コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

伊勢長之助

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
いせ ちょうのすけ
伊勢 長之助
生年月日 (1912-02-14) 1912年2月14日
没年月日 (1973-01-01) 1973年1月1日(60歳没)
出生地 日本の旗 日本 東京都新宿区
職業 映画監督、編集技師
ジャンル ドキュメンタリー映画
活動期間 1938年 - 1972年
主な作品
映画
『佐久間ダム』三部作
『日本万国博』
テンプレートを表示

伊勢 長之助(いせ ちょうのすけ、1912年2月24日 - 1973年1月1日)は、日本のドキュメンタリー映画監督脚本家編集技師である。

経歴

[編集]

1912年2月24日、東京市牛込区東五軒町(現・東京都新宿区東五軒町)に生まれる。石川県立金沢第一中学(現・石川県立金沢泉丘高等学校)、慶應義塾大学経済学部を卒業後、東宝文化映画部に入社。亀井文夫監督『上海』(1938年)などに関わる。1941年、会社が日本映画社に統合されると、ジャワ島に派遣され、プロパガンダ映画を作る。

戦後、「日本ニュース」の中心スタッフとなるが、1950年、日本映画社を退社。フリーとなり、日本映画社、日本映画新社岩波映画製作所)、東京シネマ理研科学映画などで多くのドキュメンタリー映画を監督・編集する。1966年、有限会社伊勢編集室を設立。1973年、結腸癌で死去。

長男は映画監督の伊勢真一[1][2]

フィルモグラフィ

[編集]

映画

[編集]
  • 東京裁判-世紀の判決(1948年)
  • 野球教室 投手編(1948年、日本映画社) - 監督[3]
  • 野球教室 打撃編(1948年、日本映画社) - 監督[3]
  • 野球教室 守備編(1948年、日本映画社) - 監督[3]
  • 野球教室 作戦編(1949年、日本映画社) - 監督[3]
  • その瞬間あの瞬間(1950年、日本映画社) - 監督[4]
  • 輝く富士(1954年)[1]
  • タービン工場(1954年)[1]
  • 72,500KVA傘型水車発電機(1954年、岩波映画)[5]
  • 送油風冷式 117,000KVA三相変圧器(1954年、岩波映画)[6]
  • 64,700KVA水素冷却タービン発電機(1954年)[1]
  • 佐久間ダム 第一部(1954年、岩波映画) - 編集[7]
  • 肥料は進歩する(1954年)[1]
  • 包丁式 (1954年、岩波映画) - 監督[8]
  • 味(1955年)[1]
  • 発電所建設の記録 第二部(1955年) - 編集[1]
  • 新しい神通川(1955年、岩波映画) - 監督・脚本[9]
  • 佐久間ダム 第二部(1955年) - 編集[1]
  • Iron and Steel Making in Japan(日本の鉄鋼)(1955年)[1]
  • 製鉄(1955年、岩波映画) - 監督・脚本[10]
  • カラコルム カラコルム・ヒンズークシ探検の記録(1956年、日本映画新社) - 構成編集
  • 三重火力・記錄版(1956年)[1]
  • 日本の鉄鋼(改訂版)(1956年、岩波映画) - 監督・脚本[11][12]
  • 佐久間ダムの発電機(1956年、岩波映画) - 監督・脚本[13]
  • 除雪車(1956年)[1]
  • 新しい鉄(1956年、岩波映画) - 監督・脚本[14]
  • 鉄(1956年、岩波映画) - 監督・脚本[15]
  • Toshiba(1956年)[1]
  • 天皇皇后陛下広畑製鉄所へ(1956年)[1]
  • 鉄をつくる(1956年、岩波映画) - 監督・脚本[16]
  • 造船日本の誇り 汗と花火(1957年、JPCプロ) - 構成・編集
  • 鯨箱根を越ゆ(1957年、岩波映画) - 演出・脚本:編集
  • 日本南極地域観測隊の記録 南極大陸(1957年、日本映画新社) - 編集
  • 建設のつくる工場(1957年)[1]
  • 鉄の使いみち(1957年)[1]
  • This is Toshiba(1957年)[1]
  • 新時代的交通工具(北京語版)(1957年)[1]
  • 佐久間ダム 第三部 建設の凱歌(1957年、岩波映画)
  • Japan on Wheels (1957年)[1]
  • 進水式(1957年)[1]
  • 遭難 谷川岳の記録(1957年、岩波映画) - 編集
  • 黒部峡谷(1957年、日本映画新杜) - 編集
  • 赤道直下一万粁 アフリカ横断(1958年、日本映画新社) - 編集
  • 新しい鉄の時代(1958年、岩波映画) - 監督・脚本[17]
  • 新厚板工場(1958年、岩波映画) - 監督・脚本[18]
  • 三菱日本重工(1958年)[1]
  • Sakuma Project(1958年)[1]
  • ミクロの世界 結核菌を追って(1958年、東京シネマ) - 編集[19]
  • たのしい科学シリーズ 雪の結晶(1958年、岩波映画) - 監督・編集[20]
  • 佐久間ダム(総集編)(1958年、岩波映画) - 編集[21]
  • 新しい中径管工場(1958年、岩波映画) - 脚本[22]
  • 黒部川第四水力発電所建設記録 第一部 黒部峡谷(1958年、日本映画新社) - 編集[21]
  • 黒部川第四水力発電所建設記録 第二部 地底の凱歌(1958年、日本映画新社) - 編集[21]
  • 川崎重工業(1958年、東京シネマ) - 編集[23]
  • 花嫁の峰 チョゴリザ(1959年、日本映画新社) - 構成・編集
  • 瀬戸内海(1959年、関西映画) - 監督
  • 新しい製鉄所(1959年、岩波映画) - 監督・脚本・編集[24]
  • 日本鋼管(1959年)[1]
  • 海に築く製鉄所 八幡製鐵戸畑製造所建設の記録 (1959年、岩波映画) - 演出・脚本[25]
  • メタルフォーム 第一部(1959年、岩波映画) - 監督・脚本[26]
  • メタルフォーム 第二部(岩波映画) - 脚本[27]
  • 国づくりからこめづくりまで(1959年、岩波映画) - 脚本[28]
  • マッキンレー征服(1960年、東映教育映画部) - 構成・編集
  • サラームアライコム(1960年)[1]
  • ジンコート(1960年)[1]
  • 高炉セメント(1960年、岩波映画) - 監督・脚本[29]
  • たのしい科学シリーズ 海に築く製鉄所1(1960年、岩波映画) - 監督・脚本[30]
  • たのしい科学シリーズ 海に築く製鉄所2 (1960年、岩波映画) - 監督・脚本[31]
  • 大ダム(1960年、岩波映画) - 監督・脚本[32]
  • 新しい水の恵み(1960年、岩波映画) - 脚本[33]
  • Mail of Japan(1961年)[1]
  • トンネルとメタルフォーム(1961年&1962年、岩波映画) - 監督・脚本[34]
  • 鉄ものがたり(1962年、岩波映画) - 監督・脚本・構成 ※漫画映画。演出助手・制作進行は高畑勲[35]
  • 巨船ネス・サブリン(1962年、岩波映画) - 脚本・企画[36]
  • 鉄の世紀(1962年、岩波映画) - 監督・脚本[37]
  • 豪雪に築く 奥只見ダム建設の記録(1962年、岩波映画) - 監督[21]
  • 現代をつくる 鉄の型枠メタルフォーム(1962年)[1]
  • パルスの世界 エレクトロニクスと生体と(1962年、東京シネマ) - 編集[38]
  • 三菱日本重工(再改定)(1962年、岩波映画) - 脚本[39]
  • 明日の鉄鋼(1962年、岩波映画) - 監督[40]
  • ワイドフランジ へどろに建つ製鉄所(1962年、岩波映画) - 脚本[41]
  • 奥只見ダム 第二部(1962年、岩波映画) - 構成・編集[21]
  • 鉄は日伯を結ぶ(1963年、岩波映画) - 監督・脚本[42]
  • 東京の下水道(1963年、岩波映画) - 脚本[43]
  • 未来をつくる製鉄所(1963年、岩波映画) - 監督・脚本[44]
  • ガス工場建設の記録1964年、岩波映画) - 脚本[45]
  • 或る出版社 五十年(1965年、岩波映画) - 構成 ※監督:羽仁進[46]
  • 海に築く製鉄所(改訂版)(1965年、岩波映画) - 監督・脚本[47]
  • 血と涙と墓場(1966年、弘城興業社映画部) - 構成・編集
  • 富士山直滑降(1966年、東京福原フィルムス) - 構成・編集
  • 大昭和製紙健闘の記錄 地球を喰う(1966年、ニラサワフィルム)
  • スキー野郎 氷河大滑降(1967年、東京福原フィルムス) - 構成・編集
  • 日本人ここにあり(1967年、理研映画) - 編集
  • 日本の印刷(1969年、岩波映画) - 監督・脚本[48]
  • よみがえる谷間(1970年、岩波映画) - 監督[49]
  • 海底に挑むパイプライン 西部石油・海底管の記録(1970年、岩波映画) - 監督[50]
  • 日本万国博(1971年、社団法人ニュース映画製作者連盟) - 脚本・構成・編集 ※監督:谷口千吉
  • 森と人の対話(1972年)- 監督 ※遺作[51]

テレビ

[編集]

関連項目

[編集]
  • 伊勢真一 - 長男。ドキュメンタリー映画『いまはむかし 父・ジャワ・幻のフィルム』はジャワ島時代の伊勢長之助の軌跡を追ったもの。
  • 黒木和雄 - 監督デビュー前、伊勢の編集助手を勤めていた。[21]

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa 日本映画監督全集, キネマ旬報社, (1976), pp. 34-35 
  2. ^ 日本映画・テレビ監督全, キネマ旬報社, (1988), pp. 491-492 
  3. ^ a b c d NFAJコレクション 2022 春”. 国立映画アーカイブ. 2022年12月4日閲覧。
  4. ^ その瞬間あの瞬間”. 松竹. 2022-12/04閲覧。
  5. ^ 72,500KVA 傘型水車発電機”. 記録映像.JP. 2022年12月4日閲覧。
  6. ^ 送油風冷式 117,000KVA 三相変圧器”. 記録映像.JP. 2022年12月4日閲覧。
  7. ^ 佐久間ダム 第一部  2K修復版”. IVC. 2022年12月4日閲覧。
  8. ^ 包丁式”. 記録映像.JP. 2022年12月4日閲覧。
  9. ^ 新しい神通川”. 記録映像.JP. 2022年12月4日閲覧。
  10. ^ 製鉄”. 記録映像.JP. 2022年12月4日閲覧。
  11. ^ 日本の鉄鋼(改訂版)”. 記録映像.JP. 2022年12月4日閲覧。
  12. ^ 日本の鉄鋼(改訂版)”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  13. ^ 佐久間ダムの発電機”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  14. ^ 新しい鉄”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  15. ^ ”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  16. ^ 鉄をつくる”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  17. ^ 新しい鉄の時代”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  18. ^ 新厚板工場”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  19. ^ NPO法人科学映像館. “ミクロの世界ー結核菌を追って 東京シネマ1958年製作作”. YouTube. 2022年12月5日閲覧。
  20. ^ <たのしい科学シリーズ>雪の結晶”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  21. ^ a b c d e f 戦後日本ドキュメンタリー映画再考”. 国立映画アーカイブ. 2022年12月4日閲覧。
  22. ^ 新しい中径管工場”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  23. ^ NPO法人科学映像館. “川崎重工業 東京シネマ 1958年製作”. YouTube. 2022年12月5日閲覧。
  24. ^ 新しい製鉄所”. 産業技術史資料情報センター. 2022年12月4日閲覧。
  25. ^ 海に築く製鉄所 八幡製鉄戸畑製造所 建設の記録”. 武蔵野美術大学. 2022年12月4日閲覧。
  26. ^ メタルフォーム 第一部”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  27. ^ メタルフォーム 第二部”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  28. ^ 国づくりからこめづくりまで”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  29. ^ 高炉セメント”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  30. ^ <たのしい科学シリーズ>海に築く製鉄所1”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  31. ^ <たのしい科学シリーズ>海に築く製鉄所2”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  32. ^ 大ダム”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  33. ^ 新しい水の恵み”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  34. ^ トンネルとメタルフォーム”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  35. ^ 鉄ものがたり”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  36. ^ 巨船ネス・サブリン”. 武蔵野美術大学. 2022年12月4日閲覧。
  37. ^ 鉄の世紀”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  38. ^ NPO法人科学映像館. “パルスの世界ーエレクトロニクスと生体ー 東京シネマ1962年製作”. YouTube. 2022年12月5日閲覧。
  39. ^ 三菱日本重工(再改訂)”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  40. ^ 明日の鉄鋼”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  41. ^ ワイドフランジ-へどろに建つ製鉄所-”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  42. ^ 鉄は日伯を結ぶ”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  43. ^ 東京の下水道”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  44. ^ 未来をつくる製鉄所”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  45. ^ ガス工場建設の記録”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  46. ^ 或る出版社 五十年”. 武蔵野美術大学. 2022年12月4日閲覧。
  47. ^ 海に築く製鉄所(改訂版)”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  48. ^ 日本の印刷”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  49. ^ よみがえる谷間”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  50. ^ 海底に挑むパイプライン-西部石油・海底管の記録”. 記録映像.JP. 2022年12月5日閲覧。
  51. ^ 森と人の対話』いせフィルム特集”. CINEMA Chupki TABATA. 2022年12月5日閲覧。

外部リンク

[編集]