光線過敏
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光線過敏(こうせんかびん)は、光線の照射によって被照射部に丘疹、紅斑、水疱、膨疹などの皮膚症状を呈したり、光線が関節炎、気管支炎の原因となる疾患。光線過敏症とも呼ばれる。特定の病気、特定の薬剤や食品は原因となる。
分類
[編集]内因性
[編集]- 光作物質の皮膚への集積
- DNA修復障害
- メラニン色素減少による
- 原因不明
- 種痘様水疱症、日光蕁麻疹(まれにアナフィラキシーショックを併発)、多形日光疹、慢性光線性皮膚炎
外因性
[編集]- 薬剤性光線過敏症
- 原因薬剤は多岐に渡り、薬剤が直接作用する「光毒性皮膚炎」と「光アレルギー性皮膚炎」に大別される。
- 光毒性皮膚
- 一定量の薬剤と日光により、誰にでも発生する可能性がある。コールタール、抗菌薬(フレロキサシン、テトラサイクリン系抗生物質など)
- 光アレルギー性皮膚炎
- 代謝性光線過敏症
- 光毒性光線過敏症
- いわゆる日焼け。だれにでも起こりうる。病的な光線過敏は日焼けを起こす度が過ぎるとも考えられる。
- 光アレルギー性光線過敏症
- 紫外線の特定の波長により、薬剤が化学変化を起こし、ハプテンとなり、生体蛋白質と結合し、それに対する免疫応答がおこるもの。例としては、特定の植物との接触や成分の摂取により発症する。
光線過敏を起こす疾患例
[編集]光線過敏を起こす代表的な食物と物質
[編集]- ソバ:ヒペリシンの誘導体であるファゴピリンを含む。
- クロレラ、アワビ:含まれるフェオホルビドaやピロフェオホルバイドaにより光線過敏を起こす。アワビは貝全体ではなく中腸腺(ウロ、ツノワタ、トチリと呼ばれている)が原因となり、特に2月から5月の春先のアワビが有毒となりうる。ただし中毒の発生は稀であり、明治時代に2件(北海道奥尻島および長崎県壱岐島)、戦後間もなくの1947年3月に岩手県気仙郡三陸町で1件(患者数16人)の中毒記録がある程度である[2]。
- ヒペリシン:オトギリソウ、セイヨウオトギリの薬効成分。
- フロクマリン:セリ科の特定の植物や、ベルガモットの精油に多く含まれる。
予防
[編集]外出時には、日傘や長袖で紫外線を物理的に防ぐことと、日焼け止めをこまめに塗布する必要がある。
出典
[編集]- ^ ブルーム(Bloom)症候群 小児慢性特定疾病情報センター
- ^ “自然毒のリスクプロファイル:巻貝:ピロフォルバイドa(光過敏症)|厚生労働省”. www.mhlw.go.jp. 2020年2月17日閲覧。
参考文献
[編集]- 「光線過敏症 photosensitive diseases (PDF) 」『あたらしい皮膚科学 第2版』2011年。