一葉恋歌
「一葉恋歌」 | ||||
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石川さゆり の シングル | ||||
初出アルバム『さゆりII 〜十曲十色〜』 | ||||
B面 | でくのぼう | |||
リリース | ||||
ジャンル | 演歌 | |||
時間 | ||||
レーベル | テイチクエンタテインメント | |||
作詞・作曲 |
吉岡治(作詞) 弦哲也(作曲) | |||
石川さゆり シングル 年表 | ||||
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「一葉恋歌」(いちようこいうた)は、2004年9月23日に発売された、石川さゆりの90枚目のシングル。明治時代の女流作家である樋口一葉を題材としている[1][2]。
概要
[編集]樋口一葉の晩年の最後の数年間と、一葉の恋愛を題材とした楽曲である[1]。一葉の悲恋、死後も恋人を慕う情念が主題とされている[3]。実在の人物を題材とした作品は、石川にとって初めての経験であり[2]、石川は発売前日にヒット祈願として、一葉が幼少時を過ごした土地である東京都文京区の、最晩年の小説『ゆく雲』にも登場する法真寺を訪れた[2][4]。
作詞家の吉岡治は、このシングル発売の数年前から、一葉を題材とする構想を抱いていたものの、一葉の作品には、男性に言い寄られたと綴られた日記や、遊郭の描写など、赤裸々な側面もあると考えていた[5]。しかし、「『天城越え』など俗で露骨な歌詞でも彼女が歌えば上品に聞こえる」と考えられたことから、石川のために詞を書き、先述の日記や遊郭についての言葉も敢えて、詞の中に盛り込まれた[5]。一葉の終焉の地である丸山福山町(東京都文京区)の名も、1番から3番まで歌詞に登場している[6]。
2004年には、一葉が五千円紙幣に採用されることを記念して、日本各地では様々な企画が計画されており、東京都文京区では、一葉の歌を歌った石川が「一葉特使」に任命された[7]。石川が「一葉恋歌」を歌うイベントも、文京区で頻繁に開催された[8]。同2004年には第37回日本作詩大賞で優秀賞を受賞[9]、同年の第55回NHK紅白歌合戦でも歌われた[6]。
2012年(平成24年)10月には、石川の歌手生活40周年の記念公演として、一葉を題材として開催された歌芝居(歌と芝居を融合させた音楽会[10])『石川さゆり音楽会 感じるままに 歌芝居「一葉の恋」』でも披露された[10][11]。
一方で、この曲では小説家としての一葉の姿が捨て去られ、悲恋のヒロインとしてのみ描かれていることから、一葉の悲恋を題材としたテレビドラマ『樋口一葉物語』と同様に、本来の一葉の人物像からは乖離しているとも意見されている[3]。
収録曲
[編集]- 一葉恋歌(4分55秒)
- 一葉恋歌(オリジナル・カラオケ)
- 一葉恋歌(一般用メロ入りカラオケ)
- でくのぼう (3分20秒)
- 作詞:高田ひろお/作曲:城賀イサム
- でくのぼう(オリジナル・カラオケ)
脚注
[編集]- ^ a b 「歌手の石川さゆり、新曲「一葉恋歌」のヒット祈願」『日刊スポーツ』日刊スポーツ新聞社、2004年9月24日、31面。
- ^ a b c 「樋口一葉“人生歌”、石川さゆりがヒット祈願 新曲「一葉恋歌」」『スポーツニッポン』スポーツニッポン新聞社、2004年9月24日、27面。
- ^ a b 藤木直実「一葉の肖像 新紙幣にいたる一葉イメージの機構」『女性史学』第15号、女性史総合研究会、2005年7月16日、44頁、NAID 40007090026。
- ^ 「一葉の恋を歌う石川さゆり」『日刊スポーツ』2004年9月24日、31面。
- ^ a b 北村麻紀「みやこ新聞 第193号 毎週火曜日 金曜日掲載 よみがえる 一葉の生と愛 清く貧しく…新札の顔に 『一葉の志 伝えたい』『新曲、歌えるのは 石川さんだけ』 作詞の吉岡治さん」『中日新聞』中日新聞社、2004年11月2日、朝刊、22面。
- ^ a b 小林滋「一葉から洋子へ」『ファイナンス』第41巻第1号、大蔵財務協会、2005年4月10日、94頁、NCID AN00368785。
- ^ 「一葉企画、目白押し 来月1日発行、新5千円札の顔に 東京」『朝日新聞』朝日新聞社、2004年10月30日、東京朝刊、26面。
- ^ “2位 文豪のいた街”. 出没!アド街ック天国. テレビ東京 (2005年1月22日). 2021年11月7日閲覧。
- ^ “第37回 日本作詩大賞”. 日本作詩家協会 (2004年). 2021年11月7日閲覧。
- ^ a b 斉藤蓮「【石川さゆり】演じて歌って40周年! 歌芝居「一葉の恋」に挑戦」『ZAKZAK』産業経済新聞社、2012年10月12日。2021年11月7日閲覧。
- ^ “2012年リリースのビデオ”. 石川さゆり オフィシャルウェブサイト. 2021年11月7日閲覧。