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レッド・カーペット・マサカー〜美しき深紅〜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『レッド・カーペット・マサカー〜美しき深紅〜』
デュラン・デュランスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル ロックニュー・ウェイヴシンセポップ
時間
レーベル エピック・レコード
プロデュース デュラン・デュラン、ネイト・ヒルズ、ジミー・ダグラス(#1, #2, #5, #7, #8, #10, #11, #12)
デュラン・デュラン、ネイト・ヒルズ、ティンバランドジャスティン・ティンバーレイク(#3)
ジャスティン・ティンバーレイク(#4)
デュラン・デュラン、ネイト・ヒルズ、ティンバランド(#6, #9)
ボーカル・プロダクション:ジム・ビーンズ(#5, #9, #10, #11, #12)
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 10位(イタリア[3]
  • 36位(アメリカ[4]
  • 39位(スイス[5]
  • 44位(イギリス[6]
  • 73位(オランダ[7]、日本[8]
  • 85位(ドイツ[9]
  • 145位(フランス[10]
  • デュラン・デュラン アルバム 年表
    アストロノート
    (2004年)
    レッド・カーペット・マサカー〜美しき深紅〜
    (2007年)
    Hammersmith '82!
    (2009年)
    テンプレートを表示

    レッド・カーペット・マサカー〜美しき深紅〜』(原題:Red Carpet Massacre)は、イギリスロックバンドデュラン・デュラン2007年に発表した、カヴァー・アルバムも含めれば通算12作目のスタジオ・アルバム

    背景

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    バンドは当初、『アストロノート』(2004年)に続く新作として、よりダークで政治色の強いアルバム『Reportage』の制作を進めており、ニック・ローズによればイラク戦争アフガニスタン紛争といった、世界の混乱に対する不満を反映した内容だったという[11]。それに対して、レーベル側はヒットを狙える曲がないことを危惧し、バンドは梃入れのため、一部の曲でティンバランドを共同プロデューサーとして招くことにした[11]。しかし、その方針に賛同できなかったギタリストのアンディ・テイラーが脱退を表明[12]。最終的には『Reportage』の制作は棚上げとなり、バンドはティンバランドの人脈を迎えて、一からアルバムを作り直した[11]。なお、ローズは本作リリース後の2008年、『Reportage』に関して「いつか発表したいと思っている。とても面白いアルバムで、鋭角的かつインディー・ロック色が強くて、明らかに俺達の初期のルーツに立ち返っているからね」と語っている[13]。また、ジョン・テイラーは2011年、ティンバランドの起用はレーベル主導だったと主張しており、「とんでもない悪夢だった」「同時期にアンディが出て行ったこともあって、ティンバランドの音作りは、以前の俺達と全然違う物になった」とコメントしている[14]

    収録曲「ナイト・ランナー」と「フォーリング・ダウン」の制作には、ティンバランドのプロデュースでデビューしたミュージシャン、ジャスティン・ティンバーレイクが貢献した[15]サイモン・ル・ボンによれば、本作からのリード・シングルとなった「フォーリング・ダウン」に関しては、ティンバーレイクはデュラン・デュランが1993年に発表した曲「オーディナリー・ワールド」のテンポや感触を意識していたが、バンド側はティンバーレイクのヒット曲「ワット・ゴーズ・アラウンド.../... カムズ・アラウンド」的な要素を取り入れることにしたという[15]

    2006年10月26日に開始されたアメリカ・ツアーでは、ドム(ドミニク)・ブラウンがサポート・ギタリストに起用されており、その時点では本作のタイトルは未定だった[16]

    日本盤に関しては、2007年9月の時点では同年11月7日に発売予定と報じられたが、その後11月21日に延期され、最終的には再度12月5日まで延期された[2]

    反響

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    バンドの母国イギリスでは、先行シングル「フォーリング・ダウン」が2007年11月24日付の全英シングルチャートで52位となるが、翌週にはトップ100圏外に落ちた[17]。そして、本作は全英アルバムチャートで3週トップ100入りするが、最高44位に終わった[6]

    イタリアでは「フォーリング・ダウン」がシングル・チャートで2位に達し、本作は同国のアルバム・チャートで10位を記録した[3]。アメリカのBillboard 200では36位に達し、前作『アストロノート』(2004年)に引き続き全米トップ40入りを果たした[4]

    評価

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    Matt Collarはオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け「興味深いことに、ボーカリストのサイモン・ル・ボン、キーボーディストのニック・ローズ、ベーシストのジョン・テイラー、ドラマーのロジャー・テイラーといったオリジナル・ラインナップ(ギタリストのアンディ・テイラーはレコーディング前に脱退)は、ザ・キラーズのように分かりやすいネオ・ニュー・ウェイヴへ向かうのではなく、ネイト・"ダンジャハンズ"・ヒルズやティンバランドといった現代的なダンス・ポップ系プロデューサーと組み、鋭角的でクラブ指向のルーツに立ち返ったのみならず、ジャスティン・ティンバーレイクやネリー・ファータドといったティンバランド人脈の現代的アーティストにも匹敵するほど、ラジオでもかかりやすいサウンドへのアップデートを行った」と評している[18]。Caroline Sullivanは『ガーディアン』紙のレビューで5点満点中3点を付け「グループはキーボーディストのニック・ローズが言うところの『グルーヴの要素』に注力して、その結果、彼らの作品の中でもより冒険的な一枚となり、グルーヴという意味では充実しているが、彼らの大ヒット曲の背景にあったメロディアスさには欠けている」と評している[19]。また、John BergstromはPopMattersにおいて「デュラン・デュランの作品の中でも、特に良い曲のコレクションの一つ」とする一方「全くデュラン・デュランらしくないアルバム」「『彼らがニュー・ウェイヴのルーツに立ち返った』と持ち上げられているが、実際にはデュラン・デュランの優れたアルバムをリミックスしたかのように響き、それ故、単に良いアルバムでしかなくなった」と評している[1]

    収録曲

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    特記なき楽曲は作詞がサイモン・ル・ボン、作曲がデュラン・デュランとネイト・ヒルズの共作による。

    1. ヴァリー – "The Valley" – 4:57
    2. レッド・カーペット・マサカー – "Red Carpet Massacre" – 3:16
    3. ナイト・ランナー – "Nite-Runner" – 3:58
    4. フォーリング・ダウン – "Falling Down" – 5:41
      • 作詞:サイモン・ル・ボン/作曲:デュラン・デュラン、ジャスティン・ティンバーレイク
    5. ボックス・フル・オブ・ハニー – "Box Full O' Honey" – 3:10
    6. スキン・ダイヴァーズ – "Skin Divers" – 4:23
      • 作詞:サイモン・ル・ボン、ティム・モズレー/作曲:デュラン・デュラン、ネイト・ヒルズ、ティム・モズレー
    7. テンプテッド – "Tempted" – 4:24
    8. トリックト・アウト – "Tricked Out" – 2:46
    9. ズーム・イン – "Zoom In" – 3:27
      • 作詞:サイモン・ル・ボン/作曲:デュラン・デュラン、ネイト・ヒルズ、ティム・モズレー
    10. シーズ・トゥー・マッチ – "She's Too Much" – 5:14
    11. ダーティ・グレイト・モンスター – "Dirty Great Monster" – 3:36
    12. ラスト・マン・スタンディング – "Last Man Standing" – 4:02

    日本盤ボーナス・トラック

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    1. クライ・ベイビー・クライ – "Cry Baby Cry" – 3:55

    デラックス・エディション盤DVD

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    7.は日本初回生産限定盤のみ収録のボーナス映像である[20]

    1. アルバム・レコーディング風景 - "The Album"
    2. アートワーク・撮影風景 - "The Artwork"
    3. ミュージック・ヴィデオ・収録 - "The Video"
    4. キャンペーン - "The Campaign"
    5. アウト-テイク(コメント集) - "The Out-Takes"
    6. 写真集 - "The Stills"
    7. 「フォーリング・ダウン」ミュージック・ヴィデオ - "Falling Down (Music Video)"

    参加ミュージシャン

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    アディショナル・ミュージシャン

    • ドミニク・ブラウン - ギター
    • マーセラ・アライカ - プログラミング(on #1)
    • ジャスティン・ティンバーレイク - アディショナル・ボーカル(on #3, #4)
    • ティンバランド - アディショナル・ボーカル(on #3, #6)
    • ジム・ビーンズ - アディショナル・ボーカル(on #3, #10)
    • テリー・ウォーカー - アディショナル・ボーカル(on #6)
    • サイモン・ウィルスクロフト - サクソフォーン(on #11)

    脚注

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    1. ^ a b c Bergstrom, John (2007年11月14日). “Duran Duran: Red Carpet Massacre”. PopMatters. 2020年5月1日閲覧。
    2. ^ a b デュラン・デュランの新作、日本発売決定”. CDJournal. 音楽出版社. 2020年5月1日閲覧。
    3. ^ a b italiancharts.com - Duran Duran - Red Carpet Massacre
    4. ^ a b Duran Duran - Awards”. AllMusic. 2016年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月1日閲覧。
    5. ^ Duran Duran - Red Carpet Massacre - hitparade.ch
    6. ^ a b Duran Duran | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
    7. ^ Duran Duran - Red Carpet Massacre - dutchcharts.nl
    8. ^ レッド・カーペット・マサカー〜美しき深紅〜 - デュラン・デュラン”. ORICON NEWS. 2020年5月1日閲覧。
    9. ^ Offizielle Deutsche Charts
    10. ^ lescharts.com - Duran Duran - Red Carpet Massacre
    11. ^ a b c Timbaland injects new sound into Duran Duran”. TODAY.com. NBC Universal (2007年11月16日). 2020年5月1日閲覧。
    12. ^ Andy Taylor talks beating stage 4 cancer, returning to the live stage… and what really happened with Duran Duran's lost 'Reportage' album” (英語). Yahoo Entertainment (2023年10月13日). 2023年10月30日閲覧。
    13. ^ Graff, Gary (2008年5月1日). “Duran Duran Teams With Mark Ronson For Concert”. Billboard. 2020年5月1日閲覧。
    14. ^ Duran Duran: 'Our Timbaland album was a fucking nightmare'”. NME. Time Inc. (UK) (2011年3月21日). 2020年5月1日閲覧。
    15. ^ a b Duran Duran discuss working with Timbaland and Timberlake”. NME. Time Inc. (UK) (2007年9月25日). 2020年5月1日閲覧。
    16. ^ Andy Taylor Splits With Duran Duran”. Billboard (2006年10月26日). 2020年5月1日閲覧。
    17. ^ Duran Duran | full Official Chart History | Official Charts Company
    18. ^ Collar, Matt. “Red Carpet Massacre - Duran Duran”. AllMusic. 2020年5月1日閲覧。
    19. ^ Sullivan, Caroline (2007年11月9日). “Duran Duran, Red Carpet Massacre”. The Guardian. Guardian News and Media. 2020年5月1日閲覧。
    20. ^ Duran Duran/レッド・カーペット・マサカー〜美しき深紅〜 (CD + DVD) <初回生産限定盤>”. Tower Records Japan. 2020年5月1日閲覧。

    外部リンク

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