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脚本術 (Screenwriting または Script-writing) とは、映画、テレビドラマ、テレビアニメ、漫画およびゲーム等、視覚表現の脚本(シナリオ)を制作する技術である。教育機関等では脚本技術とも呼ばれる[1]。
概要
[編集]キャラクター
[編集]主人公
[編集]シド・フィールドによれば、魅力的なキャラクターを作るためには、以下の要素が必要であるという[2]。
- 力強く明確な「ドラマ上の欲求」を持っている
- 「ドラマ上の欲求」とは、キャラクターがストーリーの中で達成したいと思っていることである。ドラマ上の欲求は一行か二行で表現できる。ほとんどの場合では、ドラマ上の欲求は、最初のターニング・ポイント(プロットポイントI )で変化し、そこからが本当のストーリーの始まりとなる。
- 独特の考え方、視点、および態度を持っている[注釈 1]
- キャラクターは自らの考え方を行動に移し、その考え方をドラマティックに表現しなければならない。キャラクターの考え方を捉えることが出来れば、そのコンフリクトを作ることは、より容易になる。
- ストーリーを通して変化する
- キャラクターが変化することで、そのアクションも変化し、キャラクターの人格は単調でなくなる。キャラクターの心情の変化を2ページか3ページのノートにまとめれば、キャラクターの変化をより理解することが出来る。
フィールドによれば、主人公を受け身にしてはならない。フィールドは以下のように指摘する。「メインキャラクターが出来事に反応する」という展開が常に続けば、キャラクターが弱くなり、そのキャラクターは脚本から消えてしまう。結果として、サブキャラクターのほうが魅力的になり、脚本家や観客の関心はそちらに移ることになる[3]。
フィールドは次のように言う。すなわち、キャラクターの身に何かが起こり、それにリアクションするだけでは、キャラクターは「ドラマ上の欲求」のために行動できていない。キャラクターの本質はアクションであり、キャラクターは自分から何かをしなければならない。キャラクターを表現するものはアクションであって、台詞ではない[4]。
参照 シーガーII p. 245. 同 pp. 202 f.
フィールドは、キャラクターの人物像を捉えることが出来れば、キャラクターの会話をスムーズに書けるようになり、ストーリーの展開も自然になるとしている[5]。
リンダ・シーガーによれば、主人公は通常、ポジティブな人物であり、観客にとって感情移入できる人物である[6]。ブレイク・スナイダーもまた、主人公のいる状況に対して、観客がストーリーの最初から共感できなければならない(SAVE THE CAT!の法則)としている[7]。
Who, What, Why, & How
[編集]ハリウッドの著名なスクリプト・コンサルタント[8]であるリンダ・シーガーによれば、人間として魅力的なキャラクターをつくるには、次の要素を考えなければならない。すなわち、"Who?": そのキャラクターがどういった人間で、"What?": 何を望んでいて、"Why?": どうしてその目的を望んでおり、"How?": それをどのように達成するのか、ということである(3Ws1H)[9]。シーガーは以下のように指摘する。
- Who?
- 現実の人間は、たとえ同じ性格の傾向の持ち主でも、その個性が個人によって細かく異なる。シーガーは、キャラクターを魅力的にすることには固執せず、とりあえず細かな特徴に至るまで詳細に描いてみることを勧めている。 そうでなければ、キャラクターは平凡なステレオタイプに陥ってしまうからだ[10]。
- What?
- 主人公には明確な目的がある。目的の設定に成功すれば、観客は主人公の目的を理解し、それに共感する。主人公は自らの価値観に基づいて行動する。価値観は抽象的なものであるから、主人公の目的もまた抽象的なもの(正義など)を含むが、それだけでは観客にはゴールが分からない。主人公の目的は具体的な目標レベル(悪役を捕まえるなど)にまで落とし込まなければならない[11]。
- Why?
- なぜ主人公がある目的を持ち、それを達成しようとするのか。その答えは主人公の過去や生育歴にある場合が多い。親子関係、恐怖心、慣習、または生来の性格等が、主人公の動機に影響する。場合によっては、動機にはネガティブなものがあり、主人公は望まない目的を強いられる。だが、同時に、主人公には望む目的があり、たいてい、主人公はそれを見つけ、明確に行動に移す。例えば、『タイタニック』('97)では、ローズが型にはまった男と政略結婚させられそうになったことから、それとは正反対の型にはまらない男を求めるようになる。観客は主人公の過去を知らなくとも良いが、脚本家は知っている必要がある。主人公の過去がその動機――目的を達成しようとする動機――に影響するからだ。脚本家は様々な技法により、主人公の過去を示唆することが出来る[12]。
- How?
- 主人公の目的を明確にするだけでは十分ではなく、主人公はその目的を達成するために、具体的に行動しなければならない。さらに、主人公には、目的を達成しようとする強い欲求が必要である。決断しない主人公は観客の共感を得られない[13]。
キャラクター・アーク
[編集]リンダ・シーガーは次のように言う。すなわち、優れた映画では、最低1人のキャラクターがストーリーを通して変化する。変化するキャラクターは普通、主人公である。一方で、主人公は変化しないが、他のキャラクターが変化することもあると言う(e.g. 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』('85))。シーガーは、キャラクター・アークには以下の特徴があるとしている[14]。
- キャラクターが変化する程度には大小がある。
- キャラクターは一人では変化できず、変化するためのサポートが欠かせない。
- キャラクターは、ストーリーだけでなく、他のキャラクターの存在または影響によっても変化する。
シーガーによれば、キャラクターの変化する過程を描くには時間が必要となる。一般に、キャラクターを正反対に変化させるためには、映画の尺(時間)を全て使わなければならないと言う[15]。
キャラクターの機能
[編集]リンダ・シーガーは、主人公と敵対者以外のキャラクターの機能を、以下のパターンに分類している[16]。
- サポーティング・キャラクター
- 主人公は一人では目的を達成できない。手を差し伸べてサポートしてくれるキャラクター、すなわち何らかの援助を与えてくれる存在が必要である。主人公はサポーティング・キャラクターを信頼しており、その前では、本心のままに振るまい、本音をぶちまける。それにより、観客は主人公の新しい面を知ることが出来る。ときには、こうしたキャラクターは、パートナーとして、もう一人の主人公になることもある。
- コントラストを見せるキャラクター[注釈 2]
- 主人公と対照的な人物とのコントラスト(対比)を見せることにより、主人公をより際立たせることが出来る。コントラストとなるキャラクターは、主人公との違いを示すことにより、主人公の特徴をより明確にする。
- カタリスト・キャラクター
- カタリスト・キャラクター(きっかけとなるキャラクター)は、情報を伝えたり、イベントを起こしたりする事により、主人公をストーリーに引きずり込む重要な存在である。場合によっては、主人公を強制的に変化させることもある。カタリスト・キャラクターは会話ではなく、行動によってストーリーを前へ引っ張る活動的な人物にしなければならない。
- コミック・リリーフ・キャラクター[注釈 3]
- ユーモアを提供するキャラクターによって、映画は単調にならず、深みを増す。この種のキャラクターは、ときには、シリアスなストーリーを重くなり過ぎないように調整し、緊張した観客を気分転換させる。
- テーマを述べるキャラクター
- 作品のテーマを述べ、主張するキャラクターは、どのような映画にも1人か2人は存在する。この種のキャラクターは、言葉または行動等により、ある立場の代弁者となり、何と何とが対立、衝突しているのかについて、複雑なテーマを分かりやすくする場合もある。
- ライターの視点反映キャラクター[注釈 4]
- 脚本家の代弁者となるキャラクターも存在する。それは、脚本家にとって共感できる人物でなければならず、主人公のサポーティング・キャラクターでもなければならない。こうした脚本家の視点を反映するキャラクターを使えば、脚本家の主張をダイレクトに伝えることが出来る。作品の題材が複雑な場合には、そのようなキャラクターを用いて、作り手のメッセージを理解するためのヒントを観客に与える必要がある。
- バランス・キャラクター[注釈 6]
- 誤解されやすい複雑なテーマの作品には、たいていの場合、「バランス・キャラクター」と呼ばれる人物が登場する。例えば、同性愛者を扱った作品では、異性愛者のキャラクターを立てることにより、作品が同性愛者の視点に偏ることを避けられる。
- もしマイノリティを否定的なキャラクターとして登場させた場合には、同じ系統のマイノリティを肯定的なキャラクターとして別に配置する。これにより、マイノリティの印象についてのバランスが取れ、作品が社会的な少数派への偏見を強化することは無くなる(e.g. アラブ人がテロリストの役となる場合、アラブ人に誠実な医師の役をも与える等)。
- 権力を誇示するキャラクター
- ある人物に取り巻きを置くことによって、その人物が権力を持った重要人物であることを表すことが出来る。だが、そのような取り巻きが多すぎれば、登場人物の数が過剰となり、ストーリーが乱雑になる。一方で、それが少なすぎれば、その人物の権力を示すことは出来ない。そこで、キャラクターの役割をまとめることにより、権力を強調しつつ、登場人物の数を絞ることが出来る(e.g. 取り巻きのボディガードを同時にサポーティング・キャラクターにする等)。また、大量の取り巻きの中の一人か二人に際立った特徴を与えることは、単に人数を増やすより効果的である(e.g. 大男、赤毛である等)。
キャラクターの人数
[編集]リンダ・シーガーは、以下のように指摘する。すなわち、メインキャラクターの人数が7人より多くなることは避けるべきであり、なおかつ、それぞれのキャラクターは1つ以上の明確な役割を持っていなければならない。多くの映画は不要なキャラクターが多すぎることにより興行的に失敗している[17]。
シーガーは次のように言う。同じ役割のキャラクターが複数いて重複しているのであれば、それらを1つのキャラクターに統合すべきである。それぞれのキャラクターはストーリーにおける明確な機能、役割を持ち、なぜその人物がストーリーに存在するのかを、観客が判断できるようにする必要がある。また、キャラクター、とくに主人公は、他と一目で区別できるよう差別化されていなければならない。キャラクターは人種、外見、または行動等によって、観客にも分かりやすいよう区別できる[18]。
テーマ
[編集]国際的評価を得るアメリカの脚本家[19]であるシド・フィールドによれば、テーマとは、キャラクターとアクション(行動)である。このとき、キャラクターとは、誰についてのストーリーなのかを指し、また、アクションとは、どのような行動についてのストーリーであるのかを意味する。すなわち、テーマとは、誰の、何についてのストーリーなのかを、数行で表したものであると言う。フィールドは、ストーリーを数ページ書いてみた上で、その要点を一行か二行に要約することを勧めている。脚本のテーマを決めることで、構成とストーリーを検討する作業に移ることが出来ると、フィールドは指摘している[20]。
また、フィールドは、まずキャラクターの目的を明確にしなければならないと言う。フィールドは以下のように指摘する。すなわち、キャラクターの目的が明確になれば、その障害を設定できる。障害を越えて目的を達成しようとすることがアクションになる。身体か、感情か、何らかのアクションが無ければキャラクターも無い。アクションはキャラクターそのものである。台詞ではなく、アクションがキャラクターを表す。キャラクターが目的を達成するためのアクションがストーリーである[21]。
フィールドは、アクションには、「身体のアクション」と「感情のアクション」があると主張する。身体のアクションとは、物理的なアクションのことである。また、感情のアクションとは、キャラクターの心理的なアクションのことである。どのようなストーリーを扱うかによって、どのようなアクションを書くのかが決まると言う[22]。
リサーチ
[編集]シド・フィールドによれば、テーマを設定した後に欠かせない事は、リサーチである。フィールドは以下のように指摘する。すなわち、漠然としたアイディアのみでも30ページ程度は書けるが、そこで行き詰まる。そのためリサーチが必要になる。リサーチには、テキストリサーチとライブリサーチの二種類がある。テキストリサーチは文献による情報収集である。ライブリサーチはインタビュー等の手法により、情報源を直接に取材することである。インタビューで得られる情報は、文献よりリアリティがあり、実体験に近くなる。大量の情報を執筆前に準備しておくことで、十分な材料(元ネタ)を得られる。それにより、序盤において何を書けば良いのか分からなくなる現象は無くなる[23]。
ログライン
[編集]脚本の内容を一行で説明したものは、ハリウッドではログライン(またはワンライン)と呼ばれる。ブレイク・スナイダーによれば、どのような映画であるのかを簡潔に要約したログラインを考えることが、脚本家の最初になすべき仕事である。顔を合わせない相手も含めた製作関係者に、まず自分の脚本に興味を持ってもらう必要があるからだと言う。スナイダーは優れたログラインの例として、以下の二つを挙げている[24]。
警官が別居中の妻に会いに来るが、妻の勤める会社のビルがテロリストに乗っ取られる。 — 『ダイ・ハード』('88)
スナイダーは、成功したログラインには次の要素が含まれていると主張する。すなわち、「皮肉 (予想できない事態)」「イメージの広がり (全体像が浮かぶ)」「明確な客層と製作費」である。スナイダーによれば、優れたログラインは、それ自身に合うようストーリーやキャラクターを変化させ、よりクリアにする。スナイダーは以下のようにも指摘する。すなわち、優れたログラインがインパクトのあるタイトルと組み合わさると、その効果は増す。タイトルは必ずストーリーを象徴していなければならない。ただし、どのような映画であるかを端的に伝えながらも、べたなタイトルは避けなければならない[25]。
スナイダーによれば、ログラインはまた、「どのような映画であるのか」のみでなく、「誰についての映画なのか」すなわち主人公がどのようなキャラクターであるのかを説明していなければならない。スナイダーは、「主人公を描く的確な言葉」「悪役を描く的確な言葉」「人間なら誰もが共感する普遍的な目的」をログラインに加えるよう求めている。それにより、キャラクターやストーリーが明瞭になることで、観客は作品により興味を持つようになると言う[26]。
構成
[編集]映画とはストーリーであり、ストーリーは構成によって成り立つ。構成が無ければ、脚本は一本の明確なストーリーラインを失い、エピソードの無秩序な集まりとなる[27]。構成とは、互いに関連のあるエピソード等を、結末に向かうように論理的につなげることである[28]。
三幕構成 (Three-Act Structure)
[編集]三幕構成は、映画等において一般的な構成である[29][30]。ストーリーの「発端」「中盤」「結末」は、それぞれ「設定」「対立」「解決」の役割を持つ三つの幕となる[31][32]〔編者注: それら三つの幕の比は1:2:1である〕。シド・フィールドは1979年、自著において、三幕構成を映画に共通する枠組として、初めて理論化した[33]。
プロット
[編集]サブプロット
[編集]シーン
[編集]シーガーII pp. 131 ff.
台詞
[編集]シド・フィールドによれば、ストーリーを前に進めるか、キャラクターの情報を表すか、いずれかの条件を満たさければ、その台詞は不要である[34]。
ブレイク・スナイダーは、台詞でプロットを語る脚本家はプロではないと言う[35][注釈 7]。
「 | もうあの頃とは違うんだ。俺がニューヨーク・ジャイアンツでフルバックのスターだった頃。あの事故が起きるまでは‥‥ | 」 |
スナイダーによれば、優れた台詞には、サブテクスト(言外の意味)があり、キャラクターの本音はサブテクストによって、さりげなく遠回しに表現される[36]。また、スナイダーは、台詞に関する注意点として、「語るな。見せろ」と、以下のように指摘している。つまり、映画は、映像によってストーリーを表現するものであるから、映像を通して簡潔にさりげなく情報を表さなければならない。要するに、映画は台詞によって語るべきではない。キャラクターの本質は、台詞よりもアクションに表れるため、キャラクターが目的のためにアクションしている光景を見せなければならない。背景や過去の説明は最小限に留め、「現在」起こっていることの描写に集中すべきである[37]。
『羊たちの沈黙』('91)の冒頭、主人公が特別な任務を任されるシーンにおいて告げられる理由は、以下の台詞のみである[38]。
君は成績もトップクラスだ。専攻も心理学と犯罪学だし。 — 『羊たちの沈黙』('91)
書式
[編集]日本においては主に、脚本はPCのワープロソフトにより、B5版の縦書き二百字詰め原稿用紙(「ペラ」)に書かれる。最初のページは表紙であり、その中央には作品のタイトルが示されるが、原作を脚色する場合には、原作および権利者の名前が表紙の左側に添えられる。脚本家の名前は表紙の左下に記される[39]。
次の2ページ目は、人物表である。人物表には、台詞のある登場人物の名前が全て載っており、その下にキャラクターの年齢および簡潔な説明がある(並び順はキャラクターの役割の重要性にしたがう)。人物表は1枚かそれ以上である[40]。
リライト
[編集]続き物の脚本
[編集]アメリカ出身の脚本家であるアレックス・エプスタイン(Alex Epstein)は、テレビドラマの脚本を、以下のように映画と比較している[41][42]。
- テレビでは一貫性が重視される
- テレビは固有のテンプレートを持ち、それは「毎週何が起こるのか?」ということである。視聴者は、先週見たものと同じもの――違うエピソードだが同じ番組――を期待する。一貫性はテレビの大原則であり、そのフォーマットを変えることは命懸けである。テレビのキャラクターは通常、成長しない。新しい面は明らかになるが、本質は変化していない。テンプレートはテレビの深層構造であり、たとえ自分の作ったテンプレートであっても守らなければならなくなる。テンプレートから離れれば、視聴者も離れるためである。ただし、後に述べるように、キャラクターの成長するドラマもある。
- アトラクティブ・ファンタジー: アトラクティブ・ファンタジー(attractive fantasy)とは、視聴者が「あんな風になりたい」と思えるシチュエーションのことである。メインキャラクターは、普通ならあり得ないような特別な「何か」を持っている。または、その「何か」がネガティブなものである場合には、ネガティブ・ファンタジー(negative fantasy)となる。これらは、視聴者に視聴を続けてもらうために必要な要素であり、テンプレートの一部である。 (※双方ともエプスタインの造語.)
- シグネチャ: シグネチャ(signature)は、そのドラマに特有の「いつもの」シーンであり、毎回繰り返されるテンプレートの一部である。そこではエピソードのテーマが語られる。
シーズン・アーク: シーズン・アーク(season arc)のある場合、映画と同様に、テレビのキャラクターも各話を通して成長する。黎明期のテレビドラマと異なり、ドラマは1話限りのものではない。
- テレビは4つの部分に分かれる
- テレビの1時間ドラマは通常、4つのパートを持ち、最初に「ティーザー」、最後に「タグ」が来る。 全体が4分割されるため、場合によっては、テレビドラマは四幕構成であると主張される。一方で、テレビドラマは、「発端」「中盤」「結末」を持つ点において三幕構成であるが、それらを当てはめれば、「ティーザー」「第一幕」が発端、「第二幕」「第三幕」が中盤、「第四幕」「タグ」が結末となる。ただし、テレビ番組は、途中でコマーシャルにより分割される点、および次の週も続く点が、映画との重要な相違点である。
- "我らの利益はティーザー、タグ、そしてアウトから来る"
- ティーザー: ティーザー(teaser)は冒頭、エピソードに関心を持たせ、視聴させるための「ツカミ」である。通常、エピソードのセットアップ(設定)も行われる。
- タグ: タグ(tag)は、すなわち「オチ」を指す。最後のコマーシャルの後のシーンまたはシークエンス。残りの問題に全て片が付く。
- アクト・アウト: アクト・アウト(act out)は「引き」であり、番組がコマーシャルで途切れる寸前に、クリフハンガー(絶体絶命, または新展開など)が起こる。続きの気になる視聴者は、チャンネルをそのままにして番組を観つづけるか、または来週も視聴する。
- "テレビは絵の付いたラジオ、映画は音の付いた絵"
- テレビは会話(dialog)が映画より多く、映画はアクション(行動)がテレビより多い。
補遺
[編集]高等教育
[編集]日本では、大阪芸術大学[43][44]、日本映画大学[45]、および日本大学藝術学部[46]等の大学(五十音順)、並びに東京藝術大学大学院[47]および早稲田大学大学院[48](以上、五十音順)が、脚本に関する専門教育を行っている。
アメリカ合衆国では、複数の大学が脚本に特化した美術学修士号(MFA)または学士課程を提供している。南カリフォルニア大学(USC)[49][50]、デポール大学[51][52]、アメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI)[53]、ロヨラ・メリーマウント大学[54][55]、チャップマン大学[56][57]、ニューヨーク大学(NYU)[58][59]、フィラデルフィア芸術大学[60]およびカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)[61]等がそれである。
また、いくつかのアメリカ合衆国の教育機関は、科目等履修生の課程を提供している。例えば、ザ・フィルムスクール[62]およびカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のプロフェッショナル向け公開講座[63]等がそれに当たる。ニューヨーク・フィルムアカデミーは、学位取得および科目等履修生の両方のコースを展開している[64]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 出典には、以下に加えて、「あるものに対する態度を体現していること」が挙げられているが、「態度」と「考え方」の間には「大きな違いはない」とされている(同出典 pp. 76-78.)。よって、混乱を避けるために割愛し、「考え方」の条項にまとめてある。
- ^ 出典では、「深みを加えるキャラクター」として、「コミック・リリーフ・キャラクター」と一つにまとめられている。
- ^ 出典では、「深みを加えるキャラクター」として、「コントラストを見せるキャラクター」と一つにまとめられている。
- ^ 出典では、「テーマを述べるキャラクター」に含められている。
- ^ 出典では、「テーマを述べるキャラクター」に含められている。
- ^ 出典では、「テーマを述べるキャラクター」に含められている。
- ^ 「プロではない」は、原文では「ド素人」となっている。また、スナイダーは、「読んだ人間は必ずその脚本をゴミ箱に捨てる」とも述べている。
出典
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- ^ フィールド pp. 72-79.
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参考文献
[編集]映画
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