レビー小体
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レビー小体(レビーしょうたい、Lewy body)とは、神経細胞の内部に見られる異常な円形状の構造物(封入体)である。ドイツ生まれの神経学者であるフレデリック・レビー(Frederic H. Lewy)によって初めて発見された。
レビー小体は主にα-シヌクレインでできており、一部のパーキンソン病などとの関連も指摘されている。
概要
[編集]レビー小体は、中枢および末梢の神経細胞に出現する円形・好酸性の細胞質封入体で、染色すると中心部の芯(core)は濃く染まり周辺部の暈輪(うんりん)(halo)は明るく見える。電子顕微鏡では、中心部に緻密物質、周囲に放射状の細線維が認められる。物質構成としては、α-シヌクレインと、それに結合するユビキチン・ニューロフィラメントタンパク質・α-Bクリスタリンといったタンパク質から成る。レビー小体は、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン、アセチルコリンを分泌する神経細胞に好発するが、詳しい出現機序はよくわかっていない。
関連する病気
[編集]レビー小体が関係する病気としては、パーキンソン病、レビー小体型認知症(DLB)がある。パーキンソン病では、中脳の黒質緻密質のドーパミン神経が変性脱落したところにレビー小体ができる。その他、青斑核、迷走神経背側核、末梢の自律神経節にも好発する。一方、レビー小体型認知症では、大脳皮質やマイネルト核にもレビー小体が広く見られる。
レビー小体の進行
[編集]近年病理学的観察から、ドイツの病理学者であるハイコ・ブラークによりα-シヌクレインの蓄積が嗅球、延髄から始まり、徐々に上行して中脳に至り、最終的には大脳皮質に達するという仮説(ブラークの仮説)が提唱され[1]、議論されている。
脚注
[編集]- ^ Braak, Heiko; Del Tredici, Kelly (May 13, 2008). “Nervous system pathology in sporadic Parkinson disease”. Neurology (American Academy of Neurology) 70 (20): 1916 - 1925. doi:10.1212/01.wnl.0000312279.49272.9f. PMID 18474848.
参考文献
[編集]- 医学大辞典(2006年)(南山堂)ISBN 4-525-01029-0
外部リンク
[編集]- 科学技術振興機構 - レビー小体の顕微写真がある。
- 抗α-シヌクレイン抗体 診断病理と免疫組織化学総合データベース「いむ~の」(東京大学 岩坪威教授)