レッド・カーペット・マサカー〜美しき深紅〜
『レッド・カーペット・マサカー〜美しき深紅〜』 | ||||
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デュラン・デュラン の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | ロック、ニュー・ウェイヴ、シンセポップ | |||
時間 | ||||
レーベル | エピック・レコード | |||
プロデュース |
デュラン・デュラン、ネイト・ヒルズ、ジミー・ダグラス(#1, #2, #5, #7, #8, #10, #11, #12) デュラン・デュラン、ネイト・ヒルズ、ティンバランド、ジャスティン・ティンバーレイク(#3) ジャスティン・ティンバーレイク(#4) デュラン・デュラン、ネイト・ヒルズ、ティンバランド(#6, #9) ボーカル・プロダクション:ジム・ビーンズ(#5, #9, #10, #11, #12) | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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デュラン・デュラン アルバム 年表 | ||||
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『レッド・カーペット・マサカー〜美しき深紅〜』(原題:Red Carpet Massacre)は、イギリスのロック・バンド、デュラン・デュランが2007年に発表した、カヴァー・アルバムも含めれば通算12作目のスタジオ・アルバム。
背景
[編集]バンドは当初、『アストロノート』(2004年)に続く新作として、よりダークで政治色の強いアルバム『Reportage』の制作を進めており、ニック・ローズによればイラク戦争やアフガニスタン紛争といった、世界の混乱に対する不満を反映した内容だったという[11]。それに対して、レーベル側はヒットを狙える曲がないことを危惧し、バンドは梃入れのため、一部の曲でティンバランドを共同プロデューサーとして招くことにした[11]。しかし、その方針に賛同できなかったギタリストのアンディ・テイラーが脱退を表明[12]。最終的には『Reportage』の制作は棚上げとなり、バンドはティンバランドの人脈を迎えて、一からアルバムを作り直した[11]。なお、ローズは本作リリース後の2008年、『Reportage』に関して「いつか発表したいと思っている。とても面白いアルバムで、鋭角的かつインディー・ロック色が強くて、明らかに俺達の初期のルーツに立ち返っているからね」と語っている[13]。また、ジョン・テイラーは2011年、ティンバランドの起用はレーベル主導だったと主張しており、「とんでもない悪夢だった」「同時期にアンディが出て行ったこともあって、ティンバランドの音作りは、以前の俺達と全然違う物になった」とコメントしている[14]。
収録曲「ナイト・ランナー」と「フォーリング・ダウン」の制作には、ティンバランドのプロデュースでデビューしたミュージシャン、ジャスティン・ティンバーレイクが貢献した[15]。サイモン・ル・ボンによれば、本作からのリード・シングルとなった「フォーリング・ダウン」に関しては、ティンバーレイクはデュラン・デュランが1993年に発表した曲「オーディナリー・ワールド」のテンポや感触を意識していたが、バンド側はティンバーレイクのヒット曲「ワット・ゴーズ・アラウンド.../... カムズ・アラウンド」的な要素を取り入れることにしたという[15]。
2006年10月26日に開始されたアメリカ・ツアーでは、ドム(ドミニク)・ブラウンがサポート・ギタリストに起用されており、その時点では本作のタイトルは未定だった[16]。
日本盤に関しては、2007年9月の時点では同年11月7日に発売予定と報じられたが、その後11月21日に延期され、最終的には再度12月5日まで延期された[2]。
反響
[編集]バンドの母国イギリスでは、先行シングル「フォーリング・ダウン」が2007年11月24日付の全英シングルチャートで52位となるが、翌週にはトップ100圏外に落ちた[17]。そして、本作は全英アルバムチャートで3週トップ100入りするが、最高44位に終わった[6]。
イタリアでは「フォーリング・ダウン」がシングル・チャートで2位に達し、本作は同国のアルバム・チャートで10位を記録した[3]。アメリカのBillboard 200では36位に達し、前作『アストロノート』(2004年)に引き続き全米トップ40入りを果たした[4]。
評価
[編集]Matt Collarはオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け「興味深いことに、ボーカリストのサイモン・ル・ボン、キーボーディストのニック・ローズ、ベーシストのジョン・テイラー、ドラマーのロジャー・テイラーといったオリジナル・ラインナップ(ギタリストのアンディ・テイラーはレコーディング前に脱退)は、ザ・キラーズのように分かりやすいネオ・ニュー・ウェイヴへ向かうのではなく、ネイト・"ダンジャハンズ"・ヒルズやティンバランドといった現代的なダンス・ポップ系プロデューサーと組み、鋭角的でクラブ指向のルーツに立ち返ったのみならず、ジャスティン・ティンバーレイクやネリー・ファータドといったティンバランド人脈の現代的アーティストにも匹敵するほど、ラジオでもかかりやすいサウンドへのアップデートを行った」と評している[18]。Caroline Sullivanは『ガーディアン』紙のレビューで5点満点中3点を付け「グループはキーボーディストのニック・ローズが言うところの『グルーヴの要素』に注力して、その結果、彼らの作品の中でもより冒険的な一枚となり、グルーヴという意味では充実しているが、彼らの大ヒット曲の背景にあったメロディアスさには欠けている」と評している[19]。また、John BergstromはPopMattersにおいて「デュラン・デュランの作品の中でも、特に良い曲のコレクションの一つ」とする一方「全くデュラン・デュランらしくないアルバム」「『彼らがニュー・ウェイヴのルーツに立ち返った』と持ち上げられているが、実際にはデュラン・デュランの優れたアルバムをリミックスしたかのように響き、それ故、単に良いアルバムでしかなくなった」と評している[1]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲は作詞がサイモン・ル・ボン、作曲がデュラン・デュランとネイト・ヒルズの共作による。
- ヴァリー – "The Valley" – 4:57
- レッド・カーペット・マサカー – "Red Carpet Massacre" – 3:16
- ナイト・ランナー – "Nite-Runner" – 3:58
- 作詞:サイモン・ル・ボン、ティム・モズレー、ジャスティン・ティンバーレイク/作曲:デュラン・デュラン、ネイト・ヒルズ、ティム・モズレー
- フォーリング・ダウン – "Falling Down" – 5:41
- 作詞:サイモン・ル・ボン/作曲:デュラン・デュラン、ジャスティン・ティンバーレイク
- ボックス・フル・オブ・ハニー – "Box Full O' Honey" – 3:10
- スキン・ダイヴァーズ – "Skin Divers" – 4:23
- 作詞:サイモン・ル・ボン、ティム・モズレー/作曲:デュラン・デュラン、ネイト・ヒルズ、ティム・モズレー
- テンプテッド – "Tempted" – 4:24
- トリックト・アウト – "Tricked Out" – 2:46
- ズーム・イン – "Zoom In" – 3:27
- 作詞:サイモン・ル・ボン/作曲:デュラン・デュラン、ネイト・ヒルズ、ティム・モズレー
- シーズ・トゥー・マッチ – "She's Too Much" – 5:14
- ダーティ・グレイト・モンスター – "Dirty Great Monster" – 3:36
- ラスト・マン・スタンディング – "Last Man Standing" – 4:02
日本盤ボーナス・トラック
[編集]- クライ・ベイビー・クライ – "Cry Baby Cry" – 3:55
デラックス・エディション盤DVD
[編集]7.は日本初回生産限定盤のみ収録のボーナス映像である[20]。
- アルバム・レコーディング風景 - "The Album"
- アートワーク・撮影風景 - "The Artwork"
- ミュージック・ヴィデオ・収録 - "The Video"
- キャンペーン - "The Campaign"
- アウト-テイク(コメント集) - "The Out-Takes"
- 写真集 - "The Stills"
- 「フォーリング・ダウン」ミュージック・ヴィデオ - "Falling Down (Music Video)"
参加ミュージシャン
[編集]アディショナル・ミュージシャン
- ドミニク・ブラウン - ギター
- マーセラ・アライカ - プログラミング(on #1)
- ジャスティン・ティンバーレイク - アディショナル・ボーカル(on #3, #4)
- ティンバランド - アディショナル・ボーカル(on #3, #6)
- ジム・ビーンズ - アディショナル・ボーカル(on #3, #10)
- テリー・ウォーカー - アディショナル・ボーカル(on #6)
- サイモン・ウィルスクロフト - サクソフォーン(on #11)
脚注
[編集]- ^ a b c Bergstrom, John (2007年11月14日). “Duran Duran: Red Carpet Massacre”. PopMatters. 2020年5月1日閲覧。
- ^ a b “デュラン・デュランの新作、日本発売決定”. CDJournal. 音楽出版社. 2020年5月1日閲覧。
- ^ a b italiancharts.com - Duran Duran - Red Carpet Massacre
- ^ a b “Duran Duran - Awards”. AllMusic. 2016年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月1日閲覧。
- ^ Duran Duran - Red Carpet Massacre - hitparade.ch
- ^ a b Duran Duran | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
- ^ Duran Duran - Red Carpet Massacre - dutchcharts.nl
- ^ “レッド・カーペット・マサカー〜美しき深紅〜 - デュラン・デュラン”. ORICON NEWS. 2020年5月1日閲覧。
- ^ Offizielle Deutsche Charts
- ^ lescharts.com - Duran Duran - Red Carpet Massacre
- ^ a b c “Timbaland injects new sound into Duran Duran”. TODAY.com. NBC Universal (2007年11月16日). 2020年5月1日閲覧。
- ^ “Andy Taylor talks beating stage 4 cancer, returning to the live stage… and what really happened with Duran Duran's lost 'Reportage' album” (英語). Yahoo Entertainment (2023年10月13日). 2023年10月30日閲覧。
- ^ Graff, Gary (2008年5月1日). “Duran Duran Teams With Mark Ronson For Concert”. Billboard. 2020年5月1日閲覧。
- ^ “Duran Duran: 'Our Timbaland album was a fucking nightmare'”. NME. Time Inc. (UK) (2011年3月21日). 2020年5月1日閲覧。
- ^ a b “Duran Duran discuss working with Timbaland and Timberlake”. NME. Time Inc. (UK) (2007年9月25日). 2020年5月1日閲覧。
- ^ “Andy Taylor Splits With Duran Duran”. Billboard (2006年10月26日). 2020年5月1日閲覧。
- ^ Duran Duran | full Official Chart History | Official Charts Company
- ^ Collar, Matt. “Red Carpet Massacre - Duran Duran”. AllMusic. 2020年5月1日閲覧。
- ^ Sullivan, Caroline (2007年11月9日). “Duran Duran, Red Carpet Massacre”. The Guardian. Guardian News and Media. 2020年5月1日閲覧。
- ^ “Duran Duran/レッド・カーペット・マサカー〜美しき深紅〜 (CD + DVD) <初回生産限定盤>”. Tower Records Japan. 2020年5月1日閲覧。
外部リンク
[編集]- レッド・カーペット・マサカー〜美しき深紅〜 - Discogs (発売一覧)