今日和
こん ひより 今 日和 | |
---|---|
生誕 |
1997年8月21日(27歳) 日本 青森県西津軽郡鰺ヶ沢町 |
出身校 | 立命館大学 |
職業 | 会社員 |
雇用者 | 株式会社アイシン |
団体 |
アイシン相撲部 国際相撲連盟 |
著名な実績 | 女子相撲選手 |
今 日和(こん ひより、1997年8月21日[1][2] - )は、日本の女子相撲選手。
経歴
[編集]青森県西津軽郡鰺ヶ沢町出身[1]。少年力士だった兄からの影響を受けて、小学校1年生のときに相撲を始めた[1]。中学生のときは相撲部に所属していたが、高校生になると男女の実力差が大きくなるため、母校である中学校の男子相撲部員を相手に稽古した[3]。2014年と2015年、世界女子ジュニア相撲選手権大会の重量級で優勝した[1]。
小学生の頃から「相撲を世界に広めたい」と望んでおり、青森県立鰺ヶ沢高等学校から2016年に国際関係学部と相撲部の両方がある立命館大学に進学[1][4]。2018年と2019年の相撲世界選手権では無差別級に出場し、準優勝した[5]。
今日和を取材した短編ドキュメンタリー映画『Little Miss Sumo』は、2018年のロンドン映画祭などで上映されており[6]、日本では2019年に『相撲人』という題名で公開された[1]。2019年にはBBCの「今年の100人の女性」に選出されている[5]。同年8月、第一回わんぱく相撲女子全国大会のYoutube生中継の解説を務めた[7]。
立命館大学国際関係学部卒業後は実業団相撲のアイシン精機相撲部に初の女性部員として加わり[4]、人事部で社員の福利厚生を担当している。同社は「先輩部員との双方の刺激となり、相乗効果が得られる。また、今さんのチャレンジ精神と目標に対する取り組みの姿勢が仕事上でも大いに活躍できると判断した」という[8]。
2018年より国際相撲連盟の選手委員を務め、国内外での競技普及を目指している[9]。将来は日本代表監督や国際相撲連盟理事となり、相撲の五輪競技化のために力を尽くすことを目標としているという[10]。また、近代スポーツとしての相撲のプロ化を考えており、大相撲に人数制限で入門出来ない海外の男子選手のことにも触れ、男女問わない相撲のプロフェッショナルリーグを作ることを提案している[11]。
2023年11月13日、母校の鯵ケ沢高校で行った講演で所属先のアイシン精機を休職して競技をいったん離れることを明らかにした[12]。2024年4月より2年間、JICAの海外協力隊員としてアルゼンチンに派遣され、相撲の指導・普及に取り組むという[13]。
大相撲の女人禁制への考え
[編集]全国中学校体育大会や全国高校総体など相撲の全国大会で女子部門が設けられておらず、目標を持つことは困難であった。
しかしアマチュア相撲の世界大会に女子部門があることを知り、「日本代表になること」を目標として稽古に励んだ。女子相撲の競技人口・競技会が少ない現状があり、2018年に公開された『Little Miss Sumo』では「男子はプロ(大相撲)に行きたいとか、比較的簡単に将来と相撲を結びつけて考えることができていて。多分、女子は小学校を卒業したら終わったりとか……」と訴えていた[14]。
2021年の実業団入りは、小学校卒業後も相撲を続けた女子選手たちも大学卒業で引退してしまうため、採用する企業を増やしたいと考えたからであると語っている[15]。日本代表としてシニアの国際大会に出場すると、技術や力より「経験差」を感じるという。『日本代表チームが大学生までの若手で戦うしかない現状』を変えるため、相撲を続けたい選手が現役として残れる環境を結果として残したいと望んでいる[16]。
同年9月のNumber Webのインタビューでは『大相撲の女人禁制と闘う女性』として質問をしている記者に対し「BBCのことで注目されるようになってから突然、“ジェンダーに対して戦っている女子相撲選手”になってしまって。相撲が好きで続けてきただけなのに、急に英雄視されるような感じがあって、それって正しいのかな?と正直、少し前まですごく悩んでいたんです」と心中を吐露した[17]。同月の朝日新聞インタビューでは「私がしているアマチュア相撲と大相撲は別物だと思っているので、大相撲の女人禁制は気にならない。単純に(相撲が)近代スポーツとして発展していくことを望んでいる」と断言している[8]。
2022年2月のCNN記事によると、「女性が大相撲の番付に入ることではなく、女性も男性と同様に相撲で生計を立てられるようになること」が夢であると語っており、いかに女子相撲のリーグを立ち上げ、アマチュア相撲をプロ化するかが現在の課題であるとしている[18]。
出演
[編集]映画
[編集]- 相撲人 Little Miss Sumo(2018年、Netflix)
テレビ番組
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e f “いつかアフリカに相撲を 女性力士がキャンパスで描く夢”. 朝日新聞GLOBE+ (2019年6月27日). 2019年12月7日閲覧。
- ^ “18年全日本女子相撲記録.pdf”. 日本女子相撲連盟. 2021年3月29日閲覧。
- ^ ““今年の女性100人”選出の今日和。「相撲は私を幸せにしてくれるもの」(石井宏美)”. Number Web - ナンバー(2019年12月30日). 2020年12月16日閲覧。
- ^ a b 月刊「相撲」(ベースボールマガジン社)2020年1月号・国技を支えるこの情熱を見よ アマ翔る! 立命館大学相撲部 今日和選手 132-134p
- ^ a b “英BBCの「今年の100人の女性」に女子相撲の今選手 自身の映画通じ競技普及目指す”. 京都新聞 (2019年12月5日). 2019年12月7日閲覧。
- ^ “女子相撲の見えない壁を打ち砕く! 世界に影響を与えた「女性力士」の挑戦 (1/3)”. 週刊女性PRIME (2019年11月11日). 2019年12月7日閲覧。
- ^ (日本語) 第一回わんぱく相撲女子全国大会 2020年3月6日閲覧。
- ^ a b “強豪実業団の女子相撲部員 「まずは世界一めざす」 今日和選手:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル(2021年9月20日). 2021年9月27日閲覧。
- ^ “英BBCの「今年の100人の女性」に女子相撲の今選手 自身の映画通じ競技普及目指す|スポーツ|地域のニュース|京都新聞”. 京都新聞(2019年12月5日). 2020年5月16日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2020年7月10日). “女子相撲の22歳 夢は「世界一」 五輪競技化へ海外普及も”. 産経ニュース. 2020年7月11日閲覧。
- ^ “【女子相撲・今日和選手インタビュー】 「実際にやってみたら楽しいんだよ!」ということを多くの人に伝えたい”. JSPO Plus (2022年5月9日). 2022年9月8日閲覧。
- ^ “女子相撲今選手 アルゼンチンで指導へ”. 陸奥新報 (2023年11月14日). 2024年6月16日閲覧。
- ^ 日本放送協会 (2024年4月16日). “女子相撲選手 今日和さん アルゼンチンで相撲の指導|NHK 青森県のニュース”. NHK NEWS WEB. 2024年6月16日閲覧。
- ^ ““今年の女性100人”選出の今日和。「相撲は私を幸せにしてくれるもの」(石井宏美) 2/4”. Number Web - ナンバー. 2021年11月23日閲覧。
- ^ “Big Ms Sumo” (英語). BCCJ Acumen (2020年6月5日). 2020年7月10日閲覧。
- ^ ““今年の女性100人”選出の今日和。「相撲は私を幸せにしてくれるもの」(石井宏美) 1/4”. Number Web - ナンバー(2019年12月30日). 2020年12月16日閲覧。
- ^ “24歳“ジェンダーと戦う女性力士”今日和に聞く、相撲と女人禁制「急に英雄視されて、それって正しいのか?と…」(小泉なつみ) 2/40”. Number Web - ナンバー(2021年9月13日). 2021年9月27日閲覧。
- ^ “相撲界で奮闘する女性力士たち 国技の姿に変化もたらす”. CNN.co.jp(2022年2月5日). 2022年4月9日閲覧。
- ^ “Uniqlo”. www.facebook.com. 2020年8月26日閲覧。
- ^ “@hiyori_kon(2020年12月9日)”. Twitter. 2021年2月14日閲覧。
- ^ 日本テレビ放送網株式会社. “『笑コラ』『今くら』合体!「話題の女子が大集合!!3時間スペシャル」”. 日本テレビ. 2021年2月14日閲覧。
外部リンク
[編集]- 今日和 (@hiyori_kon) - X(旧Twitter)
- Kon Hiyori(@kon_hiyori) - Instagram
- Hiyori Kon - IMDb