コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

リブチェスター (競走馬)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
リブチェスター
デヴィッド・W・アームストロング(左)とゴドルフィン(右)の勝負服
欧字表記 Ribchester
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2013年3月24日
Iffraaj
Mujarah
母の父 Marju
生国 アイルランドの旗 アイルランド
生産者 A. Thompson & M. O'Brien
馬主 David W. Armstrong
Godolphin
調教師 Richard Fahey(イギリス
競走成績
生涯成績 16戦6勝
獲得賞金 264万1449ポンド
テンプレートを表示

リブチェスターRibchester)は、アイルランドで生産されたイギリス競走馬である。2016年ジャック・ル・マロワ賞などマイルG1を4勝した。

戦績

[編集]

3歳時(2016年)

[編集]

デビュー8戦目はフランスのマイルG1ジャック・ル・マロワ賞に出走。この年の英2000ギニー勝ち馬ガリレオゴールドに次いで2番人気に支持された。道中はかかり気味になりながらも、鞍上が抑えて馬の後ろで折り合いをつけ、ラスト400mで外からスパート。残り200mで、内ラチ沿いで粘る地元のヴァダモスを半馬身かわして優勝。待望のG1初勝利を飾った[1]

続くG1クイーンエリザベス2世Sでは先頭でレースを進めると、直線で1番人気のマインディングに交わされ、残り1ハロンで2馬身ほど差をつけられるも、ライトニングスピアーの追撃を受けて再び盛り返し、2頭で競り合うようにしてマインディングとの差を詰めたが1/2馬身届かず2着となった[2]

4歳時(2017年)

[編集]

2017年初戦はメイダン競馬場で行われたドバイターフに出走。(JRAの単勝オッズで)2番人気に推されると、スタートから先頭に立ち800m通過タイム50秒33のゆったりとした流れでレースを引っ張った。 3コーナーでは同じゴドルフィンのベリースペシャルに先頭を譲ったが、 直線に向くと堂々と先頭に立った。しかし、休み明けと初めてとなるこの距離(芝1800m)がこたえたか、最後に失速し勝ち馬ヴィブロスから1馬身離れた3着に敗れた[3]

5月20日、8頭立てで行われたロッキンジSに出走。リブチェスターは先頭でレースを進め、中盤は馬群がほぼ変わらないまま叩き合いへと進んだ。残り200mからは好位置に付けたライトニングスピアーとの叩き合いとなるが、これに3 1/4馬身差をつけ圧勝[4]。この結果により、6月に発表されたワールド・ベスト・レースホース・ランキングで124ポンドの評価を受け、アロゲートウィンクスに次ぐ3位にランキングされた[5]

続くクイーンアンSでもムタケイエフに1 1/4馬身差をつけて勝利し、G1 3勝目を挙げた。騎乗したW.ビュイック騎手は「ロッキンジSの後にも言ったが、リブチェスターはとても多才で優秀なマイラー。ジョッキーにとっては夢のような馬だよ」と相棒を絶賛した[6]

マイルG1 3連勝をかけて挑んだサセックスSではG1 4勝の3歳馬チャーチルが回避したことで圧倒的人気となったが、ペースメーカーとして送り込まれたトスカニーニが出遅れたため先頭でレースを進めることになり、逃げ切りを図るも直線で7歳セン馬のヒアーカムズウェンに差しきられ2着に敗れた[7][8]

次走にはシャンティイ競馬場で行われたムーランドロンシャン賞を選択。主戦のW.ビュイックが8月のセクレタリアトステークスで落馬し重傷を負ったため[9]J.ドイルが7戦ぶりに騎乗した。レースは道中2番手を進み直線で抜け出すと、追い込んだターリーフ封じて優勝。断然の人気に応えた[10]

その後は予定通りクイーンエリザベス2世ステークスに出走。4番手付近追走から早めに先頭に立ち、そのまま逃げ切りを図ったが最後に4歳牝馬のパースウェイシヴに差しきられ、昨年に続き2着という結果に終わった[11][12]

ラストランに選んだブリーダーズカップマイルでは欧州勢代表として2番人気に支持されるも、直線で伸びきれず勝ち馬ワールドアプルーバルから1 3/4馬身離れた5着に終わった[13]。レース後、リブチェスターを管理するR.フェイヒー調教師は「こんな馬はなかなか現れるものではないし、彼はずっと素晴らしい競走馬だった。この着順はラストランがそうなったというだけだよ」と愛馬を労い、潔く敗戦を受け入れていた[14]

このレースを最後に引退したリブチェスターは2018年よりアイルランドにあるダーレーグループ傘下のキルダンガンスタッド種牡馬となる。初年度種付け料は3万ユーロ(約405万円)[15]

競走成績

[編集]
出走日 競馬場 競走名 距離 着順 騎手 着差 1着(2着)馬
2015.07.09 ドンカスター メイドンS 芝6f 2着 T.ハミルトン 3/4馬身 Melabi
.08.22 ヨーク ジムクラックS GII 芝6f 2着 T.ハミルトン 1 1/4馬身 Ajaya
.09.19 ニューベリー ミルリーフS GII 芝6f 1着 J.ドイル 1 1/4馬身 (Log Out Island)
2016.04.07 メゾンラフィット ジェベル賞 GIII 芝1400m 5着 J.ドイル 1 1/4馬身 Cheikeljack
.04.30 ニューマーケット 2000ギニー GI 芝8f 3着 W.ビュイック 3 1/2馬身 Galileo Gold
.06.15 アスコット ジャージーS GIII 芝7f 1着 W.ビュイック 2 1/4馬身 (Thikriyaat)
.07.27 グッドウッド サセックスS GI 芝8f 3着 J.ドイル 1/2馬身 The Gurkha
.08.14 ドーヴィル ジャック・ル・マロワ賞 GI 芝1600m 1着 W.ビュイック 1/2馬身 (Vadamos)
.10.15 アスコット クイーンエリザベス2世S GI 芝8f 2着 W.ビュイック 1/2馬身 Minding
2017.03.25 メイダン ドバイターフ GI 芝1800m 3着 W.ビュイック 3馬身 Vivlos
 .05.20 ニューベリー ロッキンジS GI 芝8f 1着 W.ビュイック 3 1/4馬身 (Lightning Spear)
.06.20 アスコット クイーンアンS GI 芝8f 1着 W.ビュイック 1 1/4馬身 (Mutakayyef)
.08.02 グッドウッド サセックスS GI 芝8f 2着 W.ビュイック クビ Here Comes When
.09.10 シャンティイ ムーラン・ド・ロンシャン賞 GI 芝1600m 1着 J.ドイル 3/4馬身 (Taareef)
.10.21 アスコット クイーンエリザベス2世S GI 芝8f 2着 W.ビュイック 1馬身 Persuasive
.11.04 デルマー ブリーダーズカップマイル GI 芝1600m 5着 W.ビュイック 1 3/4馬身 World Approval
  • "S"はステークスの略。

種牡馬時代

[編集]

主な産駒

[編集]

血統表

[編集]
リブチェスター血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ミスタープロスペクター系
[§ 2]

Iffraaj
鹿毛 2001
父の父
Zafonic
鹿毛 1990
Gone West
1984
Mr. Prospector
Secrettame
Zaizafon
栗毛 1982
The Minstrel
Mofida
父の母
Oastorale
1988
Nureyev
鹿毛 1977
Northern Dancer
Special
Park Appeal
1982
Ahonoora
Balidaress

Mujarah
鹿毛 2008
Marju
黒鹿毛 1988
Last Tycoon
黒鹿毛 1983
*トライマイベスト
Mill Princess
Flame of Tara
1980
*アーテイアス
Welsh Flame
母の母
Tanaghum
鹿毛 2000
Darshaan
黒鹿毛 1981
Shirley Heights
Delsy
Mehthaaf
1991
Nureyev
Ell Seule
母系(F-No.) (FN:4-m) [§ 3]
5代内の近親交配 Nureyev S3 x M4、
Northern Dancer S5 x S4 x M5 x M5、
Mill Reef M5 x M5
[§ 4]
出典
  1. ^ 血統情報:5代血統表|Ribchester (IRE)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2017年7月23日閲覧。
  2. ^ リブチェスターの血統表|競走馬データ - netkeiba.com”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2017年7月23日閲覧。
  3. ^ 血統情報:5代血統表|Ribchester (IRE)
  4. ^ 血統情報:5代血統表|Ribchester (IRE)


脚注

[編集]
  1. ^ 前哨戦紹介 ジャックルマロワ賞(G1) JRAホームページより 2017年8月3日閲覧
  2. ^ クイーンエリザベス2世S、マインディングが牡馬ねじ伏せG1を7勝目 JRA-VAN Ver.Worldより 2017年8月3日閲覧
  3. ^ 直線で一気の末脚! ドバイの地で華麗に舞ったヴィブロス JRAホームページより 2017年8月3日閲覧
  4. ^ Ribchester、NewburyでG1 2勝目! netkeiba.comより 2017年8月3日閲覧
  5. ^ The LONGINES World's Best Racehorse Rankings (for 3yos and upwards which raced between 1st January 2017 and 4th June 2017) IFHAホームページより 2017年8月3日閲覧
  6. ^ リブチェスターがマイルG1連勝、クイーンアンSも制す JRA-VAN Ver.Worldより 2017年8月3日閲覧
  7. ^ Here Comes Whenが、Ribchesterを下す netkeiba.comより 2017年8月3日閲覧
  8. ^ 注目レースの結果・回顧|World Race News.com World Race News.comより 2017年12月3日閲覧
  9. ^ Permian dies after Secretariat Stakes and jockey William Buick in hospital the guardian.comより 2017年12月3日閲覧
  10. ^ 【ムーランドロンシャン賞】リブチェスターが人気に応えてマイルGI4勝目 UMAJIN.netより 2017年12月3日閲覧
  11. ^ クイーンエリザベス2世S、パースウェイシヴがG1初制覇で有終の美 JRA-VAN Ver.Worldより 2017年12月3日閲覧
  12. ^ Ribchester 牝馬に敗れる netkeiba.comより 2017年12月3日閲覧
  13. ^ World Approval芝哩王に輝くnetkeibaより 2017年12月3日閲覧
  14. ^ ワールドアプルーバルがBCマイルを完勝、ラストランのリブチェスターは5着 JRA-VAN Ver.Worldより 2017年12月3日閲覧
  15. ^ 2018年ダーレーの種付料(欧州)【生産】公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナルより 2017年12月3日閲覧

外部リンク

[編集]