Rockstar Games
種類 |
公開会社 子会社 |
---|---|
略称 | RG |
本社所在地 |
アメリカ合衆国 ニューヨーク州ニューヨーク |
設立 | 1998年12月 |
業種 | エンターテインメント |
事業内容 | ゲームを制作・販売・宣伝・発表・オンライン運営 |
代表者 | サム・ハウザー(創業者・代表) |
従業員数 | 2,000人(2018年)[1] |
支店舗数 | 10店舗 |
所有者 | テイクツー・インタラクティブ |
主要株主 | テイクツー・インタラクティブ |
主要部門 |
ロックスター・ノース ロックスター・リーズ ロックスター・サンディエゴ |
主要子会社 |
ロックスター・ノース ロックスター・トロント ロックスター・リーズ ロックスター・サンディエゴ ロックスター・インディア ロックスター・インターナショナル ロックスター・リンカン ロックスター・ロンドン ロックスター・ニューイングランド RAGEテクノロジーグループ |
関係する人物 |
サム・ハウザー ダン・ハウザー(創業者・元VP) |
外部リンク | https://www.rockstargames.com/jp/ |
ロックスター・ゲームス(英: Rockstar Games, Inc.)は、1998年12月にイギリス出身のサム・ハウザーとダン・ハウザーによって設立され、アメリカ合衆国のニューヨーク州ニューヨークに本社を置く大手ゲームソフトメーカー。複数のゲーム開発専門とする子会社を所有しており、テイクツー・インタラクティブのブランドでもある[1][2]。
日本では主にグランド・セフト・オートシリーズ(GTAシリーズ)やレッド・デッドシリーズ(RDシリーズ)、マックスペインシリーズ(MPシリーズ)などのゲームシリーズ、単独ソフトでは『L.A.ノワール』、『ブリー』などで知られている。
概要
[編集]主にオープンワールド型クライムアクションゲームを開発・販売することが多い。全世界で2億2000万本以上売り上げ[3]、世界的有名なグランド・セフト・オートシリーズを生み出したことで全世界的に広く知れ渡ることになった。
ロックスター・ゲームスといっても、実際は複数の「ロックスター・ブランド」を冠する会社からなる。ロックスターのゲームの起動時に色違いの同じようなロゴが複数回表示されるのは、それぞれ、最初のロゴがロックスター・ゲームス全体(黄色)を、次がロックスター・ゲームスのどの子会社(傘下)が関連、開発したかを示すロゴである。
作品内容に暴力や性的表現、反社会的内容、タブーが多く含まれるため、日本などの国によっては大幅な表現規制をかけられたり、タイではGTAシリーズ全作品が発売禁止になっている事も多い[4]。
日本やヨーロッパではマンハントシリーズが発売禁止、アメリカではESRBレーティングを下げてから発売されるなど問題になっている。
また、違法な表現が多いために、市民団体やゲーム規制団体、銃規制団体からや『グランド・セフト・オートIV』では、飲酒運転が可能のため、飲酒運転撲滅団体から反感を買い、訴訟問題にまで発展した事例もある[5]。その最も有名なものが、ヒラリー・クリントンが訴訟した『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス』の「ホットコーヒー問題」である。
日本では、神奈川県が『グランド・セフト・オートIII』を有害図書に指定し[注 1]、CEROが新しいレーティング区分である「CERO:Z(18才以上のみ対象)」を設定するきっかけになった。
しかし、過激な表現のゲームソフトを開発するだけでなく、リアリスティックで大人向けな脚本や風刺が含まれるなど、他社が影響を受けるほどのゲームシステムや高い技術力で表現される映像美(グラフィック)については、ゲーム業界から高い評価を得ている。
歴史
[編集]- 1998年5月 - テイクツー・インタラクティブはBMGインタラティクブを買収、BMGのパブリッシャーだったハウザー兄弟(ダン・ハウザーとサム・ハウザー)は親会社テイクツーと共にニューヨークにロックスター・ゲームスを創設する[7]。
- 1999年9月 - DMAデザイン(後のロックスター・ノース)を買収[8]。
- 2001年 - 『グランド・セフト・オートIII』の大成功によって欧米ゲーム業界でも不動のブランドに成長していった。
- 2003年 - マネージングディレクターとして日本のカプコンとヨーロッパ事業に加わった[9]。
- 2008年4月17日 - ソーシャルクラブが開始される。
- 2013年 - 『グランド・セフト・オートV』の世界最高の売上高を記録し、世界的に知名度が格段に上がったブランドメーカーとなった。
- 2019年5月 - インドのDhruvaInteractiveを買収、ロックスター・インドが設立する[10]。
- 2020年3月11日 - 創設者のダン・ハウザーが退社[7]。
- 3月17日 - SARSコロナウイルス2(以下、新型コロナウイルス)による世界的感染爆発によって、本社と全子会社が自宅勤務(リモートワーク)[11]に移行した。
- 4月 - 「GTAオンライン」と「レッド・デッド・オンライン」の売上を新型コロナウイルス対策へ寄付すると発表[12]。
- 2021年5月25日 - ダンスミュージックブランドのCircoLocoとのパートナーシップを締結し,新たなレコードレーベルCircoLoco Recordsを設立したと発表[13][14]した。
- 2022年9月 - 開発中のグランド・セフト・オートシリーズ最新作の内部のゲームプレイ映像90本ほどがリーク(流出)される事件が発生した。この一連の事件はゲーム業界において最悪の出来事となった[15]。その後ロックスターは公式声明を発表し、今後の開発に影響は無い[16]としたものの、流出させた人物を連邦捜査局(FBI)が調査した[17]。犯人がイギリス在住と判明した後、FBIは英国警察と共同捜査をし、17歳少年を逮捕した。
長時間労働問題
[編集]ロックスター・ゲームスや傘下の企業は昔から長時間労働(ブラック企業)や給与の未払い問題で批判されていた。既に2010年には社員の家族達が一斉にロックスター社へ訪れ、家族が休みも含み17時間以上の労働によってストレスによってうつ病などに見舞われていると告発した。告発では、グランド・セフト・オートシリーズ、レッド・デッドシリーズなどで会社は莫大な利益を得ながらも、社員たちはボーナスを受け取れない環境であるとした。しかし、 現在も一向に改善はされていない[18]。
2018年発売の『レッド・デッド・リデンプション2』の開発陣は「週に100時間残業しました。残業代はもちろん出ません」と公表したほどであった[18]。
うつ病を発症した社員も少なくなく、元社員は「私の人生を壊す」「二度とゲームというのをプレイしたくない。別の会社のゲームソフトをプレイするのも長時間労働を思い出して怖い」[19]と発言している。
アメリカ合衆国では普通の労働環境が必要として、ロックスター・ゲームスだけでなく、労働環境が酷いアクティビションやエピック・ゲームズなどのアメリカ合衆国のゲーム会社の労働組合結成の動きが激しくなっている[20]。
ロックスター作品一覧
[編集]- エージェント (発売中止[21])
- Austin Powers: Welcome to My Underground Lair!
- ブリー
- ビートレーター
- Earthworm Jim 3D
- Evel Knievel
- グランド・セフト・オートシリーズ
- L.A.ノワール
- マックスペインシリーズ
- モンスタートラックマッドネス64
- マンハント シリーズ
- Oni
- レッド・デッドシリーズ
- スマグラーズ・ランシリーズ
- STATE OF EMERGENCY
- サーフロイド 伝説のサーファー
- テーブルテニス
- ザ・ウォーリアーズ
- ザ・イタリアンジョブ
- Skate and Destroy
- ワイルド・メタル・カントリー
- 湾岸 ミッドナイトクラブシリーズ(日本のレースゲームの『湾岸ミッドナイト』とは無関係の別作品)
制作された短編映画
[編集]- 1999年公開『グランド・セフト・オート2:ザ・ムービー』 ジャンル:犯罪ドラマ
- 2004年公開『フットボール・ファクトリー』ジャンル:ドラマ
- 2004年公開『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス 紹介』ジャンル:犯罪ドラマ
- 2005年公開『日曜日の運転手』ジャンル:ドキュメンタリー
- 2010年公開『レッド・デッド・リデンプション:ブラックウォーターからの男』ジャンル:西部劇
子会社
[編集]活動中のゲーム開発スタジオ
[編集]ロゴ | 社名 | 所在地 | 稼働年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
ロックスター・インディア | インドバンガロール | 2016年 | ||
ロックスター・リーズ | イギリスリーズ | 2004年 | ||
ロックスター・リンカン | イギリスリンカンシャー | 2002年 | ||
ロックスター・ロンドン | イギリスロンドン | 2005年 | ||
ロックスター・ニューイングランド | アメリカアンドーバー | 2008年 | ||
ロックスター・ノース | スコットランドエディンバラ | 2002年 | ||
ロックスター・サンディエゴ | アメリカカールスバッド | 2002年 | ||
ロックスター・トロント | カナダオークビル | 1999年 |
かつて存在したゲーム開発スタジオ
[編集]ロゴ | 社名 | 所在地 | 稼働年 | 廃止年 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
ロックスター・バンクーバー | カナダバンクーバー | 2002年 | 2012年 | 2012年7月9日、ロックスター・トロントと合併し、ゲーム開発を正式に終了した。 | |
ロックスター・ウィーン | オーストリアウィーン | 2003年 | 2006年 | 2006年5月11日、ゲーム開発スタジオを閉鎖し、すべての従業員が解雇された。 |
3大主要部門
[編集]- ロックスター・ノース
- スコットランドのエディンバラを拠点とする最も知名度の高いロックスター・ゲームスの子会社である。以前、DMA Designとして知られていた。グランド・セフト・オートシリーズで有名。
- ロックスター・リーズ
- 以前、Mobius Entertainmentとして知られていた。イングランド北部の都市のリーズに拠点を置く。『グランド・セフト・オート・リバティーシティ・ストーリーズ』の責任会社でもある。
- ロックスター・サンディエゴ
- 以前、Angel Studiosとして知られていた。カリフォルニア州のサンディエゴに拠点を置いている。湾岸ミッドナイトクラブシリーズやレッド・デッドシリーズで有名。
ゲームエンジン
[編集]ロックスター・ゲームス社傘下のロックスター・サンディエゴ社の一部門である「RAGEテクノロジーグループ」によって開発されたロックスター・ゲームス社オリジナルのゲームエンジン。
PlayStation 3やPlayStation 4、Xbox 360、Xbox One、Microsoft Windows(PC)、OS X、Wiiなどのシステムでのゲーム開発を容易にするための基盤として開発された。
『グランド・セフト・オートV』や『レッド・デッド・リデンプション2』などのゲームに使用されている。
ソーシャルクラブ
[編集]ロックスター・ゲームス社がゲーム内で使用するために提供しているデジタル著作権管理やマルチプレイヤー、共有型コミュニケーションのためのサービス(無料)。
全世界中(日本語サービスも対応)で1億人以上[22]のユーザーがサインインしており、世界中のプレイヤーとコンテンツを共有できる。
主に『グランド・セフト・オートV』や『レッド・デッド・リデンプション2』などのオンラインモード「GTAオンライン」や「レッド・デッド・オンライン」が人気で、ゲーム内で撮影した画像や動画などを世界中のプレイヤーと共有や投稿(YouTubeなどへ)が出来る。
ロックスター・ゲームス・ランチャー
[編集]ロックスター・ゲームス・ランチャー(Rockstar Games Launcher)とは2019年9月18日にMicrosoft Windowsデスクトップアプリケーションとして発表した[23][24][25]。ロックスター・ゲームスがサービスを開始[25]し、ロックスターの掲げる最大の目的は、同社が販売するPCゲームのタイトルにプレイヤーが素早く簡単にアクセスできるようにするもので、インストールされているゲームタイトルを管理するだけでなく、クラウドセーブや自動更新にも対応させたいという事から始まった[26][27][25]。なお、Steamなどで購入したものも起動可能[23]、かつセーブデータの共有も可能となっている。
サービス開始直後では『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス』が無料配布[23][27]された。
ランチャー内にあるゲーム作品一覧
[編集]- 『グランド・セフト・オートIII』
- 『グランド・セフト・オート・バイスシティ』
- 『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス』
- 『ブリー』
- 『L.A.ノワール』
- 『マックス・ペイン3』
- 『グランド・セフト・オートIV』
- 『グランド・セフト・オートV』
- 『レッド・デッド・リデンプション2』
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “会社情報”. Rockstar Games. 2021年10月30日閲覧。
- ^ “ABOUT US”. Take-Two Interactive Japan. 2021年10月30日閲覧。
- ^ “Take-Two Q2 2019 Earnings report - Red Dead Redemption 2 has sold 17 Million Copies worldwide, GTAV sells 100 Million” (英語). RockstarINTEL. (2018年11月7日) 2018年11月8日閲覧。
- ^ 18歳の少年が『Grand Theft Auto IV』を真似てタクシージャック−タイGame spark
- ^ 『GTA IV』 “飲酒運転”に対しMADDが非難声明 レーティングの変更を求めるGame spark
- ^ “「グランド・セフト・オート3」を有害図書類指定へ――神奈川県”. www.itmedia.co.jp. ITmedia (2005年5月30日). 2005年6月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月28日閲覧。
- ^ a b Inc, Aetas. “Access Accepted第644回:ダン・ハウザー氏が引退したRockstar Games。その歴史を振り返る”. www.4gamer.net. 2021年5月25日閲覧。
- ^ “2000万本以上を売り上げた伝説のパズルゲーム「レミングス」開発秘話を当時のゲームデザイナーが語る - GIGAZINE”. gigazine.net. 2021年5月26日閲覧。
- ^ “株式会社カプコン | プレスリリース 2003年度”. www.capcom.co.jp. 2021年5月25日閲覧。
- ^ “Rockstar acquires Dhruva Interactive from Starbreeze for $7.9m” (英語). GamesIndustry.biz. 2021年5月25日閲覧。
- ^ “Rockstar、CDPR、EAの3社がリモートワーク体制への移行を発表。コロナウイルスの影響を懸念したゲーム会社の選択”. news.denfaminicogamer.jp. 2021年5月25日閲覧。
- ^ “ロックスターが新型コロナ対策に『GTAオンライン』『レッド・デッド・オンライン』売上利益の5%を寄付すると発表”. GameBusiness.jp. 2021年5月25日閲覧。
- ^ Inc, Aetas. “ロックスター・ゲームスがCircoLocoとのパートナーシップを締結し,レコードレーベル“CircoLoco Records”を立ち上げ。第1弾EPは6月4日に配信”. www.4gamer.net. 2021年5月25日閲覧。
- ^ オタク産業通信編集部 (2021年5月25日). “Rockstar Games、レコードレーベル「CircoLoco Records」をCircoLocoと共同設立 | オタク産業通信 :ゲーム、マンガ、アニメ、ノベルの業界ニュース”. オタク産業通信. 2021年5月25日閲覧。
- ^ “『GTA 6』プレイ動画流出の疑いで17歳少年逮捕。Uber他への侵害にも関与か”. TechnoEdge テクノエッジ. 2022年10月3日閲覧。
- ^ “『GTA 6』内容リークは“本物”―ロックスターが疑惑に公式コメント“情報は漏れたが開発は予定通り進める””. Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト. 2022年10月3日閲覧。
- ^ Seals (2022年9月22日). “『GTA6』開発ビルド映像がハッキングで流出しFBIが捜査に乗り出す、Uberも被害”. EAA!! - FPS News. 2022年10月3日閲覧。
- ^ a b Kawase, Ayuo (2018年10月15日). “『レッド・デッド・リデンプション2』を完成させるために、チームは週に100時間働く時もあった。過酷な労働環境に賛否両論の声”. AUTOMATON. 2020年12月31日閲覧。
- ^ Inc, Aetas. “Rockstarの壊滅的な職業倫理”. jp.gamesindustry.biz. 2020年12月31日閲覧。
- ^ CNJ. “ゲーム業界には「普通の労働環境」が必要だ──米国で組合結成の動きが加速”. WIRED.jp. 2020年12月31日閲覧。
- ^ doope!. “Rockstarが2009年に発表した幻の新作「Agent」の商品ページを公式サイトから遂に削除 « doope! 国内外のゲーム情報サイト”. 2021年11月30日閲覧。
- ^ North, Rockstar. “Rockstar Games Social Club”. socialclub.rockstargames.com. 2019年3月22日閲覧。
- ^ a b c Inc, Aetas. “PCゲームランチャー「Rockstar Games Launcher」が登場。期間限定で「Grand Theft Auto: San Andreas」の無料配信も”. www.4gamer.net. 2019年11月9日閲覧。
- ^ “PCゲームランチャー「Rockstar Games Launcher」登場!『Grand Theft Auto: San Andreas』無料配信も”. Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト. 2019年11月9日閲覧。
- ^ a b c “Rockstar GamesがPCゲーム配信プラットフォーム「Rockstar Games Launcher」をリリース、ランチャー乱立時代の波に乗る”. 電ファミニコゲーマー – ゲームの面白い記事読んでみない?. 2019年11月9日閲覧。
- ^ Tane, Kiyoshi. “Rockstar Gamesが PC向け独自ランチャーをリリース。期間限定で「GTA SA」が無料でもらえる - Engadget Japanese”. Engadget JP. 2019年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月9日閲覧。
- ^ a b “ロックスター・ゲームスの最新PCゲームをDL&プレイできる“ROCKSTAR GAMES LAUNCHER”が登場。いまなら『GTA:サンアンドレアス』が無料で遊べる”. ファミ通.com. 2019年11月9日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Rockstar Games
- Rockstar Games
- Take-Two Interactive Software
- Rockstar Games (@rockstargames) - X(旧Twitter)
- Rockstar Games (rockstargames) - Facebook
- Rockstar Games (@rockstargames) - Instagram
- Rockstar Games - YouTubeチャンネル
- Rockstar Games 日本 - YouTubeチャンネル
- Rockstar Games - メディア芸術データベース