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久昌寺 (江南市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
久昌寺

地図
所在地 愛知県江南市田代町郷中47
位置 北緯35度18分33.6秒 東経136度52分29.8秒 / 北緯35.309333度 東経136.874944度 / 35.309333; 136.874944座標: 北緯35度18分33.6秒 東経136度52分29.8秒 / 北緯35.309333度 東経136.874944度 / 35.309333; 136.874944
山号 嫩桂山[注釈 1]
宗派 曹洞宗
創建年 至徳元年(1384年
中興 生駒吉乃
正式名 嫩桂山久昌寺
別称 龍德寺、禪喜寺
文化財 江南市指定史跡・生駒家石造群
2013年(平成25年)10月30日指定[1]
法人番号 2180005011320 ウィキデータを編集
久昌寺 (江南市)の位置(愛知県内)
久昌寺 (江南市)
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久昌寺墓地(一番右が吉乃の墓)

久昌寺(きゅうしょうじ)は、愛知県江南市田代町[注釈 2]にあった寺院生駒氏の菩提寺であった。

沿革

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至徳元年(1384年)に禅喜寺として創建されたのが始まりで、その後、寺号を龍徳寺に改称している[2]

生駒氏との関わり

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生駒氏が大和から移住してきた際に菩提寺となった[2]織田信長の側室であった生駒吉乃永禄9年(1566年)に病没した際に、「久庵桂昌大禅定尼」の法名でこの寺にまつったことから、寺号が久昌寺に改められた[2]。信長は香華料として660石を寄進した[2]。本堂の西には吉乃の墓をはじめ、生駒氏代々の墓が林立し、これらは平成25年(2013年10月30日に江南市指定史跡に指定されている[1][2][3]

江戸時代

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文政8年(1825年)に豪潮律師が久昌寺に滞在して法座を開いた際、久昌寺に鎌倉時代から伝来していた『十六羅漢像』の掛軸のうち、第二・第八・第十一・第十五尊の四幅が欠けて十二幅となっているのを知り、足りない四尊を描き上げて十六羅漢としたものが、後に久昌寺より鶴見の總持寺へと寄進された。現在、その十六幅の全てが重要文化財に指定されている[3]

廃寺へ

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令和3年(2021年)、伽藍の老朽化に加え、檀家も少ないことから維持管理が難しくなったため、宗教法人の解散が決定[3]。令和5年(2023年)8月に、法人登記記録が閉鎖された[4]

伽藍は令和4年(2022年)5月より解体し、跡地は市に売却され2023年度に公園として整備される見込み[5][注釈 3]。なお廃寺後も、吉乃を含む生駒家歴代の墓は残される。また跡地に近接して、旧本尊や吉乃らの位牌を安置する小堂が建てられる予定となっている[5]

建築

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本堂は大正14年(1925年)建築。庫裏は不明だが、江戸時代とみられる[3]

文化財

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脚注

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注釈

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  1. ^ 「嫩(嫰、ふたば)の桂(かつら)」の意味。
  2. ^ 昭和57年(1982年)、大字小折・千秋町加納馬場の各一部より成立。もとは丹羽郡小折村布袋町に所在。
  3. ^ 市文化財保護委員より、古材の一部に天正年間のものとみられる加工痕が存在することを指摘されたため、5月14日に解体作業を一時中断[6]。一旦は「本堂の保存」が報じられた[7]が、市は同月24日に維持費用の問題などから保存を断念する方針を明らかにした[8]。なお加工痕の存在する古材は、瓦や東皐心越の書と伝えられる扁額とともに市に寄贈され[9]、「天正時代の古材」として市歴史民俗資料館にて保管・展示されている[9][10]が、「加工痕だけで天正年間のものとは特定しきれず、科学的調査を要する」という専門家の意見もある[9]

出典

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  1. ^ a b c 生駒家石造群 江南市
  2. ^ a b c d e 現地案内板より
  3. ^ a b c d 信長「最愛の女性」菩提寺取り壊しへ 630年以上の歴史に幕”. 毎日新聞. 2021年8月28日閲覧。
  4. ^ 久昌寺の情報(法人番号2180005011320)”. 法人番号公表サイト(社会保障・税番号制度). 国税庁. 2023年9月1日閲覧。 “登記記録の閉鎖等(清算の結了等)事由発生年月日:令和5年8月9日”
  5. ^ a b 信長ゆかりの「久昌寺」9日から解体 跡地横にお堂設置”. 中日新聞web. 中日新聞社 (2022年4月29日). 2022年5月1日閲覧。
  6. ^ 信長時代の古材かも 「最愛の女性」吉乃が眠る江南・久昌寺、解体を一時中断:中日新聞Web”. 中日新聞Web. 2022年5月14日閲覧。
  7. ^ 信長側室の寺、本堂保存も 文化財委員指摘、愛知・江南市が一転”. 毎日新聞 (2022年5月19日). 2022年5月25日閲覧。
  8. ^ 久昌寺「財政厳しく保存は困難」 江南市が方針 工事再開へ 愛知”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社 (2022年5月25日). 2022年5月25日閲覧。
  9. ^ a b c 「久昌寺の古材、「天正」のもの? 江南市の展示表記に疑問の声」『朝日新聞』2023年3月4日朝刊(名古屋本社版)、25頁
  10. ^ 歴史民俗資料館 常設展示 9.歴史”. 江南市 (2023年3月2日). 2023年9月1日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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