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フッ化チオニル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
二フッ化チオニルから転送)
フッ化チオニル
Thionyl fluoride
識別情報
CAS登録番号 7783-42-8
特性
化学式 SOF2
外観 無色の気体
融点

-110.5℃

沸点

-43.8℃

への溶解度 加水分解
危険性
Rフレーズ R36/37/38[1]
関連する物質
関連するoxohalides 塩化チオニル
臭化チオニル
関連物質 フッ化ニトロシル
フッ化カルボニル
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

フッ化チオニル(フッかチオニル、: thionyl fluoride)は、化学式SOF2で表される無機化合物。電子基板の絶縁体である六フッ化硫黄の分解生成物である。分子構造は左右対称のピラミッド型で、分子間の距離は硫黄-酸素間が1.42Å、硫黄-フッ素間は1.58Å。結合角度は酸素-硫黄-フッ素が106.2°、フッ素-硫黄-フッ素が92.2°。塩化チオニル臭化チオニルに似た構造を持つが、これらが常温で液体であるのに対し、フッ化チオニルは常温では気体である。SOCIFなど混合ハロゲン物も知られている[2]

合成と反応

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塩化チオニルと、三フッ化アンチモンなどのフッ素供給源との反応[3][2]

または、二酸化硫黄のフッ素化により生成する[2]

六フッ化硫黄が分解して四フッ化硫黄になる過程の中間生成物として生じ[4]、加水によりフッ化水素二酸化硫黄分解する[4]

フッ素化学の産業的には、四フッ化硫黄に比べ有用性は低い。

脚注

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  1. ^ Safety (MSDS) data for thionyl fluoride”. Oxford University (2005年9月2日). 2008年7月29日閲覧。
  2. ^ a b c Holleman, Arnold F. (2001), Inorganic Chemistry, Academic Press, pp. 542, ISBN 0123526515, https://books.google.co.jp/books?id=LxhQPdMRfVIC&pg=PA542&dq=%22Thionyl+fluoride%22&lr=&as_brr=3&sig=ACfU3U1ta1v8sGg2Ny1iGRCy01QE2PPfnA&redir_esc=y&hl=ja 2008年7月29日閲覧。 
  3. ^ W. C. Smith, E. L. Muetterties “Thionyl Fluoride” Inorganic Syntheses 1960, Volume 6, pages: 162-163. doi:10.1002/9780470132371.ch50
  4. ^ a b Pepi, Federico; Andreina Ricci, Marco Di Stefano, Marzio Rosi, Giuseppe D'Arcangelo (September 18 2002). “Thionyl Fluoride from Sulfur Hexafluoride Corona Discharge Decomposition: Gas-Phase Chemistry of (SOF2)H+ Ions”. Journal of Physical Chemistry A (American Chemical Society) 106 (40): 9261–9266. doi:10.1021/jp021074v. http://pubs.acs.org/cgi-bin/abstract.cgi/jpcafh/2002/106/i40/abs/jp021074v.html.