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久我泰博

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

久我 泰博(くが やすひろ)は、日本の裁判官。東京高等裁判所判事(第10刑事部)を経て、横浜地方裁判所部総括判事。主に刑事裁判を担当。慶應義塾大学卒業。

経歴

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人物

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前橋地裁時代の2003年10月9日には群馬女子高生誘拐殺人事件(2002年7月19日発生)の第一審判決公判にて裁判長として被告人に無期懲役判決前橋地検求刑死刑)を言い渡した[1]。判決宣告後には被告人に「周りの人に『死刑にしなくて良かった』と言ってもらえる人間になってほしい」と説諭したほか[2]、被告人の退廷後には被害者の両親に対し「納得がいかないと思うが、『犯人が人を殺すのは簡単だが、国家が死刑という判断をするのは大変だ』ということだ」と語りかけた[注 1][4]。なお同事件は前橋地検が控訴した結果、2004年10月29日に東京高等裁判所白木勇裁判長)が同判決を破棄して死刑判決を言い渡し[5]、被告人が最高裁判所上告しなかったため死刑が確定した[6]死刑囚はその後、法務大臣鳩山邦夫死刑執行命令により2008年(平成20年)4月10日東京拘置所で死刑を執行された[7]

2003年3月の裁判では、暴力団による抗争事件で実行犯に死刑判決を言い渡し「制度がある以上は死刑はやむを得ない。死刑判決は出しましたが、君にはできるだけ長くこの世にとどまってほしい。命を奪った人のためにこれからできることはたくさんあると思います」と述べていた。

2008年1月、タクシー運転手が女性客にわいせつ行為を行ったとされる事件で、「女性の供述は信用出来ない」として無罪を言い渡した。その後、被告人に「一年以上もの長い間拘束してしまい、すみませんでした」と述べた。

脚注

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注釈

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  1. ^ 裁判長が閉廷後の法廷で傍聴人に対し釈明したことは異例で、被害者遺族の心情に配慮したものとみられる[3]

出典

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  1. ^ 読売新聞』2003年10月9日東京夕刊第一社会面19頁「女子高生殺害に無期判決 裁判長、声詰まらせ『死刑難しい』/東京高裁」(読売新聞東京本社
  2. ^ 『読売新聞』2003年10月10日東京朝刊群馬西版32頁「大胡の女子高生殺害 被告に無期判決 『場当たり的、謝罪の念…』=群馬」(読売新聞東京本社・前橋支局)
  3. ^ 毎日新聞』2003年10月9日東京夕刊第二社会面10頁「女子高生連れ去り殺害、被告に無期判決 裁判長、異例の“釈明”--前橋地裁」(毎日新聞東京本社 記者:山田泰蔵・杉本修作)
  4. ^ 東京新聞』2003年10月9日夕刊第一社会面11頁「群馬・女子高生拉致殺害事件 S被告に無期判決 前橋地裁『国家が死刑…大変』=群馬」(中日新聞東京本社
  5. ^ 『読売新聞』2004年10月29日東京夕刊第一社会面23頁「群馬・大胡の女子高生殺害 一審破棄、死刑判決/東京高裁」(読売新聞東京本社)
  6. ^ 『読売新聞』2004年11月16日東京朝刊群馬西版34頁「大胡の女子高生殺害 S被告、上告せず死刑確定」(読売新聞東京本社・前橋支局)
  7. ^ 『読売新聞』2008年4月10日東京夕刊一面1頁「4人の死刑を執行 鳩山法相就任4か月で10人に/東京・大阪拘置所」(読売新聞東京本社)