判じ物
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判じ物(はんじもの)とは、文字や絵画に隠された意味を当てる謎解き[1]のこと。
概要
[編集]発祥は詳しく判っていないが、似たような遊びが平安時代にあったことは判っている。江戸時代の町民文化において、浮世絵で描かれた判じ物が出回るようになり、庶民が手軽に楽しむようになった。当時は「なぞ」と呼ばれていた[2]。
判じ絵
[編集]判じ絵(はんじえ)は、絵で表したなぞ解き[3][4]。江戸時代の末期に庶民の間で流行した。
西洋でも古くからある文化である。有名なのはフリードリヒ2世とヴォルテールとの間の判じ絵の手紙である[5]。フリードリヒ2世が送ったのは「pの下に2つの手、à、ノコギリの下に100?」の絵で、対してヴォルテールは「Ga!」と返信した。これはフランス語の同音異義語を用いる判じ絵であり、フリードリヒ2世の絵は「Deux mains sous Pé à cent sous scie?」と読み、変換すると「Demain souper à Sanssouci ? 」(明日サンスーシ宮殿で晩餐?) となり、ヴォルテールの返信は「Gé grand, A petit!」(大きなG、小さなa!)と読み、「J'ai grand appétit ! 」(食欲を感じます!)という意味になる。
判じ読み
[編集]判じ読み(はんじよみ)は、文字で表されるなぞ解き。字謎(じなぞ)とも呼ばれる。 また、掛詞を使って表と裏の2つの意味を持たせる表現法も判じ読みと呼ばれる[6]。
判じ読みの例
[編集]- 一斗二升五合
- 一斗は五升の倍、二升で「升升」、五合は升の半分なので、「ごしょうばい-ますます-はんじょう(ご商売益々繁盛)」と判じて読む[7]。
- 春夏冬
- 四季(春夏秋冬)の中に秋が無いことから、「あきない(商い)」と判じて読む[7]。または、春夏冬中で「商い中(営業中)」の表示や掲示。
出典
[編集]- ^ “江戸名所判じ物クイズ”. 錦絵で楽しむ江戸の名所. 国立国会図書館. 2020年4月26日閲覧。
- ^ “お正月は福笑いじゃなく「判じ物」で初笑い!地名から動物名までまったり解いてみて”. exciteニュース. エキサイト (2019年1月1日). 2020年4月26日閲覧。
- ^ “江戸時代のなぞなぞは超絶的な難易度!当時のことば遊び「判じ絵」で脳トレだ!”. ガジェット通信. 東京産業新聞社 (2015年4月8日). 2020年4月26日閲覧。
- ^ “浮世絵 江戸の最先端を映したメディア”. nippon.com. 公益財団法人ニッポンドットコム (2013年11月22日). 2020年4月26日閲覧。
- ^ Danesi, Marcel (2002). The Puzzle Instinct: The Meaning of Puzzles in Human Life (1st ed.). Indiana, USA: Indiana University Press. p. 61. ISBN 0253217083
- ^ 土屋英明. “古体小説叢刊『遊仙窟校注』の内容” (PDF). 東方書店. p. 36. 2020年4月26日閲覧。
- ^ a b 高木芳紀 (2010年7月8日). “【なんと読む?】一斗二升五合とは”. オルタナティブ・ブログ. 普通のおじさんとソーシャルメディア。. ITmedia. 2020年4月26日閲覧。