リバティ (デュラン・デュランのアルバム)
『リバティ』 | ||||
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デュラン・デュラン の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | ロック、ニュー・ウェイヴ、シンセポップ | |||
時間 | ||||
レーベル | パーロフォン | |||
プロデュース | クリス・キムゼイ、デュラン・デュラン | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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デュラン・デュラン アルバム 年表 | ||||
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『リバティ』(Liberty)は、イギリスのロック・バンド、デュラン・デュランが1990年に発表した6作目のスタジオ・アルバム。
背景
[編集]1986年よりサポート・ギタリストを務めてきたウォーレン・ククルロが、本作より正式メンバーとして加入した[5]。また、シンディ・ローパーのツアー・ドラマーを務めていたスターリング・キャンベルも新メンバーとして迎えられたが[6]、結果的にキャンベルは本作を最後に脱退した[5]。過去にマリリオンやローリング・ストーンズ等の作品を手がけてきたクリス・キムゼイが、プロデューサーに起用された[5]。
本作のリリースに先がけて、全メンバーがプロモーション・イヴェントのため訪日しているが[7]、本作のためのプロモーション・ツアーは行われなかった[5]。
反響
[編集]全英アルバムチャートでは4週トップ100入りし、最高8位を記録した[1]。本作からのシングル「夏のヴァイオレンス」は全英シングルチャートで20位、続く「シリアス」は48位を記録した[8]。
アメリカのBillboard 200では46位止まりとなり、デュラン・デュランのスタジオ・アルバムとしては初めて、全米トップ40入りを逃した[4]。シングル「夏のヴァイオレンス」はBillboard Hot 100で64位に達した[4]。
オランダのアルバム・チャートでは37位に達し、『セブン・アンド・ザ・ラグド・タイガー』(1983年)以降のスタジオ・アルバムとしては初めて、同国でトップ20入りを逃した[3]。また、デビュー当時よりデュラン・デュランの人気が高かったニュージーランドのアルバム・チャートでは、彼らのスタジオ・アルバムとしては初めて、トップ50圏内にも入らない結果となった[9]。
評価・影響
[編集]Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中1.5点を付け「ディスコからギター・ロック、更にモータウン、フィリー・ソウル、ニュー・ウェイヴの要素も加味され、何でもありとなっている。もし楽曲に恵まれていれば、こうした多様なスタイルが生かされたのだろうが、このレコードには、彼らの傑作に匹敵する曲はない」と評している[10]。また、David Medskerは2010年、「良く言ってもソングライティングの焦点が絞られておらず、悪く言えば"First Impression"はザ・ザの"Infected"の魂なきパクリで、"Hothead"のヴァースは彼ら自身の代表曲の一つ"Skin Trade"のパクリである」と批判する一方、「シリアス」に関しては「彼らの特に不当評価された曲の一つ」、バラードの「マイ・アンタークティカ」に関しては「もう一つの聴き所」と評価している[5]。
オランダのDJフェリー・コーステンは、2006年発表のシングル曲「Fire」で本作収録曲「シリアス」を引用しており[11]、サイモン・ル・ボンは、同作のためにボーカル・パートを新録音した[12]。
収録曲
[編集]全曲ともデュラン・デュラン作。
- 夏のヴァイオレンス – "Violence of Summer (Love's Taking Over)" – 4:22
- リバティ – "Liberty" – 5:01
- ホットヘッド – "Hothead" – 3:31
- シリアス – "Serious" – 4:21
- オール・アロング・ザ・ウォーター – "All Along the Water" – 3:51
- マイ・アンタークティカ – "My Antarctica" – 5:01
- ファースト・インプレッション – "First Impression" – 5:29
- リード・マイ・リップス – "Read My Lips" – 4:30
- キャン・ユー・ディール・ウィズ・イット – "Can You Deal with It" – 3:47
- ヴェニスの愛 – "Venice Drowning" – 5:13
- ダウンタウン – "Downtown" – 5:22
参加ミュージシャン
[編集]- サイモン・ル・ボン – ボーカル
- ニック・ローズ – キーボード
- ジョン・テイラー – ベース
- ウォーレン・ククルロ – ギター
- スターリング・キャンベル – ドラムス
アディショナル・ミュージシャン
- スタン・ハリスン - サクソフォーン
- ロディ・ロリマー - トランペット
- ルイス・ジャーディム - パーカッション
- テッサ・ナイルズ、キャロル・ケニオン、バーナード・ファウラー - バッキング・ボーカル
- ジョン・ジョーンズ - アディショナル・キーボード、プログラミング
- スパイク・エドニー - アディショナル・キーボード
脚注
[編集]- ^ a b Duran Duran | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
- ^ Duran Duran - Liberty - hitparade.ch
- ^ a b Duran Duran - Liberty - dutchcharts.nl
- ^ a b c “Duran Duran - Awards”. AllMusic. 2016年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月5日閲覧。
- ^ a b c d e Medsker, David (2010年8月16日). “Popdose Flashback '90: Duran Duran, "Liberty"”. Popdose. 2022年6月5日閲覧。
- ^ Greene, Andy (2020年12月8日). “Drummer Sterling Campbell on His Years With David Bowie, Duran Duran, and Soul Asylum”. Rolling Stone. 2022年6月5日閲覧。
- ^ 『アーカイヴ・シリーズVol.8 デュラン・デュラン』シンコー・ミュージック、2003年8月31日、179頁。ISBN 4-401-61821-1。
- ^ Duran Duran | full Official Chart History | Official Charts Company
- ^ charts.nz - Discography Duran Duran
- ^ Erlewine, Stephen Thomas. “Duran Duran Liberty Album Reviews, Songs & More”. AllMusic. 2022年6月5日閲覧。
- ^ “Simon Le Bon gets The Ferry Corsten Remix Treatment”. duranduran.com (2006年1月9日). 2022年6月5日閲覧。
- ^ Brandle, Lars (2018年1月22日). “10 Essential Duran Duran Deep Cuts”. Billboard. 2022年6月5日閲覧。