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ロンガローネ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ロンガローネ
Longarone
ロンガローネの風景
集落中心部
行政
イタリアの旗 イタリア
ヴェネト州の旗 ヴェネト
県/大都市 ベッルーノ
CAP(郵便番号) 32013
市外局番 0437
ISTATコード 025071
識別コード M342
分離集落 #分離集落参照
隣接コムーネ #隣接コムーネ参照
公式サイト リンク
人口
人口 5104 人 (2022-01-01 [1])
人口密度 41.8 人/km2
文化
住民の呼称 Longaronesi
守護聖人 無原罪の御宿り (Santa Maria Immacolata)
祝祭日 12月8日
地理
座標 北緯46度16分 東経12度18分 / 北緯46.267度 東経12.300度 / 46.267; 12.300座標: 北緯46度16分 東経12度18分 / 北緯46.267度 東経12.300度 / 46.267; 12.300
標高 473 (400 - 2542) [2] m
面積 122.18 [3] km2
ロンガローネの位置(イタリア内)
ロンガローネ
ロンガローネの位置
ベッルーノ県におけるコムーネの領域
ベッルーノ県におけるコムーネの領域 地図
イタリアの旗 ポータル イタリア
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ロンガローネ: Longarone)は、イタリア共和国ヴェネト州ベッルーノ県にある、人口約5,100人の基礎自治体コムーネ)である。1963年10月9日バイオントダム災害による大惨事を経験した。 2014年2月22日、カステッラヴァッツォを編入した。

地理

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位置・広がり・地勢

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ベッルーノ県の東部に位置し、東にポルデノーネ県フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州)と境を接する。アルプスに源を発しアドリア海に注ぐピアーヴェ川の上流に開けた小盆地に築かれた町である。県都ベッルーノから北北東15km、マニアーゴから西北西へ38km、州都ヴェネツィアから北へ93kmの距離にある。

隣接コムーネ

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隣接するコムーネは以下の通り。括弧内のPNはポルデノーネ県所属を示す。

気候分類・地震分類

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気候分類では、zona F, 3331 GGに分類される[4]。 また、イタリアの地震リスク階級 (itでは、zona 2 (sismicità media) に分類される[5]

歴史

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古代・中世

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ロンガローネの歴史はローマ時代まで遡ることができ、墓地や街道など当時の遺跡が残されている。地名の起源ははっきりしないが、「細長い土地」を意味する longus から派生した Longara との関連が推測される[6]

町の中心部にある聖クリストフォロ教会は、1300年頃に建設された。中世の歴史はベッルーノとともに歩んでおり、1420年以降はヴェネツィア共和国の領域に入った。

近代

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ロンガローネの町は長らくカステッラヴァッツォに属する地位にあったが、ナポレオン統治下の1806年に独立した都市となった。ウィーン会議後はオーストリアの勢力下に入り、1866年、イタリアに編入された。18世紀、ロンガローネは流通の拠点として経済的な繁栄を見せた。

第一次世界大戦中の1917年11月には、カポレットの戦いに関連したロンガローネの戦い (it:Battaglia di Longaroneの舞台となった。ドイツ軍のエルヴィン・ロンメル中尉は、ロンガローネに置かれたイタリア軍の駐屯地を占領し、多数の捕虜を得て名を高めた。

第二次世界大戦後

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災害後のロンガローネ
災害後のロンガローネ
バイオントダム災害犠牲者の墓地
バイオントダム災害犠牲者の墓地

1960年、この町の東にバイオントダムが完成した。262mという堤高は、当時世界で最も高いものであった。

1963年10月9日夜、バイオントダム災害 (it:Disastro del Vajontが発生した。トック山から崩落した土砂がダム湖になだれ込んだ結果、ダムに湛えられていた5000万立方メートルの水は津波となり、堤を乗り越えてあふれ出した。堤の真西にあったロンガローネの町はその直撃を受け、泥水に飲み込まれた。この災害による1909人の死者のうち、ロンガローネのコムーネは1450人の犠牲を出している[7]

この災害のあと町は再建され、復興を遂げている。

2003年10月、災害の40周年を迎えての追悼行事がロンガローネで行われ、チャンピ大統領が出席した。

行政

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ロンガローネ市役所。バイオントダム災害をくぐり抜けた数少ない建物の一つ

分離集落

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ロンガローネには以下の分離集落(フラツィオーネ)がある。

  • Castellavazzo, Codissago, Dogna, Faè, Fortogna, Igne, Olantreghe, Pirago, Muda, Maè, Podenzoi, Provagna, Rivalta, Roggia, Soffranco

経済・産業

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ロンガローネに仕事を持っている人は4,642人にのぼり、これは居住人口の112.62%にあたる。住人の多くはコムーネの中で働いている。

眼鏡

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ベッルーノ県北東部(ロンガローネからコメーリコ・スペリオーレにかけてのカドーレ谷一帯)は、イタリアにおける眼鏡産業の集積地であり、ロンガローネはその中心地の一つである[8][9]。ロンガローネ集落の南にはピアーヴェ川に沿って工業団地が造成されており[8]、2000年代におけるイタリアの眼鏡大手4社うち、デ・リーゴ (it:De Rigoとマルコリン社 (it:Marcolinは、ロンガローネに本社を構えている[9]

ジェラート

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ロンガローネは、隣接するゾルド谷・カドーレ谷の村(ゾルド・アルトフォルノ・ディ・ゾルドゾッペ・ディ・カドーレ)とともに、ジェラートの町としても知られている。ロンガローネでは毎年冬に「国際ジェラート展示会」(Mostra Internazionale del Gelato Artigianale, 略称:MIG)が開かれている[10]。「国際ジェラート展示会」は1959年12月に第1回が開かれた。

人口

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人口推移

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人口推移
人口±%
18713,814—    
18813,530−7.4%
19013,688+4.5%
19114,302+16.6%
19214,312+0.2%
19314,147−3.8%
19364,019−3.1%
19514,742+18.0%
19614,688−1.1%
19714,036−13.9%
19814,481+11.0%
19914,234−5.5%
20014,122−2.6%
20113,945−4.3%

交通

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国道 SS51 がピアーヴェ川に沿ってコムーネを南北に縦貫しており、北はカステッラヴァッツォを経てピエーヴェ・ディ・カドーレに、南はポンテ・ネッレ・アルピに至る。また、コムーネを東西に貫く県道 SP251 は、西にゾルド谷を遡ってラ・ヴァッレ・アゴルディーナとを結び、東にフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州との州境を越えヴァイオント谷に入り、エルト・エ・カッソとを結ぶ。

姉妹都市

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  1. ^ Popolazione residente al 1° Gennaio 2022” (イタリア語). 国立統計研究所(ISTAT). 2022年9月9日閲覧。左側メニューのRipartizione:Nord-est > Regione:Veneto > Provincia:Belluno > Longarone を選択
  2. ^ 国立統計研究所(ISTAT). “Tavola: Popolazione residente - Belluno (dettaglio loc. abitate) - Censimento 2001.” (イタリア語). 2019年11月25日閲覧。よりカステッラヴァッツォとロンガローネの数値を合算
  3. ^ 国立統計研究所(ISTAT). “Tavola: Superficie territoriale (Kmq) - Belluno (dettaglio comunale) - Censimento 2001.” (イタリア語). 2019年11月25日閲覧。よりカステッラヴァッツォとロンガローネの数値を合算
  4. ^ Tabella dei gradi/giorno dei Comuni italiani raggruppati per Regione e Provincia”. 新技術エネルギー環境局(ENEA) (2011年3月1日). 2017年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月20日閲覧。
  5. ^ classificazione sismica aggiornata al 31-marzo-2022-provincia” (xls). https://rischi.protezionecivile.gov.it/it/sismico/attivita/classificazione-sismica. イタリア市民保護局. 2022年4月30日閲覧。
  6. ^ La tragedia del Vajont, Il sito ufficiale del comune di Longarone
  7. ^ Francesco Niccolini,Vajont, una frana annunciata, e riferimenti ivi citati.
  8. ^ a b 遠山恭司イタリアものづくりの都市を訪ねて 第8回 眼鏡枠のまち ベッルーノ(Belluno、ヴェネト州)」 - イタリアの産業・地域・中小企業
  9. ^ a b 加藤明『眼鏡産地の盛衰 : 福井県・鯖江市とイタリア・ベッルーノ産地比較のケース』JAIST Press〈文部科学省・科学技術振興調整費・地域再生人材創出拠点形成プログラム石川伝統工芸イノベータ養成ユニット・ケースブックシリーズ〉、2008年。hdl:10119/8844ISBN 9784903092164https://hdl.handle.net/10119/8844 
  10. ^ Mostra Internazionale del Gelato Artigianale

関連項目

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