道路交通センサス
表示
(全国道路・街路交通情勢調査から転送)
道路交通センサス(どうろこうつうセンサス)は国土交通省(道路局)が主体となって定期的に実施している、道路交通に関する全国規模の調査である全国道路・街路交通情勢調査(ぜんこくどうろ・がいろこうつうじょうせいちょうさ)の通称。[1]
概要
[編集]日本全国の道路と道路交通の実態を把握し、道路の計画や、建設、管理などについての基礎資料を得ることを目的として実施される[2]。
1928年度(昭和3年度)に、当時の内務省の外郭団体であった社団法人道路改良会(現在の公益社団法人日本道路協会)が「全国交通調査」として行なったのが始まりで、1980年(昭和55年)以降は5年おき(すなわち西暦の下1桁が0または5の年)に実施している[3]。原則として秋季(9月から11月)の平日及び休日の任意の各1日で実施される。最新の調査は、2020年(令和2年)度の調査が新型コロナウイルスの影響で延期され、2021年(令和3年)に行われた[4][5]。
調査結果については集計後に国土交通省道路局から公表される[4]。
調査体系
[編集]調査内容は、交通量・旅行速度などの実測を行う「一般交通量調査」と、地域間の自動車の動きを把握する「自動車起終点調査(OD調査)」に大別される[3][6]。
- 「一般交通量調査」は、すべての高速道路・一般国道・都道府県道(主要地方道に指定されている政令指定都市の市道を含む)および一部政令指定都市の一般市道を対象に、「道路状況調査」・「交通量調査」・「旅行速度調査」を実施する。[7]
- 「道路状況調査」車道や歩道の幅員やその幅員構成、交差点・バス停・歩道の設置状況等を調査する
- 「交通量調査」平日及び休日における自動車、二輪車、歩行者等の交通量を計測する
- 「旅行速度調査」混雑時および昼間非混雑時における旅行速度(信号待ちや交通渋滞による停止を含む移動に要した速度)を計測する[8]
- 「自動車起終点調査(OD調査※)」とは、自動車の1日の動き(利用目的、目的地、駐車場所等)を調べる調査であり、「オーナーインタビューOD調査」と「高速OD調査」を実施する。[9] ※(「OD」とは「Origin(起点)」「Destination(終点)」のこと)
- 「オーナーインタビューOD調査」車所有者や使用者に対し、車の利用状況アンケート調査を行う。
- 「高速OD調査」高速道路利用者を対象に、インターネットによるアンケート調査を行う。
自動車交通量上位の一覧
[編集]2015年(平成27年)に調査した結果に基づく、道路種別ごとの平日昼間12時間交通量のトップ10[7]。
順位 | 路線名 | 観測地点(区間) | 交通量 (台/12時間) |
---|---|---|---|
1 | 近畿自動車道 | 大東鶴見IC~東大阪北IC | 90506 |
2 | 東名高速道路 | 海老名JCT~厚木IC | 90403 |
3 | 近畿自動車道 | 松原JCT~松原IC | 89838 |
4 | 東名高速道路 | 横浜町田IC~海老名JCT | 87610 |
5 | 近畿自動車道 | 長原IC~松原JCT | 86751 |
6 | 名神高速道路 | 茨木IC~吹田JCT | 82948 |
7 | 近畿自動車道 | 東大阪北IC~東大阪JCT | 80165 |
8 | 九州自動車道 | 筑紫野IC~鳥栖JCT | 79884 |
9 | 東関東自動車道 | 湾岸市川IC~湾岸習志野IC | 78885 |
10 | 近畿自動車道 | 東大阪南IC~八尾IC | 78704 |
順位 | 路線名 | 観測地点(区間) | 交通量 (台/12時間) |
---|---|---|---|
1 | 首都高速湾岸線 | 辰巳JCT~新木場出入口 | 109651 |
2 | 首都高速湾岸線 | 新木場出入口~葛西JCT | 108332 |
3 | 首都高速中央環状線 | 堀切JCT~小菅出入口 | 102673 |
4 | 首都高速湾岸線 | 東雲JCT~辰巳JCT | 102422 |
5 | 首都高速中央環状線 | 小菅出入口~小菅JCT | 101555 |
6 | 首都高速5号池袋線 | 板橋JCT~熊野町JCT | 100907 |
7 | 首都高速湾岸線 | 有明JCT~東雲JCT | 96862 |
8 | 首都高速湾岸線 | 大井南出入口~大井JCT | 95836 |
9 | 首都高速湾岸線 | 大井出入口~臨海副都心出入口 | 94695 |
10 | 首都高速湾岸線 | 葛西JCT~葛西出入口 | 93047 |
順位 | 路線名 | 観測地点 | 交通量 (台/12時間) |
---|---|---|---|
1 | 国道16号 保土ヶ谷バイパス | 横浜市旭区桐が作1776(左近山) | 103633 |
2 | 国道8号 | 新潟市中央区紫竹山6丁目 | 103616 |
3 | 国道423号 | 大阪市北区豊崎6丁目 | 90895 |
4 | 国道7号 | 新潟市東区紫竹6丁目 | 85478 |
5 | 大阪中央環状線 | 大阪府東大阪市本庄西 | 80145 |
6 | 国道23号 | 愛知県大府市北崎町大根 | 79159 |
7 | 国道116号 | 新潟市西区立仏 | 68860 |
8 | 国道2号 加古川バイパス | 兵庫県加古川市東神吉町砂部 | 62481 |
9 | 国道4号 | 仙台市宮城野区小鶴字羽黒 | 60264 |
10 | 富田林泉大津線 | 堺市南区竹城台3丁 | 59502 |
脚注
[編集]注記
[編集]出典
[編集]- ^ “道路についての定義・用語 - 「道路交通センサス」とは何ですか?”. 道の相談室. 国土交通省道路局. 2016年3月18日閲覧。
- ^ “道路についての定義・用語 - 「道路交通センサス」とは何ですか?”. 道の相談室. 国土交通省道路局. 2016年3月18日閲覧。
- ^ a b 『平成17年度道路交通センサスの実施について』(PDF)(プレスリリース)国土交通省道路局、2006年9月1日 。2016年3月18日閲覧。
- ^ a b “令和3年度 全国道路・街路交通情勢調査”. www.mlit.go.jp. 2023年7月8日閲覧。
- ^ “令和2年度全国道路・街路交通情勢調査の延期について” (PDF). 国土交通省 道路局 (2020年10月14日). 2021年4月27日閲覧。
- ^ “道路交通センサスの調査内容”. 国土交通省道路局 (2006年9月1日). 2016年3月18日閲覧。
- ^ a b 一般交通量調査結果の概要について https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000848.html 平成29年6月6日 国土交通省(道路局)報道発表資料
- ^ 道路交通センサス用語集 https://www.cgr.mlit.go.jp/chiki/doyroj/sensasu/12_yougo/yougo.htm 国土交通省(中部地方整備局)
- ^ 国土交通省(九州地方整備局) https://www.qsr.mlit.go.jp/n-michi/ir-info/doro-genkyo/what-is-census/index.htm
参考資料
[編集]- “建設・国土関係統計一覧 - 全国道路・街路交通情勢調査 - 概要”. 国土交通省道路局企画課道路経済調査室. 2016年3月18日閲覧。