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富山地方鉄道上滝線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
上滝線から転送)
上滝線
富山地方鉄道上滝線
上滝線を走行する14760形
(2022年5月 月岡駅 - 大庄駅間)
概要
起終点 起点:南富山駅
終点:岩峅寺駅
駅数 11駅
路線記号 T
ウェブサイト 鉄道 - 駅情報
運営
開業 1921年4月25日 (1921-04-25)
最終延伸 1921年8月20日 (1921-08-20)
所有者 富山県営鉄道→富山地方鉄道
路線諸元
路線総延長 12.4 km (7.7 mi)
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
電化 直流1,500 V,
架空電車線方式
運行速度 70 km/h[1]
路線図
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上滝線(かみだきせん)は、富山県富山市南富山駅中新川郡立山町岩峅寺駅を結ぶ富山地方鉄道鉄道路線である。

路線データ

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  • 路線距離(営業キロ):12.4km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:11駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:なし(全線単線
  • 電化区間:全線(直流1500V)
  • 閉塞方式:自動閉塞式
  • 最高速度:70km/h[1]

歴史

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現在の上滝線の区間は、現在の立山線岩峅寺駅 - 千垣駅間とともに富山県営鉄道の手によって開業したものである。1921年4月25日に南富山駅 - 上滝駅間が開業したのに始まり、同年8月20日に岩峅寺駅まで、以後順次千垣駅まで延長された。1943年の交通大統合により富山地方鉄道に譲渡され、同社の立山線となった。

もともと当線は、常願寺川上流の砂防工事、水力発電所建設、小規模鉱山開発における貨物需要を考慮し、貨物輸送を中心とした路線設計がなされていた。しかしながら1960年代に入ると、社会の輸送体系が自動車へシフト。立山線の存続が危ぶまれるようになった。このことから1967年から合理化案の検討が始まり、結果的に貨物営業の廃止、路線の系統分離が進められた[2][3]1969年4月1日、立山線の南富山駅 - 岩峅寺駅間が上滝線として分離され、寺田駅 - 岩峅寺駅間の五百石線が立山線に編入された。それまで電鉄富山駅 - 立山駅間の列車は現在の上滝線を経由していたが、これ以降は寺田経由に変更された。地元からの要望で、1970年に2本だけ立山駅への直通電車が復活設定されたが、やがて廃止された[4]

増便実験

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2005年5月25日から7月24日まで南富山駅 - 月岡駅間で増便実験が行われた。運賃も値下げされた。通常平日上下1日26本(2004年3月改正)運行のところを1日30本運行に増便された。運賃も一律200円にし、南富山駅から市電(富山市内線)に乗り継ぐ場合は市電の区間も含めて300円とした。しかし利用者への周知不足もあって利用増はわずかにとどまった。

2011年9月1日より2012年3月までの予定で二回目の実験増便が行われた。内容は電鉄富山発23時10分発の最終便を毎日設け、南富山駅で市電最終便と接続する。また平日に限り、電鉄富山発15時から20時、岩峅寺駅発15時30分から20時まで30分間隔で運行するというものである[5]。なお、朝ラッシュ時の増発は車両と人員を振り分ける余裕が無いことから見送られた[6]

年表

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運行形態

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全列車が電鉄富山駅を発着し、南富山駅までは本線不二越線に乗り入れる。全列車が各駅停車の普通列車である。すべて電鉄富山駅 - 岩峅寺駅間運転の列車のみで、途中駅を始発・終着とする区間列車や立山線に乗り入れる列車はない。なお、電鉄富山駅からは立山線経由の岩峅寺行きも発着しているため、列車の方向幕や駅の行先案内板の備考欄には立山線系統の岩峅寺行きは「寺田経由」(立山行きも同様)、不二越・上滝線系統の岩峅寺行きには「南富山経由」と付加されている。

ダイヤによっては、立山駅から来た立山線の電鉄富山行きから岩峅寺駅で不二越・上滝線の列車に乗り換えると電鉄富山駅に数分先着する場合や、逆に電鉄富山駅を先に出た立山線の立山行きに後発の不二越・上滝線の列車が岩峅寺駅で追いつく場合も多い。

不二越線とは一体の路線として運用されており、「不二越・上滝線」と呼称される。1991年から大川寺駅(当時は大川寺遊園駅)の横にあった大川寺遊園の名前を取って「大川寺遊園線」の愛称で呼んでいたが、大川寺遊園が閉園した翌年の1997年に本来の路線名に戻った。

路線規格(駅ホームや鉄橋)の都合から、20m級車体の16010形は入線できなかったが、2011年12月23日から「アルプスエキスプレス」で同形が入線するようになった。

富山軌道線との直通運転構想

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現在富山軌道線との直通運転が、行政主導で検討されている[21]。なお、以前にも富山軌道線との直通が検討されたことがあり、上滝線の架線電圧を600Vに降圧して市電7000形電車での試験運転も行われたが、勾配のため7000形では運転不可能という結果に終わった。(南富山-岩峅寺間:平均勾配約13.8‰、勾配標識 上滝-大川寺間山下踏切付近: 22.2〜25.0‰[22]

駅一覧

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  • 全線富山県内に所在。
  • 線路(全線単線) … ◇:列車交換可、|:列車交換不可
駅番号 駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線 線路 所在地
T61 南富山駅 - 0.0 富山地方鉄道不二越線(全列車、不二越線経由本線電鉄富山方面直通)富山軌道線(南富山駅前駅: C01) 富山市
T62 朝菜町駅 1.3 1.3  
T63 上堀駅 0.8 2.1  
T64 小杉駅 0.6 2.7  
T65 布市駅 0.5 3.2  
T66 開発駅 1.2 4.4  
T67 月岡駅 2.2 6.6  
T68 大庄駅 1.3 7.9  
T69 上滝駅 2.2 10.1  
T70 大川寺駅 1.1 11.2  
T51 岩峅寺駅 1.2 12.4 富山地方鉄道:立山線 中新川郡
立山町

過去の接続路線

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脚注

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  1. ^ a b 寺田裕一『日本のローカル私鉄 (2000)』 - ネコ・パブリッシング
  2. ^ a b 佐藤信之「ローカル鉄道の現状と維持方策--富山県(前編)」『運輸と経済』 60巻、1号、交通経済研究所、2000年1月、77-83頁。doi:10.11501/2637912https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2637912/42 
  3. ^ 大山町の歴史編集委員会 「大山町の歴史」p586 大山町 1990年
  4. ^ 1991年11月14日改正ダイヤの時点では、下り普通2本のみ不二越・上滝線(大川寺遊園線)経由の電鉄富山駅 - 立山駅間直通普通列車が設定されていた。
  5. ^ 不二越・上滝線増発社会実験 - 富山市
  6. ^ 不二越・上滝線の増発実験についての市民の声 - 富山市
  7. ^ a b c d e f g h i 富山地方鉄道(編)『写真でつづる富山地方鉄道50年の歩み』富山地方鉄道、1979年、183頁。 
  8. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1921年4月29日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  9. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1921年8月26日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  10. ^ a b 富山地方鉄道(編)『富山地方鉄道五十年史』富山地方鉄道、1983年、869頁。 
  11. ^ 『地方鉄道及軌道一覧 : 附・専用鉄道. 昭和10年4月1日現在』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  12. ^ a b c 今尾恵介(監)『日本鉄道旅行地図帳 6号 北信越―全線・全駅・全廃線』新潮社、1983年、37頁。ISBN 978-4107900241 
  13. ^ 富山地方鉄道(編)『富山地方鉄道五十年史』富山地方鉄道、1983年、347頁。 
  14. ^ 富山地方鉄道(編)『写真でつづる富山地方鉄道50年の歩み』富山地方鉄道、1979年、175頁。 
  15. ^ 大山町『大山町史第4章大山の近現代史-おもな交通事故 』大山町、1964年、p700頁。 
  16. ^ a b 富山地方鉄道(編)『写真でつづる富山地方鉄道50年の歩み』富山地方鉄道、1979年、176頁。 
  17. ^ 富山地方鉄道(編)『写真でつづる富山地方鉄道50年の歩み』富山地方鉄道、1979年、177頁。 
  18. ^ 富山地方鉄道(編)『写真でつづる富山地方鉄道50年の歩み』富山地方鉄道、1979年、68頁。 
  19. ^ 『富山地方鉄道70年史 -この20年のあゆみ-』(2000年9月、富山地方鉄道発行)101頁。
  20. ^ 富山地鉄が駅・停留場ナンバリングを導入…鉄道線はT、軌道線はCの頭文字 2-3月”. Response. (2019年2月18日). 2019年3月16日閲覧。
  21. ^ “上滝線、路面電車乗り入れを本格検討 富山市”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2010年6月5日). http://www.asahi.com/travel/rail/news/TKY201006040455.html 2021年8月26日閲覧。 
  22. ^ 【4K前面展望】不二越・上滝線(電鉄富山~岩峅寺) - YouTube

関連項目

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