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三酸化二ヒ素 (医薬品)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
三酸化二ヒ素
三酸化二ヒ素   As   O
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
発音 AR se nik tri OKS id
販売名 Trisenox, others
Drugs.com monograph
MedlinePlus a608017
ライセンス EMA:リンクUS Daily Med:リンク
胎児危険度分類
  • AU: X
  • US: N
法的規制
薬物動態データ
血漿タンパク結合75%
排泄尿
識別
CAS番号
1327-53-3  チェック
ATCコード L01XX27 (WHO)
PubChem CID: 261004
DrugBank DB01169
ChemSpider 452539
UNII S7V92P67HO
KEGG C13619
ChEMBL CHEMBL1200978
別名 酸化ヒ素(III)
三酸化二ヒ素
Arseneous oxide
Ratsbane
無水亜ヒ酸
White arsenic
Aqua Tofani[1]
化学的データ
化学式As2O3
分子量197.84 g·mol−1
物理的データ
密度3.74 g/cm3
融点312.2 °C (594.0 °F)
沸点465 °C (869 °F)
水への溶解量20 g/L (25 °C) mg/mL (20 °C)
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三酸化二ヒ素(さんさんかにひそ、Arsenic Trioxide)は、急性白血病の治療に用いられる医薬品である。

効能・効果

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再発または難治性の急性前骨髄球性白血病[染色体検査〔t(15;17)転座〕または遺伝子検査(PML-RARα遺伝子)で確定診断されたもの][2]。用量は1日1回0.15 mg/kg体重×最大60日間。

警告

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禁忌

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妊婦または妊娠している可能性のある婦人に対して禁忌である。それだけでけなく、男性患者の場合も投与期間中と最終投与後少なくとも3カ月は避妊しなければならない。

副作用

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重大な副作用として、

  • 心電図QT延長
  • APL分化症候群
  • 白血球増加症
  • 汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少
  • ウェルニッケ脳症

が知られている[2]

心電図QT延長は46%に発生する他、ALT増加28%、AST増加21%、白血球数減少18%、LDH増加12%、C-反応性蛋白増加12%、ALP増加10%等が発生する[3]:22-26

有効性

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  • PhaseI/II試験(米国):CR到達率92%(11/12)[FDAの再解析で75%(9/12)]
  • PhaseIII試験(米国):CR到達率85%(34/40)[FDAの再解析で70%(28/40)]
  • 治療研究(日本):CR到達率78%(11/14)[3]:6-7

承認

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米国で2000年9月、欧州で2002年3月、日本で2004年10月に承認された[3]:1

米国では希少疾病用医薬品に指定されており[4]、日本では日本血液学会からの要望で公知申請された[5]:7[6]:212

参考資料

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  1. ^ Shakhashiri, B. Z.. “Chemical of the Week: Arsenic”. University of Wisconsin-Madison Chemistry Dept.. 2008年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年8月3日閲覧。
  2. ^ a b トリセノックス注10mg 添付文書”. www.info.pmda.go.jp. PMDA. 2021年5月9日閲覧。
  3. ^ a b c トリセノックス注10mg インタビューフォーム”. PMDA. 2021年5月9日閲覧。
  4. ^ Search Orphan Drug Designations and Approvals”. www.accessdata.fda.gov. 2021年5月10日閲覧。
  5. ^ 適応外使用通知に基づく承認品目リスト”. 2021年5月10日閲覧。
  6. ^ 関野秀人、上田慶二、栗原雅直、清水直容、光石忠敬、景山茂 (2005). “混合診療問題・未承認薬問題が治験制度にもたらすインパクト”. 臨床評価 32 (1): 149-212.