伊香郡
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(余呉郡から転送)
郡域
[編集]1879年(明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、長浜市の一部(高月町各町・木之本町各町・余呉町各町)にあたる。
該当区域の面積は284.33k㎡、21,065人(平成22年国勢調査)(1)。
歴史
[編集]近世までは「いかごぐん」とも呼ばれた。郡名の由来として、『近江国風土記』逸文に「伊香小江」の記述があり、余呉湖を指すと見られる。この項は羽衣伝説の内容で、羽衣を盗んだ人物の名もまた「伊香刀美」となっている。
近世以降の沿革
[編集]幕末の知行
知行 | 村数 | 村名 | |
---|---|---|---|
幕府領 | 幕府領(大津代官所) | 19村 | 大見村、古橋村、小山村、高野村、洞戸村、雨森村、馬上村、田戸村、小原村、針川村、尾羽梨村、鷲見村、●菅並村、上丹生村、下丹生村、松尾村、柳野中村、重則村、保延寺村 |
幕府領(彦根藩預地) | 8村 | 河合村、尾山村、中河内村、椿坂村、柳ヶ瀬村、飯之浦村、西野村、熊野村 | |
幕府領(大津代官所・彦根藩預地) | 2村 | 片山村、東阿閉村 | |
藩領 | 近江彦根藩 | 21村 | 金居原村、杉野村、石道村、奥川並村、小谷村、川並村、下余呉村、●坂口村、黒田村、大音村、山梨子村、●木之本村、田部村、落川村、高月村、森本村、西山村、赤尾村、唐川村、千田村、横山村 |
山城淀藩 | 6村 | 文室村、東野村、川並新田村、八戸村、柏原村、渡岸寺村 | |
近江膳所藩 | 2村 | 持寺村、今市村 | |
上総飯野藩 | 2村 | 池原村、国安村 | |
彦根藩・淀藩 | 2村 | 布施村、東物部村 | |
彦根藩・淀藩・膳所藩・飯野藩 | 1村 | 中之郷村 | |
淀藩・膳所藩 | 1村 | 磯野村 | |
淀藩・三河吉田藩 | 1村 | 西柳野村 | |
幕府領・藩領 | 幕府領(大津)・彦根藩 | 1村 | 宇根村 |
幕府領(大津)・彦根藩・淀藩 | 1村 | 東高田村 | |
幕府領(大津)・淀藩・膳所藩 | 1村 | 井口村 | |
幕府領(大津・彦根)・淀藩 | 1村 | 西阿閉村 | |
幕府領(彦根)・淀藩 | 1村 | 西物部村 | |
幕府領(大津・彦根)・吉田藩 | 1村 | 東柳野村 |
- 慶応4年
- 明治2年6月19日(1869年7月27日) - 版籍奉還により、吉田藩が改称して豊橋藩となる。
- 明治3年(1870年)10月 - 飯野藩領が大津県の管轄となる。
- 明治4年
- 明治5年
- 明治初年 - 川並新田村が川並村に合併。(70村)
- 明治7年(1874年)(73村)
- 木之本村の一部が分立して広瀬村となる。
- 西山村の一部が分立して田居村となる。
- 赤尾村の一部が分立して北布施村となる。
- 明治8年(1875年) - 河合村の一部が分立して音羽村となる。(74村)
- 明治12年(1879年)(76村)
町村制以降の沿革
[編集]- 明治22年(1889年)4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。全域が現・長浜市。(11村)
- 杉野村 ← 杉野村、杉本村、音羽村、金居原村
- 高時村 ← 古橋村、河合村、石道村、小山村、高野村、大見村
- 北富永村 ← 保延寺村、持寺村、尾山村、洞戸村、馬上村、井口村、雨森村
- 南富永村 ← 柏原村、渡岸寺村、森本村、落川村、高月村、宇根村、東阿閉村
- 古保利村 ← 西野村、片山村、重則村、熊野村、松尾村、東柳野村、柳野中村、西柳野村、西阿閉村
- 七郷村 ← 磯野村、西物部村、東物部村、横山村、東高田村、布施村、唐川村
- 木之本村 ← 木之本村、広瀬村、田部村、千田村、黒田村
- 伊香具村 ← 赤尾村、北布施村、田居村、山梨子村、飯浦村、西山村、大音村
- 余呉村 ← 坂口村、下余呉村、中之郷村、川並村、八戸村
- 丹生村 ← 下丹生村、上丹生村、摺見村、菅並村、小原村、田戸村、奥川並村、鷲見村、尾羽梨村、針川村
- 片岡村 ← 中河内村、椿坂村、柳ヶ瀬村、東野村、今市村、国安村、文室村、池原村、小谷村
- 明治30年(1897年)4月1日 - 郡制の施行のため、伊香郡・西浅井郡の区域をもって、改めて伊香郡が発足。塩津村・永原村が本郡の所属となる。郡役所が木之本村に設置。(13村)
- 明治31年(1898年)4月1日 - 郡制を施行。
- 大正7年(1918年)2月1日 - 木之本村が町制施行して木之本町となる。(1町12村)
- 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
- 大正15年(1926年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
- 昭和15年(1940年)9月1日 - 北富永村の一部(馬上)が南富永村に編入。
- 昭和18年(1943年)6月1日 - 木之本町・伊香具村が合併し、改めて木之本町が発足。(1町11村)
- 昭和23年(1948年)5月10日 - 木之本町の一部(赤尾・北布施・田居・山梨子・飯浦・西山・大音)が分立して伊香具村が発足。(1町12村)
- 昭和29年(1954年)
- 昭和30年(1955年)
- 昭和31年(1956年)4月1日 - 木之本町の一部(高野)が高月町に編入。
- 昭和46年(1971年)4月1日(4町)
- 平成22年(2010年)1月1日 - 高月町・木之本町・余呉町・西浅井町が長浜市に編入。同日伊香郡消滅。
変遷表
[編集]自治体の変遷
明治22年4月1日 | 明治22年 - 大正15年 | 昭和元年 - 昭和19年 | 昭和20年 - 昭和29年 | 昭和30年 - 昭和39年 | 昭和40年 - 昭和64年 | 平成1年 - 現在 | 現在 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
木之本村 | 大正7年4月1日 町制 |
昭和18年6月1日 木之本町 |
木之本町 | 昭和29年12月1日 木之本町 |
木之本町 | 木之本町 | 平成22年1月1日 長浜市に編入 |
長浜市 |
伊香具村 | 伊香具村 | 昭和23年5月10日 分立 伊香具村 | ||||||
杉野村 | 杉野村 | 杉野村 | 杉野村 | |||||
高時村 | 高時村 | 高時村 | 高時村 | |||||
南富永村 | 南富永村 | 南富永村 | 昭和29年12月1日 高月町 |
高月町 | 高月町 | |||
北富永村 | 北富永村 | 北富永村 | ||||||
古保利村 | 古保利村 | 古保利村 | ||||||
七郷村 | 七郷村 | 七郷村 | 七郷村 | 昭和30年3月31日 高月町に編入 | ||||
余呉村 | 余呉村 | 余呉村 | 昭和29年12月15日 余呉村 |
余呉村 | 昭和46年4月1日 町制 | |||
丹生村 | 丹生村 | 丹生村 | ||||||
片岡村 | 片岡村 | 片岡村 | ||||||
西浅井郡 塩津村 |
明治30年4月1日 伊香郡 |
塩津村 | 塩津村 | 昭和30年4月1日 西浅井村 |
昭和46年4月1日 町制 | |||
西浅井郡 永原村 |
明治30年4月1日 伊香郡 |
永原村 | 永原村 |
行政
[編集]- 伊香・西浅井郡長
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 明治12年(1879年)5月16日 | |||
明治31年(1898年)3月31日 | 西浅井郡との合併により旧・伊香郡廃止 |
- 伊香郡長
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 明治31年(1898年)4月1日 | |||
大正15年(1926年)6月30日 | 郡役所廃止により、廃官 |
参考文献
[編集]- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 25 滋賀県、角川書店、1979年4月1日。ISBN 404001250X。
- 旧高旧領取調帳データベース
関連項目
[編集]先代 ------ |
行政区の変遷 - 1897年 (第1次) |
次代 伊香郡(第2次) |
先代 伊香郡(第1次)・西浅井郡 |
行政区の変遷 1897年 - 2010年 (第2次・統合後) |
次代 (消滅) |