三津浜焼き
三津浜焼き(みつはまやき)は、愛媛県松山市の三津浜地区のご当地グルメ[1][2]。
概要
[編集]三津浜焼きは、広島のお好み焼きにも似た重ね焼きで、焼きそばかうどんの麺を入れる[3]。麺は鉄板で焼くときに味をつけ、生地にキャベツとともに重ね、溶いた鶏卵の上に乗せて、ひっくり返して半分に折る[3]。半分に折ることから、出来上がりは半月状の見た目となる[4]。また、具には麺やキャベツの他に、牛脂とチクワは欠かせないものとされる[4]。
ほどよく蒸されたキャベツのシャキシャキ感と、甘辛いソースの奥にあるキャベツの甘味が三津浜焼きの醍醐味とされる[5]。
料理研究家の中村和憲は、漁業の従事者は忙しく、体力を使うため、満腹になるよう焼きそばやうどんが入り、野菜も多く入るようになったのだろうと指摘する[3]。
松山市では「平成船手組三津浜焼き推進プロジェクト」が結成されており、松山市内を中心に31店舗が加盟している(2020年時点)[3]。31店舗の内の約20店舗は三津浜地区にある[3]。
他の地区のお好み焼きとの違い
[編集]関西や広島とお好み焼きと三津浜焼きの違いは、焼き方や具材にある[6]。
広島の一般的な作り方は、生地の上にキャベツや具材などを先に乗せ、後で麺の上に重ねる[6]。
三津浜焼きは、生地を鉄板で焼き、その上に味付けをした麺を具材よりも先に乗せる[6]。
歴史
[編集]大正時代に水で溶いた小麦粉を焼いて刻みネギなど乗せ、ソースをかけて出していた物で一銭洋食として売られていた。これが庶民の味として浸透し、戦後では主に主婦層やおばあちゃん世代の人たちが店で作っていたもので、具材は千切りキャベツ、魚粉、卵、天かすなど店により様々である。乗せ焼きスタイルで広島と同じである[7]。
2022年には文化庁の100年フードに、「北条鯛めし」と共に認定された[8][9]。
賞歴
[編集]全国ご当地こなもんサミットでは第1回、第3回の大会でグランプリを獲得しており、「永久殿堂入り」となっている[3]。
商品化
[編集]2012年には、今治焼豚玉子飯と共に三津浜焼きが商品化され、中国・四国地方のファミリーマート店舗約650店で販売された[1]。
出典
[編集]- ^ a b 『【中国・四国地方限定】愛媛県を代表するご当地グルメが登場!「今治焼豚玉子飯」と「三津浜焼き」を発売!』(プレスリリース)2012年5月24日 。2024年11月3日閲覧。
- ^ 『愛媛・松山で三津浜焼き、海鮮しゃぶしゃぶで一献!「にっぽん酒処めぐり」(旅チャンネル)~雑誌「古典酒場」元編集長・倉嶋紀和子が松山の人気酒場をご紹介~』(プレスリリース)ターナージャパン、2020年9月17日 。2024年11月3日閲覧。
- ^ a b c d e f 「餃子・焼きそば・うどんも参戦 松山でなんでもありこなもんサミット」『産経新聞』2020年1月31日。2024年11月3日閲覧。
- ^ a b “もぐもぐマルシェ 今回は「愛媛県」!”. もぐもぐマルシェ. TBSラジオ (2022年6月8日). 2024年11月3日閲覧。
- ^ “「高すぎて買うのを躊躇する」キャベツの価格高騰いつまでつづく?三津浜焼きへの影響は”. 南海放送 (2024年5月20日). 2024年11月3日閲覧。
- ^ a b c 『東京から約1時間30分の好アクセス「魅力フルコースで、最短で整うまち、松山」 1泊2日で温泉からレトロ港町、島旅まで満喫 海の幸から先端スイーツまでグルメも充実』(プレスリリース)松山市、2024年3月25日。
- ^ “三津浜焼きについて - 三津浜焼き推進プロジェクト”. mitsuhama.net. 2015年10月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月3日閲覧。
- ^ “100年フード認定記念 三津浜焼き×北条鯛めし スタンプラリーキャンペーンを開催します”. 松山市 (2022年8月25日). 2024年11月3日閲覧。
- ^ “【松山市】「みつはまスタンプラリーキャンペーン」開催中”. 南海放送 (2023年10月5日). 2024年11月3日閲覧。