リカルド・ノルドローク追悼の葬送行進曲
『リカルド・ノルドローク追悼の葬送行進曲』(Sørgemarsj over Rikard Nordraak)EG 107は、エドヴァルド・グリーグが作曲した管楽オーケストラ(吹奏楽)のための作品。タイトルは『リカール・ノールロークのための葬送行進曲』と表記されることもある。
概要
[編集]グリーグは1歳年上の作曲家リカルド・ノルドロークと親しかった。民俗音楽に基づいた国民的な様式を確立しようというグリーグの野心は、ノルドロークとの友情に負うところが大きい。しかし、ノルドロークは1866年3月20日に23歳の若さで世を去り、その知らせを聞いたグリーグは悲しみに打ちひしがれた。このことを受けて、同年4月6日にグリーグはこの作品を作曲し、翌日にはトリオ部分を付け加えた。この葬送行進曲はその夏にピアノ独奏曲として出版されたが、グリーグは翌1867年にこれを金管楽器と打楽器のために編曲した。さらにその後、1880年代に当時の標準的な軍楽隊(吹奏楽)のために編曲し、大幅な改訂を加えてノルドロークの生誕50周年にあたる1892年に出版した。
現在は演奏されることが極端に少なく、演奏会で取り上げられることもほとんどない。
この曲にはヨハン・ハルヴォルセンの編曲によるオーケストラ版も存在し、これはグリーグ自身の葬儀の際に演奏された。
編成
[編集]木管 | 金管 | 弦・打 | |||
---|---|---|---|---|---|
Fl. | 1 (E♭), Picc. 1 (E♭) | Crnt. | 2 (E♭), Tp. 2 (E♭) | Cb. | |
Ob. | 2 | Hr. | 2 (E♭) | Timp. | |
Fg. | 2 | Tbn. | 2 (alto & tenor) | 他 | S.D., B.D., Cymb., Tam-t. |
Cl. | 2 (B♭), E♭ 2 | Eup. | |||
Sax. | Tub. | 2 |
構成
[編集]各1対のクラリネット(E♭管及びB♭管)、コルネット、トランペット、さらに2つのチューバを含んだ楽器法は、変ロ短調の主部の重々しい足どりにも、また長調の中間部の慰めるようなノルウェー風の旋律もうまく適ったものである。
演奏時間は約6分。なお、ピアノ版とハルヴォルセンのオーケストラ版はイ短調であるが、金管合奏版と軍楽隊版は変ロ短調に移調されている。