ランキン度
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ランキン度 | |
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記号 | °R, °Ra |
量 | 熱力学温度 |
語源 | ウィリアム・ランキン |
ランキン度(ランキンど、英語: degree Rankine、記号: °R, °Ra)は、ランキン温度目盛(英語: Rankine scale)の単位である。華氏(ファーレンハイト度)と同じ温度間隔で、絶対零度を 0 とする。蘭氏温度(らんしおんど)ともいう。
ランキン温度目盛は、1859年にグラスゴー大学の物理学者ウィリアム・ランキンが提案した熱力学温度の絶対温度目盛である[1]。1848年に提案されたケルビン温度目盛と同様に[1]、ランキン温度目盛の0は絶対零度であるが、ランキン温度目盛の1度の温度差は、ケルビン温度目盛で用いられているセルシウス温度(摂氏)ではなく、ファーレンハイト度(華氏)の1度に相当すると定義されている。したがって、0 K(-273.15℃)は0°R、-458.67°Fは1°Rに相当する。ランキン温度目盛は、熱計算を華氏で行う工学系で使用されている。
ランキン度の記号は °R である[2]が、頭文字が同じRであるレーマー度やレオミュール度と区別するために °Ra とする場合もある。国際単位系(SI)の単位であるケルビンとの類似性から、単位を「ランキン」と呼び、度の記号(°)を省略する場合もある[3][4]。
ランキン温度目盛と他の温度目盛との換算は以下のようになる。
ランキン度から | ランキン度へ | |
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セルシウス度 | [°C] = ([°R] − 491.67) × 5⁄9 | [°R] = ([°C] + 273.15) × 9⁄5 |
ファーレンハイト度 | [°F] = [°R] − 459.67 | [°R] = [°F] + 459.67 |
ケルビン | [K] = [°R] × 5⁄9 | [°R] = [K] × 9⁄5 |
温度の間隔は以下のようになっている。 1 °R = 1 °F = 5⁄9 °C = 5⁄9 K 他の温度の単位への換算 |
ケルビン | セルシウス度 | ファーレンハイト度 | ランキン度 | ドリール度 | ニュートン度 | レオミュール度 | レーマー度 | |
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絶対零度 | 0 | −273.15 | −459.67 | 0 | 559.725 | −90.14 | −218.52 | −135.90 |
地球表面の最低気温(※1) | 183.95 | −89.2 | −128.56 | 331.11 | 283.8 | −29.436 | −71.36 | −39.33 |
ファーレンハイトの寒剤 | 255.37 | −17.78 | 0 | 459.67 | 176.67 | −5.87 | −14.22 | −1.83 |
水の融点(標準状態下) | 273.15 | 0 | 32 | 491.67 | 150 | 0 | 0 | 7.5 |
地球表面の平均気温 | 288 | 15 | 59 | 518.67 | 127.5 | 4.95 | 12 | 15.375 |
人間の平均体温 | 309.95 | 36.8 | 98.24 | 557.91 | 94.8 | 12.144 | 29.44 | 26.82 |
地球表面の最高気温(※2) | 329.85 | 56.7 | 134.06 | 593.73 | 64.95 | 18.711 | 45.36 | 37.268 |
水の沸点(標準状態下) | 373.15 | 100 | 212 | 671.67 | 0 | 33 | 80 | 60 |
チタンの融点 | 1941 | 1668 | 3034 | 3494 | −2352 | 550 | 1334 | 883 |
太陽の表面温度 | 5800 | 5526 | 9980 | 10440 | −8140 | 1823 | 4421 | 2909 |
脚注
[編集]- ^ a b "Rankine". Merriam-Webster Dictionary. 2019年11月7日閲覧。
- ^ B.8 Factors for Units Listed Alphabetically from Thompson & Taylor 2008, pp. 45–69
- ^ Pauken 2011, p. 20
- ^ Balmer 2011, p. 10
情報源
[編集]- Balmer, Robert (2011). Modern Engineering Thermodynamics. Oxford: Elsevier Inc.. ISBN 978-0-12-374996-3
- Magnum, B.W. (June 1995). “Reproducibility of the Temperature of the Ice Point in Routine Measurements” (PDF). Nist Technical Note 1411. オリジナルの2007-03-07時点におけるアーカイブ。 2007年2月11日閲覧。.
- Pauken, Michael (2011). Thermodynamics For Dummies. Indianapolis: Wiley Publishing Inc.. ISBN 978-1-118-00291-9
- Thompson, Ambler (2008年). “Guide for the use of the International System of Units (SI)” (英語). doi:10.6028/nist.sp.811e2008. 2019年11月7日閲覧。