作業服
作業服(さぎょうふく)は、様々な作業・労働をする際に着用する衣服を指す。作業着、作業衣とも呼ばれる。
作業内容に応じた様々な種類が存在するが、一般定性としては丈夫な厚手の生地で、熱や油や溶剤などにも強く、多少の飛散物などから身体を守れ、動作の妨げにならず、また周囲に引っ掛かったりしにくい形で、作業に用いる小道具等を持ち歩きやすいよう大きめのポケットが多くつくといった作りになっている。半袖タイプや、防寒性を意識した綿製もある。特殊な作業に応じて、静電気を帯びない制電服や燃えにくい難燃服などもある。
会社・工場などの制服に指定されている場合もあり、ポリエステル素材においては再生ペットボトル繊維が用いられているものもある[1]。
広義での作業服
[編集]カーハートやディッキーズはワークウェアブランドとも呼ばれる。ジーンズ(デニム)のルーツも、ワークパンツとしてのものだった。白地と紺地のヒッコリーストライプは、汚れを目立たせない模様として考案された[2]。他にもペインターパンツ、オーバーオール、カバーオールなどもある。これらは、デザイン性や機能性が評価され、今日ではファッションアイテムともなった。
日本では、洋服の導入の影響で、大正時代頃から仕事着全般も洋風化していったといわれる[3]。すでに江戸時代にも火消や鳶職などの職人は、洋服に近く動きやすい股引き姿だった。現在の鳶職はニッカーボッカーズ型の「鳶服」を着用していることが多いが、高所でバランスを取るためや突起物への安全対策からの普及といわれる[4]。
囚人服(刑務服)は、懲役労働に従事する都合上、作業服に準じた作りのものが多く用いられる。一方、通常の作業着では多く設けられるポケットは、作業場の工具等を隠し持って脱獄や暴動などに悪用する可能性を減らすため、無いものが多い。
農村部では民族衣装が農作業用という例もあり、ドイツ南部の女性の民族衣装であるディアンドルは、農民の作業服が元になっているため装飾がシンプルである。
防災服
[編集]日本では、災害などの有事の際に閣僚らが防災服を着用することもある。見た目は作業服風だが、アラミド繊維などの難燃素材を用いている場合がある。
小衣・小巾
[編集]小衣・小巾(こぎん)とは、丈が腰辺りまでの長さであって袖は無いか半袖であるという型の作業服のこと[5]。青森県、秋田県など東北地方では麻や木綿で出来た単衣の作業服のことを古くからこう称しており、補強するために胸や肩などの部分に幾何学模様などの図柄を刺繍し縫い込む手法を刺し子の一種として「刺小衣(小巾)」「小衣刺(小巾刺)」とも称した[6]。