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利用者‐会話:愛犬家/禁煙ファシズム

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禁煙ファシズム(きんえん- )とは「欧米で1990年代に、日本でも1990年代後半に現れた、喫煙を擁護する言論を封殺する動きのことを指す」として、一部の著名人などが唱えている造語。

現実には、喫煙擁護の論調であっても、十分に言論の自由は保障されており、たばこ会社や関連団体のホームページ、たばこ会社をスポンサーとするマスコミや著名人などによって、喫煙を擁護する主張が行われているので、「喫煙を擁護する言論を封殺する動き」といったものは存在していない。

むしろファシズムという言葉自体にネガティブなイメージが含まれていることから、様々な問題を引き起こす喫煙という行為に批判的な言論をファシズム扱いすることで、喫煙に批判的な論者をファシスト扱いする風潮が高まれば、受動喫煙を強いられることや受動喫煙防止への協力を求めることもネガティブに捉えられることとなるため、禁煙ファシズムという造語自体が言論を封殺する性質を有しており、嫌煙権運動や禁煙運動など受動喫煙の防止措置を求める者に対するヘイトスピーチとして用いられているのが現状である。


定義

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わが国では1988年、作家の山田風太郎が「“禁煙ファシズム”の今後は?」というエッセイを『文藝春秋』に発表している(『死言状』所収)。 健康ファシズム(health fascism)の一形態と看做し、ナチスの優性思想に基づく政策(ナチスの政策に関してはロバート・N・プロクター[1]『健康帝国ナチス』を参照のこと。)との関連性を唱える向きもあるが、国家が国民の生命や健康を保護し、それを脅かす個人や企業の活動・行為に規制を加えることは、国民の人権を認める国家では広く行われていることであり、公害問題等において環境規制に反対する側の行った「環境ファシズム」という造語と同様にヘイトスピーチの域を出ないものである。

なお、プロクター自身も、現在の国家主導の環境・健康保護運動を「ファシズム」とみなす態度を「誤解」だとして明白に否定している。 具体的には「最後にひとつ、本書が誤解されるかもしれないのであらかじめ言っておきたいことがある。ナチスが環境問題に関心を寄せていたことを指摘する人々は時として、国家主導の環境・健康保護運動にはファシストを生む危険が内在していると主張することがある。(中略)こうした似非論理は昔から論理学の演習でよく扱われたものであり、論理的な誤りは明白である。ヨーロッパで肺ガンの八〇〜九〇パーセントが喫煙に起因するものであるというのは事実で、ナチスの時代の科学者が喫煙と肺ガンの因果関係を初めて証明したという事実があるからといってこの数字が下がるわけでもない。」(『健康帝国ナチス』序文)としている。

禁煙ファシズムは存在するという論者の主張

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2002年の健康増進法施行以後、その第25条が公共の場での受動喫煙防止についての配慮を義務づけているところから、千代田区等で制定された路上喫煙禁止条例などとあいまってこのファシズムはさらに進行し、遂に分煙ではなく各所で全面禁煙の動きが広まり、2007年3月にはJR東日本が一部を除いて車内を全面禁煙にするに至った[2]


禁煙ファシズムは存在しないという論者の主張

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JT(日本たばこ産業)がスポンサーとなっているメディアではタバコ産業・喫煙者側が不利となる報道はほとんど行われず、むしろ適切な情報が積極的に摂取しない限り伝わっていないのが現状である上、路上喫煙禁止条例の制定やたばこ税増税等に対して「『愛煙家』の肩身が狭くなりそうで~」といった擁護がされるなど、社会が禁煙ファシズム化しているという彼らの主張には疑問点が多く、受動喫煙の防止を求めること自体にネガティブなイメージを植え付けることにより、受動喫煙を強いられることに異を唱え難い風潮を創り出すことを目的に、喫煙に批判的な言論を封殺する意図で流布されたヘイトスピーチである。

路上喫煙禁止条例の制定の理由としては、人混みでの喫煙は、周囲の人にとって火傷の虞や被服を焦がすなどとても危険な行為であること、公共の場所は皆が安全で快適にいられるようにする必要があること等が挙げられており、路上喫煙に伴う吸殻の路上投棄や周囲の危険や迷惑を顧みない喫煙行為の横行など、法律や公序良俗を無視した喫煙者の問題行動が背景にある。[3]

そもそもファシズムとは統治における政治体制のひとつを指す用語であり、喫煙に係る健康被害・疾病や火災など社会的損失を積極的に是正しようとする禁煙化政策に対する誤解や偏見を与えることで、喫煙によって引き起こされる様々な問題や喫煙者の問題行動について自己正当化しようとしている。


禁煙ファシズムは存在すると主張している人物

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禁煙ファシズムは存在しないと主張している人物

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  • 綿貫民輔--禁煙推進議員連盟会長、衆院議員
  • 渡辺文学--環境保護運動家、タバコ問題活動家、ジャーナリスト
  • 田中康夫--参議院議員、前長野県知事
  • 作田学--日本禁煙学会理事長、杏林大学教授
  • 高橋裕子--奈良女子大学教授、医学博士

関連項目

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参考外部リンク

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  1. ^ http://www.stanford.edu/dept/HPST/proctor.html ロバート・N・プロクターのホームページ
  2. ^ http://www.jreast.co.jp/nosmoking/index.html JR東日本のホームページ
  3. ^ http://www.city.nagoya.jp/kurashi/anzen/jyourei/kinenchiku/nagoya00019893.html 名古屋市安全・安心・快適条例