利用者:リトルスター/希釈用ボス
本項では、サントリーフーズ[1]の飲料ブランド・ボス (コーヒー)のうち、希釈用飲料として販売されている製品について解説する。
歴史
[編集]家庭における1人当たりのコーヒー消費量は増えていることに着目したサントリーは、2016年3月に希釈用コーヒー「ボス ホームエスプレッソ ラテミックス」を発売した[2]。この製品は購入者からの評判は良かったものの、なかなか間口が広まらないなどの課題が残り、発売から1か月もしないうちに対策が練られた[3]。そして、同年9月、「ボス ラテベース」と改名するなど、「ラテ」であることを強調したリニューアルを果たした[3]。さらに、2016年10月25日には期間限定品として「焦がしキャラメル」が発売された[3]。
2017年5月30日には、カルビー株式会社と共同開発した「スイートメープル」を発売した[4][5]。カルビーと組んだのは「女性に人気」「朝食に食されている」という共通点からであり、同社の看板商品であるシリアル「フルグラ」に合うような味覚設計がなされた[4]。2017年7月11日には「焦がしキャラメル」が通年商品化され、アイスクリームブランド・ハーゲンダッツとのコラボレーション施策も展開された[6]。その後、共働きの家庭を対象にした調査を行ったところ、紅茶とコーヒー両方が好きな人が多かったことから、2018年7月10日には「紅茶ラテ」を発売した[7]。2019年7月9日にはカフェインが苦手なユーザをターゲットにした「贅沢カフェインレス」を投入した[8]。
「ラテベース」は発売から2018年までの売れ行きは伸びていたものの、2019年ごろから売り上げが鈍化した[9]。また、この製品は元々牛乳で割ることを想定していたが、営業担当者たちから「水で割ってもおいしい」という情報を得られたり、消費者の一部が水で割っていたことが判明したたため、サントリーは調査に乗り出した[9]。調査したところ、濃縮コーヒーを飲むのをやめてしまう人が多いことが判明し、話をよく聞くと「おいしいが、味が濃すぎて飲みきれない」「たまに飲む分にはいいが、毎日飲み続けるには少しまったりしすぎている」という課題が判明したこともリニューアルのきっかけの一つである[9]。また、リフレッシュ目的でブラックコーヒーを飲む者が多いことが判明したため、サントリーはテレワークの普及が背景にあると考えた[9]。こうしてサントリーは2020年3月10日に製品名を「ボス カフェベース」に変更し、一部の製品を水でも割れるようにした[10][注 1]。発売と前後してコロナウイルスの流行に伴いテレワークが急拡大したこともあり、この製品はよく売れた[9]。また、汎用性を高めたことで、家族で分けて飲むこともできるようになった[9]。10月にはほうじ茶ラテ[11]が登場するなど、こちらもコーヒー以外の分野にも拡大した。ほうじ茶ラテと前後して、通年商品の味覚設計の方針も見直され、ホットでも飲めるようにした[12]。2021年3月9日には、希釈用濃縮紅茶「ティーベース」2種(無糖紅茶・甘さ控えめ)が発売された。
「ボス カフェベース」は他の分野からの流入者も多い一方、店頭で目にしただけでは濃縮タイプと気づかない客もいることが判明した[13]。そこでサントリーは、2022年2月22日(猫の日)に、猫をかたどったノベルティー「猫キャップ」の動画配信を行い、その中で濃縮タイプ飲料であることを伝えた[13]。同年下期にも同様の施策が組まれた[14]。
この年はコーヒー以外の飲料の拡充が図られており、その第一弾として「贅沢フルーツオレ」が発売された[15]。また、「クラフトボス 抹茶ラテ」の好評を受け、希釈用飲料でも「ボス カフェベース 贅沢抹茶ラテ」を発売した[15]。
2023年2月、わかりやすくかつ親しみやすくするため、「カフェベース」から「割るだけ ボスカフェ」に改名した[16]。このリニューアルに際しては、漫画『SPY×FAMILY』のコラボレーションとして同作の登場人物・アーニャを模したキャップがノベルティとして付属した[16][注 2]。さらに、「割るだけ ボスカフェ」のラインナップにブランド初となる4倍濃縮の希釈用ココア飲料「割るだけ ボスカフェ ココアオレベース」が加わった[16]。
2023年5月9日にはイオングループ(イオン/イオンスタイル、マックスバリュなど)限定で「ソイとミルクの特製ラテ」と「おいしい無糖紅茶」が発売された[18]。
ラインナップ
[編集]コーヒー
[編集]商品名 | 発売時期 | 容量 | 備考 |
---|---|---|---|
割るだけ ボスカフェ 無糖 | 2023年2月20日[16] | 340ml[16] | |
割るだけ ボスカフェ 甘さ控えめ | 2023年2月20日[16] | 340ml[16] | |
ラテベース くちどけショコラ | 2017年1月24日[19] | 490mlPET | 4倍濃縮タイプ。期間限定品 |
ラテベース スイートメープル | 2017年5月30日 | 490mlPET | 4倍濃縮タイプ。期間限定品。カルビー株式会社との共同開発[4] |
ラテベース ストロベリーフロマージュ | 2017年10月24日 | 490mlPET[20] | 4倍濃縮タイプ。期間限定品 |
ラテベース ティラミスショコラ | 2018年1月23日 | 490mlPET | 4倍濃縮タイプ。株式会社ロッテと共同開発したバレンタインデー向けの期間限定品[21] |
ラテベース モーニングバナナラテ | 2018年5月29日 | 490mlPET | 4倍濃縮タイプ。期間限定品[22] |
ラテベース 香ばしピスタチオ | 2019年1月22日 | 490mlPET | 4倍濃縮タイプ。期間限定品[23] |
ラテベース ふんわりバニララテ | 2019年4月23日 | 490mlPET[24] | 4倍濃縮タイプ。期間限定品 |
ラテベース クリーミーベイクドチーズケーキ | 490mlPET | 4倍濃縮タイプ。期間限定品[25] | |
ラテベース オランジュショコラ | 2020年1月21日 | 490mlPET | 4倍濃縮タイプ。期間限定品[26] |
カフェベース ハニー&ロースト | 2020年5月26日 | 340mlPET | 期間限定品[27] |
カフェベース アイスソルティバニラ | 2020年7月21日 | 340mlPET | 期間限定品 |
カフェベース アーモンドラテ | 340mlPET | 期間限定品。2022年5月31日に再発売された[28]。のちに「割るだけ ボスカフェ アーモンドラテ」に改名し、2023年5月30日に期間限定商品として再発売された[29]。 | |
カフェベース 贅沢コールドブリュー | 2021年7月27日 | 340mlPET | 無糖コーヒー、期間限定品[30] |
カフェベース 無糖ブラック | 250mlPET 340mlPET |
コンビニエンスストア・交通売店限定品。340mlPETはリニューアルに伴い「割るだけ ボスカフェ」へ移行。 | |
カフェベース 甘さ控えめ | 250mlPET 340mlPET |
コンビニエンスストア・交通売店限定品。340mlPETはリニューアルに伴い「割るだけ ボスカフェ」へ移行。 | |
割るだけ ボスカフェ ヘーゼルナッツラテ | 2021年10月19日[31] | 340mlPET | 発売時の名称は「ボス カフェベース ヘーゼルナッツラテ」[31]だが、2023年7月のリニューアルに際して改名した[32]。 5倍濃縮タイプ。期間限定品 |
その他
[編集]商品名 | 発売時期 | 容量 | 備考 |
---|---|---|---|
ラテベース チャイティーラテ | 2018年10月23日 | 490mlPET | 4倍濃縮タイプの希釈用紅茶飲料、季節限定品[33] |
カフェベース ほうじ茶ラテ | 2020年10月20日[11] | 340mlPET | 希釈用、期間限定品 |
ティーベース 無糖紅茶 | 2021年3月9日 | 340mlPET | 濃縮タイプの希釈用紅茶飲料[34] |
ティーベース 紅茶 甘さ控えめ | 2021年3月9日(340mlPET)[34] | 250mlPET | 濃縮タイプの希釈用紅茶飲料、コンビニエンスストア・交通売店限定品。340mlPETはリニューアルに伴い「割るだけ ボスカフェ」へ移行。 |
割るだけボスカフェ フルーツオレ | 2022年3月8日[35] | 340mlPET | 発売時の名称は「カフェベース 贅沢フルーツオレ」だが[35]、2023年4月25日のリニューアルに際して改名した[16]。4倍濃縮タイプ。ブランド史上初の栄養機能食品でもある。 |
割るだけ ボスカフェ いちごショコラ | 春季限定で発売された。 |
広報
[編集]2023年4月にはテレビCM『「キッチリ夫と、テキトウ妻」篇』が公開され、お笑い芸人・岩井勇気(ハライチ)と俳優の伊藤沙莉が夫婦役で出演した[36]。同年6月には同じ出演者による『「BOSS CAFE APARTMENT」篇』が公開され、こちらは多彩なラインナップをアピールするという目的から岩井と伊藤がそれぞれ5役ずつ演じ分ける内容となっている[37]。
前述の『SPY×FAMILY』以前から、他作品とのコラボレーションを行っており、たとえば2022年10月にはエポック社の人形シリーズ「シルバニアファミリー」とのコラボレーションとして、同シリーズの人形が当たるキャンペーン懸賞が展開された[38]。
2022年3月には、明治乳業による牛乳の消費喚起施策の一環として、同社の「明治おいしい牛乳」と、「ボス カフェベース」のコラボレーションキャンペーンが展開された[39]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ サントリー食品インターナショナルの機能子会社。
- ^ “サントリー/牛乳で割るだけでカフェラテに「ボス ホームエスプレッソ ラテミックス」”. 流通ニュース. 株式会社ロジスティクス・パートナー (2016年2月15日). 2024年12月8日閲覧。
- ^ a b c “カフェの「ラテ」がついに...イエナカでミルクと手軽に サントリー「ボス ラテベース」が目指すコーヒーレボリューション”. J-CAST トレンド (2016年11月2日). 2024年12月12日閲覧。
- ^ “女性の朝食需要を狙え サントリーがカルビーと共同開発”. ITmedia ビジネスオンライン (2017年5月24日). 2024年12月12日閲覧。
- ^ “ハーゲンダッツとのコラボメニューカフェも!「ボス ラテベース 焦がしキャラメル」発売”. ウォーカープラス(Walkerplus) (2017年7月4日). 2024年12月12日閲覧。
- ^ “サントリー/ボス ラテベースから「紅茶ラテ」登場”. 流通ニュース. ロジスティクス・パートナー (2018年5月29日). 2024年12月12日閲覧。
- ^ “サントリー/「ボス ラテベース」からカフェインレスタイプ”. 流通ニュース. ロジスティクス・パートナー (2019年5月27日). 2024年12月12日閲覧。
- ^ a b c d e f ssnp (2020年12月27日). “サントリー「ボス カフェベース」が前年比5割増に、コロナ禍で濃縮飲料に脚光、在宅需要拡大と汎用性で共働き世帯に人気”. 食品産業新聞社ニュースWEB. 2024年12月8日閲覧。
- ^ a b “テレワーク普及でコーヒー需要に異変 サントリーBOSS刷新のワケ”. 日経クロストレンド (2020年2月27日). 2024年12月8日閲覧。
- ^ a b “「ボス カフェベース ほうじ茶ラテ」発売(サントリー食品インターナショナル)”. 日本食糧新聞・電子版 (2020年11月25日). 2024年12月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月8日閲覧。
- ^ “ホットで飲んでも美味しい!濃縮タイプ飲料「ボス カフェベース」から、「ボス カフェベース 無糖」・「同 甘さ控えめ」リニューアル、さらに「ボス カフェベース ほうじ茶ラテ」を期間限定発売!”. サントリー食品インターナショナル (2020年10月2日). 2024年12月12日閲覧。
- ^ a b “サントリー「BOSS」濃縮タイプ 猫キャップで認知度向上に成功”. 日経クロストレンド (2022年3月15日). 2024年12月8日閲覧。
- ^ a-ito (2022年12月28日). “テレワーク背景に伸長する濃縮飲料市場、BOSS「贅沢抹茶ラテ」がクロスMDで需要創出 (2ページ目)”. ダイヤモンド・チェーンストアオンライン. 2022年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月13日閲覧。
- ^ a b a-ito (2022年12月28日). “テレワーク背景に伸長する濃縮飲料市場、BOSS「贅沢抹茶ラテ」がクロスMDで需要創出 (1ページ目)”. ダイヤモンド・チェーンストアオンライン. 2024年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “「ボス カフェベース」が「割るだけ ボスカフェ」になって新発売(※)!! さらに『SPY×FAMILY』とコラボした「アーニャキャップ」(全4種)がノベルティで登場!”. サントリー食品インターナショナル. (2023年2月20日). オリジナルの2024年7月16日時点におけるアーカイブ。 2024年12月13日閲覧。
- ^ “割るだけ ボスカフェ <無糖 ><甘さ控えめ >< ココアオレベース> スパイファミリーラベル(サントリー食品インターナショナル)2023年8月1日発売”. 日本食糧新聞・電子版 (2023年7月21日). 2024年12月13日閲覧。
- ^ 『有機素材を使用した「クラフトボス ソイとミルクの特製ラテ」「クラフトボス おいしい無糖紅茶」全国のイオングループにて限定発売』(プレスリリース)サントリー食品インターナショナル株式会社、2023年5月8日 。2023年5月9日閲覧。
- ^ “「ボス ラテベース くちどけショコラ」 家庭でも簡単に“飲めるスイーツ” |”. ウェブ電通報 (2017年1月20日). 2024年12月12日閲覧。
- ^ “「ボス ラテベース ストロベリーフロマージュ」発売(サントリー食品インターナショナル)”. 日本食糧新聞・電子版 (2017年11月24日). 2024年12月18日閲覧。
- ^ “「チョコと一緒」がおすすめ 牛乳で割る「ボス」新商品の味は?”. ITmedia ビジネスオンライン (2018年1月23日). 2024年12月18日閲覧。
- ^ “朝にぴったりな甘さと爽やかさ 「ボス ラテベース モーニングバナナラテ」”. J-CAST トレンド (2018年5月14日). 2024年12月12日閲覧。
- ^ “サントリー/チョコにも合う「ボス ラテベース 香ばしピスタチオ」”. 流通ニュース. ロジスティクス・パートナー (2019年1月18日). 2024年12月12日閲覧。
- ^ “「ボス ラテベース ふんわりバニララテ」発売(サントリー食品インターナショナル)”. 日本食糧新聞・電子版 (2019-0-.13). 2024年12月18日閲覧。
- ^ “サントリー/「ボス ラテベース クリーミーベイクドチーズケーキ」発売”. 流通ニュース. ロジスティクス・パートナー (2019年10月9日). 2024年12月12日閲覧。
- ^ “サントリー/ご褒美バレンタイン「ボス ラテベース オランジュショコラ」”. 流通ニュース. ロジスティクス・パートナー (2020年1月9日). 2024年12月12日閲覧。
- ^ “「ボス カフェベース ハニー&ロースト」期間限定発売”. サントリー食品インターナショナル (2020年5月12日). 2024年12月18日閲覧。
- ^ “「ボス カフェベース アーモンドラテ」期間限定で再登場。「BOSS×すみっコぐらし」イエカフェグッズが当たるキャンペーンも”. グルメ Watch. インプレス (2022年5月30日). 2024年12月12日閲覧。
- ^ “「クラフトボス コーヒーニューニュー ソイハニー」が期間限定新発売! さらに「割るだけ ボスカフェ アーモンドラテ」がパッケージリニューアルして期間限定で再発売”. サントリー食品インターナショナル (2023年5月15日). 2024年12月12日閲覧。
- ^ “「ボス カフェベース 贅沢コールドブリュー」夏季限定!おうちで本格水出しアイスコーヒー [えん食べ]”. えん食べ [グルメニュース] (2021年7月5日). 2024年12月18日閲覧。
- ^ a b “サントリー、BOSSの濃縮タイプ飲料「ボス カフェベース」リニューアル。ヘーゼルナッツラテ新登場”. グルメ Watch. インプレス (2021年10月8日). 2024年12月13日閲覧。
- ^ “割るだけ ボスカフェ <ヘーゼルナッツラテ >(サントリー食品インターナショナル)2023年7月4日発売”. 日本食糧新聞・電子版 (2023年7月21日). 2024年12月13日閲覧。
- ^ “サントリー/ボス ラテベースに甘くスパイシーな「チャイティーラテ」”. 流通ニュース. ロジスティクス・パートナー (2018年10月16日). 2024年12月12日閲覧。
- ^ a b “濃縮タイプ飲料「ボス カフェベース」からの新シリーズ「ボス ティーベース」新発売 | ニュースリリース一覧 | サントリー食品インターナショナル”. サントリー食品インターナショナル. (2021年3月3日) 2024年12月14日閲覧。
- ^ a b “「ボス カフェベース」から新提案!牛乳と割るだけ!フルーツオレが簡単に作れる栄養機能食品※1「ボス カフェベース 贅沢フルーツオレ」新登場”. サントリー食品インターナショナル (2022年1月31日). 2024年12月13日閲覧。
- ^ “「ボス カフェベース」新TV-CM ハライチ・岩井勇気さん&伊藤沙莉さん出演の「キッチリ夫と、テキトウ妻」篇 4月1日(木)から全国でオンエア開始”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2021年4月1日). 2024年12月21日閲覧。
- ^ “「割るだけ ボスカフェ」CMシリーズ最新作 ハライチ・岩井勇気さん&伊藤沙莉さんが “二人十役”を熱演!?7月4日(火)から全国でオンエア開始”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2023年6月27日). 2024年12月21日閲覧。
- ^ “サントリー「ボス カフェベース」と「シルバニアファミリー」がコラボレーション! 「ボス カフェベース」with「シルバニアファミリー」コラボオリジナルの赤ちゃん人形セットプレゼントキャンペーン開催”. エポック社 (2022年10月25日). 2024年12月21日閲覧。
- ^ “明治、生産最大期の牛乳消費喚起へ 「おうちカフェ」で他社とコラボも”. 日本食糧新聞・電子版 (2022年3月7日). 2024年12月21日閲覧。