作家の肖像
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『作家の肖像』(さっかのしょうぞう)は、中島梓/栗本薫による評論集。
概要
[編集]1977年に著者が評論家としてデビューして以来、執筆してきた評論、解説の中から、主として「作家論」と言える作品を収録した評論集[1]。取り上げられている作家は、五木寛之、野坂昭如、筒井康隆、星新一、小松左京、光瀬龍、矢野徹、田中光二、赤川次郎、阿久悠、林真理子、小泉喜美子、佐藤愛子、田辺聖子、池波正太郎、都筑道夫、鮎川哲也、横溝正史、江戸川乱歩、太宰治、埴谷雄高の21人である。
著者は、栗本薫、中島梓を代表とする多くの筆名を使用しているが、自身の複数の筆名を一冊の書の名義として同時に使用するのは大変珍しく、本書はその数少ない例の一つとなっている。
1986年7月25日に講談社より単行本(ISBN 4-06-202854-9)として刊行された。
収録作品
[編集]- 私説・五木寛之論
- 初出:『別冊ポエム』1977年11月号
- 英雄譚としての「燃える秋」
- 初出:『野性時代』1978年11月号
- さらばモスクワ愚連隊 解説
- 初出:『さらばモスクワ愚連隊』(五木寛之著・角川文庫)1979年5月
- 肉声のブルース
- 初出:『絶体絶命』1978年2月号
- 筒井康隆論のためのデッサン
- 初出:『奇想天外』1978年11月号
- 悲壮な不まじめさ、献身的な不謹慎
- 初出:『別冊新評「筒井康隆の世界」』1976年7月号
- 男たちのかいた絵 解説
- ショートショートへの異常な愛情
- 初出:『奇想天外』1978年9月号
- おせっかいな神々 解説
- 初出:『おせっかいな神々』(星新一著・新潮文庫)1979年5月
- 春の軍隊 解説
- 初出:『春の軍隊』(小松左京著・新潮文庫)1979年4月
- 模型の時代 解説
- 初出:『模型の時代』(小松左京著・角川文庫)1979年11月
- フェッセンデンの実験室
- 初出:『奇想天外』1978年4月号
- 百億の昼と千億の夜 解説
- 初出:『百億の昼と千億の夜』(光瀬龍著・角川文庫)1980年10月
- 最後の忍者 解説
- 初出:『最後の忍者』(矢野徹著・角川文庫)1981年4月
- 信じるわ、ジョン・エナリー!
- 初出:『奇想天外』1978年6月号
- 東西南北殺人事件 解説
- ゴリラの首の懸賞金 解説
- 花より結婚きびダンゴ 解説
- 初出:『花より結婚きびダンゴ』(林真理子著・角川文庫)1984年9月
- ダイナマイト円舞曲 解説
- 男たちの肖像 解説
- 初出:『男たちの肖像』(佐藤愛子著・集英社文庫)1985年2月
- ラーメン煮えたもご存じない 解説
- 初出:『ラーメン煮えたもご存じない』(田辺聖子著・新潮文庫)1980年4月
- 江戸の暗黒街 解説
- 初出:『江戸の暗黒街』(池波正太郎著・角川文庫)1979年2月
- 都筑道夫の生活と推理
- 初出:『幻影城』1977年1月号
- 三重露出 解説
- 初出:『三重露出』(都筑道夫著・講談社文庫)1978年10月
- 砂の城 解説
- 初出:『砂の城』(鮎川哲也著・角川文庫)1978年7月
- 正史世界の女性たち
- 初出:『別冊幻影城「横溝正史III」』1977年5月号
- 因縁のようなもの
- 初出:『江戸川乱歩全集 第3巻 パノラマ島奇談』(江戸川乱歩著・講談社)1978年11月号
- 弱さは醜い
- 初出:『図書新聞』1978年6月10日号
- Tathã-gahtaの文学
- 初出:『作家の世界 埴谷雄高』(秋山駿編・番町書房)1977年11月
上記のうち、6、16、23~27は栗本薫名義。その他は中島梓名義。
受賞作
[編集]- 「都筑道夫の生活と推理」(第2回幻影城新人賞評論部門佳作)
脚注
[編集]- ^ 本書巻末の「あとがき」による。