三酸化二ヒ素 (医薬品)
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IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
発音 | AR se nik tri OKS id |
販売名 | Trisenox, others |
Drugs.com | monograph |
MedlinePlus | a608017 |
ライセンス | EMA:リンク、US Daily Med:リンク |
胎児危険度分類 | |
法的規制 | |
薬物動態データ | |
血漿タンパク結合 | 75% |
排泄 | 尿 |
識別 | |
CAS番号 | 1327-53-3 |
ATCコード | L01XX27 (WHO) |
PubChem | CID: 261004 |
DrugBank | DB01169 |
ChemSpider | 452539 |
UNII | S7V92P67HO |
KEGG | C13619 |
ChEMBL | CHEMBL1200978 |
別名 |
酸化ヒ素(III) 三酸化二ヒ素 Arseneous oxide Ratsbane 無水亜ヒ酸 White arsenic Aqua Tofani[1] |
化学的データ | |
化学式 | As2O3 |
分子量 | 197.84 g·mol−1 |
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物理的データ | |
密度 | 3.74 g/cm3 |
融点 | 312.2 °C (594.0 °F) |
沸点 | 465 °C (869 °F) |
水への溶解量 | 20 g/L (25 °C) mg/mL (20 °C) |
三酸化二ヒ素(さんさんかにひそ、Arsenic Trioxide)は、急性白血病の治療に用いられる医薬品である。
効能・効果
[編集]再発または難治性の急性前骨髄球性白血病[染色体検査〔t(15;17)転座〕または遺伝子検査(PML-RARα遺伝子)で確定診断されたもの][2]。用量は1日1回0.15 mg/kg体重×最大60日間。
警告
[編集]- QT延長(致死性心室性不整脈を含む)、完全房室ブロック等の不整脈を起こすことがある。
- APL分化症候群(APL differentiation syndrome)で致命的転帰を辿る事がある。
禁忌
[編集]妊婦または妊娠している可能性のある婦人に対して禁忌である。それだけでけなく、男性患者の場合も投与期間中と最終投与後少なくとも3カ月は避妊しなければならない。
副作用
[編集]重大な副作用として、
- 心電図QT延長
- APL分化症候群
- 白血球増加症
- 汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少
- ウェルニッケ脳症
が知られている[2]。
心電図QT延長は46%に発生する他、ALT増加28%、AST増加21%、白血球数減少18%、LDH増加12%、C-反応性蛋白増加12%、ALP増加10%等が発生する[3]:22-26。
有効性
[編集]- PhaseI/II試験(米国):CR到達率92%(11/12)[FDAの再解析で75%(9/12)]
- PhaseIII試験(米国):CR到達率85%(34/40)[FDAの再解析で70%(28/40)]
- 治療研究(日本):CR到達率78%(11/14)[3]:6-7
承認
[編集]米国で2000年9月、欧州で2002年3月、日本で2004年10月に承認された[3]:1。
米国では希少疾病用医薬品に指定されており[4]、日本では日本血液学会からの要望で公知申請された[5]:7[6]:212。
参考資料
[編集]- ^ Shakhashiri, B. Z.. “Chemical of the Week: Arsenic”. University of Wisconsin-Madison Chemistry Dept.. 2008年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年8月3日閲覧。
- ^ a b “トリセノックス注10mg 添付文書”. www.info.pmda.go.jp. PMDA. 2021年5月9日閲覧。
- ^ a b c “トリセノックス注10mg インタビューフォーム”. PMDA. 2021年5月9日閲覧。
- ^ “Search Orphan Drug Designations and Approvals”. www.accessdata.fda.gov. 2021年5月10日閲覧。
- ^ “適応外使用通知に基づく承認品目リスト”. 2021年5月10日閲覧。
- ^ 関野秀人、上田慶二、栗原雅直、清水直容、光石忠敬、景山茂 (2005). “混合診療問題・未承認薬問題が治験制度にもたらすインパクト”. 臨床評価 32 (1): 149-212.