奈子(じんかわ みなこ)
- 演 - 水崎綾女(S13-17)
- 公平の妹。人材会社「ゴールド・サーチ」のヘッドハンター[10]。勤務先の機密情報を悪用していた犯罪グループに拉致され、特命係と公平によって救出される。その後、特命係の捜査を通じて情報流出に勤務先が関わっていたことを知り、退職した。
- 惚れっぽく失恋を繰り返すなど公平と似通った性格を持つが、ヘッドハンターという仕事に対しての責任感は非常に強く、いざという時の機転も効き、公平以上に優れた面を持つ。普段は憎まれ口を叩き合っているものの兄妹仲は良く、「自分が公平を警視庁一の刑事だと思い込んでいる」という彼の認識が単なる思い込みに過ぎないことを黙っているなどの気遣いも見せている。
姉川聖子
[編集]演 - 田畑智子(S7-10)
臨時の特命係配属者。法務省官房長補佐官。入省8年目の若手官僚。瀬田宗明法務大臣の息子が行方不明となった事件を極秘で捜査するため、瀬田と小野田の根回しで一時的に特命係に配置された(対外的には「法務省との人材交流」という名目の出向となっている)。右京の相棒として共に捜査に当たり、男性警察官顔負けの体を張った捜査で事件を解決に導いた[11]。事件解決後は右京に見送られ、法務省に復帰している。
青木年男(あおき としお)
[編集]演 浅利陽介(S14-15 / S15-1〜S20-終 / S22-1、2)[注 13] 生年月日 1987年(昭和62年)11月4日 経歴 - 文教館大学経済学部経営学科[注 14]
- → 区役所(S14-15)
- → 警視庁サイバーセキュリティ対策本部特別捜査官(S15-1)
- → 警視庁特命係(S16-最終話)
- → 警視庁サイバーセキュリティ対策本部特別捜査官(S17-10)
- → 内閣情報調査室(S20-終)
階級 巡査部長 趣味 チェス 親族 父・綱一郎(警察官)
S16-最終話で一時的に特命係に異動となった、冠城時代における「特命係・第三の男」。警視庁サイバーセキュリティ対策本部の一員。
経歴
[編集]区役所に勤めていた頃、自宅の向かい部屋で殺人事件を目撃したが、特命係や捜査一課からの捜査協力要請を拒否し続けた。しかし最終的に、右京の策に嵌まる形で警察に協力する羽目になった(S14-15)[12]。 その後、亘と同期で警察学校に入校・警視庁に入庁し、新設されたサイバーセキュリティ対策本部第5課に配属された[警 1]。特命係にも頻繁に顔を出し、現場から離れた米沢から作中のコメディリリーフと、データ収集能力を活かした益子と並ぶ特命係の協力者の地位を引き継いだ[12]。記者の楓子が突き落とされ怪我を負った一件ではその所業を特命係に暴かれ、監察官聴取を受けることになるも、「過失傷害」を主張し続け、最終的には衣笠の思惑により特命係へと異動した(S16-終)。 特命係の在籍中は「T.AOKI」と書かれた名札の他、特命係の室内に仕切りまで設置して「サイバーセキュリティ対策本部分室」を自称するなど、特命係員としての立場を頑なに拒み続けていたが、右京から叱責されて以降は、右京と亘に対し度々情報提供をしていた[注 15]。その後サイバーセキュリティ対策本部に復帰(S17-10)、復帰後も特命係との協力関係は続いていた。 その後、亘が自身と飲みに行く約束を二度も反故にした腹いせに、彼が社の娘・マリアとパパ活をしているという怪文書を警視庁他各所にばら撒く。自身の行為を暴かれ、衣笠から叱責された際、自身をクビにすれば警察の秘密を暴露すると宣言して衣笠と決別する。その後、亘が社に推薦したことで内閣情報調査室へ異動し、警視庁を去った(S20-終)[13][14]。内調異動後も特命係と接点を持ち、特命係の先輩かつ後輩でもある薫とも出会っている[14]。
人物
[編集]ひねくれた性格で、極度の「警察嫌い」[12][15]。 日頃から嫌味な態度や物言いが目立ち、サイバーセキュリティ対策本部の同僚である土師太とは特に仲が悪い。女性の扱いは下手であり、度々騙されている(S15-4、S18-7)。 父・綱一郎も警察官で、副総監の衣笠とは「竹馬の友」の間柄[12]。衣笠とは綱一郎の息子として生まれた時からの付き合いであることからコネ入庁を疑われており、刑事部長である内村からは「虎の威を借る狐」と揶揄されている(S16-終)。また、父親との確執が「警察嫌い」の原因となったことが示唆されているが、衣笠はそのことを知らないようで、衣笠に父親の近況を聞かれると当たり障りのない返答をしつつも顔を曇らせている[要出典]。
特命係との関係
[編集]表面上は特命係と和解して良好な関係を築いているが、先述の一件から、特命係をはじめとして警察に並々ならぬ憎悪を抱いており、嫌がらせに加え、特命係を追い込むために暗躍していた(S15-11、S16-1、12)。当初は亘のことを毛嫌いし、タメ口を叩かれたり、頭や顔を撫でられたりと子供扱いされることを嫌がっている。一方で月日が経つにつれて彼への態度は軟化しており、最終的には直接ではないが彼を「友達」と呼ぶ(S20-最終話)ほどの仲にまでなっている。また、陣川とは相性が悪く、右京に対する態度を注意されたり、嫌味をぶつけても褒め言葉と受け取られ喜ばれてしまうことがあった(S18-16)。
現実世界での扱い
[編集]演者の浅利は以前、2008年1月1日に放送された『寝台特急カシオペア殺人事件』(S6-10)にて、安藤博貴役を演じていた[16]。また年男の父親の青木綱一郎役としてS20-最終話に出演している。 浅利は子役時代から実績を積んできたが、作品の空気を感じながら演じるのが難しく、最初は緊張していたと2021年の「サンスポ」とのインタビューの中で明かしている。また、コンピュータに明るく記憶力も高いという設定故、セリフを覚えるのにも苦労したが、のちに癖がついてすんなりと覚えられるようになったとも話しており、本作に出演したことは自分にとっての武器になるとも述べている[17]。 思い入れのある場面として、彼は青木の初登場回を挙げており、迷いが生じた際に見返して根幹部分を思い出すようにしていると「サンスポ」とのインタビューの中で述べている[17]。浅利はやっかむ、ねたむ、すぐ文句を言うなど自身の負の部分をかなり増幅して作ったキャラクターとも述べている[17][18]。右京の演者である水谷にとっても期待以上の活躍だという[17]。その一方で、浅利は2018年の「ザ・テレビジョン」とのインタビューの中で青木との間には距離があり、まず友達にはなれないだろうと話している[18]。 青木は視聴者からウザいなどと言われる存在だが、嫌みで含みのある個性的なキャラクターとして視聴者からの反響は大きい。S17では青木が一時特命係に異動したこともあって演者の浅利の知名度がより上がった一方、街で会った人から右京たちをいじめないでくれと言われることもあったと話している[17]。 ねとろぼ調査隊が2024年に行った「相棒」の登場人物人気ランキングでは第14位であった[19]。 また、彼は初登場からS19で出雲麗音が登場するまで本作における歴代レギュラーキャストにおいて、最年少であった。
親族
[編集]- 青木綱一郎
- 演 - 浅利陽介(S20-終〈写真〉)[注 16]
- 年男の父親。元警察官。交番勤務時代からの同僚である衣笠とは親しい関係にある一方、実子の年男とは確執がある。長らく作中において衣笠と年男の会話で名前が出てきたのみだが、S20-最終話において衣笠が机から二人での写真を取り出したことにより初めて作中での登場となった。
緊急対策特命係での部下
[編集]上述の事情からか、「緊急対策特命係」の生き残った隊員と右京を「自分を殺してもいい人間」に挙げている(S1-11)。
石嶺小五郎(いしみね こごろう)
[編集]特命係の前身である緊急対策特命係の元隊員。登場時は警視庁本郷警察署警務部所属。階級は不明。 緊急対策特命係の一員として参加した外務省公邸人質籠城事件の人質解放作戦が失敗に終わった後、自身や萩原は失敗の責任が及ぶこと無く順調に出世した。しかし、参謀だった右京だけが出世を絶たれて閑職に閉じ込められてきたことをずっと重荷に感じており、事件から15年後、警察を辞めることを決意。人質解放作戦が失敗に終わった原因を作った小野田を狙撃するが、失敗して右京に被弾させてしまった。右京には貧乏くじを引かせてしまった負い目があり、右京が負傷して入院した際には偽名で花を贈っていた。このことから、右京に対しては寧ろ深い尊敬の念があった。後に小野田の執務室を訪ねて再度射殺を試みたが、射撃の衰えで失敗し逮捕された。
萩原壮太
[編集]演 - 内藤剛志(S1-終)
特命係の前身である緊急対策特命係の特殊部隊元隊員。登場時は警視庁富士見警察署署長。階級は警視。 外務省高官人質籠城事件の際、右京や小野田と解決に向けて対応に当たっていた。しかし、強行突入の際に北条晴臣が自身の汚職の隠蔽のため部下を射殺しており、それを目撃した緊急対策特命係の隊員1名にも銃撃していた。彼はその隊員が亡くなる直前に全てを聞かされていたが、当時の上層部は荻原の報告に取り合わず、また彼自身も出世のため黙殺していた。 その15年後に籠城事件に関与していた人物が次々と不審死を遂げたことから、当時の北条邸の料理人から真実を聞き出し殺害。自身の顔を覚えていなかった北条を殺害した上で自殺しようとするが、右京たちに止められた。逮捕後、持病により命が長くないことを右京に明かしている。彼もまた過去の経緯から右京を尊敬しており、階級が自分よりも下になった右京に対して敬語で話している。
- ^ a b “水谷豊が明かす“寺脇降板”秘話 「いつまでも居ちゃだめだ」とアドバイスした理由とは(7ページ目)”. デイリー新潮 (2022年8月20日). 2022年8月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月24日閲覧。
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