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正軸体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
交叉正多胞体から転送)
2次元正軸体(正方形)
3次元正軸体(正八面体)
4次元正軸体(正十六胞体)の投影図

正軸体(せいじくたい、cross-polytope)は、2次元正方形3次元正八面体4次元正十六胞体を各次元に一般化した正多胞体

なお、定義によっては形式的に0次元正軸体は、1次元正軸体は線分となるが、正軸体一般の性質の一部が成り立たないため、0次元・1次元に正軸体は存在しないとすることが多い。

(ベータたい)ともいい、n 次元正軸体を と書く。

正単体超立方体(正測体)と並んで、5次元以上での3種類の正多胞体の1つである。

作図

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正軸体を作図するには、座標 巡回

頂点とし、最も近い(距離 の)2点ずつをで結ぶ。最も近い3点ずつが面を構成し、m + 1 (0 ≤ m ≤ n - 1) 点ずつが m 次元面を構成する。

なおこの作図は、超立方体

の双対の作図と等価である。

またこうして作図された正軸体は、n 次元ユークリッド空間 で表して

でも定義できる。

性質

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特にことわらない限り、辺の長さが an (≥ 2) 次元正軸体について述べる。

超体積は

超表面積は

である。

ファセットn - 1 次元面)は n - 1 次元正単体である。したがって一般に、 m (0 ≤ m ≤ n - 1) 次元面は m 次元正単体である。例えば正十六胞体(4次元正軸体)の面(2次元面)は正三角形(2次元正単体)、胞(3次元面)は正四面体(3次元正単体)である。また m 次元面の超体積は、正単体の超体積の公式より、

である。

対角線の長さは、作図法より

で、全て直交する。

m (0 ≤ mn - 1) 次元面の個数は

である。これはパスカルのピラミッド英語版の第 n + 1 段の三角形の第 m + 2 段の数字の総和に等しい。反対側のファセットの中心同士を結ぶ線に沿って見た場合、次元面たちは数字通りのグループに分割される。これは、 を二項展開し、 を三項展開することで示すことができる。特に、頂点(0次元面)は 個、ファセットは 個である。パスカルの三角形の第 n + 1 段の m + 2 番目の数字であり、n - 1 次元単体m 次元面の個数である。

m (0 ≤ m ≤ n - 2) 次元面に集まるl (m + 1 ≤ l ≤ n - 1) 次元面の個数は

である。これはパスカルのピラミッドの第 n - m 段の三角形の第 l - m + 1 段の数字の総和に等しく、 n - m - 1 次元正軸体の l - m - 1 次元面の個数である。

双対は超立方体(正測体)である。