九学会連合
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九学会連合(きゅうがっかいれんごう)は、日本の人文科学系学会の連合組織。日本各地で共同の学際的な地域研究を行って報告書を刊行し、機関誌『人類科学』を刊行した。
概要
[編集]日本民俗学を支えた渋沢敬三の提唱により、1947年(昭和22年)に人間科学に関係の深い6つの学会の組織から発足し、1950年(昭和25年)に日本民族学会、日本民俗学会、日本人類学会、日本社会学会、日本言語学会、日本地理学会、日本宗教学会、日本考古学会の八学会連合になり、1951年(昭和26年)に日本心理学会が加わって九学会連合となった。
その後東洋音楽学会などの学会の追加や脱退があったが、名称としては「九学会連合」が使われた。共同研究を行う使命を終えたとして、1989年(平成元年)に最終大会を開き解散した。最終報告書を出版して1994年(平成6年)に活動を終了。
九学会連合による共同調査は、前期には離島などの特定地域で行われ、後期にはテーマ別に全国規模で行われた 。共同研究の地域とテーマ(と報告書刊行年)は、対馬(1954)、能登(1955)、奄美(1959)、佐渡(1964)、下北(1967)、利根川(1971)、沖縄(1976)、奄美(1980)、風土(1985)、沿岸文化(1989)、均質化(1994)だった。日本言語学会からの参加者は、前期には各地の方言記述・言語地理学的調査などを行い、後期には一定地域のまたは全国の方言分布調査を行った。成果は方言学の発展に寄与した。
参考文献
[編集]- 柴田武「九学会連合と私」『人類科学』第42巻、1990年。
- 徳川宗賢「九学会連合と言語学」『人類科学』第42巻、1990年。
- 徳川宗賢『日本語研究と教育の道』1994年。に再録。
- 坂野徹「九学会連合と「国土」」(PDF)『産業経営プロジェクト報告書「産業振興と地域社会」』第35巻、2012年、1-15頁。