ヴァイノ・リンナ
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ヴァイノ・リンナ(Väinö Valtteri Linna 発音 、フェイノ・リンナとも、1920年12月20日 - 1992年4月21日)は、フィンランド、ウルヤラ出身の小説家。1954年に著された『無名戦士』(Tuntematon sotilas)はリンナの知名度を確立するものだった。代表作は1959年から1962年に著された全3部作からなる『ここ北極星の下で[1]』(Täällä Pohjantähden alla)で、ノーベル文学賞候補作になった[2]。また、1963年には北欧文学賞を受賞した[2]。
リンナは小学校卒業後に農林業や工場の労働者となった後に、小説家としてデビューした。処女作は1947年に著されたヨハン・アウグスト・ストリンドベリ風の小説『目標』で、翌1948年には『黒い恋』を著した。
その後、戦争文学に転向し、ソ芬戦争を題材にした小説を著した。
タンペレ大学の名誉教授、フィンランド・アカデミー会員でもあった。
作品
[編集]小説
[編集]- 1947年、『目標』(Päämäärä)
- 1948年、『黒い恋』(Musta rakkaus)
- 1949年 - 1953年、Messias
- 1954年、『無名戦士』(fi:Tuntematon sotilas、en:The Unknown Soldier (novel))
- 1959年、1960、1962年、『ここ北極星の下で』(fi:Täällä pohjantähden alla)
エッセイ集
[編集]- 1967年、Oheisia
- 1990年、Murroksia
- 2007年、Esseitä、Murroksia-kokoelman laajennettu uudelleenjulkaisu
脚本
[編集]- 1957年、『Black Love』、実際の脚本家 ユハ・ネヴァライネン。
- 1958年、『スヴェン・トゥーヴァ』、実際の脚本家 ユハ・ネヴァライネン。
- 1968年、『Here under the North Star』、(ユハ・ネヴァライネン、マッティ・カッシラ、エドヴィン・ライネと共作)。
- 1970年、『Akseli and Elina』、(ユハ・ネヴァライネン、エドヴィン・ライネ、ユホ・ガルツ、ゲオルグ・コークマンと共作)。
- 1973年、『Pohjantähti』、(『北極星の下で』と『アクセリとエリナ』の合作)。
- 1976年、『信頼』台詞、(ミハイル・シャトロフ、ヴラドレン・ロゴノフと共作)。
- 1985年、『Unknown Soldier』、(ラウニ・モルベリ、ヴェイッコ・アールトネンと共作)。
映画
[編集]リンナの作品を原作として製作され、いずれも『無名戦士』を原作としている。
- 地獄の最前線(エドヴィン・ライネ監督、1955年)
- 若き兵士たち 栄光なき戦場(ラウニ・モルベルイ監督、1985年)
- アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場(アク・ロウヒミエス監督、2017年)
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 高津春繁、手塚富雄、西脇順三郎、久松潜一 著、相賀徹夫 編『万有百科大事典 1 文学』(初版)小学館〈日本大百科全書〉(原著1973-8-10)。
- “リンナとは”. コトバンク. 2012年10月30日閲覧。
- “リンナ”. Yahoo!百科事典、日本大百科全書. 2012年10月30日閲覧。
- “Biografiakeskus,Suomi Linna, Väinö (1920 - 1992)”. 2012年10月30日閲覧。
関連項目
[編集]- ヴァイニョ・リンナ協会
- ヴァイネ・リンナ賞