ヴァイルの定理 (幾何学)
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幾何学において、ヴァイルの定理(ヴァイルのていり、英:Weill's theorem)とは、多角形の外接円と内接円に関する定理である[1][2][3]。ジョゼフ・リウヴィルの雑誌『Journal de Mathématiques Pures et Appliquées』で1878年、M・ヴァイル(M. Weill)が証明した[4][註 1]。書籍によっては、ワイルの定理、ウェイルの定理とも書かれている[5][6][7]。
定理
[編集]nを3以上の整数とする。ポンスレの閉形定理によれば、ある2円を外接円、内接円とするn角形が一つあれば、そのようなn角形は無数に存在する[8]。このとき、n角形の辺と内接円の接点が成す多角形の幾何中心は一定である。これをヴァイルの定理と言う。また、その点はヴァイル点(Weill point)と呼ばれる。
1888年、ジョン・ケイシーはn個の接点のうちm個(mは、n≧m>0を満たす整数)の点の幾何中心の軌跡は定円であることを発見した[2]。ヴァイル点はn=mの場合である。
三角形のヴァイル点
[編集]三角形のヴァイル点は、接触三角形の重心として定義される(三角形の重心は幾何中心と一致する)[9]。Encyclopedia of Triangle centersでは三角形の中心としてX(354)に登録されている。ヴァイル点WはOI線上に存在し、ヴァイル点と外心は、内心を
に内分する。ここでr,Rはそれぞれ内接円、外接円の半径である。ヴァイル点の三線座標は以下の式で与えられる[10]。
三角形のヴァイル点はアダムス円と3辺の6つ交点の幾何中心、コンウェイ円と3辺の6つの交点の幾何中心などと一致する[10]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ M'Clelland, William J. (1891). A treatise on the geometry of the circle and some extensions to conic sections by the method of reciprocation, with numerous examples. University of California Libraries. London, New York, Macmillan
- ^ a b Casey, John (1886). A sequel to the first six books of the Elements of Euclid, containing an easy introduction to modern geometry, with numerous examples. University of California Libraries. Dublin : Hodges, Figgis & co.
- ^ Gallatly, William (1910). The modern geometry of the triangle. Cornell University Library. London, F. Hodgson
- ^ Liouville, Joseph; Centre national de la recherche scientifique (France) (1836). Journal de mathématiques pures et appliquées. Mathematical Sciences - University of Toronto. Paris Gauthier-Villars [etc.]
- ^ ジョン・ケージー 著、山下安太郎, 高橋三蔵 訳『幾何学続編』有朋堂、1909年、215,24頁。doi:10.11501/828521。
- ^ Eugène Rouché,Charles de Comberousse 著、小倉金之助 訳『初等幾何学 第1巻 平面之部,Traité de géométrie. 7. éd』山海堂書店、1913年、507頁。doi:10.11501/930885 。
- ^ 『初等幾何学特選問題』共立社書店、1932年、76頁。doi:10.11501/1211458。
- ^ "Poncelect's Porism", in MathWorld,
- ^ "Weill point", in MathWorld.
- ^ a b “ENCYCLOPEDIA OF TRIANGLE CENTERS X(354) = WEILL POINT”. Encyclopedia of Triangle Centers. 2024年5月14日閲覧。
注釈
[編集]- ^ 雑誌が仏語で投稿されていることから、本来の読みは仏語読みのヴェイユでないかと思われる。実際、同様人物であろうマッケイ-ヴェイユの定理のM.Weillは、ヴェイユと訳されている。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Weisstein, Eric W. "Weill's Theorem". mathworld.wolfram.com (英語).
- Weisstein, Eric W. "Weill point". mathworld.wolfram.com (英語).
- Weisstein, Eric W. "Poncelet's Porism". mathworld.wolfram.com (英語).